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この病は死に至らず

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この病は死に至らず ◆JvezCBil8U


座り込んでいることさえできなかった。
力が入らず、勢いよく上半身が地面に倒れ込む。
エドワードの体から抜け出ていくのは、きっと、目に見えるものだけではない。

薄れていく意識の中で、安藤が何かを言いながら駆け寄ってくるのが見えた。
心配するな、と言おうとして、胃の奥からこみ上げてきた血がごぼりと口から洩れる。

「やべぇな……、死ぬかも」

そんな呟きすら、溢れる血は許さなかった。
体そのものが冷えていく。
痛みさえいつの間にか消えていた。

色々なものが眼前をよぎっていく。
昔の記憶、今の記憶。
ずっと隣を歩いていた弟。
取り戻したかった母。如何とも形容しがたい、父。
師匠からの虐待の日々や、旅の中で出会った人々。
敵として戦った人も、人でなくとも人らしかったものも、己の中にしっかりといる。
遡る時間の中には、特に忘れがたい思い出が焼き付いている。
禁忌の日。燃え盛る家。決意の朝。
踏み出した足と手は鋼に包まれていた。

虚ろな目で、視線を動かす。
……ああ、そうだ。
この足と手で、ずっとこの道を歩んできた。
この足と手が、ずっとこの背を支えてくれた。

金色の髪が、目の前でなびいた気がした。
その笑顔を救わなければならない。

終わる訳にはいかないと、酩酊する頭でそれだけを形を確かにする。
けれどこのままでは助かるまい。
きっとこの体の死は免れ得まい。

さあ、どうするエドワード・エルリック

損傷した肉体というハードが、まともな思考を許してくれない。
……だが、それがどうした?
答えは既に己の内にある。

この島は、ありとあらゆる物質的なモノと数多の魂で編み上げられた巨大な錬成陣だ。
安藤はそこに、三次元の座標という新たな視点を組み込んでくれた。

……だが、本当にこの錬成陣はそれだけか?
形あるものに、囚われ過ぎていたのではないか?

錬成陣の本質とは、情報の配置だ。
何処に何があるか、それを以って意味を形作る事でこの世の真理を教え説いているものだ。

……ならば。
形など、物質的な場所など、それに代わる媒体があれば、意味をなさないのではないか。
覚束ない手で、ゆっくりと懐に手を入れ、取り出す。
大丈夫だ。
幸いこれは、壊れていない。
携帯電話を手にエドワードは、咳き込まぬようゆっくりと息を吐く。

思い当って然るべきだった。
情報だけで構築された、情報の為のネットワーク。
……それは、物質を描いて作った錬成陣などよりも遥かに純度も密度も高い錬成陣となりえるのではないか。
参加者達の使用する掲示板やら何やらは全てカモフラージュだ。
本当に必要なのは、高密度の情報体そのもの。
インターネットこそ、この島の文字通りのライフライン。

アルフォンスは血を媒介にした錬成陣で魂を鉄の鎧に定着させることで、現世に居続けることが出来た。
携帯電話、そしてパソコン。自らの知らない鉄の技術。
それを応用して、この島のネットワークに魂を定着させることはできるだろうか?

……代価として、“扉”を開ける。
肉体など、いくら持っていかれてもかまわない。
元々首輪を外す手段として試みるつもりでいたのだ。
これを機に試してみるのは――悪くない、と思う。

それに、仮に、の話ではあるが。
もし誰かが錬金術を行使してくれれば、またこの体を持って戻ってくることが出来るかもしれない。

のろのろと両手を動かし、パン、と打ち鳴らす。
鋼の手と肉の手、二つが一つになり、ゆっくりと離れて行った。

そのまま両手は、携帯電話に。


――押し当てる。


光に融けていくのが、最後の感覚だった。


【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 消息不明】


*****


現場検証を始めてすぐ、鳴海歩はそれに気付く。

「……これは」

東郷の死体のすぐ傍に転がっていた、もう一つの死体。
年端もいかない少年のそれは、見覚えのあるものを握っていた。

「コピー日記……。なんで、これが?」

我妻由乃との邂逅で失ったはずのコピー日記。
それを、この少年が持っているのは、どうしてか。

「……やられた、か?」

無論、あの時学校に置いてきたのをたまたまこの少年が回収したのだろうと考えることもできる。
勿論そんな偶然を信じるつもりはない。
何故なら、コピー日記は一見単なる携帯電話にしか見えない。
当然、この道具の真の価値を知っている者だからこそ、あのどさくさに紛れて持って行ったと考えるべきか。

そうなると、だ。

「こいつが秋瀬或……か」

あの場にいたはずの関係者で、雪輝でも由乃でもないなら、それしか考えられないだろう。
放送の情報があてにならないというのは、掲示板にも書かれている。
あるいは何らかの手段で自分達を誤魔化して、死んだことにしたのかもしれない。
いずれにせよ、この少年はずっとこそこそ裏で動いていたのだ、きっと。

電話越しのやり取りを思い出す。
……警戒すべき相手だし、実際に言葉という矛を交えたこともある。
だが――嫌いにはなれなかった。

「…………」

黙祷を捧げる。
今できるのは、後はこの少年の遺志を継ぐこと。それくらいだ。

そして、東郷。
この男もまた、最後まで実直に在り続けたのだろう。
……まさか死ぬなどとは思えなかった。
理性ではなく感情の面で、想像が出来なかったのだ。

「……あんたが死ぬなんて、一体何があったんだ?」

目を閉じ、やはり同じようにする。
目的のために手段を選ばない男だった。
善でもなく、悪でもなく、ただ自分であろうとする存在。
……ある意味、自分が見てきた中で一番完成された人間だったのかもしれない。
だからこそその力を頼り、危険性を封じる為に、安藤と同行させたのだが。

……そう、安藤だ。安藤が、ここにはいない。
そのことにうすら寒いものを感じる。

彼の安否はどうなったか。それとも、彼自身がこれを引き起こしたのか。
物言わぬ躯と語らうことで、その片鱗でも拾えればいいのだが。

東郷の死体を見やる。
あんまりにも綺麗に、脳天が撃ち抜かれている。
だが、状況があまりに不自然だ。抵抗の様子が全く見られない。

この狭い部屋の中で、この男が何もできずこうまで圧倒された?
……有り得ない。これほど用心深い偉丈夫が、室内戦で後れを取るはずがない。
何らかの理由で全く抵抗が出来なかったと考える方が妥当だ。

……そう。
例えば、相手の意識を完全に奪う異能の様な。

しかし、しかしだ。
東郷の死因は、間違いなくこの銃痕だ。
そして自分の知る限り、あの能力はこの口径の銃と同時に扱う事は不可能なはずだ。
と、なると――最低でも一人、共犯者がいることになる。
思い当るのは、やはり先刻の狙撃手だ。

「…………」

知人を疑う自分に、嫌気がさす。
だが、思考を止めることはしない。
それが自分に出来ることだと知っている。

たったひとつの冴えたやりかた、などと、何かを妄信するつもりはない。
ありとあらゆる可能性を試し、足掻き、藻掻き、進んで退いてを繰り返し。
この道の先を知らぬ人間でも、それでもいつか、どこかに手が届くのだ、と。

――それが鳴海歩なのだから。

頭を振り、検証を続ける。
まだ、あの少年が犯人だと決まった訳ではない。

……しかしだ。
やはりこの室内は綺麗すぎる。
秋瀬或と、東郷。最低二人はいたはずなのに、どちらか一方すら犯人と争った形跡がないのはやはり妙だ。

「…………?」

視線の先に、弾痕が止まる。
壁にぽっかと開いたそれは、一見流れ弾による産物のようにも見える。
が。

「……血液の飛び散り方と、射線軸が一致するな」

――壁越しに攻撃した、とでもいうのか?

馬鹿な、と自分の考えを否定する。
完全な盲射ではないか、と。
謎の狙撃手の仕業だとしても馬鹿馬鹿しい。

……だが、もしそうなら東郷さえ手も足も出なかった理由に説明がつく。
流石に壁越しに正確な攻撃を脳天に食らう、などというのは想像すらできないだろう。

異能による意識の喪失と、壁越しの奇襲。
これらが同時に発生したならば、流石の東郷でもどうにもなるまい。

……もし、壁越しに攻撃したとして。
予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、
こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ?

「…………」

結論ありきで考えている。それは分かっている。
――誰かに意識を誘導されているのかもしれない。
踊るのは慣れている。……この感覚は、身に染みている。
だが、それでも。自分にはこれしかないのだ。

大きく、ゆっくりと、時間をかけて溜息を。
酸素を取り込み、掻き乱された頭を整調する。

時間が惜しい。
一つの疑問点にかかずらってはいられない。

東郷の躯から、秋瀬或と思しき死体にまた視線を戻す。

「ん……?」

よくよく見ると、握っているモノはコピー日記だけではない。
もう片方の手には、メモ帳が握られていた。
それもわざわざ、自分の血に濡れないように。

「これは……」

――感嘆する。
そこには数々の、秋瀬或の得た情報や、そこから導いた考察が詰まっていた。
特に最後の方には、錬金術とその視点から見たこの島について詳しく書かれている。
エドワード・エルリックより聴取、と、小さく脇に記されていた。
几帳面なことに、この情報を聞いた時刻までしっかりと。

「エドワード・エルリック……か」

……この男は、何処にいる?
記された時間からして、まだ遠くには行っていないはずだ。
この惨劇が発生してからの時間は、きっと思うより遅くない。
おそらくは東郷や、安藤とも共にいたはず。

「探してみる価値は……あるな」

書かれている内容は錬金術を不完全とはいえ齧った自分には興味深いものばかりだが、
後で読み返すことにして一旦置いておく。

……自分の兄の名前が記されていたことも、今は保留だ。

懐に手帳をしまい、次に手を伸ばしたのはコピー日記だ。
これもまた、血に濡れないように気遣われていた。

「……懇切丁寧だな」

苦笑する。
……この男は、そういう男だ。
僅かなやり取りではあったが、十分に理解させられた。
もしかしたら最初から自分に遺すつもりでこうしていたのかもしれない。
神社で合流というのは、おそらく東郷達から聞いていたのだろうから。

「……っと」

ひらりと、二つ折りのコピー日記の隙間から紙が零れ落ちる。

「なんだ……?」

畳まれたそれを開いてみる。
――名簿だった。
一部の名前が赤に染まった、名簿。

「……っ!」

不自然なことではない。名簿に記された死人の名前は、赤く染まる。
だが、その中で一つだけ。
染まった方法が、明らかに違うものがあった。

「安藤……!?」

その名前が、真っ赤に染まっている。
この名簿の機能ではない、秋瀬或自身の、血によって。

――秋瀬或は、探偵だ。
こんな名簿をわざわざ、コピー日記に挟んでおいた、その意図は。

歩の中で、何かがカチリと填まる。
そう、コピー日記だ。
あの秋瀬或が、単に自分が秋瀬或だと自分に伝える為だけに、こんな回りくどいことをした?
否だ。

待て。
待て、待て。自分は先ほど何と考えた?

『予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、
 こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ?』

――そうか、と歩はしっかりと、秋瀬或のバトンを受け取った。


「未来日記。……安藤、お前は」


【ゴルゴ13@ゴルゴ13 死亡】
【秋瀬或@未来日記 死亡】

【F-5/神社/1日目/夜中】

【鳴海歩@スパイラル~推理の絆~】
[状態]:疲労(中)、腹部裂傷(小)、貧血、左肩に深い刺創(応急手当済み)、両腕に複数の裂傷
[服装]:上半身裸
[装備]:秋瀬或のメモ帳、小型キルリアン振動機“チェシャキャット”(バッテリー残量100%)@うしおととら、コピー日記@未来日記、風火輪@封神演義
[道具]:支給品一式×3、医療棟カードキー、破魔矢×1、社務所の売り物(詳細不明)×0~3、錬丹術関連の書籍、
    手錠@現実×2、警棒@現実×2、警察車両のキー 、詳細不明調達品(警察署)×0~2(治癒効果はない)、
    No.11ラズロのコイン@トライガン・マキシマム、居合番長の刀@金剛番長、月臣学園男子制服(濡れ+血染め)、雪輝日記@未来日記
[思考]
基本:主催者と戦い、殺し合いを止める。
0:未来日記を得た安藤と狙撃手の協調への強い疑い。
1:放送の内容やネット情報、秋瀬或のメモについて考察したい。
2:競技場に向かい、趙公明の動向を探る。並行してエドワード・エルリックの捜索。
3:結崎ひよのに連絡を取り、今後の相談をしたい。
4:島内ネットを用いて情報収集。
5:首輪を外す手段を探しつつ、殺し合いに乗っていない仲間を集める。
6:カノン・ヒルベルトの動向には警戒。
7:『砂漠の星の兄弟(姉妹?)』に留意。
8:『うしおととら』と、彼らへの言伝について考える。
9:神社の本殿の封印が気になる。
[備考]
※第66話終了後からの参戦です。自分が清隆のクローンであるという仮説に至っています。
 また時系列上、結崎ひよのが清隆の最後の一手である可能性にも思い至っています。
※主催者側に鳴海清隆がいる確信を得ました。
 また、主催者側にアイズ・ラザフォードがいる可能性に気付きました。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については情報を得られていません。
※錬丹術(及び錬金術)についてある程度の知識を得ました。
※安藤の交友関係について知識を得ました。また、腹話術について正確な能力を把握しました。
※未来日記について、11人+1組の所有者同士で殺し合いが行われた事、未来日記が主観情報を反映する事、
 未来日記の破壊が死に繋がる事、未来日記に示される未来が可変である事を知りました。
※考察に関しては、第91話【盤上の駒】を参照。
※秋瀬或のメモ帳には、或が収集した情報とエドワードの錬金術についての知見、それらに基づく考察が記されています。



※神社の石段手前に中型トラックが停められています。
※ゴルゴ13の死体はブラックジャックのメス(8/10)@ブラックジャック、ジャスタウェイ(4/5)@銀魂、携帯電話(白)を身につけています。
※秋瀬或の死体はクリマ・タクト@ONE PIECE、ニューナンブM60(4/5)@現実を身につけています。
※ゴルゴ13の死体の傍にデイパック(支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、包丁、不明支給品×1(武器ではない)、熱湯入りの魔法瓶×2、ロープ
 携帯電話(黒)、安物の折り畳み式双眼鏡、腕時計、ライターなどの小物、キンブリーの電話番号が書かれたメモ用紙)が落ちています。
※秋瀬或の死体の傍にデイパック(支給品一式、各種医療品、 天野雪輝と我妻由乃の思い出の写真、ニューナンブM60(5/5)@現実、.38スペシャル弾@現実×20、
 警棒@現実×2、手錠@現実×2、携帯電話、A3サイズの偽杜綱モンタージュポスター×10、A3サイズのレガートモンタージュポスター×10
 永久指針(エターナルポース)@ONE PIECE)が落ちています。


*****


目の前で、エドワードが撃たれた。
たったそれだけで、安藤は混乱の極みに陥った。

何故?
どうして?
誰が?
何処から?

今すぐここから逃げる、という選択肢さえ、考える余裕はなかった。

こんな筈ではない。
こんなの予定にない。

妄信は依存を生み、依存は安寧を育てる。
然らば、依存を失った安寧は淪落するが道理というものだ。

「そんなっ! なんで……!?
 駄目だ、こんなの駄目だ! エド、エド!」

半狂乱。
かろうじて理性がアトラスのように自我を支えているだけで、安藤は己の体調をも顧みずエドワードに縋りつく。
捨て去ったと思っていた罪悪感はちっともそんなことなく整然と心に積み上げられていて、あたかも図書館の本棚の如く自分の周りに聳え立っている。
……ただ整理をつけて、動き回るのに支障はないようにしただけ。
どこまで行っても安藤は、その心は、どこにでもいる普通の人のものなのだから。

「エド、駄目だ! あんなこと言っといて死ぬなよ!
 お前……っ、ウィンリィさんを守るんだろ! 救うんだろ!?
 俺とおんなじで、弟がいなくなって、辛いんだろ?
 だったら駄目だ! ちゃんと最後まで生き抜いて、あいつを――死んだあいつらを救わなきゃ!」

喚き散らす。
涙と鼻水と血が顔面をぐちゃぐちゃに汚し、ついた膝は泥塗れ。
尊厳とか誇りとか、そんなものとはこの世で一番程遠い姿である。
実に惨めったらしい。

けれど、エドワードはそんなことはお構いなしで。
目の前でごそごそ何かを取り出すと。

「……エ、ド?」

呼び掛けは虚空へ。
エドワードは自分を見てなどいないのだと、脳漿に氷柱をぶっ刺されたように急速に理解した。
これ以上一人相撲を続けることはできず、けれどこのまま黙って何もしない訳にもいかず。

硬直した僅かな間のその隙に、安藤の出来ることは全て終わっていた。

唐突にまばゆい光が目の前で起こり、焼かれないよう一瞬目を閉じる。
とっさに掲げた腕がその動きを止める頃には、事態はとっくに終わっていたのが間抜けな光景ではある。
ちかちかとする視界を無理にこじ開け、目を眇めながらすぐ先のエドワードを確かめる。

「エド?」

返事はない。
急に辺りが冷え込んだように、感じた。


「……え、あ?」

そこに動く影は、もはや安藤一つしか存在しなかった。
エドワードがいた場所には、首輪と、服と、彼の荷物が転がっている。ただそれだけ。
どういうしかけか、機械鎧はそこにはない。
ベージュとハートの携帯電話が、やけに月明かりに輝いていた。

「え……、何、が」

理解できない。
銃で撃たれた、それだけなら理解はできる。
たとえ取り乱してもちゃんと筋道立てて考えられる。

……もう、安藤の頭は飽和状態だ。故に完全な思考停止に陥る。
倒れた。光った。消えた。
安藤に分かるのはそれだけ、因果も何も見えては来ない。

何も分からず、何もできず、ただそこに立ち尽くしていた。
たった一人で。

……一人? いや、違う。

ざり、という音が、安藤のすぐ傍から届く。
はっとして顔を挙げる。

佇む影が、静かににじり寄っていた。
まるで幽鬼のように音もなく、しかし、おぞましいほどの笑みをその顔に浮かべて。

「電話をかけてみて正解だったね。
 どっちが僕に連絡を入れてきたのか分からなかったから、試しただけなんだけど。
 こんなに簡単に君を特定できるとは思わなかったよ」

言葉が出ない。
ああ、神様。それとも悪魔?
この出会いで、何を自分に求めているのです?

「やあ……」

たった今殺戮を行ったばかりのその手を柔らかに伸ばし、人好きのする表情で。
それは、告げた。


「初めまして、僕はカノン。カノン・ヒルベルトだ」



【D-4/川辺/1日目/夜中】

【カノン・ヒルベルト@スパイラル~推理の絆~】
[状態]:疲労(小)、全身にかすり傷、手首に青痣と創傷、掌に火傷、“スイッチ”ON
[服装]:月臣学園男子制服
[装備]:M16A2(12/30)@ゴルゴ13、理緒手製麻酔銃@スパイラル~推理の絆~、麻酔弾×15、携帯電話(シルバー)
[道具]:支給品一式×4、M16の予備弾装@ゴルゴ13×3、パールの盾@ONE PIECE、
    大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー、
    五光石@封神演義、マシン番長の部品、秋葉流のモンタージュ
    不明支給品×1
[思考]
基本:全人類抹殺
1:鳴海歩と合流は保留。通信ネットワークの存在下における最適な殲滅方法を再定義。
2:安藤(兄)への興味。
3:十分なアドバンテージを確保した状態であれば、狙撃による人類の排除。
[備考]
※アイズ・ラザフォードを刺してから彼が目覚める前のどこかからの参戦です。
※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。
※みねねのトラップフィールドの存在を把握しました。(竹内理緒によるものと推測、根拠はなし)
 戦術を考慮する際に利用する可能性があります。
※森あいの友好関係と、キンブリーの危険性を把握しました。

【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:全身打ち身(中)、頭部裂傷(小)、腹話術の副作用(大)、魔王覚醒、風邪気味
[服装]:飼育員用のツナギ
[装備]:殺人日記@未来日記(機能解放)
[道具]:イルカさんウエストポーチ、菓子数個、筆記用具(以上全て土産物)、土産品数個(詳細不明)
    水族館パンフレットの島の地図ページ、携帯電話(古い機種)
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦う。危険人物は可能な限り利用した上で同士討ちを狙う。
0:エドワードの消滅とカノン・ヒルベルトの意図に混乱。
1:首輪を外す手段と脱出、潤也の蘇生の手掛かりを探る。
2:闘技場に向かい、C・公明の企みに介入する。可能ならば病院で治療も。
3:殺し合いに乗っていない仲間を集める。利用できるなら殺し合いに乗っていても使う。
4:歩本人へ強い劣等感。黒幕の一味との疑い。
5:エドの機械鎧に対し、恐怖。本人に対して劣等感。
6:リンからの敵意に不快感と怯え。
7:関口伊万里にやりどころのない苛立ち(逆恨みと自覚済み)。
8:今後の体調が不安。『時間』がないかもしれない。
[備考]
※第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です。
※鳴海歩から、スパイラルの世界や人物について彼が確証を持つ情報をかなり細かく聞きました。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については

情報を得られていません。
※我妻由乃の声とプロファイル、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。由乃を警戒しています。
※未来日記の世界と道具「未来日記」の特徴についての情報を聞きました。
探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。
※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。
  詳細は鳴海歩の状態表を参照。
※掲示板の情報により、ゆのを一級危険人物として認識しました。
※腹話術の副作用が発生。能力制限で、原作よりもハイスピードで病状が悪化しています。
※九兵衛の手記を把握しました。
※月食が"何か"を引き起こしかねないという考察をエドに聞いています。
※秋瀬或から彼自身の考察や鳴海清隆についての話をある程度聞いています。
※エドワードと秋瀬或の交渉の中で、エドワードの考察をある程度聞いています。
※キンブリーと趙公明の繋がりを把握しています。




※携帯電話(ベージュ+ハート)、エドワードの首輪、エドワードのコートと服、バロンのナイフ@うえきの法則、
 デイパック(支給品一式(二食消費)、かどまツリー@ひだまりスケッチ、柳生九兵衛の手記、食糧1人半分、割れた鏡一枚、土産品数個(詳細不明))が安藤の目の前に落ちています。



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