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妄想神姫:第四十章(中編) - (2007/08/13 (月) 20:53:56) のソース
**蒼天にて、星を描きし者(中編) ---- 会話によって、敵神姫……狛恵さんの砲撃は、一旦止みました。ここから わたしは反撃を開始しましたの!腰のジャマダハル・ライナストを抜き、 片膝立ちのポーズで構えて……じっくり狙いを、定めますの。そしてっ! 「“放て”、ライナストッ!」 「うぁっ!?ぷ、プラズマライフル……まさか、あのサイズで!?」 「ただの剣だと思っちゃいけませんのッ、フィオナ!」 『Yes,sir(了解しました)』 わたしの剣から放たれた雷撃は、手にあった銃器を吹き飛ばしましたの。 その隙にフィオナはUFOの様な姿から、銃を持つ騎士の姿になります。 この銃は、“ジェスター・フィギュア”の背部ブースターが変形した物。 あくまでも“アルファル”は、己の躯のみで神姫を助ける存在ですのッ! 「さぁ、撃ち合いといきましょう。お互い全力ですの、ね?」 「受けて立ちますッ!ドラドラドラドラドラドラドラドラァァッ!!」 「フィオナ、徐々に距離を詰めます!付いてきて下さいですのッ!」 『Yes,sir(お供しましょう)』 ここからは、正真正銘真っ向からの撃ち合いですの!服の中に仕込まれた 急速移動ブースターを駆使して砲撃をかいくぐり、雷撃を打ちますのッ! フィオナも同様に、全身のブースターを使って揺れる様に攻撃を避けつつ 手に握られたリニアレールガンで、狛恵さんの装甲を徐々に削りますの。 砲撃姿勢が災いして、あちらは避けるより撃ち返す方が多い状態ですの♪ 「くっ、ぐ……なんの!こっちのぷちモドキは、一撃が弱いです!」 「……流石に、サードとは言えトップクラスだと分析も冷静ですのっ」 「どういう理屈かは知らないですけど、所詮はぷちッ!ドララァッ!!」 「フィオナに、弾薬が……!大丈夫ですの!?」 『No,sir(ご心配には及びません)』 とは言え流石に強敵らしく、距離をあちらも詰めてきましたの。しかも フィオナがぷちの系譜である事を見抜いて、そちらを牽制しつつ……。 これはわたしに取っての勝機であり、あちらにとってもそうでしたの! こちらがフィオナに気を取られた瞬間、狛江さんは分解して隠していた 剣を組み立て、斬りかかってきましたの!これは……避けられない!? 「ぷちの心配を、している場合ですかっ!せぁぁっ!」 「え!?きゃうぅっ……!!痛……しまった!?」 『ロッテッ!?』 四脚の強みを活かしたチャージングで、わたしは吹き飛ばされましたの! フィオナと距離が空き、狛恵さんと互いに剣を突きつけ合う体勢です…… けど、わたしは尻餅を付いたままですの。このままは正直不利ですのッ。 でもわたしには、この状態でも十分な算段がありましたの……何故なら! 「所詮、ぷちに頼った戦術になんか慣れていないですよ!天使型は!」 「……フィオナをただのぷちと思っちゃいけませんの、フィオナッ!!」 『Yes,sir(すぐに救援します)』 「……え?ぷちが、サーフボードみたいに……変形して!?うわっ!?」 わたしと深く繋がり、痛みを共有出来る彼女は……立派な相棒ですから! そのフィオナはサーフボード形態“サーファー・フィギュア”に変形し、 地面をホバー滑走して、狛恵さんを薙ぎ倒してくれましたの♪わたしは、 飛んできたフィオナに掴まって距離を十分取り……報復に移りましたの! 「フィオナは、わたしの為に生まれてきた唯一無二の相棒ですのッ!」 『Yes,sir(御意志に沿いましょう)』 「いたた……って、え!?今度は、サーフボードが……キャノン!?」 掴まっているわたしの手中で、盾の様なボードは一瞬で分裂しました。 中心のドラム型フレームを軸にアームで繋がった部品が組み換えられ、 フィオナは瞬時にバイポッド付きのレーザーキャノンになりましたの! それと同時に、推進に使っていたエネルギーが全て砲撃に回されて…… ポップアップしたレーザーサイトも、狛恵さんの腹部を捉えましたの! 「“スナイパー・フィギュア”、ターゲットロック……フォイエル!」 『Yes,sir(レーザー集束完了、発射します)』 「う、うわぁぁあああ~っ!?う、く……UFOが人型になって……」 「そしてホバー式のサーフボードから、ロングレンジライフルですの♪」 若干弧を描いた光の槍が、狛恵さんをシールドごと吹き飛ばしましたの! 出力としてはLC3に若干劣りますけど、それでも狙撃には十分ですの。 むしろ“専門分野”に劣る性能を使いこなす事こそ、アルファルの真髄! それを示す為にわたしは、ライフルを天高く放り上げて変形させますの。 「そのぷちは、一体……一体、なんなのですかっ!?」 「ぷちじゃないですの。“アルファル”は、わたし達の為にある騎士!」 『Yes,sir(受け入れ態勢完了、合体モードに以降出来ます)』 「おお、おおっ!?今度は……翼の生えた、鎧……“Valkyrja”!?」 「ふふ……その名前を覚えていてもらえるのは、光栄ですの♪」 盾と槍に騎士と使い魔、そして鎧と武器……様々な姿に変じる絡繰りこそ アルファルが“魔女の箒(ブルーム)”のコードネームを持つ所以であり、 フィオナ達の存在意義でもあり、わたし達が使うべき最新の武器ですの! こうして“Valkyrja”の姿を受け継いだアーマーと翼に変じる事からも、 それは分かりますの。そして、手には“魔剣”ライナスト。完璧ですの♪ 「この姿をわたしが取ったなら……もう負けはありませんのッ!」 「なんのこれしきっ!この狛恵!正々堂々、参りますッ!!」 「いざ、受けて立ちますのッ!!!」 ──────今こそ戦乙女を越える時、ですの! ---- [[次に進む>妄想神姫:第四十章(後編)]]/[[メインメニューへ戻る>妄想神姫]]