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SHINKI/NEAR TO YOU
良い子のポニーお子様劇場・オマケ
『ぶるーめんばいちゅの日常』
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――人々に愛を笑いを振りまく神姫センターのアイドル、
ブルーメンヴァイス。
人々に感動を与える彼女らの影には、
人に語れぬ汗と涙のドラマがあった。
これはそんな愉快な出来事のゲシュヴィッツ(無駄話)。
それは夏が間近にせまった とある日――
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目の前には神姫用の水着があった。
来客を楽しませることと、宣伝のための目引き効果を狙って一流デザイナーにプロデュースしてもらったという。そのデザインは先鋭的といいうか、コンセプトに忠実というか……
「なんか、えちぃね~☆」
「そ……そんなことはないわ。これが最善で最良で、最先端で……つまりは一番ってことなのよ。す……素敵じゃ、ない?」
「なら、まずはフィシスが着てみるべき。リーダーの務め」
「!……そんなことはないわ。みんなで一緒にしましょ。チームワークが大切よ」
そのフィシスの反応を見て、白雪――にんまり。白夜――愉しげに。
「おやおや、そんなことを言うなんて……」
「フィたん、恥ずかしいの~? にやにや」
「そんなことはないわ。その……フィはただ、どうせならみんな一緒の方がいいかと……」
フィシス……平静を装うのが、返って動揺を証明。
白雪&白夜、にやにや。「素敵な水着なんでしょ☆」「まずは言ったものが実践するが常道」
***
「ほ……ほら。やっぱり素敵な水着だわ。こ……これでビジターもきっと喜んでくれるでしょうね!」
流行の最先端で最善で最良な水着――きわどい黒と白のセパレート的超ハイレグ――を着たフィシス。
必要最低限の部分だけ隠した、ある意味では水着の機能を必要最低限だけ保持した――別の意味ではその機能を最大限に発揮したシロモノ。
自然に赤らむ頬に、押し隠した羞恥への可能な限りの抵抗としてボディの上や下のメリハリの効いた箇所に添えられる手。それでも隠し切れないものをどうにかしようと、手段を講ずる体――結果として、あっちにくねくね、こっちにくねくね。
流れる銀糸の髪、薄く上気した顔、潤んだルビーのように紅い瞳。その均整さ、美しさを爆発的に主張するような、肢体。まるで芳醇な果実を思わせる、艶に彩られたフィシス。
その姿に同じ武装神姫ながら圧倒された白雪と白夜は、しかしその過剰なまでの「攻撃」を何とか耐えしのぎ、持ち前の意地悪さと無邪気さを発揮する。
「だめだよ、フィたん☆ そんな風に隠しちゃ」「肝心の水着がよく見えない。問題あり」
「――――!」
ふたりに指摘されたフィシスは、カッと顔を真っ赤に染める。涙ぐんだ表情――観念と自棄とかそんないろいろなものがこう入り混じったカンジ――でキッをふたりを睨むと、
「これで、いいんでしょう――っ!」
「おおおう×2」
そこに現れたのは、完璧な姿だった。
美しき肢体と、芸術的な水着によって作り出される、物質的な色香と美。
羞恥、ためらい、そうした感情をすべて乗り越え、そして到達された何かを乗り越えるという気高き魂、凄絶なまでの精神的な高揚と美。
完璧だった。
すべての量子、非線形方定式、そのほか宇宙の神秘とかなんかこういろいろなものが複雑な焦点を結ぶことによって生まれた奇蹟がそこにあった。
白雪と白夜は泣いた。
読者も泣いた、筆者も泣いた。
オール・ワールド・ザ・スタンディング・オべーション!
そのなか、フィシスだけは全てを越えた者こそが辿り着ける、無垢なる微笑をその身に称えていた……。
その日の夜。
フィシスは泣いた。
白雪と白夜のいないところで、影でこっそり泣いた。
身をくるめ、自らの身を抱きしめながら、しくしく泣いた。
全てを越えた代償がそこにあった。
***
後日、なんかいろいろ関係各所からの意見とかで水着を使ったステージは保留。当分はやらない――水着も一転、無用の長物に……といったことが淡々と告げられた。
フィシスが眠りから起動した後のクレイドルは、何故か水に濡れていたという。
それはなんともキレイな、なんの不純物も要さない、無垢なる純水だったそうな――。
『ぶるーめんばいちゅの日常』良い子のポニーお子様劇場・オマケ//fin
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