◆
「――っ!?」
忌々し気に悪態を吐き捨て、瓦礫を振り払ったイドラが。
思わず喉をヒュッと鳴らし、凍り付いたように足を止めた理由は。
前触れなく発生した、強大な魔力の奔流を感じ取ったが故。
天才的な魔導士の肉体をベースに、造られたデスマスクだからこそ。
傍らでオロオロし出す亜里紗よりも、明確に脅威と察っせられたのだ。
思わず喉をヒュッと鳴らし、凍り付いたように足を止めた理由は。
前触れなく発生した、強大な魔力の奔流を感じ取ったが故。
天才的な魔導士の肉体をベースに、造られたデスマスクだからこそ。
傍らでオロオロし出す亜里紗よりも、明確に脅威と察っせられたのだ。
「あの女……何しやがったのよ……!?」
問い掛けに向こうは答えを返さず、ただ静かに己が掌に視線を落とす。
女性的なフォルムのキズナブラックという、基本となる装甲部こそ同じだが。
背には二対のメタリックな翼を装着し、両足にもこれまたブラックメタル製の鳥の爪型ユニットが追加。
そこへ更に、臀部部分から鋼鉄の馬の下半身と後ろ足を生やしてあった。
伝説上に住まう幻獣を思わせるパーツは、キズナブラック本人はおろか。
冥黒の魔女たる美嘉も、これまで持たなかった力。
女性的なフォルムのキズナブラックという、基本となる装甲部こそ同じだが。
背には二対のメタリックな翼を装着し、両足にもこれまたブラックメタル製の鳥の爪型ユニットが追加。
そこへ更に、臀部部分から鋼鉄の馬の下半身と後ろ足を生やしてあった。
伝説上に住まう幻獣を思わせるパーツは、キズナブラック本人はおろか。
冥黒の魔女たる美嘉も、これまで持たなかった力。
仕掛けを明かすなら、力の正体はアストルフォが騎兵(ライダー)のクラスたる所以の宝具。
この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)を対象に、藤乃代葉の「幻妖と契約し力を得る」能力を発動。
ヒポグリフをアストルフォから継承する形で、冥黒の魔女は新たな形態へ進化を遂げたのである。
この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)を対象に、藤乃代葉の「幻妖と契約し力を得る」能力を発動。
ヒポグリフをアストルフォから継承する形で、冥黒の魔女は新たな形態へ進化を遂げたのである。
自分を信じて託してくれた騎士へ、馳せる想いは多々あれど。
そっと蓋をし、打ち倒すべき死体人形達を両の瞳が射抜き、
そっと蓋をし、打ち倒すべき死体人形達を両の瞳が射抜き、
「ごふっ!?」
気が付けばと、他に言葉が見付からない速度で。
美嘉の姿が視界から消え失せ、何処へ行ったか探し回るのを待たず。
イドラの腹部へ衝撃が襲い掛かり、体が宙へ浮かんでいる。
目だけを動かし真下を見やれば、前足を突き上げた憎たらしい小娘が映り込み。
小癪にも蹴りを放ったとようやく理解し、途端に脳が沸騰せん程の怒りが湧く。
激情が急かすままに、魔法を放つべく魔力を収束させる。
美嘉の姿が視界から消え失せ、何処へ行ったか探し回るのを待たず。
イドラの腹部へ衝撃が襲い掛かり、体が宙へ浮かんでいる。
目だけを動かし真下を見やれば、前足を突き上げた憎たらしい小娘が映り込み。
小癪にも蹴りを放ったとようやく理解し、途端に脳が沸騰せん程の怒りが湧く。
激情が急かすままに、魔法を放つべく魔力を収束させる。
「なっ――」
しかし遅い、魔法が放たれるまでの僅かな猶予でさえも。
ヒポグリフの力を宿す美嘉には、十分過ぎた。
翼を展開し飛翔、イドラの頭上を取るや左拳を叩き込む。
限定的なマルガム化は併用可能であり、宿すケミーの名はライデンジ。
戦意に呼応し電気を放出、迸らせた打撃が頬へ命中。
恐竜グリードの強固な肉体であっても、知った事かとばかりに殴り付けた。
ヒポグリフの力を宿す美嘉には、十分過ぎた。
翼を展開し飛翔、イドラの頭上を取るや左拳を叩き込む。
限定的なマルガム化は併用可能であり、宿すケミーの名はライデンジ。
戦意に呼応し電気を放出、迸らせた打撃が頬へ命中。
恐竜グリードの強固な肉体であっても、知った事かとばかりに殴り付けた。
「こ、こんのぉ……!」
地面へ真っ逆さまに落ちていくイドラと入れ替わりに、亜里紗が攻撃に打って出た。
憎たらしい抵抗へ歯止めを掛けるべく、ビームライフルのトリガーを引く。
威力と連射性能の両面で、ブリッツガンダムを追い越す性能なれど。
当たらなければ意味が無いとの言葉を、実現させるかのように。
空中を華麗に駆け、熱線を危う気なく躱しながら翼を大きく薙ぐ。
憎たらしい抵抗へ歯止めを掛けるべく、ビームライフルのトリガーを引く。
威力と連射性能の両面で、ブリッツガンダムを追い越す性能なれど。
当たらなければ意味が無いとの言葉を、実現させるかのように。
空中を華麗に駆け、熱線を危う気なく躱しながら翼を大きく薙ぐ。
発生させた暴風は、ダブルオーライザーの重量を無視するも同然に体勢を崩す。
足元がもつれ、転倒しかけた隙を見逃しはしない。
先とは逆に急降下、新たなケミーカードを読み込ませた。
ブッサソーリーの刺突刃へ加速の勢いが味方し、装甲を砕き貫くまで残り数秒。
足元がもつれ、転倒しかけた隙を見逃しはしない。
先とは逆に急降下、新たなケミーカードを読み込ませた。
ブッサソーリーの刺突刃へ加速の勢いが味方し、装甲を砕き貫くまで残り数秒。
「い……良い気になるなぁあああああああっ!!!」
追い詰められつつある現状が、亜里紗へ切り札の使用を決断させる。
GN粒子の全面開放に伴い、機体が真紅の輝きを発す。
外見以上に、纏う空気が変わったのを美嘉も察した。
警戒を大きく引き上げ、その考えが正しいのを即座に思い知る。
GN粒子の全面開放に伴い、機体が真紅の輝きを発す。
外見以上に、纏う空気が変わったのを美嘉も察した。
警戒を大きく引き上げ、その考えが正しいのを即座に思い知る。
(速い……っ!?)
赤い残像を残し刺突を避け、瞬時に死角へ回り込まれた。
うなじがヒリ付く殺気に、咄嗟に後ろ足で蹴り付けるも手応え無し。
一ヶ所に留まらず動き続けながら、ダブルオーライザーが熱線を連射。
通常時の7倍ものGN粒子放出によるトランザムバーストは、機体の出力を劇的に強化している。
対する美嘉も機動力を活かし躱すが、ただ遠距離で撃つだけが敵の全てじゃない。
うなじがヒリ付く殺気に、咄嗟に後ろ足で蹴り付けるも手応え無し。
一ヶ所に留まらず動き続けながら、ダブルオーライザーが熱線を連射。
通常時の7倍ものGN粒子放出によるトランザムバーストは、機体の出力を劇的に強化している。
対する美嘉も機動力を活かし躱すが、ただ遠距離で撃つだけが敵の全てじゃない。
「ちょっと、強くなっただけで、ちょ、調子に乗っちゃって……!わ、私よりも下の、ぶ、分際で、生意気なんですよぉ……!」
猛加速で懐に潜り込み、大剣を振り被る。
美嘉もまた、カマンティスのケミーカードに入れ替えブレードを生成。
互いにスピードを活かし斬り合い、十に到達するタイミングでダブルオーライザーが消失。
美嘉もまた、カマンティスのケミーカードに入れ替えブレードを生成。
互いにスピードを活かし斬り合い、十に到達するタイミングでダブルオーライザーが消失。
ニコル相手にも使った粒子による転移で、背後に回り込み斬り付ける。
装甲越しに焼ける痛みが走るも、生憎手心を期待出来る相手じゃあなかった。
装甲越しに焼ける痛みが走るも、生憎手心を期待出来る相手じゃあなかった。
「せ、精々みっともなく、叫んで、くださいね?」
卑屈さを声色に乗せ、GNソードⅢを豪快に振るう。
新たな力で勝つつもりだったのかもしれないが、結局は無駄と現実を教えてやったうえで。
悔しさに身悶えする有様を拝み、終わりを与えてやろう。
新たな力で勝つつもりだったのかもしれないが、結局は無駄と現実を教えてやったうえで。
悔しさに身悶えする有様を拝み、終わりを与えてやろう。
自分以上の力を持つ者を、自分よりも下に蹴落とす。
歪み切った快感に魅せられた刃が、冥黒の魔女へ迫り――
歪み切った快感に魅せられた刃が、冥黒の魔女へ迫り――
○
常人がその光景を目撃すれば、果たして何と答えるだろうか。
赤と青の影らしきものが衝突を繰り返し、瞬きを終える暇もなく次の瞬間には全く別の場所へ移っていた。
専門家達はこぞって自然現象の一種へ、知識を総動員し当て嵌めようとして。
陰謀論好きなマニア達は、政府の新型兵器の暴走と訳知り顔で言う。
赤と青の影らしきものが衝突を繰り返し、瞬きを終える暇もなく次の瞬間には全く別の場所へ移っていた。
専門家達はこぞって自然現象の一種へ、知識を総動員し当て嵌めようとして。
陰謀論好きなマニア達は、政府の新型兵器の暴走と訳知り顔で言う。
誰一人として思わないだろう。
よもやこれが、単なる『斬り合い』に過ぎないなどと。
よもやこれが、単なる『斬り合い』に過ぎないなどと。
「せやあああああああっ!!!」
「ハハハハハッ!!!」
「ハハハハハッ!!!」
咆える咆える咆える。
嗤う嗤う嗤う。
斬る斬る斬る斬る斬る。
嗤う嗤う嗤う。
斬る斬る斬る斬る斬る。
青き戦士が気合を乗せて得物を振るえば、アスファルトは怪物の爪痕の如く砕かれ。
紅き魔獣が愉悦を露わに得物を振るえば、建造物は天災の被害へ遭ったように崩れ落ちる。
鍛え抜いた達人の試合とはまるで異なる、剣を用いた戦争と呼ぶに等しい。
紅き魔獣が愉悦を露わに得物を振るえば、建造物は天災の被害へ遭ったように崩れ落ちる。
鍛え抜いた達人の試合とはまるで異なる、剣を用いた戦争と呼ぶに等しい。
「そらよぉっ!」
一度腕を引く工程を挟み、突き刺さんと切っ先で狙う。
数十本もの右腕が一斉に刃を放ったと、錯覚を抱いてもおかしくない速度を叩き出す。
人間の姿でいる時でさえ、超人的な身体能力を有するジンガだが。
ホラーとしての力を解放すれば、意思を持った兵器もかくやの力を発揮。
片腕の筋肉のみで行ってると、誰が信じられようか。
重機関銃にも並ぶ速さと勢いを前に、人体などボロキレの末路を受け入れる他無し。
数十本もの右腕が一斉に刃を放ったと、錯覚を抱いてもおかしくない速度を叩き出す。
人間の姿でいる時でさえ、超人的な身体能力を有するジンガだが。
ホラーとしての力を解放すれば、意思を持った兵器もかくやの力を発揮。
片腕の筋肉のみで行ってると、誰が信じられようか。
重機関銃にも並ぶ速さと勢いを前に、人体などボロキレの末路を受け入れる他無し。
「はぁっ!!」
しかし忘れるなかれ、ここにいるのは凡夫に非ず。
戦闘民族サイヤの血が流れし戦士、トランクス。
ジンガの放った剣を一撃一撃しかと捉え、尚且つ掠り傷の一つすら受けてやらない。
魔戒剣による猛攻を完璧に捌くのみならず、速さで上回り逆に斬撃を見舞う。
戦闘民族サイヤの血が流れし戦士、トランクス。
ジンガの放った剣を一撃一撃しかと捉え、尚且つ掠り傷の一つすら受けてやらない。
魔戒剣による猛攻を完璧に捌くのみならず、速さで上回り逆に斬撃を見舞う。
「ハハッ!おっかねぇなぁ!」
深々と肉体に刀身が食い込む呆気ない決着は、訪れない。
急速に引き戻した得物で弾き返し、胴へ捻じ込ませんと蹴りが飛ぶ。
ホラー態となり打撃の威力も引き上げられた以上、あえて受けるのは悪手の極み。
ロトの剣を片手持ちに変え、左拳をぶつけ相殺。
お互い数歩分の距離後退した後、秒と掛けずに剣戟を再開。
急速に引き戻した得物で弾き返し、胴へ捻じ込ませんと蹴りが飛ぶ。
ホラー態となり打撃の威力も引き上げられた以上、あえて受けるのは悪手の極み。
ロトの剣を片手持ちに変え、左拳をぶつけ相殺。
お互い数歩分の距離後退した後、秒と掛けずに剣戟を再開。
腕を振るう度に傷口が開き、息が上がる。
意識を失っている間に巻かれたであろう包帯に、血が滲み出す。
我が身一つで滅亡の巨大獣相手に挑んだ代償は、そう簡単に消えやしない。
如何にサイヤ人の肉体とて、これ程の傷と消耗を抱えて戦うのは。
自分の首を絞めるだけ、そんなことは百も承知だ。
意識を失っている間に巻かれたであろう包帯に、血が滲み出す。
我が身一つで滅亡の巨大獣相手に挑んだ代償は、そう簡単に消えやしない。
如何にサイヤ人の肉体とて、これ程の傷と消耗を抱えて戦うのは。
自分の首を絞めるだけ、そんなことは百も承知だ。
戦わねばならない理由がある、守りたい命がある。
なれば、剣を抜かずに一体どうするのか。
重く圧し掛かる体力低下の現状を、意思一つで黙らせる。
これ以上、奪わせてなるものかよ。
なれば、剣を抜かずに一体どうするのか。
重く圧し掛かる体力低下の現状を、意思一つで黙らせる。
これ以上、奪わせてなるものかよ。
(これで死にかけなんざ、とんでもねぇなぁおい!)
複数の力を喰らい、殺し合いの前を凌駕する力を得たのは言うに及ばず。
晒していない手もあるが、デスゲーム開始当初以上の強さを持つ己相手に。
満身創痍もいいところの有様で渡り合い、死を跳ね除けるとは。
全く以て、戦慄を通り越し笑いが込み上げる強さの持ち主だ。
晒していない手もあるが、デスゲーム開始当初以上の強さを持つ己相手に。
満身創痍もいいところの有様で渡り合い、死を跳ね除けるとは。
全く以て、戦慄を通り越し笑いが込み上げる強さの持ち主だ。
「だがまあ、そんだけ強かろうと守れないなら宝の持ち腐れだなぁ?」
ピクリと、相手の片眉が動いたのを見逃さず。
斬り合いの激しさは継続し、悪意が言葉となって垂れ流される。
斬り合いの激しさは継続し、悪意が言葉となって垂れ流される。
「ロクに守れやしない、挙句にお前より弱い連中は好き勝手に責める。馬鹿らしいよな?」
軋ませる、亀裂を生まんと爪を突き立てる。
声に宿った甘い毒が魂へ染み渡り、陰我の増幅で腐らせる。
声に宿った甘い毒が魂へ染み渡り、陰我の増幅で腐らせる。
「自分の陰我に正直に生きてりゃ――」
「言いたいことはそれだけか?」
一歩踏み込み、勇者の剣で薙ぎ払う。
防ぐも衝撃の全ては殺し切れず、よろけた所へ迫るは斬り落とし。
一刀両断はさせじと魔戒剣を防御に回し、刀身同士が火花を散らす。
得物を挟み睨み付ける瞳に、清々しいくらい澱みは見られなかった。
防ぐも衝撃の全ては殺し切れず、よろけた所へ迫るは斬り落とし。
一刀両断はさせじと魔戒剣を防御に回し、刀身同士が火花を散らす。
得物を挟み睨み付ける瞳に、清々しいくらい澱みは見られなかった。
「お前の言う通りだ。俺はいつだって、肝心な時には遅過ぎる。責められて当然だ」
東へ西へ奔走して、決死の覚悟で戦いに臨んでも。
人造人間達は遊び感覚で街を破壊し、人々の命が奪われていった。
ようやく希望を取り戻したと思えば、今度は悪しき神が身勝手な動機で滅びを齎す。
抗う力を持っていながら、助けられなかった者達は数知れない。
人造人間達は遊び感覚で街を破壊し、人々の命が奪われていった。
ようやく希望を取り戻したと思えば、今度は悪しき神が身勝手な動機で滅びを齎す。
抗う力を持っていながら、助けられなかった者達は数知れない。
殺し合いでも、苦い敗北は幾つも味わった。
大事な人と必ず再会させると誓っておきながら、結果どうなったかは言うまでもない。
殺戮者(マーダー)達による被害は広まり続け、自身の力で人々の死を退けられもしない。
喪ったあの少女が見れば正しく、己は役立たずなのだろう。
大事な人と必ず再会させると誓っておきながら、結果どうなったかは言うまでもない。
殺戮者(マーダー)達による被害は広まり続け、自身の力で人々の死を退けられもしない。
喪ったあの少女が見れば正しく、己は役立たずなのだろう。
だけど、守れなかったことだけが全てじゃない。
朽ち果てる身で強大な敵に一矢報いて、勝利へ繋げた偽りの魔王がいた。
善人とは呼べず、しかし拳と覇道で道を切り開いた婆娑羅者がいた。
悪を選択しながらも、自由の意味を求めて藻掻き続けた闇の戦士がいた。
真紅の暴君との決戦を全力で支援し、祓う役目を引き受けた刀使がいた。
助けを求める声を決して聞き逃さず、自分にも手を差し伸べた英雄(ヒーロー)がいた。
筋を通さぬ皇帝のやり方に激しく憤り、肩を並べ共に戦ってくれた軍人がいた。
憎悪の奥底に隠れた本心へ問いを投げかけ、本当の願いを思い出させた創世の神がいた。
善人とは呼べず、しかし拳と覇道で道を切り開いた婆娑羅者がいた。
悪を選択しながらも、自由の意味を求めて藻掻き続けた闇の戦士がいた。
真紅の暴君との決戦を全力で支援し、祓う役目を引き受けた刀使がいた。
助けを求める声を決して聞き逃さず、自分にも手を差し伸べた英雄(ヒーロー)がいた。
筋を通さぬ皇帝のやり方に激しく憤り、肩を並べ共に戦ってくれた軍人がいた。
憎悪の奥底に隠れた本心へ問いを投げかけ、本当の願いを思い出させた創世の神がいた。
「俺はもう逃げないし、目を逸らさない。俺が犯した過ちからも、守れなかった弱さにも。――俺を助けてくれた人達からも」
きっとこの先も、心がひび割れる痛みを味わうのかもしれない。
詰られ、悪意に彩られた言葉で突き刺されるのかもしれない。
ならば全部を真正面から受け止めた上で、戦うだけだ。
共に戦ってくれた者達の、支えてくれた皆の存在がいつだって心の救いになるから。
詰られ、悪意に彩られた言葉で突き刺されるのかもしれない。
ならば全部を真正面から受け止めた上で、戦うだけだ。
共に戦ってくれた者達の、支えてくれた皆の存在がいつだって心の救いになるから。
「人の優しさを信じることを諦めて、邪悪に逃げた臆病者のお前の言葉は!何一つ響かない!」
「言ってくれるじゃねぇか……!」
「言ってくれるじゃねぇか……!」
両腕の筋肉が盛り上がり、瞬間的に膂力が上昇。
上回ったパワーで弾き飛ばすも、無様に地面を転がりはしない。
宙で一回転し着地、距離が離れるが互いの走力なら無関係。
踏み込む力を足に籠めた時、ジンガとは別の気を感じ取る。
弾かれたように視線を移すと、トランクスの瞳がもう一つの戦場を捉えた。
上回ったパワーで弾き飛ばすも、無様に地面を転がりはしない。
宙で一回転し着地、距離が離れるが互いの走力なら無関係。
踏み込む力を足に籠めた時、ジンガとは別の気を感じ取る。
弾かれたように視線を移すと、トランクスの瞳がもう一つの戦場を捉えた。
「あの子は……」
新たな形態となった冥黒の魔女が、死体人形達と戦う姿に。
どうして逃げなかったんだとか、何を考えているんだとか。
勇気と無謀さを履き違えるなという、厳しい言葉を押し退けて。
トランクスの胸に、より純然たる事実がストンと収まる。
どうして逃げなかったんだとか、何を考えているんだとか。
勇気と無謀さを履き違えるなという、厳しい言葉を押し退けて。
トランクスの胸に、より純然たる事実がストンと収まる。
(君も……譲れない願いがあるのか)
逃げるんじゃなく、戦いを選ぶだけの理由が。
彼女なりに守りたい、強くなりたいと心の叫びに従う存在があるのだと。
そう分かった時、改めて思ったのは。
力無き人だからではなく、共に戦う仲間として彼女のことも守りたいという己が願い。
彼女なりに守りたい、強くなりたいと心の叫びに従う存在があるのだと。
そう分かった時、改めて思ったのは。
力無き人だからではなく、共に戦う仲間として彼女のことも守りたいという己が願い。
――『だったら信じ続けろ。自分の願いは、裏切るなよ』
風が吹く。
新たな門出を祝福するような、暖かく優しい風が運んで来たのは。
喪った筈の力と、トランクスには未知の力の二つ。
新たな門出を祝福するような、暖かく優しい風が運んで来たのは。
喪った筈の力と、トランクスには未知の力の二つ。
「……アーチャー?」
傍らにはいない彼の名を呼んでも、返事は聞こえない。
けれど理屈抜きに分かる。
超然的で、誰よりも願いの強さを信じるあの男が届けてくれたと。
けれど理屈抜きに分かる。
超然的で、誰よりも願いの強さを信じるあの男が届けてくれたと。
皇帝との戦闘時、自身を送り出した彼の力の残滓がほんの僅かに残っており。
決して砕けぬ想いが心意を引き寄せ、共鳴。
自分は一人じゃない、姿が見えずとも一緒に戦ってくれる仲間がいる。
胸に広がる熱さを噛み締め、もう一度その力を掴み取った。
決して砕けぬ想いが心意を引き寄せ、共鳴。
自分は一人じゃない、姿が見えずとも一緒に戦ってくれる仲間がいる。
胸に広がる熱さを噛み締め、もう一度その力を掴み取った。
『SET AVENGE』
大罪に苛まれた騎士の手を離れ、廻り廻ってトランクスの手に渡った変身ツール。
デザイアドライバーを腰に巻き付け、漆黒のバックルを二分割し装着。
立ち込める黒煙状のオーラを、切り裂くかの如く言い放つ。
デザイアドライバーを腰に巻き付け、漆黒のバックルを二分割し装着。
立ち込める黒煙状のオーラを、切り裂くかの如く言い放つ。
「――変身!」
『BLACK GENERAL BUJIN SWORD』
外套をはためかせた黒騎士が、星々以上に輝く赤き瞳で敵を見据える。
変身はここで終わりじゃない、もう一段階残っている。
『全ての仮面ライダーをぶっ潰す』と、デザイアグランプリに憎悪を燃やした男の力ではない。
純白に彩ったレイズバックルは、創世の神の退場と共に失われたが。
サイヤの戦士に手を貸すべく、ここにその力を解放する。
変身はここで終わりじゃない、もう一段階残っている。
『全ての仮面ライダーをぶっ潰す』と、デザイアグランプリに憎悪を燃やした男の力ではない。
純白に彩ったレイズバックルは、創世の神の退場と共に失われたが。
サイヤの戦士に手を貸すべく、ここにその力を解放する。
『SET』
『DUAL ON』
『GREAT』『BOOST MARK Ⅲ』
闇よりも濃い黒とは打って変わり、穢れを跳ね除ける白が各部を走る。
赤いラインの肩部ショルダーに加え、腕部にも拡張武装を追加。
バックルの噴射口より火炎を吐き出し、マントを靡かせた。
創世の女神と創世の神、デザイアグランプリのナビゲーターとプレイヤー。
運営と参加者の枠を超え絆を結んだ両者を表すが如く、夜空の下で降臨を果たす。
赤いラインの肩部ショルダーに加え、腕部にも拡張武装を追加。
バックルの噴射口より火炎を吐き出し、マントを靡かせた。
創世の女神と創世の神、デザイアグランプリのナビゲーターとプレイヤー。
運営と参加者の枠を超え絆を結んだ両者を表すが如く、夜空の下で降臨を果たす。
仮面ライダータイクーン ブジンソード・ブーストマークⅢ。
先のルルーシュ相手に見せた形態同様、正史には存在しなかったフォーム。
体力を大幅に削られており、超サイヤ人への変身が非常に困難な現在のトランクスには心強い力だ。
先のルルーシュ相手に見せた形態同様、正史には存在しなかったフォーム。
体力を大幅に削られており、超サイヤ人への変身が非常に困難な現在のトランクスには心強い力だ。
『READY FIGHT』
――『さあ、ここからがハイライトだ』
耳元で聞こえた声が、幻聴かどうかなんて関係無い。
未来世界を滅ぼした宿敵とは全く違う、信頼を結んだ白狐の神様が。
背を押してくれたとあらば、負ける気がしない。
未来世界を滅ぼした宿敵とは全く違う、信頼を結んだ白狐の神様が。
背を押してくれたとあらば、負ける気がしない。
「素敵な玩具を手に入れて、英雄様は愉快ご機嫌らしいなぁ?」
嘲笑を投げるも、姿を変えたトランクスを侮りはしない。
薫の記憶を通じ見た金色の戦士程じゃないが、発する強さは偽り無し。
冥黒の炎を全身に纏い、烈火炎装でジンガも強化を図る。
薫の記憶を通じ見た金色の戦士程じゃないが、発する強さは偽り無し。
冥黒の炎を全身に纏い、烈火炎装でジンガも強化を図る。
戦闘再開の合図は不要、双方言葉無く駆け出す。
腕部装甲から火炎を噴射し距離を詰めるトランクスへ、ジンガも黒炎をジェットエンジンの如く吹かし対抗。
互いの得物が標的に喰らい付かんと雄叫びを上げ、金属同士の衝突音が木霊する。
腕部装甲から火炎を噴射し距離を詰めるトランクスへ、ジンガも黒炎をジェットエンジンの如く吹かし対抗。
互いの得物が標的に喰らい付かんと雄叫びを上げ、金属同士の衝突音が木霊する。
一刀振るえば辺りに火炎を撒き散らし、指一本で数える暇もなく灼熱地獄へ変貌。
魔戒剣とロトの剣、強度と切れ味は言わずもがなの得物はしかし。
未だどちらも切り裂く役目を果たせず、剣戟を繰り広げるのみ。
紅炎と黒炎の勢いは翳りを見せぬまま、一層の激しさを増していく。
魔戒剣とロトの剣、強度と切れ味は言わずもがなの得物はしかし。
未だどちらも切り裂く役目を果たせず、剣戟を繰り広げるのみ。
紅炎と黒炎の勢いは翳りを見せぬまま、一層の激しさを増していく。
ジンガが出力を上げ速さで先を行けば、さも当然の如くトランクスが追い抜く。
終わりの見えないレースは1分と経たぬ内に、共に弾かれ合って中断。
次なる手札を一手早く切ったのは神の牙、両肩部分にエネルギーを収束し放射。
スーパーパトレン1号から奪った光線技を前に、対抗策は無論ある。
終わりの見えないレースは1分と経たぬ内に、共に弾かれ合って中断。
次なる手札を一手早く切ったのは神の牙、両肩部分にエネルギーを収束し放射。
スーパーパトレン1号から奪った光線技を前に、対抗策は無論ある。
「魔閃光!」
ピッコロから悟飯へ、悟飯からトランクスへと受け継がれた気功波。
光線を打ち消して尚も勢い収まらず、ジンガを飲み込まんと迫る。
真正面より叩った斬るは黒き二本目の得物、天鎖斬月を取り出し魔閃光を両断。
更には霊力や自身に宿る複数のエネルギーを喰らわせ、刀身に収束。
破壊力を高めた上で、善なる魂を滅ぼす刃を繰り出した。
光線を打ち消して尚も勢い収まらず、ジンガを飲み込まんと迫る。
真正面より叩った斬るは黒き二本目の得物、天鎖斬月を取り出し魔閃光を両断。
更には霊力や自身に宿る複数のエネルギーを喰らわせ、刀身に収束。
破壊力を高めた上で、善なる魂を滅ぼす刃を繰り出した。
「月牙天衝!!」
黒崎一護の代名詞たる技は、護るべき者を護らんと行使されて来たが。
使い手が一護本人ではなく、対話によって救われた大荒魂でもない以上。
純然たる殺戮のみを目的とした、忌むべき暴力に貶められた。
ホラーの邪気を始め、喰らい我が物へ変えた邪悪な力をブレンド。
魂を悪意で陵辱し尽くし、苦痛の中で朽ち果てる末路をくれてやる。
使い手が一護本人ではなく、対話によって救われた大荒魂でもない以上。
純然たる殺戮のみを目的とした、忌むべき暴力に貶められた。
ホラーの邪気を始め、喰らい我が物へ変えた邪悪な力をブレンド。
魂を悪意で陵辱し尽くし、苦痛の中で朽ち果てる末路をくれてやる。
「…………」
襲い来る黒き月牙を前に、焦る事無くトランクスも構える。
脳裏へ浮かぶは雄英高校での戦闘時、共に宇蟲王へ挑んだ一人の男。
自由の意味に惑いながら、己が納得いく道を探し続けた果てに。
悲劇を生み出した狂犬として死んだ、元勇者。
脳裏へ浮かぶは雄英高校での戦闘時、共に宇蟲王へ挑んだ一人の男。
自由の意味に惑いながら、己が納得いく道を探し続けた果てに。
悲劇を生み出した狂犬として死んだ、元勇者。
殺し合いに乗っていたのは間違いなく、いずれは倒さねばならない相手だったと百も承知。
しかし彼がただの力に酔いしれた愚者でないことを、己が目で見たのもまた事実。
力の差を思い知らされて尚、剣を振るった闇の戦士の姿を今一度魂に焼き付け、
しかし彼がただの力に酔いしれた愚者でないことを、己が目で見たのもまた事実。
力の差を思い知らされて尚、剣を振るった闇の戦士の姿を今一度魂に焼き付け、
「――――っ!!」
カッと両眼を見開くや、腕部の拡張装備より炎を放出。
ロトの剣の刀身に纏わせ、燃え盛る刃を形成。
後ろには下がらない、見据えるのは正面のみ。
アスファルトがドロドロに溶ける熱量で以て加速し、月牙へ自ら飛び込み一閃。
砕け散って儚く消える月の残骸には、最早見向きもしない。
技を破られ次なる手に出る事をも許さず、火炎を纏いし刃が斜め一文字を描いた。
ロトの剣の刀身に纏わせ、燃え盛る刃を形成。
後ろには下がらない、見据えるのは正面のみ。
アスファルトがドロドロに溶ける熱量で以て加速し、月牙へ自ら飛び込み一閃。
砕け散って儚く消える月の残骸には、最早見向きもしない。
技を破られ次なる手に出る事をも許さず、火炎を纏いし刃が斜め一文字を描いた。
「ぐ――ぉおおおっ!?」
爆炎斬り。
ここではないどこか別の世界を救った勇者か、或いはサマルトリアの王子が操る技とは露知らず。
灼熱の剣が傷口を燃やしながら、ジンガの肉体を切り裂いた。
ここではないどこか別の世界を救った勇者か、或いはサマルトリアの王子が操る技とは露知らず。
灼熱の剣が傷口を燃やしながら、ジンガの肉体を切り裂いた。
『BOOST STRIKE』
畳みかけるには、今この瞬間を置いて他に無し。
レイズバックルのハンドルを捻り、出力を数段階上昇。
溢れ出たエネルギーが、燃え盛る四つの拳を生成。
本体が鉄拳を叩き込む動きに呼応し、ジンガへ次々殴打が炸裂する。
レイズバックルのハンドルを捻り、出力を数段階上昇。
溢れ出たエネルギーが、燃え盛る四つの拳を生成。
本体が鉄拳を叩き込む動きに呼応し、ジンガへ次々殴打が炸裂する。
「お前が弄んで良い命なんて、一つもない!!!」
咄嗟に響転で後退を図るも、逃がしはせぬと瞬時に距離を詰め懐へ潜り込む。
踏み躙られ、尊厳に唾を吐かれ、命を奪われて来た者達の無念と怒りを乗せて。
防御も回避も断じて許さない、怒涛のラッシュが放たれた。
魔獣ホラーの強固な肉体や生命力も、知ったことじゃないとばかりに黙らせ。
エネルギー体の拳を収束し、渾身の一撃で盛大に殴り飛ばす。
踏み躙られ、尊厳に唾を吐かれ、命を奪われて来た者達の無念と怒りを乗せて。
防御も回避も断じて許さない、怒涛のラッシュが放たれた。
魔獣ホラーの強固な肉体や生命力も、知ったことじゃないとばかりに黙らせ。
エネルギー体の拳を収束し、渾身の一撃で盛大に殴り飛ばす。
「がぁあああああああっ!!??!」
風に揉まれる枯れ葉の如く、宙を泳ぐ魔獣ホラーを余所に。
タイクーンの赤い瞳はもう一つの戦場にて、MSへ防戦一方を強いられる少女を映し出す。
タイクーンの赤い瞳はもう一つの戦場にて、MSへ防戦一方を強いられる少女を映し出す。
仲間の危機を知り、捨て置く冷血漢に非ず。
舞空術にブーストマークⅢの機動力を加え、一直線に空を駆ける。
大剣を振り下ろすそのタイミングで割って入るや、反対に斬り付けてやれば。
情けない悲鳴を上げて、敵は地面を転がった。
舞空術にブーストマークⅢの機動力を加え、一直線に空を駆ける。
大剣を振り下ろすそのタイミングで割って入るや、反対に斬り付けてやれば。
情けない悲鳴を上げて、敵は地面を転がった。
「トランクスさん……」
名を呼ばれるも、即座に何を言うかが見付からない。
逃げろと言ったのに残った無茶を、諫めるのが正しいのかもしれない。
しかし正論以上に、亀井美嘉が抱く決意に水を差したくはない。
覚悟を決めた彼女へ、伝えるべき言葉は一つ。
逃げろと言ったのに残った無茶を、諫めるのが正しいのかもしれない。
しかし正論以上に、亀井美嘉が抱く決意に水を差したくはない。
覚悟を決めた彼女へ、伝えるべき言葉は一つ。
「君は絶対に死なせない。……一緒に勝とう」
「――っ!はい!」
「――っ!はい!」
自分よりも遥かに強い男が、こちらをただの保護対象としてじゃなく。
共に戦う仲間と認め、信じてくれたと分かり。
嬉しさに身を委ね掛けるも、気を引き締め戦場に意識を戻す。
腕の一振りで瓦礫を薙ぎ払った恐竜グリードと、美嘉が対峙する一方で。
トランクスの前には、再びダブルオーライザーが立ち塞がる。
共に戦う仲間と認め、信じてくれたと分かり。
嬉しさに身を委ね掛けるも、気を引き締め戦場に意識を戻す。
腕の一振りで瓦礫を薙ぎ払った恐竜グリードと、美嘉が対峙する一方で。
トランクスの前には、再びダブルオーライザーが立ち塞がる。
「わ、私よりもずっと強いんですよね……ムカつき、ます。そ、そ、そうやって見下して、な、何でも出来るって顔して、……そ、そういう奴が、い、一番、ウザいんですよぉ……っ!!!」
どもり口調に僻みを宿し、装甲越しに殺意を叩き付けてやる。
ライザーシステム起動中に伴い、GNソードⅢが高出力の光刃を生成。
切り札たるライザーソードを振り被り、標的に地獄を見せんと斬り掛かった。
ライザーシステム起動中に伴い、GNソードⅢが高出力の光刃を生成。
切り札たるライザーソードを振り被り、標的に地獄を見せんと斬り掛かった。
「い、一回じゃ殺して、あげませんから……!沢山痛がって、苦しんで、ふひっ、ふひへひゃあはは……!」
四肢を焼き斬り、苦悶の声を響かせた上で。
格下と見なした己に嬲られる屈辱で、歪んだ顔を堪能し。
それから命を奪い、絶望を貼り付けた生首を造物主たるジンガに謙譲。
悪意を絵具に陰我の満ちた地獄を描けば、主はさぞや機嫌を良くするに違いない。
ともすればイドラよりも己へ寵愛を向けるやもしれず、恍惚の表情で股座を濡らし、
格下と見なした己に嬲られる屈辱で、歪んだ顔を堪能し。
それから命を奪い、絶望を貼り付けた生首を造物主たるジンガに謙譲。
悪意を絵具に陰我の満ちた地獄を描けば、主はさぞや機嫌を良くするに違いない。
ともすればイドラよりも己へ寵愛を向けるやもしれず、恍惚の表情で股座を濡らし、
『BOOST TIME』
「ごえっ……?」
醜悪な未来図へ否と返すかの如く、トランクスの姿が掻き消え。
何が起きたかを頭で考える時間すら置き去りに、頬へ蹴りがヒット。
疑問符を大量に浮かべ、遅れてようやく反撃を受けたと理解。
何が起きたかを頭で考える時間すら置き去りに、頬へ蹴りがヒット。
疑問符を大量に浮かべ、遅れてようやく反撃を受けたと理解。
「こ、この……」
一撃ダウンに持って行かれるダメージじゃない、痛みを押し殺しライザーソードを振り回す。
リーチが増大し、刀身が発する熱量だけでも体力を大きく削り取る筈が。
手応えはまるで感じられず、視界に映り込んだ筈の姿も見えない。
リーチが増大し、刀身が発する熱量だけでも体力を大きく削り取る筈が。
手応えはまるで感じられず、視界に映り込んだ筈の姿も見えない。
「な……なん、で……」
炎を纏った影を、もう一度見付けて得物を叩き付ける。
今度こそはと思ったとて、案の定空振り。
やったらめったらに振るおうと、数ミリだって掠めやしない。
今度こそはと思ったとて、案の定空振り。
やったらめったらに振るおうと、数ミリだって掠めやしない。
「なんで、なんで……な、んで……!?」
トランザムは未だ発動中だ、機体スペックを通常時の数倍の性能で動かせる。
新形態になった冥黒の魔女さえ、苦戦させただろうに。
だというのに何故、先程から一撃も当たらない。
ダブルオーライザーで以てしても、全く追い付けない。
新形態になった冥黒の魔女さえ、苦戦させただろうに。
だというのに何故、先程から一撃も当たらない。
ダブルオーライザーで以てしても、全く追い付けない。
変身者が浮世英寿本人でない故に、空間破壊能力は使用不可能。
ブーストマークⅢレイズバックルに元々備わった、ハイスペックな機動力。
発揮できるのはそれだけが、トランクスが変身中という一点が大きな意味を持つ。
ブーストマークⅢレイズバックルに元々備わった、ハイスペックな機動力。
発揮できるのはそれだけが、トランクスが変身中という一点が大きな意味を持つ。
デザグラ運営が管理・想定していたブーストフォームの系統は、変身したライダーの機動性能を大幅に上昇させるが。
反動による人体の自壊を防ぐ為、一定値までを最大とし強化の幅に制限が設けられている。
反動による人体の自壊を防ぐ為、一定値までを最大とし強化の幅に制限が設けられている。
だがもし、その反動を余裕で耐えられる者が変身者だったら?
誇り高きサイヤ人の王子、ベジータの血を引くトランクスの肉体ならば。
最大以上の加速を引き出しても、十全の戦闘が可能である。
殺し合いでの例を出すなら、トライドロンチェイサーに変身したチェイスが近い。
ロイミュードの体を有するが為に、泊進ノ介以上の出力でシフトトライドロンを乗りこなした。
トランクスも同じく、人間を超越するサイヤ人の肉体の影響で。
機動力の面においては、英寿以上のポテンシャルを叩き出したのだ。
最大以上の加速を引き出しても、十全の戦闘が可能である。
殺し合いでの例を出すなら、トライドロンチェイサーに変身したチェイスが近い。
ロイミュードの体を有するが為に、泊進ノ介以上の出力でシフトトライドロンを乗りこなした。
トランクスも同じく、人間を超越するサイヤ人の肉体の影響で。
機動力の面においては、英寿以上のポテンシャルを叩き出したのだ。
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでぇええええええええええええええええええっ!!!??!!」
現実を受け入れられず絶叫しても、覆せはしない。
ライザーソードが焼き払うのは壁や天井のみで、肝心の標的には触れる事すら許されない。
ライザーソードが焼き払うのは壁や天井のみで、肝心の標的には触れる事すら許されない。
「ぎゃびぃっ!?」
あえて付け加えるなら、亜里紗へ反撃の機会は二度とくれてやらない。
漆黒の拡張武装、武刃が胸部へ横一文字に駆ける。
Eカーボンの耐久性の恩恵で、即死自体は免れたが。
当然、一度の斬撃程度で終わる筈がない。
漆黒の拡張武装、武刃が胸部へ横一文字に駆ける。
Eカーボンの耐久性の恩恵で、即死自体は免れたが。
当然、一度の斬撃程度で終わる筈がない。
自身から引き離さんとライザーソードを振るう隙を、与えられはせずに。
次いで爆熱を帯びたロトの剣が、胴体の装甲を削り取る。
苦し紛れで腕を動かし掛ければ即座に、武刃によって肩部パーツが弾け飛んだ。
装甲の下で冷や汗が大量に流れようとも、お構いなしに四撃目が来た。
次いで爆熱を帯びたロトの剣が、胴体の装甲を削り取る。
苦し紛れで腕を動かし掛ければ即座に、武刃によって肩部パーツが弾け飛んだ。
装甲の下で冷や汗が大量に流れようとも、お構いなしに四撃目が来た。
「ぐぎっ、ぎょひっ、ごげっ、ぎょべぇっ!?やべで、やめ゛、やう゛ぇで!いだいのやだがらああああっ!!」
懇願に貸す耳なんてものは、持っていない。
己が意思で悪意をばら撒き、愉悦に浸った外道へ情けを掛ける道理は無し。
己が意思で悪意をばら撒き、愉悦に浸った外道へ情けを掛ける道理は無し。
「オオオオオオオッ!!!」
勇者の剣と漆黒の刀が繰り出す燃ゆる双剣が、死体人形を覆い隠す鎧を打ち砕く。
聞くに堪えない命乞いすら掻き消す、乱舞のメロディが奏でられる。
顔面部分を叩き割られ、剥き出しになった瞳は確かに見た。
灼熱で赤く染め上げた刃が、己に終焉を齎さんとする瞬間を。
聞くに堪えない命乞いすら掻き消す、乱舞のメロディが奏でられる。
顔面部分を叩き割られ、剥き出しになった瞳は確かに見た。
灼熱で赤く染め上げた刃が、己に終焉を齎さんとする瞬間を。
「うそ……やだ……やだ……!やだやだやだやだやだやだ!!!」
陰我を糧とする暗黒の住人にとって、何よりもおぞましい輝きが。
闇を打ち払う戦士の剣が、振り下ろされた。
闇を打ち払う戦士の剣が、振り下ろされた。
『BOOST GRAND STRIKE』
「やだぁあああああああっ!!!だじゅげでジンガ様ぁ゛ああああああああああああああああああああっ!!!!!」
妬み僻みを募らせた魂も、暴力の手段に貶められたMSも。
本来の在り方を踏み躙られた、魔法少女の肉体も。
全て等しく爆炎の中に消え、後には塵すら残らなかった。
本来の在り方を踏み躙られた、魔法少女の肉体も。
全て等しく爆炎の中に消え、後には塵すら残らなかった。
「クソッタレの出遅れインポ野郎がぁッ!!どこまでふざけりゃ気が済むのよ!」
仲間意識など皆無だが、舐め腐った真似をされイドラもすごすご引き下がれない。
術式を構築し、氷の精霊の力で強力な一手を打つ。
アブソリュート・セルシウスと言う名の魔法は、範囲内に氷の檻を生成し。
閉じ込めた対象を絶対零度で弱らせる、本来戦闘に不向きであるが。
恐竜グリードが元々持つ能力と併用すれば、凍結時間の大幅な短縮及び効果倍増が見込める。
術式を構築し、氷の精霊の力で強力な一手を打つ。
アブソリュート・セルシウスと言う名の魔法は、範囲内に氷の檻を生成し。
閉じ込めた対象を絶対零度で弱らせる、本来戦闘に不向きであるが。
恐竜グリードが元々持つ能力と併用すれば、凍結時間の大幅な短縮及び効果倍増が見込める。
「ブッサイクな氷像に変えてから、砕いてやるわ!」
構築完了、並びに恐竜グリードの能力もいつでも放てる。
両手を翳して魔法を発動し、全てを凍り付かせる。
目障りな火炎だろうと溶かせない、極寒地獄を味合わせ――
両手を翳して魔法を発動し、全てを凍り付かせる。
目障りな火炎だろうと溶かせない、極寒地獄を味合わせ――
「は?」
魔法が出ない、精霊がこちらの命令に従わない。
書き上げた数学の公式を、綺麗さっぱり消され白紙のノートへ戻されたように。
術式そのものが消失しており、理解が追い付かずにいる時。
視界の端をふよふよ泳ぐ左手が、持ち主の元へと帰って行くのが見えた。
書き上げた数学の公式を、綺麗さっぱり消され白紙のノートへ戻されたように。
術式そのものが消失しており、理解が追い付かずにいる時。
視界の端をふよふよ泳ぐ左手が、持ち主の元へと帰って行くのが見えた。
「こ、の、ゲロカス女……!!!」
大技を放つ瞬間、怒りで脳を沸騰させ警戒が疎かになる小さな隙へ。
分離させた左腕に、ケスゾーのケミーカードを取り込み。
魔法の発動そのものを消し、完全な空振りに変えた。
といった説明を律儀にしてやる義理は無く、叩き付けられる殺気への恐怖を押し殺し。
分離させた左腕に、ケスゾーのケミーカードを取り込み。
魔法の発動そのものを消し、完全な空振りに変えた。
といった説明を律儀にしてやる義理は無く、叩き付けられる殺気への恐怖を押し殺し。
「灯悟さんの大好きだった人を、これ以上穢さないで……!」
美嘉もまた、決着を付けるべく仕上げに動く。
ライデンジとジャングルジャンの力を借り、植物の蔦のように複数本のケーブルを射出。
イドラを絡め取るや電気を流し込み、動きを鈍らせる。
長続きしないとは承知の上だ、翼を展開し猛加速。
ヒポグリフのスピードを乗せた体当たりは、頑強な恐竜グリードをも打ち砕く勢いだ。
ライデンジとジャングルジャンの力を借り、植物の蔦のように複数本のケーブルを射出。
イドラを絡め取るや電気を流し込み、動きを鈍らせる。
長続きしないとは承知の上だ、翼を展開し猛加速。
ヒポグリフのスピードを乗せた体当たりは、頑強な恐竜グリードをも打ち砕く勢いだ。
「こん……のぉおおおおおっ!!」
大人しく敗北を受け入れるような、潔い女な筈もなく。
急ぎ精霊に魔力を食わせ、分厚い氷の壁を生成。
押し返すべく踏ん張り、対する美嘉も突き破らんと自身に喝を入れる。
暫しの拮抗を見せ、勝利の女神は後者に微笑む。
砕け散った壁の向こう、魔法を使ったイドラ本人へ突進が炸裂。
ピンボールさながらに弾き飛び、壁を数枚ぶち破って尚も止まらない。
急ぎ精霊に魔力を食わせ、分厚い氷の壁を生成。
押し返すべく踏ん張り、対する美嘉も突き破らんと自身に喝を入れる。
暫しの拮抗を見せ、勝利の女神は後者に微笑む。
砕け散った壁の向こう、魔法を使ったイドラ本人へ突進が炸裂。
ピンボールさながらに弾き飛び、壁を数枚ぶち破って尚も止まらない。
先までの蹂躙が嘘のように、デスマスク達を返り討ちにし。
此度の戦いは自分達の勝利、などと喜び勇むには犠牲も少なくなく。
まして、まだ気が早いと言わざるを得ない。
此度の戦いは自分達の勝利、などと喜び勇むには犠牲も少なくなく。
まして、まだ気が早いと言わざるを得ない。
「おいおい、本番はここからだろ?生憎俺はまだ、遊び足りなくてなぁ?」
頭上から降る嘲笑に、弾かれたように見上げればやはりと言うべきか。
胸部を焼き斬られた痕が真新しい、魔獣ホラーが戻って来ている。
胸部を焼き斬られた痕が真新しい、魔獣ホラーが戻って来ている。
トランクスの放った爆炎斬りの威力の高さは、言うに及ばず。
しかしジンガの生命力もまた、喰らった力の影響もあって生前以上にしぶとい。
傷は浅くないが死には至らない、まして戦意の消失など以ての外。
戦闘続行を歓迎するかの態度で、双剣を握った両手を広げた。
しかしジンガの生命力もまた、喰らった力の影響もあって生前以上にしぶとい。
傷は浅くないが死には至らない、まして戦意の消失など以ての外。
戦闘続行を歓迎するかの態度で、双剣を握った両手を広げた。
「とことん……やってくれるわね……タダで済むと思ってんじゃないわよ……!」
更に悪いことに、イドラも未だ撃破を免れたまま。
美嘉の突進が当たる寸前、氷の盾で幾らか勢いを削いだのに加え。
ヒール・オー・フィスプを自身を対象に使い、傷の治療を実行。
回復の度合いに限界はあるものの、戦闘不能を回避出来る程度には痛みを遠ざける。
加えて恐竜グリード自体、他のコアメダルの王達以上の力を持つ異形だ。
必殺とも呼べる直撃を受けて尚、現世に魂を留めるだけの生命力を有す。
美嘉の突進が当たる寸前、氷の盾で幾らか勢いを削いだのに加え。
ヒール・オー・フィスプを自身を対象に使い、傷の治療を実行。
回復の度合いに限界はあるものの、戦闘不能を回避出来る程度には痛みを遠ざける。
加えて恐竜グリード自体、他のコアメダルの王達以上の力を持つ異形だ。
必殺とも呼べる直撃を受けて尚、現世に魂を留めるだけの生命力を有す。
「グロッキーなようだが、まさかリタイアなんて言わないよな?」
「お前を倒すには……十分だ……!」
「お前を倒すには……十分だ……!」
挑発を切って捨てるが、息が上がっているのは誤魔化せない。
重傷の肉体を酷使した影響は、如実に表れており。
トランクスと言えども、これ以上は危険領域へと入りかねなかった。
重傷の肉体を酷使した影響は、如実に表れており。
トランクスと言えども、これ以上は危険領域へと入りかねなかった。
「威勢が良くて結構!なら――」
ふいに嗤いを引っ込め、振り返り様に魔戒剣を振るう。
斬撃波は自身を狙った杭を砕き、撃った当人も餌食へ変える。
斬撃波は自身を狙った杭を砕き、撃った当人も餌食へ変える。
「がぁ……っ」
くぐもった悲鳴を小さく零し、何も無い空間へ現れるは一体のMS。
ダブルオーライザーに両脚を斬られた挙句、今の斬撃で左腕をも失ったニコルだ。
途切れそうな意識を令呪の効果で繋ぎ止め、ブリッツガンダムのミラージュコロイドを使用。
肉眼の視認を掻い潜り不意を突いたが、殺気を察知するなどジンガには朝飯前。
レジスターを填めた左腕の欠損を受け、失血死を待たずバグスターウイルスによる消滅は確定となった。
ダブルオーライザーに両脚を斬られた挙句、今の斬撃で左腕をも失ったニコルだ。
途切れそうな意識を令呪の効果で繋ぎ止め、ブリッツガンダムのミラージュコロイドを使用。
肉眼の視認を掻い潜り不意を突いたが、殺気を察知するなどジンガには朝飯前。
レジスターを填めた左腕の欠損を受け、失血死を待たずバグスターウイルスによる消滅は確定となった。
「ミカ……!トランクスを連れて逃げてください……!」
しかしまだ、やれることはゼロじゃあない。
最後の令呪を切り消滅までの時間を、少しでも遅らせる。
最後の令呪を切り消滅までの時間を、少しでも遅らせる。
「ニコル!?何を……」
「聞いてくださいトランクス……あなたは希望なんだ……!後のことを託します……!」
「聞いてくださいトランクス……あなたは希望なんだ……!後のことを託します……!」
自分の死は最早避けられない、後悔も未練も山程あるし死に急ぎたかった訳じゃない。
だけど、意味無く朽ち果ててなどやるものか。
誰よりも強く、そして誰よりも皆の想いを真摯に受け止める彼になら。
信じて後を託せるからこそ、己が命の使いどころはここだと確信を抱く。
だけど、意味無く朽ち果ててなどやるものか。
誰よりも強く、そして誰よりも皆の想いを真摯に受け止める彼になら。
信じて後を託せるからこそ、己が命の使いどころはここだと確信を抱く。
「っ、後で私を責めてくれて良いです。だから今は……!」
「なっ……!?」
「なっ……!?」
満身創痍のトランクスよりも幾分余裕がある美嘉が、ジャングルジャンの力でトランクスに蔦を巻き付け。
翼を大きく扇いで飛翔、空中を逃走経路に駆け出す。
翼を大きく扇いで飛翔、空中を逃走経路に駆け出す。
悔しくない訳がない、結局自分はまた仲間を喪った。
弱い己を責めるだけなら、実に簡単だろうがしかし。
信じて託されることは、今が初めてじゃあない。
黒き絆の戦士が、自分と斬撃の勇者を逃がした時と同じく。
モタ付き、全滅を引き起こすのはそれこそ信頼への裏切りに等しい。
鋭利な棘となって突き刺さり、ジクジク血を流す痛みさえも受け入れて。
トランクスと自分は、生きねばならないのだから。
弱い己を責めるだけなら、実に簡単だろうがしかし。
信じて託されることは、今が初めてじゃあない。
黒き絆の戦士が、自分と斬撃の勇者を逃がした時と同じく。
モタ付き、全滅を引き起こすのはそれこそ信頼への裏切りに等しい。
鋭利な棘となって突き刺さり、ジクジク血を流す痛みさえも受け入れて。
トランクスと自分は、生きねばならないのだから。
当然、撤退を見逃す気はジンガ達にもない。
飛翔態のまま追跡に出ようとするが、阻止に動くのはニコルだ。
右手を大きく振り被りリュックサックを投擲、綿埃でも払うように魔戒剣で斬られ、
飛翔態のまま追跡に出ようとするが、阻止に動くのはニコルだ。
右手を大きく振り被りリュックサックを投擲、綿埃でも払うように魔戒剣で斬られ、
物理法則を無視し収納されてあった、トレーラーが宙へ現れた。
「チィッ……!」
まさかの妨害手段へ舌を打ち、月牙天衝で消し飛ばすのを試みるが。
そう出る所までがニコルの予想通り、予め分かっていたようにトリケロスで照準を合わせる。
ジンガが気付くやこちらへ向けて、黒炎の刃を放つも止まるものか。
そう出る所までがニコルの予想通り、予め分かっていたようにトリケロスで照準を合わせる。
ジンガが気付くやこちらへ向けて、黒炎の刃を放つも止まるものか。
イザークともう一度会うことは叶わず、アスランとディアッカの元へ旅立つ選択へ。
後悔を抱きはしないけれど、それでも一つだけ。
後悔を抱きはしないけれど、それでも一つだけ。
(母さん……ごめん……)
母にピアノの演奏を聞かせてあげる機会は、やはり二度と存在せず。
噛み締めた未練を断ち切りトリガーを引くと同時に、黒き炎刃が両断。
命は潰え、なれど発射された熱線はトレーラーのエンジン部分を撃ち抜く。
噛み締めた未練を断ち切りトリガーを引くと同時に、黒き炎刃が両断。
命は潰え、なれど発射された熱線はトレーラーのエンジン部分を撃ち抜く。
「ニコル……!」
「……っ」
「……っ」
直後に起きた大爆発を背に、トランクスも美嘉も唇を強く噛む。
一体誰が喪われたか、深々と考え込まずとも分かる。
己を責める声が容赦なく絡み付くも、今更足を引っ張られる訳がない。
背負って進むとの覚悟を、崩せると思うのは大間違いと知れ。
一体誰が喪われたか、深々と考え込まずとも分かる。
己を責める声が容赦なく絡み付くも、今更足を引っ張られる訳がない。
背負って進むとの覚悟を、崩せると思うのは大間違いと知れ。
生きる。
今はその三文字を抱き、戦場を遠く遠くへ離れて行った。
今はその三文字を抱き、戦場を遠く遠くへ離れて行った。
| 222:鉄華Ⅱ:神様あなたはひねくれ者 | 投下順 | 222:鉄華Ⅳ:戻れぬ過去/進めぬ未来 |
| 時系列順 | ||
| トランクス | ||
| ニコル・アマルフィ | ||
| 亀井美嘉 | ||
| 柊シノア | ||
| 鳩野ちひろ | ||
| アストルフォ | ||
| (東ゆう) | ||
| パラド | ||
| 梔子ユメ | ||
| 冥黒王ギギスト | ||
| 魔獣装甲のエケラレンキス | ||
| ジンガ |