個別学習
学習指導の形態は、基本的に次の三つが考えられる
一斉学習(1集団40人前後)、
グループ学習(1集団20人前後)、
個別学習(1人)である。
このうち、一人ひとりの生徒児童が独立し、それぞれのプログラムを自分のペースで学習していく形態のことを
個別学習という。これには一人ひとりの能力、興味・関心に応じた方法ととるところにその特色がある。つまり、
一斉学習には対応できない、個人差に応じた学習ができるのだ。これを、
①学習過程のすべてを個別化しようとするもの
②一斉授業の中で個別化を図ろうとするもの
という視点から2つに分類することができる。例として、①
プログラム学習、
オープン・スクール②
ウィネトカ・プラン、
ドルトン・プランがそれぞれ該当する。
一斉学習の問題を解決するために個別学習を導入するといった声もあるが、それには以下のような難しさがある。
[困難点]
①現在の教育制度から来る困難さ(一学級の定員、年齢主義の
教育課程など)。
②学習成立過程の類型化。
③子供を捉える(診断・評価)の難しさ。
④授業設計の複雑さから来る困難さ。
⑤学習プログラム作成の困難さ。
⑥教育機器などの整備の困難さ。
これらの問題を解決しながら、個人個人に学習が的確に成立する方法が教育実践現場に要求されている。現在、この難点を配慮した学習形態が考えられている。それが
個別化学習である。これは完全な個別学習とは区別される。個別学習の方向をとりながらも、一斉学習の良さを残している。一斉学習と個別学習が溶け合ったような学習形態を基本としている。両者を対立する概念としてとらえず、相互に補い合い、助け合って、教育のトータルシステムとしての成果を高めようとするものである。
なお、
個別学習を支援する方法としてコンピュータを利用する
CAIがある。
最終更新:2007年03月22日 16:26