アットウィキロゴ

まだまだあるよ!ショートトラックの「良さ」

さて、もう少し詳しく、ショートトラックについて説明します!
まずは、ショートトラックの「良さ」について。

実はショートトラックって、残念ながら他人に紹介すると「この競技必要あるの?」って結構言われますw
「アクシデント多すぎだし、スピードを競う競技はスピードスケートだけで良いじゃん」とw

いやいや、最高に面白い、そして存在意義もある競技ですから!
前章で、ショートトラックの良さとして「駆け引き」「勝ち抜き戦」の面白さを挙げましたが
それ以外にもたくさん、存在意義はあるのです!

・大きなリンクが必要ないこと
  普通のスピードスケートをするには広大なリンクが必要ですが、
  そのような、場所代も維持費も高く付く施設がある地域ばかりではありません。
  小さなリンクしかない地域でも、スピードスケートができる。普及のために、大事なことなのだと思います。

・観戦席の臨場感
  「ショートトラックは実際に会場に見に行くとハマる」とはよく言われます。
  スピードスケートのリンクは広いので、会場にいても「遠くで選手が滑っているな~」って時間が多く感じるそうです。
  しかしショートトラックは目の前で、近くで、迫力あるレースが体感できるのです。

・小柄な選手でも通用すること
  スポーツって大体、体が大きい方が有利ですよね。よって体格が劣るアジア人は不利なことが多い…
  しかしショートトラックは違います。頻繁にコーナーを曲がるので、遠心力の関係上、コーナーにおいては
  小柄な選手の方が有利。また小回りが効く方が、選手間のわずかな隙間に入り込むなど器用な滑りができます。
  ただもちろん、大柄な選手の方が直線の滑りにおけるパワーはあるし、体が邪魔となり後ろの選手が追い抜きにくいという
  利点もありますから一長一短です。体格による有利不利が少ない競技として魅力があります。
  実際ショートトラックは、かつては日本が、今は韓国や中国が、すなわちアジア人が天下を握ってきた競技です。

・コーナリング技術
  ショートトラックはとにかく急カーブの連続。選手の方はよく曲がれますよね…
  この競技で磨かれたコーナリング技術は、普通のスピードスケートにも大いに活用できると注目されています。
  実際、ショートトラックの選手だったシャニー・デービス選手やイ・スンフン選手が
  スピードスケートに転向して五輪で金メダルを取っています。スピードスケートの選手が
  コーナリング技術を高めるために、ショートトラックの合宿に参加することもあるそうです。
  日本でも、スピードスケートの加藤条治選手は元々はショートトラック出身ですね。

ね、文句言ってた人も、ショートトラックも捨てたもんじゃないって感じ、するよね!

あ、あと「なんで滑るコースに線引いてないの!見にくい!」という文句もよくありますねw
確かに、カーブの部分にコースを仕切る石を置いているだけで、それ以外、コースを示す基準はありません。
まあこれには理由があって、同じコースをずっと使っていると氷の損傷が進むので、
コースを頻繁に変える必要があるんだそうです。それで、石をずらすだけでコースを変えられるようにしたわけ。

とはいえ、わかりやすくするために、テレビ中継ではバーチャルで線を書いたり色を付けたりした方が
初めての方に優しいんじゃないかな~という気はしますね。以上、余談でしたw


レースをより楽しむために

次に、ショートトラックのレースを観戦する上で参考になる知識を挙げていきましょう!

・戦法は人それぞれ
  選手それぞれの得意戦法は何なのかな?ということを意識して見ると面白いと思います。
  序盤から積極的に先頭や2番手といったポジションを取り、粘りこみを図る選手もいれば
  序盤は後ろで力を溜めて、少しずつ追い上げる、あるいは最後に一気に前を追い抜く選手もいます。

・道中の駆け引き
  とはいえ、解説者のお話など聞いていると、戦略の基本はできるだけ「前に出る」ことのようです。
  ショートトラックのレースは序盤はペースが緩く、終盤になると前の選手がペースを上げていき逃げ切りを図ることが多いです。
  よって、ペースが上がり切った終盤は、疲れてくることもあり、格上の選手でなければなかなか前を抜くのは難しいです。
  そこで、序中盤にできるだけ前目の良いポジションを確保したいというわけです。
  とはいっても、無理やり前に行って力を使いすぎれば、さすがに終盤にバテて交わされてしまうでしょう。
  出来るだけ力を使わず、良いポジションを取りたい。その思いが交錯し、駆け引きが生まれてくるのだと思います。
  後ろの選手に交わされそうになった時に、スピードを上げたり体でブロックしたりして防ぐ動きも見物です。

・前の選手の追い抜き
  ショートトラックでは序盤から終盤に至るまで、前の選手を追い抜く行為がたくさん見られます。
  各選手の追い抜きの技術は、ショートトラックの大きな見どころの一つだと思います。
  追い抜き方は大きく分けて2つあります。内側から抜くか、外側から抜くか、です。
  接触の危険が少なく、安全なのは外側から抜く方でしょう。しかし、ショートトラックは頻繁にカーブを曲がりますから
  外から追い抜こうと思うと、相当なスピードの差が必要となり、特に短距離においては厳しいものがあります。
  そこで実際は、内側から抜くことも多いです。選手は急カーブを曲がった直後の直線は必ず外に膨れますから
  そこで空いた内側に上手く入って抜くのです。しかし、次のカーブが始まる前に抜き切らないと接触が起こり
  転倒したり、失格の対象となってしまうことも多々あり、賭けの一手でもあるのです。

・フィニッシュ直前の攻防
  ショートトラックのフィニッシュは、ブレードの先端がゴールラインを通過した瞬間です。
  よってゴール前混戦の際は、各選手が思い切り片足を前に出すシーンが見られます。
  最後の最後の直線で順位が入れ替わることもあり、目が離せません。


それぞれの距離の特徴は?

ショートトラックには色んな距離の種目があります。
基本的に、「この距離専門!」みたいな選手は少なく、全ての距離をこなす選手がほとんどです。
しかしやはり、選手によって得意種目と苦手種目がありますし、レースの様子も変わってきます。

・1500m
  1500mはオリンピックで行われる中では最も長い距離です。
  序盤はゆったりとしたペースでお互い牽制し合いながらレースが進んでいき、
  徐々に徐々にペースが上がっていきます。また、4人で滑る他の距離と違い、6人による大人数のレースです。
  大人数の選手たちによる、長きにわたるポジション争いがたまらない魅力ですね。
  スタミナ勝負になると終盤は大差が付くことも多く、強い選手が強い勝ち方をするのも見どころかもしれません。
  この競技で天下を握る韓国勢が特に強い競技でもあり、男子はトリノ、バンクーバーともに無敵の内容でした。

・1000m
  1000mは序盤からペースも速いので1500mのようにやや冗長になるようなこともなく
  しかしながら、駆け引きをする時間も十分にあって、最もファンが多そうな種目です。
  1500mに比べて終盤になっても差が開きにくいので、序中盤のポジション取りの良さが結果に直結しやすいと思います。
  よって、「駆け引き」という要素が特徴であるこの競技を最も体現した種目かもしれませんね。
  中間の距離なので、長距離が得意な選手と短距離が得意な選手がガチンコでぶつかり合うのも魅力です。

・500m
  500mはスピードとパワーの勝負!駆け引きの要素は最も少なく、
  優れたパワーでスタートダッシュを決めてそのまま押し切ろうとする、欧米の選手が元気になる種目です。
  長野五輪のこの種目で金メダルを取った西谷岳文選手も、「浪速の弾丸」と言われるスタートダッシュがすごかったですね。
  各選手トップスピードを出すため、特に上の方のラウンドでは前の選手を追い抜くことはかなり難しく
  とにかくスタートで前に出られるかが重要となります。そのため、スタート位置が内側の選手が有利です。
  次ラウンドで内側のスタート位置を得るため、ただ勝ちあがるだけでなく、良いタイムでゴールすることも非常に重要で
  タイムにも注目して観戦すると面白さが倍増します。
  また、500mは人間がずっと全速力で滑り切るには少し長すぎる距離で、一度どこかで休む必要があり
  そこにスタートで遅れた選手にも追い抜きのチャンスが生まれるようです。

 ※500mはショートトラックの醍醐味である「駆け引き」の要素がややわかりにくく、スタートゲーにも見えるため、
  私も最初はあまり好きではありませんでした。しかし、特に男子500mの疾走感は、ハマるととても興奮します。
  それに、「もし組み合わせが逆だったら?」「もしスタート位置が逆だったら?」
  ちょっとのことで結果が大きく変わるのが500m。極限のスピード勝負ゆえにアクシデントも多く
  不確定要素が非常に多いため、一番ハラハラドキドキできるという意味で、最近はむしろ私はお気に入りですw

・リレー
  ショートトラックのリレーは4人1チームで、誰が何回滑っても何m滑ってもよし、どこで交代してもよしという
  なかなかにフリーダムなルールです。ただし、アンカーは2周以上走らなければいけないという例外があります。
  それ以外は、基本的には1周半ごとに交代するのが一番効率的と言われているらしく、それがスタンダードです。
  交代は体にタッチすることによって行います。普通はただタッチするだけではなく、腰を押して勢いをつけてあげます。
  小さなリンク内に大量の選手が入り乱れて争うその迫力(カオスさ)が魅力の一つでしょうw
  それゆえ、アクシデントで台無しになってしまうこともありますが、実力伯仲のチーム同士の争いは
  抜きつ抜かれつ、白熱します。特に1,2走は速いが3,4走は遅い、みたいなチームがいると順位変動が激しくなって面白いです。


失格?救済措置?細かいルール

・審判の裁定
  ショートトラックは接触が多い種目で、故意でなくとも他選手の進路を妨害してしまうことがあります。
  そのような場合に失格や救済措置などの裁定が行われます。これだけ頻繁に失格者が出る競技は珍しいかも。
  裁定を下すのは、リンク中央で、上はスーツ着て下はスケート靴履いて滑っているチーフレフェリーさんです。
  レースが終わって怪しい場面があれば、アシスタントレフェリーと話し、必要ならばビデオで確認した上で
  最終的に裁定が下ります。ちなみにビデオ判定が導入されたのは、2002ソルトレークシティ五輪の
  男子1000m準決勝で、日本の寺尾悟選手が誤審により失格を取られたことがきっかけと言われています。

・失格
  接触により他選手を転倒させたり、不利益を与えたりした場合に失格となる場合があります。
  追い抜きの際に起こることがほとんどです。基本的に前にいる方の選手に優先権があるので
  後ろから追い抜こうとした方の選手が失格になることが多いです。内側から抜こうとして
  抜き切れないままコーナーに突入してしまい、接触・転倒するケースがバンクーバーでは最も多かったです。
  失格になると、そのレースのタイム・順位は無効で結果表には"DQ"または"DSQ"と表示されます。(Disqualifiedの略)
  もちろん何位でゴールしていようと次ラウンドには進めません。総合順位が何位になるかは大会によって異なります。
  あと、同じ選手が同じレースでフライングを2回した場合も失格になります。

・救済措置
  他選手の妨害を受けたり、転倒に巻き込まれたりした影響で次ラウンドに進出できない順位になった場合
  救済措置(アドバンス)という裁定を受ける場合があります。その場合、結果表にはAと表示され、次ラウンドに進出します。
  (Advanceの略。ついでに、通常の次ラウンド進出者はQと表示されます。Qualifiedの略。)

  例えば、4人中上位2人が次に進出するレースで、最後に3番手の選手が2番手の選手を抜こうとして失敗し2人とも転倒したとします。
  その場合、まず先頭の選手が1位通過、4番手だった選手がタナボタ2位通過で、3番手の選手は失格となります。
  そして、2番手だった選手には救済措置が適用されて、この人も加えた3人が次のラウンドへ進出することになります。
  ただし、妨害を受けたら必ず救済されるわけではありません。基本的には、「妨害を受けていなかったら
  次に進出していたか」が基準です。つまり、妨害された時点で次ラウンド進出圏内にいたならまず救済されると思います。
  それから、決勝に救済措置はありません。いくら金メダル目前で押されて倒されようと、救済メダル等はありません。
  こればっかりは仕方のないところですかね。そもそも昔は一切救済措置なかったみたいですし。

・再スタート
  ちょっと関係ないですが、細かいルールとしてこれもご紹介。
  「スタートから最初のコーナー中央までに、接触による転倒が起こった場合」、審判が再スタートを行うことがあります。
  スタート直後のポジション取りが激しい500mでは時々起りますね。
  ちなみに前回、スタートした直後につまづいてコケた選手もいましたが、接触の影響ではないので続行でしたw



最終更新:2014年01月30日 17:51