武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「「回顧録・一」」で検索した結果
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「回顧録・一」
そのに「回顧録・一」 僕がのティキを所有する事になってから、日はまだ浅い。 今僕と共にある武装神姫――ティキは、元々亡父の物。言わば形見だ。 つまり僕は自分の神姫と付き合っていく上で、ティキを一から育てると言うメリットを放棄させられたワケだ。 そして手探りで半ば完成されたティキというパーソナリティーを理解していくと言うデメリットだけを負わされた事になる。 それを少しでも克服したいと(愚かにも)思った僕は、夜中にただ一人で無き親父の書斎へと向かう。 ……冷静に考えれば、こんな考え方だから僕は振られたのだろうか? ちなみに、本来神姫はただ一人を『オーナー』と認識したら機能『停止』、観念的に言ってしまえば『死亡』するまで変更することが不可能なのだ。が、ティキの様な『オーナー』死亡の場合に限り、別オーナーへの再登録が認められる。 それまでの神姫のパーソナルをそのまま... -
「回顧録・一」改訂版
そのに「回顧録・一」 僕がのティキを所有する事になってから、日はまだ浅い。 今僕と共にある武装神姫――ティキは、元々亡父の物。言わば形見だ。 つまり僕は自分の神姫と付き合っていく上で、ティキを一から育てると言うメリットを放棄させられたワケだ。 ……なんて言うか、つまりはそういう事。どんな原理か原因かはわからないけど、あの時ティキは『死ななかった』。 だから手探りで半ば完成されたティキというパーソナリティーを理解していくと言うデメリットだけを負わされた事にもなる。 そういえば、登録の件でメーカーに連絡したときも大変だったっけ。 あの時僕はただ泣く事しか出来なかった。 泣く事で、頭と心を支配していた悲しみを埋める事しか出来なかった。 だから、すぐ側で泣いているその小さな存在に気付いて、とても驚いた。 そこには動かないはずの神姫が、ティキ... -
せつなの武装神姫~僕とティキ~
...に・改訂版 「回顧録・一」 音声ファイル2036を勝手に参照 改訂前の「回顧録・一」 そのさん・改訂版 「良く晴れた日」 改訂前の「良く晴れた日」 そのよん 「初陣」 『不良品』と勝手にコラボ そのご 「思春期男子なんだから時にはそういう事もある」 /エロ? ばんがい 「これがティキの日常なのですよ」 そのろく 「類は共を呼び友になるのか?」 そのなな 「回顧録・二」 そのはち 「そうだ、有名ショップに行こう♪」 HOBBY LIFE,HOBBY SHOPと勝手にコラボ そのきゅう 「たまには勝敗の無いゲームを」 そのじゅう 「そ... -
せつなの武装神姫 の時系列まとめ
...改訂版 「回顧録・一」 僕とティキ そのさん・改訂版 「良く晴れた日」 僕とティキ そのよん 「初陣」 僕とティキ そのご 「思春期男子なんだから時にはそういう事もある」 僕とティキ ばんがい 「これがティキの日常なのですよ」 僕とティキ そのろく 「類は共を呼び友になるのか?」 僕とティキ そのなな 「回顧録・二」 僕とティキ そのはち 「そうだ、有名ショップに行こう♪」 僕とティキ そのきゅう 「たまには勝敗の無いゲームを」 僕とティキ そのじゅう 「そして少年は少女と再会す」 僕とティキ そのじゅういち 「勝ち負けよりも価値ある性質の立ち合い」 僕とティキ その... -
「回顧録・二」
そのなな「回顧録・二」 今日も今日とて僕は、自分の神姫マオチャオのティキに対して疑問を感じ(この場合思い出し)、僕はティキが寝てからコッソリと元父の書斎に忍び込む。 数日前、僕とティキは初めてバトルを経験した。父の秘蔵品を流用した例のアレの恩恵なのもわかるんだけど、ウチのティキって、あまりにも反応速度が速すぎない? さすがにティキに亡父の事を語らせるのは酷だろう、と常々そう感じてる僕が答えを見つける為には父の残した記録に頼るしかなく。 そして例によって例のごとく、僕は亡父の日記を開く。 ○月×日 今日はティキについて色々と調べて見た。年甲斐も無く、いずれはバトルに参加、と野望を抱いている俺にとって、自身のパートナーを知る事は必要不可欠なはずなのだ。そうだと信じたい。……そうであってくれ。 くすぐったがるティキを色々と調べて――と言うか、神姫にこんなプ... -
「さあ反撃の狼煙を上げろ・2――回顧録・三――」
そのじゅうご・ふたつめ「さあ反撃の狼煙を上げろ・2――回顧録・三――」 あの日、ティキが泣き疲れて眠ってしまった後、僕はまた親父の日記に目を通していた。 不甲斐ない話だけど、人生経験とかそういう観点じゃ僕はあまりにも未熟で。 でもだからこそ先人の、少なくても自分の親からは何かを学びたいと、本気で思った。 もしかしたら、これだけ前向きな姿勢で親父の手記を見たのは、初めてかもしれない。 □月⇔日 新しく生まれ変わった、と言うと大げさだが、大幅なメンテが終わったティキのステータスを検討していくと、バトルでどのようなスタンスを取れば最適かが見えてくる。 一気に相手の懐に飛び込んだ上でのインファイト。 反応速度が著しく上がったティキには、それが最適であろう。 元来マオチャオは近接戦闘用に特化しているはずなので、そういう意味では順当な進化ともいえる。 ... -
「二人のマスター:導入部」登場人物
加藤義弘(カトウヨシヒロ)年齢22歳 物語の主人公の一人。「与一」「アテナ」「キュベレー」の元マスター。町医者として独り暮らしをしている。 しょっちゅう本人いわく単身赴任をしており、忙しいとの理由から3人を数年前手放すことになる。 本人下手の横好きと自称するだけあり多趣味だが、神姫の調整をソフト・ハード面ともにできたりと意外な能力の高さには定評あり。 河野隆明(コウノタカアキ)年齢18歳 物語の主人公の一人。「与一」「アテナ」「キュベレー」の現マスター。高校3年生幼いころに両親を病気により失い天涯孤独となる。 その後遺言により義弘の父が後見人となり、義弘とともに幼少期を過ごす。物静かな性格で自分の意見をなかなか言い出せない気弱な性格で、 過去の経験からなかなか人を信じることができない疑り深い面も持つが、信じた人間はとことん信じ情に厚い面を持つ。 趣味は散歩。庭木の世... -
妄想神姫
妄想神姫:メインメニュー 注意 本作品は“突飛な設定”の類を多分に含有しております。 意図的に行っているので、その手の要素を苦手とする方は 閲覧に細心の注意を払って下さいます様、お願いします。 あらすじ 登場人物紹介 本編 外伝 後日談 各種解説 おまけ 協力・引用 あらすじ アキバの隅にMMSショップを構える幼女店長、槇野晶。 彼女の側には“妹”と言うべき、三人の武装神姫がいた。 長女“アルマ”と、次女“ロッテ”に、三女“クララ”。 これは、そんな姉妹のマッドで百合気味な日常とバトル、 更に武装神姫を逸脱気味なメカを、妄想のみで綴るお話。 登場人物紹介 登場人物MMSショップ“ALChemist” ライバルの神姫達 黄昏よりの使者+α(ネタバレ有り) 本編 序章 「苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫」 第一章 「晴れた日には、2... -
「二人のマスター:導入部」登場神姫
フブキ型神姫「与一」 燃えないゴミ捨て場に廃棄されていたところを義弘によって拾われ再起動した神姫。「アテナ」「キュベレー」にとっては姉的存在。 普段は言って聞かせる程度だが本気で怒らせると恐怖の人となる。 アーンヴァルmk2型神姫「アテナ」 「キュベレー」とともに義弘がどこからか手に入れてきた神姫。まじめな性格で表裏のない性格とても恥ずかしがりやで頂点に達すると、 手近なものを投げつける習性がある。 ストラーフmk2型神姫「キュベレー」 「アテナ」とともに義弘がどこからか手に入れてきた神姫。冷静さを常に保とうと表面上そう努めてているが、「アテナ」と違い天邪鬼 なところがあり、本人も気にしている。その点について「アテナ」をうらやましく思っており、その反動からかアテナをよくからかっては 物を投げつけられている。 マオチャオ型神姫「たま子」 天真爛漫でマオ... -
妄想神姫:後日談・一幕(前半)
紫風の尖姫──あるいは誇りと誓い(前半) ──“妹”になる事は出来たわ。でも、それで満足しちゃいけないのよ。 その名に恥じない生き方……大好きな人達に胸を張れる姿を、見せる事。 それが出来た時、アタシ達は嬉しいから。皆に、笑ってほしいから──。 第一節:挑戦 その日は、朝から晴れ渡っていた。今時珍しい都心での猛吹雪は終わり、 残雪がまだ道路の端々に残っていた……これは太陽が融かしてくれよう。 というわけで私・槇野晶と“四人の妹達”は、外出準備に追われていた。 「マイスター、エルナちゃんもお風呂から上がりましたの♪ほらほらっ」 「え、良いわよロッテお姉ちゃん。自分で拭け……ってちょっとぉ!?」 「そう言わないでください、今日はエルナちゃんの大切な日ですから!」 「有無、今日はエルナのセカンド昇進を賭けた大事な試合ではないかッ」 「……だから身... -
妄想神姫:後日談・一幕(後半)
紫風の尖姫──あるいは誇りと誓い(後半) 第三節:軍隊 エルナが吼えた。それは大切な物を喪う事の畏れ。『無くしたくない』。 それが彼女の、強烈な精神的支柱となっている。一見弱さにも見えるが、 裏返せばその心は、大切な“何か”を護り通したい強さにもなるのだッ! そして“想い”が突き動かすままに、紫の姫君は龍に乗って駆け抜ける! 「はあああああぁぁっ!!」 「ふ、ふん!突撃戦なら、あたしの方が得意よ!せやあああっ!!」 だが、アールヴだって負けてはいない。今度は掌中の武器を巨大な剣へと 変形させて、エルナの“突撃”に応じて突き進む。それは、中世の騎士が 互いの誇りを賭けた試合と同様……だが、エルナには『ランスはない』。 その手には、フルネレス・バスタードソード形態と……そしてもう一つ、 “センチュリオン”と“ティンクルスター”の合体した光剣があるの... -
CHF番外編その一『サラの怖い話・人面犬』
CHF番外編 * その一 『サラの怖い話・人面犬』 サラ「怖い話その一」 マイ「唐突だなん。夏だからって無茶すると自滅するぞい」 サラ「わたしはある日・・・夜中に窓から外を眺めていたんですよ」 マイ「しかも無視かよ!? ・・・まあいいんだなん。それで?」 サラ「ハルナの寝顔を見るのにも飽きたんです。まぁそれで窓から見てたわけなんですよ。夜中の道ってのは誰も通らなく手ですね。なかなかに神秘的というか恐怖の対象と言うか・・・ほら、人が作ったのに人がいない恐怖と言うか」 マイ「あー廃墟ステージとかな? アレは結構怖いかも」 サラ「でしょう? そんな怖さを楽しみながら私は眺めてたんですよ」 マイ「楽しんでたのかよ」 サラ「まぁそれは置いといて。道を見てたら何かがゆっくりと歩いてるんですね。... -
幻・其の一
今日は終業式、明日からは夏休みだというのに、僕は学校を休んだ。しかも、仮病で。 単純に学校に行きたくないということもあるのだけれど、もうひとつ理由がある。 僕は武装神姫について、なにも知らない。今後、ネロと生活していくとすると、何が必要なのか、どのように接していけばいいのかなど、色々と調べる必要があった。 ・・・・・・そんな理由で学校休んだなんて、口が裂けても言えないけど。 とりあえず、昨日のうちに充電用のクレードルだけはなんとか入手できた。おかげで、所持金がほとんど無くなったけど。 家の中は、静まり返っている。祖父も祖母もまだ元気で、昨日から北海道へ旅行に行っていた。四泊五日の予定らしいから、しばらくは帰ってこない。と、 「ん・・・・・・」 クレードルの上で、ネロが目を覚ました。 「おはよ、ネロ。気分はどう?」 「おはようございます、慎一。久... -
・第11話 「火兎」
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第11話 「火兎」 西野「撃ち方はじめッ!!!!!!」 西野がインカムを引っつかんで叫んだ。 ズドンズドンズドンズドンズドンズドンッズドンズッドオン!! スーザンの主砲が一斉に青白い焔を吐き出す。 同時に垂直に何十発のミサイルが一斉に甲板から発射される。 ヴァリア「んん?」 チカチカッと蒼い光がまたたく。 キュイイインイニイイイイインイニンイインー ばっと辺り一面が蒼い光に包まれたと思った瞬間、ものすごい爆風と爆音が響き渡った。 ドッゴーーーーオオオオーーーーン・・・チュゴチュゴゴゴゴン!ドンバッバッバン!! □ヘルハウンド型MMS 「バトラ」 Bクラス 撃破 オーナー名「合田 和仁」♂ 15歳 職業 高校生 □天使コマン... -
3Sが斬る! その13
「さて、やってきました3Sのお時間です」 「・・・やほ」 「それでは、本日のお題はなんでしょう?」 「・・・富士山が噴火して」 「それはもういいです。本日のお題はズバリ、犬○さんのマスター大好き加減と砂糖(誤字にあらず)さんちのロゼ山(山と書いてさんと読む)についてです。まずは砂糖さんについて」 「マスターも神姫もツンデレ・・・至上稀に見るツンデレ・・・」 「確かに。でもマスターさんが第二段階に突入ときは本当に・・・ふふふふふふふふふふふふ」 「・・・犬○・・・恐ろしい子・・・」 「まぁここにいる条件はSである事だけですし(ゲスト除く)。やっと本性を現してくれた用で何よりです。・・・しかしここにはSがいる以上、弄れる人は徹底的に弄るのですよ」 「・・・次は・・・犬○さんの大好き加減」 「・・・いやお恥ずかしい。わたしもまさかああなるとは思ってもいませ... -
1st
「現在、目標直下! マークして!」 泥だらけで、傷にまみれた体で椅子の下に滑り込む。 《こちらでも確認した。目標をマーキング完了。お疲れ様、よくやった!》 「回収地点に向かいます、もう少しだよ! 頑張って……」 担いでいる相棒に声をかけると彼女が力なく、それでも精一杯の力でボクにしがみついているのを感じる。 《待ってください! まだ友軍が……》 2035/10/16 16:32 アフガニスタン南部 合衆国陸軍104前線基地 “1st SFOD-D アメリカ合衆国陸軍第1特殊作戦部隊デルタ作戦分遣隊 ジョシア・ラミレスニ等軍曹” 「玩具か……」 その日、俺はベッドで頭を抱えていた。 「「あなたが私・ボクのマスターですか?」」 もう30年以上も派遣を続けている癖に新設しない仮設兵舎の、お世辞にも上等とは言えないパイプベッドの枕元に、どこぞのトイメー... -
とある海産物の超怨念目録
恨んでやるぅ。 呪ってやるぅ。 憎んでやるぅ。 恨めしや。 恨めしや。 恨めしや。 何故こうなった。 私が何をした。 如何してこんな事になったぁ。 とある海産物の超怨念目録 ダゴンちゃん戦記 「ただいまぁ♪」 元気に帰宅を告げ靴を脱ぐ少女、貴宮湊(あてみやみなと)。 友達と一緒に買い食いしてきた帰りだ。 食べた物によってはテンションも上がる。 美味しければ更に上がる。 それが高じると、今日のようにお土産を買って来る事もある。 上機嫌に見えた表情が凍り付いたのは次の瞬間だった。 「ますたー」 「え゛っ!?」 べちゃ。 直撃だった。 彼女の神姫、マリーセレスのダゴンちゃん。 その鈴を転がしたような声に上を向いたら、当の本人(*1)が落下してきて顔面にへばりついたの... -
アンビバレンス
CSCによって作られた感情はそれまでのAIとは違いゆらぎと呼べるものを持っておる。それは神姫に個性や成長と言った他の機械にはない独自性を与えたのじゃ。しかしそれゆえに神姫は特定の条件を満たせば催眠状態とも言えるような状況になる。これはとある一人の技術者によってその危険性と共に証明されたのじゃ、そなたも知っておろう。神姫は心ある魅力的な機械じゃが、心があるが故にこれまでとは全く違うアプローチによるクラッキングが発生することが分かった以上我々はその脅威に対応する必要がある。伝統あるPANDOOR社の名にかけて。さあ、今こそマスターの信仰心が試されておるぞ! 新入社員に対するセミナー蓮華様のお言葉 連続神姫ラジオ 浸食機械 20:アンビバレンス 『どうして、どうして…』 レッドランプに照らし出された室内に神姫達の悲鳴のコーラスがこだまする。中央の樹につながれた彼女達は一様... -
Mighty Magic
ここは「マイティのひと」が作成した武装神姫ショートストーリー 『Mighty Magic』シリーズを掲載しております。 著/マイティのひと ※コラボレーション大歓迎也。 ※文字サイズを通常よりも一段階小さくしてご覧になると読みやすくなります。 ※本文は随時加筆修正されます。更新履歴をご参照ください。 ※現在諸事情により更新速度が激減しております。何卒ご了承ください。 - 昨日 - 今日 - 合計 神姫とそのオーナーたち 装備構成解説 設定解説 本文ページ(妄想設定準拠) マイティ編 Mighty Magic ・インターバトルO「アーキタイプ・エンジン」 ・強敵 ※『不良品』?とのコラボ作品 ・犬達の出会い ・バトリングクラブ ・インターバトル1「プレゼント」 ・変身! ※魔女っ子神姫☆ドキドキハウリンとのコラボ作品 ・主... -
第二十話『サラさんの殺伐恋愛講座』
わたし達が戦うステージは木が鬱蒼と生い茂る森と草原の中間みたいなステージでした。 しかも二人用の筐体が調整中で空いてなかったのでバトルロワイヤル形式という。 「森ですか・・・・森では砂漠迷彩は意味ないですね」 『その前にアンタ素体は真っ黒じゃない』 「そういえばそうでした。でもこの素体、実は白雪シリーズなのですよ?」 『なにそれ。知らないわよそんなの・・・・と、右側に敵よ。ノワールちゃんじゃないみたいだけど』 ハルナがそういった方向には確かに敵がいました。あれは・・・騎士型サイフォスですか。接近戦は不利ですね。 「それじゃ、遠くからチクチクと地味な攻撃を始めましょうか」 * クラブハンド・フォートブラッグ 第二十話 『サラさんの殺伐恋愛講座』 バトル開始から五分。 既に残った神姫は三体のみとなっていた。 「早いものですね。開始時... -
第三十二話『遠吠え』
「おじいちゃんっ!」 大雨の中駆けつけた春奈は、病室のドアを勢いよく開け叫んだ。 「・・・少し静かにしたまえよ。ここは病院だよ?」 そこには彼女の姉である都が、ベッドの脇で腕を組んで座っていた。 都の目の前にあるベッドに横たわるのは・・・彼女たちの祖父である記四季だった。 が、春奈はその光景に何か違和感を感じる。 まるであるべきものが無いような・・・。 「おじいちゃん・・・大丈夫なの?」 「今は問題ない。近日中に手術が必要だそうだが・・・それには本人の同意と親族の同意が必要なんだと」 春奈の言葉に都は冷静に答える。 「・・・それって」 「親族なら私や両親で足りる、しかし同意を取ろうにも当の本人は意識不明。・・・代理人として同居人でもいいそうだがね。神姫が同居人扱いされるかどうか・・・それに、彩女はここにいない」 言われて春奈は違和感の正体にようやく気づ... -
戦うことを忘れた武装神姫-13
戦うことを忘れた武装神姫 その13 ・・・その12の続き・・・ 「おつかれー! いやー、お見事!」 シールドが解除され、久遠がイオに手をさしのべる。イオは酒瓶を片手に持った まま恥ずかしがりながら駆け寄ろうとするが、瓦礫に足を取られ見事転倒。さら には、手にした酒瓶の栓が開いてしまい、頭から酒をかぶってしまう。 「ふえぇ・・・やってしまいました〜。」 半泣きで酒臭いイオの姿に、わき上がる笑い。と、かえでが、ギャラリーをかき 分けて近づいてきた。その姿に先に気づいたイオが、 「はじめまして、かえでちゃん。 お話はリゼから聞いています。ちょっと変な 形にはなっちゃったけど、敵はとったつもりです。」 酒臭いまま久遠につまみ上げられ、かえでにご挨拶。かえでは目を輝かせていた。 「すごかったです、イオ・・・さん! あんな技、見たことも聞いたことも無い で... -
7th
同日 20:30 アフガニスタン南部 パキスタン国境付近 ポイント216 “テキサス『特技兵』” 「モンタナちゃんが!?」 軍曹がモンタナちゃんにトラブルが起きたのを教えてくれたのは、銃声から数分後のことだった。 《通信が途絶えたが上空から確認できる限りIRビーコンは途絶えていないし、武装勢力の連中も気がついてない。恐らく何かの隙間に飛ばされたんだろう》 「だったら早く助けに!」 上空のシャドーは位置を教えてくれるだけで、相棒の状態はわからない。 《いや、モンタナの状況が把握できない以上『全損』の可能性も視野に入れる。 モンタナの任務を引き継げ。今ならまだ警戒が強化された様子もない》 「でも!」 《これ以上の議論の余地はない。 夜明けにパキスタンに逃げられたら手が出せなくなる。 急げ》 ボクは唇をぎゅっとかみ締めると次... -
・第4話 「戦兎」
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第4話 「戦兎」 アオイはエンジンをフルスロットルで振り絞り、逆落としで突っ込む。 ウォース・パイト「敵戦闘機ッ!!!!!!!!!」 ウォース・パイトが怒鳴ると同時にアオイはFB256/Z 3mm滑腔砲の引き金を振り絞った。 ズドンドンドンッ!! 重装甲戦艦型MMS「スーザン」の後部、エンジンブロックに直撃すると真っ赤な炎を吹き上げた。 グボンと鈍い爆発音が起き、燃料タンクが吹き飛んだ。 スーザン「ウワアアッツ!!」 ヴィーーーヴィーーー ウォース・パイト「敵襲!!敵襲ッ!!!スーザンが攻撃された」 ウォース・パイトがサイレンを鳴らす。 細田が筐体のマイクを掴んでがなりたてる。 細田「敵機の機種は飛鳥タイプか!?」 アラキナ「何事だ!!」 ジャネット「敵機だ!!」 デ... -
第十三話『黒衣の死神』
「・・・・ねぇ、彩女」 「なんですかアメティスタ・・・よいしょっと」 「・・・・二人っきりだね」 「そうですね・・・・っと」 「バトルなんかやめてさ、二人でどっかいこうよ。ほらあそこ、ホテルあるよ」 「そうですか・・・・・・・よっと」 「・・・・・・・・おっぱい揉んでいい?」 「駄目です」 * ホワイトファング・ハウリングソウル * 第十三話 * 『黒衣の死神』 『都市ステージ』を、彩女とアメティスタは歩いていた。 ・・・いや、正確には歩いているのは彩女だけである。アメティスタは歩いていない。 ならば彼女はどうしているのか。 彩女におぶさっているのである。 「・・・いくらなんでもですね。・・・・よっと、こういう時くらい二本足にしたらどうですか・・・・っと」 「ヤだ。だってこのヒレはボクのトレードマークだよ? アイデ... -
第二話『砂漠よりの使者』
「――――――――っ!」 一瞬で相手の懐に踏み込み、抜刀。返す刀で傍にいた悪魔型も両断する。 「このっ!」 天使型の拳銃がこちらに向けられる。視線と指の動き、そして銃口の向きを一瞬で見極め横に跳躍。そのまま小太刀を投擲し天使型の手から銃を弾き飛ばす。 「―――――――なっ!?」 地を蹴りまた踏む込み、抜刀。その勢いのまま走りぬけ、ビルの陰に飛び込んだ。 一瞬で三体の神姫を倒した彼女は息切れ一つしていない。銀の髪をなびかせながら至って涼しそうな顔で周囲を窺っていた。 ――――残す敵は、あと一人。 ホワイトファング・ハウリングソウル 第二話 『砂漠よりの使者』 ここは神姫センター、そして彩女がいる場所はバトル用筐体の中である。 ステージは『ビル街』。高層ビルが立ち並ぶ近代的なステージだ。 『・・・彩女、少し早すぎやしないか? ... -
アラカルトチョコ(バレンタインネタ)
2月14日。 世間様一般では、バレンタインデーと言う奴だ。 「………」 島田祐一。一応男の子である。 当然、バレンタインチョコは貰って嬉しいものだが……。 鋼の心:番外編 ~Eisen Herz~ アラカルトチョコ ケース1 島田雅の場合。 「祐一、朝ごはんできてるよ。一緒に食べよ」 「……姉さんが、作ったの?」 ちょっと引く。 「なによ、あたしだって簡単な料理ぐらいは作れるわ」 祐一の料理スキルを100としたら、雅は6程度だろう。 朝食を載せたテーブルの上には、一口サイズのオムレツ数個とトースト。 トーストはともかく、オムレツは雅の作にしては上出来だろう。 小さいオムレツを作るのは、それも整った形で作るのはかなり難しい。 「……今日は随分頑張ったんだね」 「他ならぬ愛弟(ラブラザー)の為ですもの。卵の100や200... -
・第9話 「嵐兎」
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第9話 「嵐兎」 グワワアーン!! 廃墟ステージで大爆発が起きる。 砂地で砲撃を行っていたスーザンがびくりと振り向く。 スーザン「なっ・・・なんだ今のは?」 スーザンの砲撃から身を隠していたミシェルとヴァリアも驚いて廃墟ステージを見る。 ヴァリア「クソッタレ!一体どうなってんだ!」 戦乙女型MMSの「オードリ」がミシェルに近づく。 オードリ「ミシェル、チームの半分はあの動けなくなった戦艦型神姫に撃破されてしまいましたよ」 ミーヤ「こりゃダメだよ」 戦車型のヴァリアが腕を組んで必死に考える。 ヴァリア「うーんうーん・・・どうしよう?」 そのとき、1機の黒い天使型神姫と飛鳥型の神姫がヴァリアたちの隠れている岩陰に飛び込んできた。 アオイ「調子はどうだい?」 エー... -
第十七話『大きな壁』
「ちょ・・・・ちょっと・・・・ここまでくれば・・・もう・・・いいんじゃない!?」 「え、あ、そ、そうだ、ね」 * クラブハンド・フォートブラッグ * 第十七話 『大きな壁』 散々走った私達は息切れをして、傍にあったベンチに座り込んだ。 ・・・・八谷ったら、私の手を握ったまま全力疾走するんだもん。男と女じゃ体力に差がありすぎるわ・・・。 「ご、ごめんね七瀬・・・大丈夫だった?」 「・・・あんたのお陰でね。八谷は・・・ああもうやっぱり汚れてるじゃない。ほら動かないで」 ポケットティッシュを取り出し八谷についた汚れを拭き取る。 その間本人は真っ赤になってそっぽを向いていた。 ・・・・私まで恥ずかしくなってくるからやめて欲しいんだけどな。 「あ、ありがと・・・」 「ん・・・・うん・・・」 「・・・・・・・・」 「・・・・... -
第三十八話『白狼語リ』
以前見た場所とは違い、そこは何も無かった。 痛みも無ければ感覚も無い。時間の感覚も無ければ今自分がどこにいるのかすら判らない。 唯一判るのがここが一つの“境界線”であることのみ。 ここに来る前の記憶を手繰ろうとしても、それはまるで霞のように霧散して思い出すことが出来ない。 ――――何故、自分はここにいるのだろう 判らない。そもそも自分が誰かすらも判らない。 ここは何処で、自分は誰だ。 ――――いや、そもそも自分とはなんだったか 考えがそこに至り、彼はもう考えることを放棄した。 いくら問おうとも答えなんてあるはずも無い。だってここはそういう場所だから。 と、音すらも存在しないはずのこの場所で、かすかな物音がした。 振り向くとそこには・・・一匹の白い狼がいた。 ――――何故、ここにいるのだろう 彼はそう思い... -
第12話:夜の戦場(その1)
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第12話:夜の戦場(その1) 旅行二日目、正午。 季州館付近の山中。 「リーナ、リーナ。こっちこっち」 「…なに、美空?」 ジャブジャブと川の中を、美空の下へ向かうリーナ。 「…そこ、急に深い」 「―――ガボボッ!?」 美空の指差した地点で急に沈むリーナ。 他の場所は精々リーナの胸ぐらいの深さだが、そこだけはリーナの足が付かない深さであった。 「……リーナ、おぼれるから注意してって言いたかったんだけど……?」 「そっちを、ガホッ!! 先に、言いなさい!! ゲホッ!!」 「………」 川で戯れる美空とリーナを見ながら祐一はノートパソコンを立ち上げる。 「……amami.co.jp、っと」 巡回先一覧から、天海神姫センターのBBSを呼び出し接続。 天海神姫センターBBS ... -
大晦日の夜(ギャグです)
鋼の心:番外編 ~Eisen Herz~ 大晦日の夜(ギャグです) 「大晦日だな、少年」 「そうですね、京子さん」 コタツの中で向かい合う祐一と京子。 「除夜の鐘までもう少しですね……」 「あー、その。なんだ…」 眼帯側の頬など掻きつつ、京子は祐一を顔を見る。 「今年は、その、少年にとってどんな年だった?」 「俺ですか? そうですね……」 色々あるにはあった年だ。 しかし、ここはやはり目の前の彼女の事を口に出すべきだろう。 「えっと。京子さんと戦いました」 「……あ、うん。ごめん」 あいも変わらず空気読めない少年だ。 「……えっと、他には何か無いか?」 「……アイゼンが少し強くなりました」 「…………」 だから、二人で愛を語った事とか、アレやソレな出来事とか、そういうのを思い出して欲しいのだが、この朴念仁に機微など期待してはならないのだ。 ... -
「敗北の代価 2」
MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 2」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 深夜の闇に包まれた高層ビル群・・・生暖かい風が頬をなでる。 日本の近畿地方、大阪府のほぼ中央に位置する市、大阪市 大阪市は、近畿地方の行政・経済・文化・交通の中心都市であり、市域を中心として、大阪都市圏および京阪神大都市圏が形成されている。 古代から瀬戸内海・大阪湾に面した当時の国際的な港である住吉津や難波津などのある外交に関連した港湾都市として栄え、古代の首都としての難波宮、難波京などの都城も造営された。中世には、浄土真宗の本山であった石山本願寺が置かれ、寺内町として発展した。近世初期には豊臣秀吉が大坂城を築城し、城下町が整備された。江戸時代には天領となり、江戸をしのぐ経済・交通・金融... -
第六話『再開・天薙』
ハウリングソウル * 第六話 『再開・天薙』 医務室を出た私はまずノワールをウェストポーチから引っ張り出した。 普段なら抵抗するノワールも今はされるがままになっている。よっぽどあの空間がいやだったのだろう。 そのまま手のひらを胸ポケットに近づけるといそいそと中に入っていった。今は上半身だけ出してこれからどこに行くのか、とこちらを見上げている。 「とりあえず必要なものを買おう。お前達の弾丸とシャンプーと・・・・・」 「マイスター」 と、私の言葉をノワールが遮った。 彼女にしては珍しい。 「ノワール・・・・戦いたい。ブレード・・・・使いたい」 そう呟いた。 本来悪魔型MMSは格闘戦を主体に設計されている。大きな背面ユニットも脚部のパーツも、本来なら格闘に生かされるはずの代物である。事実、ハウが来る前のノワ... -
第一話『廃墟にて』
ハウリングソウル 第一話 『廃墟にて』 今はもう誰もいない。かつてはそれなりに賑わっていたであろう街中を、一つの影が疾走していた。影は両の手にカロッテTMP・・・通称サブマシンガンを握っている。 影が向かう先にはマスクをつけた特殊部隊の隊員のような人影・・・・一体のMMSが立っていた。 そのMMS・・・兎型MMSヴァッフェバニーは走り寄る影に向かって両手で構えたSTR6ミニガンを連射する。 その弾丸の嵐を影は僅かに身を捻るだけで回避した。 「(・・・・・・・・馬鹿な)」 兎型MMS、ヴァッフェバニーは心の中で舌打ちをした。 「(私が今まで戦ってきた犬型はここまでのスピードを持った者はいなかった。一体奴は何者なんだ!?)」 ヴァッフェバニーはミニガンを的確な狙いと速度で連射する。今は何よりも、奴を近づかせないことが先決だ。... -
第四話『神姫センター・謎の生命体出現!?』
ハウリングソウル * 第四話 『神姫センター・謎の生命体出現!?』 「・・・・・ふむ、今日も今日とて客は来ないな」 今日、朝に店を開いてから来た客は四対の神姫を連れた騒がしい男が一人だけだった。 それにしても彼、随分と大変そうだったな・・・・まぁ、大変でも上手くやっていけているようだから問題は無いのだろうが。 「暇だなぁ・・・・・いっそ店を終わりにしてゲーセンか神姫センターにでも行こうかな・・・・・ハウの調子も見ときたいし、ノワールのガトリングの弾もなぁ・・・・」 無表情のアッパーシューター・ノワール。 台所とかに出没する忌々しい黒い悪魔を見るとすぐに武装して追い掛け回すのだ。 追い掛け回すならまだいいのだがチーグルの両手にガトリング、ノワール自身は両腕でミニガンとか抱えているから恐ろしい。 ハウもハウでチーグルの背中に乗っ... -
第ニ話『朝』
ハウリングソウル 第二話 『朝』 パソコンの電源ボタンを入れ、適当にニュースサイトを巡る。大抵必ず見るのは神姫関係のニュースサイトだ。 お気に入りフォルダのリンクをクリックすると、昨日のバトルの結果や新製品の情報等が画面に映し出される。 その中に一つ、気になるニュースがあった。 それは違法改造神姫に関することで、近年その違法神姫が徐々に増えつつあるとの事だった。 「・・・・・『切り裂き』の情報は、無いか」 私はそう呟くと煙草の箱に手を伸ばした。 『切り裂き』とは、とある違法改造神姫に与えられたニックネームのようなものだ。 少し前から違法神姫バトル、通称『闇バトル』に出没し相手をバラバラにしてしまうと言う。 実は私は訳あってこの違法改造神姫を追っている。いるのだが如何せん自営業の身ではまるで情報が集まらない。 ・・・・というか、さっ... -
2月14日の武装神姫-02
2月14日の武装神姫-02 ・・・2月14日の武装神姫-01の続き・・・ 「このくらいかにゃ? ・・・それじゃ、次〜。」 一個目、無事流し込み完了。2個目、3個目・・・一度上手くいけば、あと はラクチン・・・すんなりと完了。・・・チョコが余ったので、一旦ボウル を湯煎の上へ戻し、先の分に、3人であれやこれやと飾りを着けて、文字を 書いて。 ワイワイやっているところへ、ようやくイオが起きてきた。 「あー!! おそーい!!」 エルガが声をあげた。 「あ・・・すっかり忘れていました・・・今日は14日でしたね。。。」 まだ眠そうにあくびをするイオ。 「忘れていましたって・・・。 まぁいいや。 今年は一人一個作るから、 イオも作ること。」 リゼが言うと、目をこすりながらリゼはボウルの方へ。 「はーい。それで、チョコレートはどちらに? あら、美味しそうな... -
妄想神姫:新製品情報その一
■緊急リリース!“Rosa bianca”の御案内 平素はMMSショップ“ALChemist”をご利用頂きまして、皆様には心より 御礼を申し上げます。さて、当工房ではこの度春期の新作に続きまして 神姫の皆様に於ける“実用性”も重視した逸品を、ご用意致しました! 日頃のマスターに対するお手伝いから、バトルロンドに於ける戦術まで 幅広い局面にて神姫の皆様を、美しく可憐に引き立てる“無垢の衣”。 それがこの度紹介致します“Rosa bianca”(ローザ・ビアンカ)です。 “白き薔薇”を銘に頂く今回のコンセプトモデルは、店主・槇野晶曰く 『錬金術が産んだ白薔薇。美しく光り輝くも、冷たい銀の棘に御用心』 という言葉が示す通り、とても味わい深い仕上がりとなっております。 神姫の皆様がより『可憐に輝く』機会を、店員一同お待ちしています! ■“Rosa ... -
第十話:海だ山だ温泉だ(前日)
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第十話:海だ山だ温泉だ(前日) 「おきろー、祐一~っ!!」 「ぐはぁ!?」 安眠中の鳩尾に、いきなりエルボードロップをかまされ、島田祐一は悶絶した。 良い子のみんなは、眠っている人にエルボードロップなんかしちゃダメですよ? 「…ぐぉおぅ…」 「うわ、痛そ~」 「…な、何て事すんだよ、姉さん!!」 言って、手近にあった手を取り、ベットに引き込む勢いで引っ張る。 悪行を働き即、逃走する姉、島田雅を捕縛するには、これぐらいやらないとダメなのだ。 「………あ」 だが、相手が雅じゃなかった場合、冗談抜きでベッドに引っ張り込む事になる訳で………。 「………え? 美空?」 朝一番、ベッドの上で折り重なる少年少女。 互いの頬が赤いのは朝日のせいではないだろう。 二人の唇と唇の間には10cmも距離は無く、互いの鼓動は筒抜け... -
第11話:海だ山だ温泉だ(その5)
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第11話:海だ山だ温泉だ(その5) 大宴会場『葛の葉』 「おお~、豪華メニュー♪」 マヤアが驚嘆の声を上げるのも無理は無い。 テーブルを埋め尽くさんばかりに広げられた料理の山を見れば、無反応でいる事の方が難しい。 「当館では海の幸、山の幸を季節に合わせたアレンジでご提供しております。メインディッシュには―――」 季州館の女将である藤堂奈津子の説明は、誰に聞かれる事も無く続く。 「お母さん、誰も聞いてないみたいだけど?」 「―――なお、料金は晴香のお小遣いから天引きとなっておりますので、お替りはご自由にどうぞ」 「は~い♪」 間髪居れずに返事をする雅。 「ちょっと、お母さん!? そんな話聞いてないわよ!?」 「あら? だって、無料で招待したのは晴香でしょう?」 「それはそうだけど……」 「因みに、宿泊費も晴香のお... -
<真・登場キャラ紹介>
凪さん家シリーズ 真・凪さん家の十兵衛さん 凪さん家の弁慶ちゃん 登場人物 凪家 凪 千晶(なぎ ちあき) 十兵衛のオーナーで分の悪い賭けが嫌いじゃない専門学校生。 基本無気力。すぐに寝ようとする癖がある。 性格的はやはり無気力。そしてめんどくさがり屋、心の中で会話にに突っ込む事が多い。 機械系には割りと強いらしく、眼鏡をかけて夜な夜なカチャカチャと机に向かっていることもあるとか。 決断力に欠けるのか信頼しているからなのか、神姫関係の選択はすべて十兵衛に任せている。 CV 森川智之 「どうする?十兵衛?」 「…眠ぃ…」 「ふ、良い賭けだな…」 凪 千空(なぎ ちそら) 弁慶のオーナーで黒葉学園に通っている恋する乙mゲフ パッと見女子、よく見ても女子。 だがオ・ト・コ・ノ・コ…である。 本人はもう達観しており、それに関してはどう... -
第七話『手がかり、そして麗しき肉体美』
ハウリングソウル 第七話 * 『手がかり、そして麗しき肉体美』 「『切り裂き』と言う、違法神姫について何か知らないか?」 私が彼にそう言った瞬間、彼の表情が僅かに変化した。 何か・・・心当たりがあるような、そんな僅かな変化。 「『切り裂き』ってーと・・・・アレだよなぁ? 通りすがりの神姫を・・・・」 「そう、言うなれば神姫の通り魔だ。数ヶ月前から突如として出現し、無差別に神姫を『切り裂いて』姿を消す・・・・神姫のマスターにはけして見つかったことの無い、正体不明の違法改造神姫・・・・・・」 私は彼から目を離さずに言った。 彼の表情は・・・・何かわからないが、何かを知っているような顔だった。 「・・・・しらねぇな。大体あんた、そんなのを調べてどうするつもりなんだぁ?」 「・・・・・・・・別に。何も考えてな... -
Elysion_a03
Elysion 第3話 「饗宴」 Back 第2話 「学園」 | Elysion トップ | Next 第4話「覚醒」? 千葉、幕張 新東京神姫センターのとなり、喫茶&MMSショップ エリュシオン。 その喫茶の方、2階のカフェ部分は20時にはオーダーストップとなっている。 今日は遅い時間にお客さんが訪れなかったので、20時きっかりに店を閉めることができた。 「ん、清掃終了っと・・・・琥魅瑚(くみこ)~そっちはどう?」 「こちらも帳簿の記入終わりました」 「ありがと、それじゃ私は戸締りの確認してくるね」 「はい母さま、私はガスの元栓の確認してきま~す」 「よろしく~」 そう言って、琥魅瑚はフライトユニットを着け飛んで行った。 「戸締りよし、後は下に一声かけて終わりだ~」 「母さま~、ガスの元栓もOKです~」 「じゃあ先に行ってて、私は旦那に... -
第三話:魔弾の射手(前編)
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第三話:魔弾の射手(前編) 「嘘っ!?」 打ち出された砲弾は重力に引かれ落下する。 ゆえに、よほどの至近距離でもない限り、砲弾は狙った場所よりも下に着弾する事になる。 それを命中させるためには、精密な弾道計算が必要になる為、神姫による得手不得手がはっきりと出るのだ。 しかし、この場合、この砲撃手に限って言えば、重力すら武器にしていると言えるだろう。 「こちらの動きが読まれてる!?」 “落下してきた砲弾”の雨に打たれ、隠れていた岩山から飛び出すアーンヴァル・フェータ。 一度や二度なら偶然で済ませられるが三度、四度と続けばそれは必然だ。 この相手には遮蔽物など物の役に立たない。 そう判断しても迂闊に高度を上げて索敵をする気にはなれなかった。 そもそも、飛行中に下からの狙撃を受けたから、身を隠すために高度を下げたのだ。... -
Night Games 序章?
灼熱の太陽が、全てを焼き尽くす世界。 一点の濁りも無く蒼に染まった空。赤茶けた大地は干上がり、ただ砂埃だけが舞い上がる。 そんな地獄の中、生と死の狭間でのたうつ者たちがいた。 静寂の大地に、無限軌道の鼓動が響く。 「左上方、敵機!回避せよ!回避せよ!!」 声を荒げる、鉄(くろがね)の少女。それは生を求める者の悲痛な叫び。 砂漠に展開する少女達に、殺戮の閃光が降り注ぐ。 「熱源探知、対地ミサイルきます!」 「各機フレア散布、急いで!」 淡い金髪の少女の号令で、一斉に擲弾筒から射出される。 発射された大空に鮮やかな軌跡を描き、熱と光によってミサイルの赤外線誘導装置を欺瞞。 「やった!」 それに目の眩んだミサイル……地獄のカラスが、貪るように食らいつく。 迫りくる死を振り払った喜びに、別の少女が歓喜の声を上げる。 「回避行動続けて、また来る!... -
狛犬はうりん劇場 日常の2
日常の2 今日も天気の良い日です。お早うございます、結です。 祝日の公園で談笑するご老人達とご近所の猫達。微笑ましい限りですね。 「平和ですね。・・・・私以外」 「ねー、話聞いてるー?」 私の尻尾を引っ張っているのはこの前お仕置きしたマオチャオの「チロル」さん。 「ねー。相手してよー」 「ですから私には巫女としての仕事があるんですって」 あー、つまりはこういう状態なのです。 朝方に来られて以来ずっとこうでして・・・ 至る経緯は言うまでもなく彼女を倒したからです。 あれから暫くは持参した巻き藁ならぬ巻きダンボールで練習されていたんですよ? でも直ぐにボロボロになって壊れるので制作時間の方が長くなるし、爪はダンボールまみれのセロテープまみれになるで止めたそうです。もう少し丈夫なのを用意すれば良いのでは?と提案すると一言「面倒くさい」との事。練習道具に面倒って・・・と思いました... -
第十四話『視覚素子は嘲う』
霧に包まれた公園に爆音が轟き、何本もの水柱が上がる。 その上がった水柱を避けるようにアメティスタは泳いでいた。 「・・・ちょこまかと!」 ルシフェルは両腕のリボルバーキャノンを連射し、アメティスタを捉えようとするが水に入った彼女にあたるわけも無い。 撃ちつくし、即座にリロードし池・・・というよりは湖を見る さっきからアメティスタは逃げ回るだけで何も攻撃をしていない。それは単純に彼女の武器がプチマシィ~ンズしかないからなのだが・・・ルシフェルはそれに気づかない。単に腰抜けなだけだと考えている。 「攻撃してこないなんて・・・一体ここに何しに来たの?」 ・・・・・戦いに来たんだけどね 池の底で、アメティスタはそう考える。 今、彼女は弾丸の届かない水の中でバックパックから取り外したコンソールを弄っていた。その顔は悪戯好きな子供のようだ。 彼女は水に入る前にバックパ... -
「CREATURE」
ニビルは華墨程、空を舞う相手に苦労はしなかった 彼女には天迄届く長い腕と、未来を見切る黄金の瞳があったから 勿論、白兵距離でかわす暇も与えない高速攻撃というのは苦手だったが、生憎『ズィータ』はそういうタイプでは無かった事もあり、本人には可哀想だが、ニビルにとっては『仁竜』程の脅威を感じる相手ではなかった とはいえこの勝負で『ゴールドアイ』を使い切ってしまったニビルは、オーバーロード無しの裸で華墨に挑む事になった訳である 一方の華墨はといえば、今迄幸運と奇襲で勝って来た様な物で、その勝ち上がりを誰も予想していなかった 無論、それはニビルもそうで、正直ヌルには悪いが、華墨はそれ程実力があるタイプとは看做していなかった とはいえ 此処まで来たのならば油断する理由も無い それは華墨も同じだった 「ようやく闘えるな・・・こうしてあいつと」 最初に口を開いたのは武士だった ... -
第十九話『出現、白衣のお姉さま』
雨が降り注ぐ近代都市を、重武装の神姫が滑るように移動していた。 その神姫は背中のブースターを全開にし、その巨躯からは想像もつかないほどの速度でビルの谷間を翔ける。 その姿は・・・神姫と言うよりは・・・・一体の機動兵器の様だった。 「・・・・・・・・目標確認、破壊、する」 機動兵器の彼女は小声でそう呟く。元々声の大きい方ではないからだ。 『うん。なかなか調子がいいじゃないか。ブレードよりもこう言う兵器系に向いてしまったのはなんとも皮肉なもんだが・・・・まぁいいか。それよりもノワール』 「なに」 『今日一日の感想はどうだい?』 「・・・・・それを・・・どうして・・・・聞くの?」 ノワールはそういいながらビルの陰から現れたターゲットを破壊する。 右手のライフルの残弾は・・・・残り僅か。 『どうしても何も、ハウはもう寝てるしサラに聞くわけにもいくまい。私達が見たの... - @wiki全体から「「回顧録・一」」で調べる