戦うことを忘れた武装神姫 その41
係長という肩書きにより、取引先からいただく事が出来た高級ビールが、いくら探しても見当たらない。昨晩まで、たしかにこのテーブルの上にあったのに。
諦めて、麦茶にしようと冷蔵庫へ向かったそのときだった。
諦めて、麦茶にしようと冷蔵庫へ向かったそのときだった。
がたん、どす!
中身の入った飲料缶が落ちる音がした。
振り返ると、そこには小さなロボットがビールの缶に半ば押しつぶされるかのごとく倒れている。
振り返ると、そこには小さなロボットがビールの缶に半ば押しつぶされるかのごとく倒れている。
「・・・ディーニャ・・・ お前、何してたんだ?」
マオチャオ型をベースに東杜田技研で試作されたMMS、type T-TAK「ディーニャ」。
白色に緑色のペイントが施された素体、髪はロングのアップポニー。アタマには大型のはんぺんネコミミを装着し、手にはにくきゅうグローブを装着しつつも、目と口元にはマオチャオの面影が色濃く残る。
マオチャオ型をベースに東杜田技研で試作されたMMS、type T-TAK「ディーニャ」。
白色に緑色のペイントが施された素体、髪はロングのアップポニー。アタマには大型のはんぺんネコミミを装着し、手にはにくきゅうグローブを装着しつつも、目と口元にはマオチャオの面影が色濃く残る。
ビールの缶をのけて、まだ目を廻しているディーニャを摘み上げた。
「起きろっつーの。 狸寝入りしてるのバレバレだぞ。」
ふにふにとネコミミを突付くと、くすぐったさを我慢できなくなったのだろう、もぞもぞと動き始め・・・
「にゃ、や、やめるのだ! やめろー!!!」
手の中でジタバタと暴れるディーニャ。 摘んだまま顔の高さまで持ち上げ目線を合わせると、バツが悪そうに目を泳がせるディーニャ。
「さて、今何をしていたのか。 正直に言いなさい。」
眼力で迫ると、ディーニャはネコミミをふにゃりと垂らし、
「にゃは・・・びーる、のみたかったのだ・・・」
相変わらずの酒好きめ・・・。
「だから、びーるかくしてたの。こかげのだいじ。 あきかんと、いっしょにするとわからにゃいの。」
本来は、旅のお供のサポート神姫としての研究開発が進められていたディーニャ。
しかし、マオチャオ型をベースとしてしまった上、我侭に育った小型ロボットのAIを用いてしまったが故に。
妙なところで知恵の廻る、いまひとつ使えない旅サポート神姫となってしまったのだ。
かといって、ある程度は成果をあげているこのプロジェクト、ひとまずはディーニャの育成を進めてみることに・・・なったのである。 そして。 プロジェクトに関わっていながらも神姫を持っていなかった俺が、当面の教育係となってしまった、というわけだ。
「起きろっつーの。 狸寝入りしてるのバレバレだぞ。」
ふにふにとネコミミを突付くと、くすぐったさを我慢できなくなったのだろう、もぞもぞと動き始め・・・
「にゃ、や、やめるのだ! やめろー!!!」
手の中でジタバタと暴れるディーニャ。 摘んだまま顔の高さまで持ち上げ目線を合わせると、バツが悪そうに目を泳がせるディーニャ。
「さて、今何をしていたのか。 正直に言いなさい。」
眼力で迫ると、ディーニャはネコミミをふにゃりと垂らし、
「にゃは・・・びーる、のみたかったのだ・・・」
相変わらずの酒好きめ・・・。
「だから、びーるかくしてたの。こかげのだいじ。 あきかんと、いっしょにするとわからにゃいの。」
本来は、旅のお供のサポート神姫としての研究開発が進められていたディーニャ。
しかし、マオチャオ型をベースとしてしまった上、我侭に育った小型ロボットのAIを用いてしまったが故に。
妙なところで知恵の廻る、いまひとつ使えない旅サポート神姫となってしまったのだ。
かといって、ある程度は成果をあげているこのプロジェクト、ひとまずはディーニャの育成を進めてみることに・・・なったのである。 そして。 プロジェクトに関わっていながらも神姫を持っていなかった俺が、当面の教育係となってしまった、というわけだ。
「にゃーさん、ごめんにゃさい。」
テーブルの上で、素直に謝るディーニャ。だがこいつの場合は「素直に謝ればビールが飲める」ことを期待しての行動に他ならない。
ポニーテールを揺らして謝る姿はかわいいが、ここは心を鬼にしなければならない。
「ふむ。だが、独り占めしようとしたことは罪である。よって、このビールは俺が飲み干す。」
泣き出すのではないかと思うほどに目を潤ませ、ビールの口を開けて飲もうとする俺を凝視するディーニャ。
耐えろ、耐えるんだ・・・っ!
ディーニャの視線を痛いほどに感じつつも、俺はビールをぐびっとひとくち。すると、ディーニャはぴょんとテーブルから降りて。
テーブルの上で、素直に謝るディーニャ。だがこいつの場合は「素直に謝ればビールが飲める」ことを期待しての行動に他ならない。
ポニーテールを揺らして謝る姿はかわいいが、ここは心を鬼にしなければならない。
「ふむ。だが、独り占めしようとしたことは罪である。よって、このビールは俺が飲み干す。」
泣き出すのではないかと思うほどに目を潤ませ、ビールの口を開けて飲もうとする俺を凝視するディーニャ。
耐えろ、耐えるんだ・・・っ!
ディーニャの視線を痛いほどに感じつつも、俺はビールをぐびっとひとくち。すると、ディーニャはぴょんとテーブルから降りて。
「いいもーん! まだかくしてあるびーるはいっぱいあるんだからー!」
そういいながら、俺の散らかりきった部屋へと駆け込んでいった。
そういいながら、俺の散らかりきった部屋へと駆け込んでいった。
・・・まだ・・・隠してある・・・?!
「ちょっと待て! お前いつの間に!!! どうりで最近、酒の減りが早いと思ったよ・・・! こらディーニャ!どこへ隠しているんだ!!」
「にゃはー! それはひみつにゃのだー!」
「にゃはー! それはひみつにゃのだー!」
-今宵も、ディーニャとの追いかけっこは続く-。