山形県鶴岡市にある羽越本線の未使用の複線トンネル、宮内トンネルが事件のメイン舞台として登場する。
あらすじ
自分の母親がヘイトクライムで殺されてから、結城のマンションでふさぎ込む都。
そんな彼女の悲しみを受け止めたのは、都が一時期預けられていた児童養護施設のある山形県鶴岡市の友人本多華凛だった。
そんな彼女の悲しみを受け止めたのは、都が一時期預けられていた児童養護施設のある山形県鶴岡市の友人本多華凛だった。
彼女が山形に帰ってからしばらく後、中学1年生で闘病の末に死去した都、華凛、そして都に会いに来た中学時代の瑠奈の共通の友人青野望美のドキュメンタリー番組を撮っていたテレビクルーが同窓会企画をやるのだという。
かつての友人に会いに行った都。だが思い出の海辺のトンネルで次々とテレビクルーが殺されていく。
かつての友人に会いに行った都。だが思い出の海辺のトンネルで次々とテレビクルーが殺されていく。
犯人は都の友人の中にいるのか。
登場人物
容疑者
- 本多華凛(16)
高校1年。
マイペースでいつも気だるそうにしているが、その実友達想いな女の子。
都を心配してわざわざ山形から都にやってきた。
不器用な都が弱さを打ち明けられる数少ない同性の友人。
都が高校生探偵として許されない殺意や憎しみをずっとマンションのベランダで聞き続けた。
現在はひろ子の民宿を手伝っている。
マイペースでいつも気だるそうにしているが、その実友達想いな女の子。
都を心配してわざわざ山形から都にやってきた。
不器用な都が弱さを打ち明けられる数少ない同性の友人。
都が高校生探偵として許されない殺意や憎しみをずっとマンションのベランダで聞き続けた。
現在はひろ子の民宿を手伝っている。
- 太田純也(16)
高校1年。大柄で色黒で山形弁丸出しの少年。
現在は海洋高校に通い、漁師の父親の跡を継ごうとしている。
無骨ながら初心な性格は勝馬に似ている。
愚鈍に見えるが、都が母親を失って大変なのを知っており、敢えて都の捜査に協力せずに海で遊んだりバイトに行き、高校生探偵ではない島都の友人になろうと気遣った。
実は都の事が好きだった。
現在は海洋高校に通い、漁師の父親の跡を継ごうとしている。
無骨ながら初心な性格は勝馬に似ている。
愚鈍に見えるが、都が母親を失って大変なのを知っており、敢えて都の捜査に協力せずに海で遊んだりバイトに行き、高校生探偵ではない島都の友人になろうと気遣った。
実は都の事が好きだった。
- 松岡哲士(16)
高校1年。イケメンだが女好き。エロ王と言われている。
現在は理奈とはカレカノの関係になっていて、一緒に映画館や美術館巡りをする仲。
都の共感性の強さと森たちの金もうけに望美を利用する事への不信感から、都が無理をして事件に挑む事を懸念していた。
都が自分たちを犯人でないことを確かめるために頑張っている事も理解し、全員にアリバイがあって安心している都を労った。
現在は理奈とはカレカノの関係になっていて、一緒に映画館や美術館巡りをする仲。
都の共感性の強さと森たちの金もうけに望美を利用する事への不信感から、都が無理をして事件に挑む事を懸念していた。
都が自分たちを犯人でないことを確かめるために頑張っている事も理解し、全員にアリバイがあって安心している都を労った。
- 石田理奈(15)
高校1年。眼鏡をかけた文学少女。
引っ込み思案だが松岡に対してはキツイツッコミを入れてくる。
都との再会を一番喜んでいた。
引っ込み思案だが松岡に対してはキツイツッコミを入れてくる。
都との再会を一番喜んでいた。
- 青野ひろ子(36)
民宿経営。3年前に死去した青野望美の母親。
娘の友人を自分の子供のようにかわいがり、親がいない華凛を実質引き取っている。
穏やかな素朴な美人。
娘の友人を自分の子供のようにかわいがり、親がいない華凛を実質引き取っている。
穏やかな素朴な美人。
- 森庄司(38)
ディレクター。長髪で眼鏡をかけたニヒルな感じ。露骨に番組を感動路線に仕立て上げようとしている。
酒に酔うと下品になるタイプ。
第一の犠牲者でトンネルでバラバラの惨殺体で発見される。
酒に酔うと下品になるタイプ。
第一の犠牲者でトンネルでバラバラの惨殺体で発見される。
- 冴木麗子(28)
アナウンサー。美人だがガラの悪さは割とすぐに出る。
事件が起こった時には恐慌状態になり、ヒステリーを起こしていた。
第二の犠牲者で瑠奈と一緒に誘拐され、トンネルの中で助けを求める電話をかけてきた後、犯人に連れ去られ、トンネルの北側で首だけになって発見される。
死体の登場がトラウマ級。
事件が起こった時には恐慌状態になり、ヒステリーを起こしていた。
第二の犠牲者で瑠奈と一緒に誘拐され、トンネルの中で助けを求める電話をかけてきた後、犯人に連れ去られ、トンネルの北側で首だけになって発見される。
死体の登場がトラウマ級。
- 平本宗司(45)
カメラマン。
サングラスに無精ひげを生やした無口な人間だが、殺される覚えがあるのか内心はびくびくしていた。
死んだ人間を笑顔で撮影するなど、不謹慎で下劣な所がある。
サングラスに無精ひげを生やした無口な人間だが、殺される覚えがあるのか内心はびくびくしていた。
死んだ人間を笑顔で撮影するなど、不謹慎で下劣な所がある。
レギュラー
- 島都
冒頭で母親を失い、ショックで混乱したり明らかに危うくなっていたが、華凛に母親を殺した人間に対する殺意をぶちまけた事で心を安定させることが出来た。
連続殺人では冷静に事件に当たっていたが、心の中では自分の友人が犯人ではないかと言う可能性に怯えていた。
そして友人全員にアリバイがあることに心から喜んでいたが、ある手掛かりに自分の友人が犯人であると確信。悲壮な覚悟を持ってその鉄壁のアリバイに向き合った。
そして友人全員にアリバイがあることに心から喜んでいたが、ある手掛かりに自分の友人が犯人であると確信。悲壮な覚悟を持ってその鉄壁のアリバイに向き合った。
- 結城竜
- 結城秋菜
必死で笑顔で頑張ろうとする都の危うい姿を心配する。
故に適度な距離がある故に都の殺意を受け止めた華凛に感謝をしていた。
山形へは酢だこに当たったため同行していない。
故に適度な距離がある故に都の殺意を受け止めた華凛に感謝をしていた。
山形へは酢だこに当たったため同行していない。
山形勢とは面識があり、都に同行する。
冴木禮子と一緒に犯人に攫われるなど散々な目に遭う。
冴木禮子と一緒に犯人に攫われるなど散々な目に遭う。
- 長川朋美
都のアッシーとして山形まで同行し、あつみ温泉を楽しんでいたが、都が殺人事件に巻き込まれたため彼女の捜査に協力した。
友人が犯人かもしれないという悲壮な状況に立ち向かう都を見ていられなくなり、高校生探偵としての義務を投げ出すように諭す場面も。
友人が犯人かもしれないという悲壮な状況に立ち向かう都を見ていられなくなり、高校生探偵としての義務を投げ出すように諭す場面も。
その他
- 青野望美
3年前に病死した都、瑠奈、華凛たちの友人。利発なセミロングの美少女で都以上の活発な女の子だった。
闘病生活もいつも笑顔でゲンキンな面を見せており、誰もが「あれじゃ死なないな」と思っていたが、あっという間に病状が悪くなり、死亡した。
彼女の死を知った中学生時代の都は葬式でずっと号泣していたらしい。
彼女の闘病生活はドキュメンタリー番組として世間で大きな反響を呼んでいる。
闘病生活もいつも笑顔でゲンキンな面を見せており、誰もが「あれじゃ死なないな」と思っていたが、あっという間に病状が悪くなり、死亡した。
彼女の死を知った中学生時代の都は葬式でずっと号泣していたらしい。
彼女の闘病生活はドキュメンタリー番組として世間で大きな反響を呼んでいる。
- 針本
青野望美の主治医だった人物。
1か月前に温泉街近くの鉄橋から首をロープでくくって飛び降り、首が飛ぶ形で死亡した。
1か月前に温泉街近くの鉄橋から首をロープでくくって飛び降り、首が飛ぶ形で死亡した。
- 古市
山形県警警部補。
いかつい顔で生真面目な性格。
割と建設的な議論を長川と進めるなど、無能な刑事ではないが、猟奇殺人を前にしていささか混乱していた。
いかつい顔で生真面目な性格。
割と建設的な議論を長川と進めるなど、無能な刑事ではないが、猟奇殺人を前にしていささか混乱していた。
用語
- 宮内トンネル
あつみ温泉駅と小岩川駅の間に作られた実在する羽越本線の複線構造のトンネルだが、羽越線の複線化が中止になったため現在も近代的な大きなトンネルが南側の住吉山トンネルとともに放置されている。
現実には鉄格子で封鎖されているが、作中では誰でも入れる状態になっており、その内部で殺人事件が2件発生する。
第二の事件では瑠奈と一緒にトンネルに拉致された冴木麗子が両手を切断された状態で電話をかけてきているが、都が入った時には冴木麗子の姿はなく、トンネルの北側出口に冴木の生首が転がっているのが発見された。
この時点で都の友人全員はトンネル南側付近におり、トンネルの長さは1.4㎞あるのでアリバイは全員成立している。
この時点で都の友人全員はトンネル南側付近におり、トンネルの長さは1.4㎞あるのでアリバイは全員成立している。
事件の真相
以下悲しい事件のネタバレ
- 本多華凛
この事件の犯人「トンネルの死神」。
都の時と同じように笑顔で頑張っている望美の死の恐怖や不安にも向き合い、望美が不安を口にできる唯一の存在だった。
そんな望美からドナーが見つかったことを真っ先に知らされ、それを2人で泣いて喜んだ。
だがその翌日に容体が急変した望美は死亡。
その経緯や平本が葬儀で号泣する都を大喜びで撮影している事に疑問を覚えた華凛は、3年後ひろ子の民宿に宿泊した森たち3人の部屋に盗聴器を仕込み、そして驚愕の事実を知る。
都の時と同じように笑顔で頑張っている望美の死の恐怖や不安にも向き合い、望美が不安を口にできる唯一の存在だった。
そんな望美からドナーが見つかったことを真っ先に知らされ、それを2人で泣いて喜んだ。
だがその翌日に容体が急変した望美は死亡。
その経緯や平本が葬儀で号泣する都を大喜びで撮影している事に疑問を覚えた華凛は、3年後ひろ子の民宿に宿泊した森たち3人の部屋に盗聴器を仕込み、そして驚愕の事実を知る。
それは望美が病を克服する事でドキュメンタリーの結末が「命の大切さを表現する」ものではなくなる事を危惧し、売り上げにも影響すると考えた森が、針本医師を買収して消毒液を望美に注射して彼女を殺したという事。
華凛は望美が死ぬことを怖がり未来を夢見ていた、その涙を思い出し、部屋で望美の未来を侮辱した3人への憎しみに身を焦がす。
だが華凛は決して最初から3人に復讐しようと考えていたわけではない。
だから都の所に行き、3人に法の裁きを受けさせるため真実を暴いてもらおうとしたのである。
だが都は母親を殺されたばかり。華凛は彼女の憎しみや怒りをベランダで聞いているうちに、「今都が殺された話をしたら、彼女は名探偵に戻れなくなる」と思って何も言えなかった。
そして望美の関連映画の広告を帰り道のバスターミナルのテレビで見て、そしてその絶望と憎しみの中、心優しき少女は悪魔に耳を傾けてしまった。
だから都の所に行き、3人に法の裁きを受けさせるため真実を暴いてもらおうとしたのである。
だが都は母親を殺されたばかり。華凛は彼女の憎しみや怒りをベランダで聞いているうちに、「今都が殺された話をしたら、彼女は名探偵に戻れなくなる」と思って何も言えなかった。
そして望美の関連映画の広告を帰り道のバスターミナルのテレビで見て、そしてその絶望と憎しみの中、心優しき少女は悪魔に耳を傾けてしまった。
なお都は推理時に「華凛ちゃんの心配はその通り、もし話されていたら憎しみに負けていたと思う」と吐露しており、「そのせいで私の代わりに華凛ちゃんが人殺しなんて嫌だよ」と号泣していた。
事件のメイントリックは第二の冴木麗子の事件。
実は冴木麗子が拉致されていたのは南側の住吉山トンネルの北側出口で、トンネルの中からなら、反対側のトンネルに相対する景色は宮内トンネル南側と見分けがつきにくく、さらに現場検証の警察のテープなどを張り巡らせることで、冴木に拉致された場所を宮内トンネル内部に偽装した。
そのうえで冴木にスマホで助けを求めさせた後に斧で首を切断し、それとあらかじめ切断しておいた両手首をリュックに詰めて都たちと合流。そして宮内トンネルを都と一緒に北側に向かって走り、北側出口でこっそり冴木の首を放置して完璧なアリバイを作った。
ちなみに死神の格好で誘拐した瑠奈は宮内トンネルに放置し、住吉山トンネルの冴木は殺す前に瑠奈の人形を見せてこれも現場偽装のガジェットとした。
実は冴木麗子が拉致されていたのは南側の住吉山トンネルの北側出口で、トンネルの中からなら、反対側のトンネルに相対する景色は宮内トンネル南側と見分けがつきにくく、さらに現場検証の警察のテープなどを張り巡らせることで、冴木に拉致された場所を宮内トンネル内部に偽装した。
そのうえで冴木にスマホで助けを求めさせた後に斧で首を切断し、それとあらかじめ切断しておいた両手首をリュックに詰めて都たちと合流。そして宮内トンネルを都と一緒に北側に向かって走り、北側出口でこっそり冴木の首を放置して完璧なアリバイを作った。
ちなみに死神の格好で誘拐した瑠奈は宮内トンネルに放置し、住吉山トンネルの冴木は殺す前に瑠奈の人形を見せてこれも現場偽装のガジェットとした。
つまり第一の事件で森を宮内トンネルで殺したのは、警察にトンネルをテープで封鎖させる事が目的だったのである。
この事件では友人のアリバイを重視し自分のアリバイを作ろうとはしていなかったが、太田純也が都に失恋して2分間立小便していたと嘘をつきながら15分号泣していたため、全員の時間間隔が狂って華凛のアリバイも偶然成立した。
この事件では友人のアリバイを重視し自分のアリバイを作ろうとはしていなかったが、太田純也が都に失恋して2分間立小便していたと嘘をつきながら15分号泣していたため、全員の時間間隔が狂って華凛のアリバイも偶然成立した。
だが事件後は警察の管理下に置かれ、また平本殺害を優先した事で住吉山トンネルの冴木の胴体と瑠奈の人形を回収できず、それが決定的な証拠となった。
ちなみに首の放置だけではなく両手首を川に流したのは「首以外の部位が流れているなら胴体も川にあるに違いない」という警察のミスリードを誘うためだった。
ちなみに首の放置だけではなく両手首を川に流したのは「首以外の部位が流れているなら胴体も川にあるに違いない」という警察のミスリードを誘うためだった。
最後に平本を殺そうと望美のお墓がある丘の上で待つが、事前に都が平本を警察に確保した上でサシで推理を行ったことで全ての罪を認めた。
その後心配してやってきた青野ひろ子に犯行を打ち明けた後彼女に同行してきた長川に自首した。
その際都に笑顔で「またな」と言い残した。
その後心配してやってきた青野ひろ子に犯行を打ち明けた後彼女に同行してきた長川に自首した。
その際都に笑顔で「またな」と言い残した。
- 森庄司
- 冴木麗子
- 平本宗司
金と名声の為に病を克服しようとした一人の少女を殺したクズども。
さらに3人は金で殺人を請け負った針本から揺すられており、針本を自殺に見せかけて殺している。
惨殺されて当然の外道どもであり、自分たちの罪を全く反省せず、望美の未来をも侮辱しながら笑っていた点を見ても、同情の余地など全くない。
さらに3人は金で殺人を請け負った針本から揺すられており、針本を自殺に見せかけて殺している。
惨殺されて当然の外道どもであり、自分たちの罪を全く反省せず、望美の未来をも侮辱しながら笑っていた点を見ても、同情の余地など全くない。
3人のうち最後の標的の平本は犯人に呼び出される前に都がそれを阻止したため唯一生き残るが、おそらく警察の再捜査で2つの殺人の罪に問われ、かなり重い刑を科せられると考えられる。
- 針本
森たちに金を渡されて殺人を黙認、さらに境界知能の看護助手の医療ミスに見せかける事で望美の死因を偽装した。
その後森たちを揺すった事で3人の鉄橋の上から首にロープを渡された状態で突き落とされて首ちょんぱ。
同情の余地はゼロである。
その後森たちを揺すった事で3人の鉄橋の上から首にロープを渡された状態で突き落とされて首ちょんぱ。
同情の余地はゼロである。
皮肉にも針本の死亡推定時刻に華凛は完璧なアリバイを手にしており、死体の首を飛ばすという手法で連続殺人に見せかける事でアリバイを強化した。
- 高野瑠奈
- 太田純也
- 松岡哲士
- 石田理奈
民宿から帰ってきた都に華凛の事を聞く。慌てて答えを考える都だが、瑠奈は優しい笑顔で言う。
「華凛、ちゃんと自首できたんだよね」
都は瑠奈に縋り付き、号泣するのだった。
- 青野ひろ子
華凛が犯人である事にうすうす気づいていた描写があり、彼女が亡き娘の為に殺人を犯したことを知ってショックを受けていた。
その後都と一緒に民宿に帰り、号泣する都を優しく見守った。
その後都と一緒に民宿に帰り、号泣する都を優しく見守った。
- 長川朋美
ひろ子に同行し、自首した華凛に手錠をかけず、淡々と連行した。
終始悲痛な表情で、都の友人を逮捕するという仕事は彼女にとっても辛いものだったに違いない。
終始悲痛な表情で、都の友人を逮捕するという仕事は彼女にとっても辛いものだったに違いない。
- 島都
この事件で最も辛い思いをした最大の被害者。
推理を終えて民宿に戻ってきた後、全てを察していた瑠奈や太田たちに出迎えられ、号泣するラストシーンはシリーズでも胸を打つシーンの一つである。
推理を終えて民宿に戻ってきた後、全てを察していた瑠奈や太田たちに出迎えられ、号泣するラストシーンはシリーズでも胸を打つシーンの一つである。
華凛が守ってくれた女子高校生探偵という立場に基づき、悲しい殺人を止めるために前を向いていく決意をすることになる。
余談
この事件では「都は推理で犯行を暴いてきた殺人者とは紙一重の存在」「高校生探偵だって憎しみや殺意を持ち、絶望もする」「決して絶対に壊れない存在ではない」事が強調される、ある種高校生探偵推理作品としては異色作である。
また「都の推理力を信頼し、事件解決に協力する」探検部と「事件捜査に協力しないことで都に役割を背負わせず、探偵ではない都を出迎える友人であろうとする」山形勢が対比され、高校生探偵の友人のあり方もテーマにしている。
実質友人の犠牲によって探偵として居続ける事になった都について、作者も「もう呪いだよね。都ちゃんにとって推理力って」と語っている。
ただ一方で「この事件があるからこそ、都ちゃんはこれからも難事件に真っすぐ立ち向かえる」と述べている。
ただ一方で「この事件があるからこそ、都ちゃんはこれからも難事件に真っすぐ立ち向かえる」と述べている。
読者からは「JR東以上に住吉山トンネルを一番有効利用している」と言われる作品。ただ実際のトンネルは鉄格子や木の生え方などから作中のトリックは無理だろうと作者は認めている。