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EXECUTION-Another 05-『TaxingDismantling』 - (2007/04/22 (日) 22:32:22) の編集履歴(バックアップ)
―PM:15:12 March XX. 203X.
―North Passage, 2F.
(「爆弾そのものの殺傷力を考えれば巻き込めるかもしれないが、確実ではない……)
烈風が五つ目の制御装置を解除して次の爆弾を探しに行く途中、ミラは『皇帝』の解体の時に聞いた連山の言葉がずっと引っかかっていた。
『皇帝』の逆位置に皮肉の意味を込めているのなら何故、鳳条院グループ会長の席に仕掛けなかったのだろうか。それとも、その鶴畑コンツェルンが見立てにふさわしいと『アルカナ』は考えていたのだろうか。
「…おい、ミラ」
(「どう言う人物か知らないが、鶴畑も『アルカナ』に狙われているのか? だが、『アルカナ』は知る者のみ知る凶悪犯。鶴畑以外の誰にも、この大会との関連を悟られる訳にはいかない」)
「コラ、聞いてんのか?」
苛々して烈風が小突くが、ミラは考え事に夢中だった。
(「爆弾の設置箇所からして、4と言う数字に見立てたものとは考えられない。やはり、逆位置の意味をそのまま見立て、要は自業自得だった……そんな馬鹿な、見立てとして『皇帝』に最も相応しいのは兼房様の筈だ。だがそれを否定された以上、怨恨の線も考えた方がいいかもしれないな……」)
「いい加減にしやがれっ!!」
首筋が強烈に痛む。烈風の膝と脛の二段蹴りが決まったようだ。ミラは思わず蹲った。
「痛たた…悪かった烈風」
「考え事ばっかしていると肝心な事を見落としちまうぜ?」
烈風は空中で羽ばたきながら、胡坐をかいて呆れかえっていた。
「そうだったな。『女帝』に『皇帝』と続けば、その子供の『戦車』だ。カードに込められた意味を曲解しても場所として当てはめるのは困難だ。戦いと関係のある場所に無ければ、恐らく親二人がいた位置と関係するかもしれない」
「放送室と賓室のその間…とかってオチじゃねぇの?」
埃を払いつつ起き上がったミラの肩に着地しながら烈風は言った。
「そうだとすると、壁の中に爆弾がある事になる」
「んじゃ、地下か上の大体その辺りとかって」
「その線も厳しいな。上はそのままドームになっているし、地下も見取り図に従えば通路に……いや待て、地下か」
ふと何かが思い立ったらしく、ミラは地下へ降りる為の非常口を探し出した。
「な、何だよ急にっ!?」
「『女帝』が3、『皇帝』が4。カードの意味としてもっとも近しいものを意味するならV.B.B.S.筐体だ。無論、午前中に調べたからそこには無かったが、その地下にはV.B.B.S.筐体の管理室がある」
言いながらミラは非常階段を下りる。
その途中で烈風が、
「ミラぁ…オマエやっぱ、頭の中に地図でも埋まってんじゃねぇか?」
「もの覚えの問題だ。それに、覚えれば良いだけの事をいちいち所持していたら、唯の荷物だろう」
半ば呆れる烈風と、確信を持ったミラだった。
ANOTHER PHASE-05
『TaxingDismantling』
To be continued...
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