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戦うことを忘れた武装神姫-27 - (2007/03/13 (火) 00:17:13) の1つ前との変更点
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**戦うことを忘れた武装神姫 その27
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・・・T市のとある居酒屋。
カウンターで兎子を前に酒を飲んでいた男に、隣に座るストラーフを連れた男
が話しかけてきた。。。
・ ・ ・
-おや、あなたも神姫をもっているのですか。 珍しい配色ですね、なんとも
美しい空色で・・・特殊強化塗装で○万・・・? いやはや、その愛情に脱帽
ですわ。 今日がここは初めて・・・そりゃどうも、どうぞよろしく。
-はぁ、ここには神姫愛好者が多く集まるから情報を集めるにはいいと言われ
た・・・ なるなる、そうですか。 ほぉ、K屋のリーグで5位に入賞したの
ですか・・・それはおめでとうございます。
-え? ウチ? いえいえ、ウチらはバトルはしないんですよ。造った装備の
試験とかで、草リーグに遊びに出ることはありますけどねー。
-・・・何で戦わないかって?
-うーん・・・手っ取り早く言えば、神姫がかわいそうなんですよ。考えても
みてくださいよ。いくら自分で育てたとはいえ、そいつらを戦わせるんですよ?
-ほら、今も長寿番組でやってるアレ、モンスターを戦わせる、ゲームが元の
アニメ- あれもウチはあんまし好きにはなれないんですよ。 結局、オーナー
だのマスターだのの、道具でしかない存在でしょ、あれじゃ。
-道具じゃなくて、パートナー? たしかにそうですよね。 でもね、自分の
手を汚すことなく離れたところで必死に戦うのを観戦して、勝ったの負けたの
を騒ぐのはすごく納得がいかな・・・ おっと、これは言いすぎですな。
-そんな怖い顔しないでくださいって。 ひとつの考え方としてさらりと流し
てくださいって。
-あ、すんません、生中ひとつとライチサワーを。 あ、おごりですよ。気に
せずぐっと行って下さい。ともかく武装神姫ってぇのは、神姫のプロジェクト
の中のひとつなわけだし、神姫自体は無理に戦う必要なんて何もないと思うん
です。 そうでしょ?
-ま、場合によっては神姫自身が宣戦布告したりすることもありますけどね。
少し前にウチの連中も一戦やりましたけれど、あれなんて、こいつがその店の
トップランカーにけんか売っちゃっ・・・い、いでででっ!!!
( -ストラーフが、彼の指の股を力いっぱい広げる- )
-悪かったよ、山崎とってやるから許せって。 すんません、山崎12年ロック、
ひとつお願いします。 ・・・あ、そうなんです。 呑んだり食ったりできる
ようにちょっといじってありまして。
( -彼が届けられた山崎ロックを差し出すと、うまそうにすするストラーフ- )
-こいつとの出会いはちょっと特殊だったけれど、ほかの3人はみな一目惚れ
ですよ。
-最初は犬猫でしたね。神姫って何かを知らずに買ったんです。 起動させる
まで、そう、説明書を読んだ段階では、あくまで戦うロボットという認識しか
なかったんですけれどね。 起動させてからはもうダメ。傍に居るパートナー
になっちゃったわけで。
-はいはい、おかわりね。お前は前科があるから、あとはサワーを呑むように。
文句いわなーい。
( -ストラーフの空いた山崎のグラスにサワーを取り分ける彼- )
-ありゃ、兎子が泣いてる? ・・・申し訳ないです、なんかせっかくの勝利
ムードに水差すようなことをしゃべっちゃって・・え? 違う?
( -ストラーフが彼に告げる、兎子は今までマスターがなぜそこまで自分に
手をかけていてくれたか、その「愛情」に気づいたんだ、と- )
-そこの兎子さん、あなたの中ではどんな存在で- ?
-でしょ? ね? そこがウチらは言いたかったわけなんですよ!!
-いや、いやいやいや、そんなにお礼を言われても・・・そういう人間じゃあ
ないですって、ウチは。。。 兎子さんも、そんなに頭下げな・・・ってリゼ!
女王様するんじゃない!! ったく・・・
-ここで語ったのも何かの縁、もうちょっと呑みましょうか。
-ウチがおごりますって。 いやはや・・・じゃぁ、割り勘で!
-そうそう。ウチの知り合いに優秀な神姫のメンテ屋が居ましてね・・・
彼らの話は、終電近くまで続いたという。
・ ・ ・
それから数ヶ月の後。
K屋のリーグのトップに、ヴァッフェバニーの名があった。
マスターの愛情をたっぷりと注がれたそのヴァッフェバニーは、その後に公式
リーグでも幾多の勝利を収める、碧空のスナイパーの異名を持つまでになった。
メディアで、インタビューを受けるたびに彼は言ったという。
あの居酒屋であの人に出会わなければ、小さくも大きな「神姫」の「存在」に
気づかせてくれたあの夜がなければ、今の僕と碧空のヴァッフェバニーは存在
しなかっただろう、と- 。
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[[<<トップ へ戻る<<>戦うことを忘れた武装神姫]]
**戦うことを忘れた武装神姫 その27
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・・・T市のとある居酒屋。
カウンターで兎子を前に酒を飲んでいた男に、隣に座るストラーフを連れた男
が話しかけてきた。。。
・ ・ ・
-おや、あなたも神姫をもっているのですか。 珍しい配色ですね、なんとも
美しい空色で・・・特殊強化塗装で○万・・・? いやはや、その愛情に脱帽
ですわ。 今日がここは初めて・・・そりゃどうも、どうぞよろしく。
-はぁ、ここには神姫愛好者が多く集まるから情報を集めるにはいいと言われ
た・・・ なるなる、そうですか。 ほぉ、K屋のリーグで5位に入賞したの
ですか・・・それはおめでとうございます。
-え? ウチ? いえいえ、ウチらはバトルはしないんですよ。造った装備の
試験とかで、草リーグに遊びに出ることはありますけどねー。
-・・・何で戦わないかって?
-うーん・・・手っ取り早く言えば、神姫がかわいそうなんですよ。考えても
みてくださいよ。いくら自分で育てたとはいえ、そいつらを戦わせるんですよ?
-ほら、今も長寿番組でやってるアレ、モンスターを戦わせる、ゲームが元の
アニメ- あれもウチはあんまし好きにはなれないんですよ。 結局、オーナー
だのマスターだのの、道具でしかない存在でしょ、あれじゃ。
-道具じゃなくて、パートナー? たしかにそうですよね。 でもね、自分の
手を汚すことなく離れたところで必死に戦うのを観戦して、勝ったの負けたの
を騒ぐのはすごく納得がいかな・・・ おっと、これは言いすぎですな。
-そんな怖い顔しないでくださいって。 ひとつの考え方としてさらりと流し
てくださいって。
-あ、すんません、生中ひとつとライチサワーを。 あ、おごりですよ。気に
せずぐっと行って下さい。ともかく武装神姫ってぇのは、神姫のプロジェクト
の中のひとつなわけだし、神姫自体は無理に戦う必要なんて何もないと思うん
です。 そうでしょ?
-ま、場合によっては神姫自身が宣戦布告したりすることもありますけどね。
少し前にウチの連中も一戦やりましたけれど、あれなんて、こいつがその店の
トップランカーにけんか売っちゃっ・・・い、いでででっ!!!
( -ストラーフが、彼の指の股を力いっぱい広げる- )
-悪かったよ、山崎とってやるから許せって。 すんません、山崎12年ロック、
ひとつお願いします。 ・・・あ、そうなんです。 呑んだり食ったりできる
ようにちょっといじってありまして。
( -彼が届けられた山崎ロックを差し出すと、うまそうにすするストラーフ- )
-こいつとの出会いはちょっと特殊だったけれど、ほかの3人はみな一目惚れ
ですよ。
-最初は犬猫でしたね。神姫って何かを知らずに買ったんです。 起動させる
まで、そう、説明書を読んだ段階では、あくまで戦うロボットという認識しか
なかったんですけれどね。 起動させてからはもうダメ。傍に居るパートナー
になっちゃったわけで。
-はいはい、おかわりね。お前は前科があるから、あとはサワーを呑むように。
文句いわなーい。
( -ストラーフの空いた山崎のグラスにサワーを取り分ける彼- )
-ありゃ、兎子が泣いてる? ・・・申し訳ないです、なんかせっかくの勝利
ムードに水差すようなことをしゃべっちゃって・・え? 違う?
( -ストラーフが彼に告げる、兎子は今までマスターがなぜそこまで自分に
手をかけていてくれたか、その「愛情」に気づいたんだ、と- )
-そこの兎子さん、あなたの中ではどんな存在で- ?
-でしょ? ね? そこがウチらは言いたかったわけなんですよ!!
-いや、いやいやいや、そんなにお礼を言われても・・・そういう人間じゃあ
ないですって、ウチは。。。 兎子さんも、そんなに頭下げな・・・ってリゼ!
女王様するんじゃない!! ったく・・・
-ここで語ったのも何かの縁、もうちょっと呑みましょうか。
-ウチがおごりますって。 いやはや・・・じゃぁ、割り勘で!
-そうそう。ウチの知り合いに優秀な神姫のメンテ屋が居ましてね・・・
彼らの話は、終電近くまで続いたという。
・ ・ ・
それから数ヶ月の後。
K屋のリーグのトップに、ヴァッフェバニーの名があった。
マスターの愛情をたっぷりと注がれたそのヴァッフェバニーは、その後に公式
リーグでも幾多の勝利を収める、碧空のスナイパーの異名を持つまでになった。
メディアで、インタビューを受けるたびに彼は言ったという。
あの居酒屋であの人に出会わなければ、小さくも大きな「神姫」の「存在」に
気づかせてくれたあの夜がなければ、今の僕と碧空のヴァッフェバニーは存在
しなかっただろう、と- 。
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