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「是非ともキャメロットへ向かいましょう!」

 レデュエの放送が終わり、地図や名簿を見てからの情報交換の後、
 真剣な眼差しで、ティンタジェル城はラウドクラウドこと白雲へと進言する。
 少女なので真剣な眼差しで進言されたとしてもどこか可愛らしいものに見えるものの、
 真面目な態度で会話するティンタジェル城は、ただ行きたいだけではないのが理解できる。

「えっと、理由を聞いても良いか? 俺海外の城とかよく分からなくてさ。
 キャメロットと言えばアーサー王に関する城ってぐらいしか知識はないから……」

 この手の知識は友人である相澤消太の方が覚えてそうだが、
 残念ながら彼にはそういったものを持ち合わせているわけではない。

「モルガンがいるからです! 本人かはちょっとわかりませんが!」

 モーガン、或いはモルガンと呼ばれる存在は、
 マーリンが魔術を教えたり自身で妖術を身に着けたことで、
 アーサー王に立ちはだかることとなる最大の敵となる魔女の名前。
 ただの同姓同名の類と疑うこともできるだろうが、本物だと思う理由が一つある。

「……キャメロット城は、物語の中にしか存在しない城なんです。」

 余り言いたくなさそうな表情ととともに言葉を紡ぐ。
 ティンタジェル城はアーサー王誕生の地……と『言われてるだけの城』だ。
 実際はアーサー王は彼女の世界であっても物語上の人物でしか存在していないし、
 ましてやキャメロットも当然のことだが、現実に存在するはずがない、架空の城になる。
 (ティンタジェル城がアーサー王ファンによって生誕の地と未来で言われてるのだが、その辺は割愛とする)
 地図にはこれ以外にも施設があり、特定の人物に関わりのありそうな場所が殆どになるだろう。
 ではキャメロットは誰のものかと行きつくのは、アーサー王と敵対したモルガンか味方のガウェインのみだ。
 敬愛するキャメロット城の城の再現の可能性は、いくつもの物語の形を持つであろう城を再現するのはまず不可能。
 そうなると、異なる世界ではあるとしてモルガンかガウェインが関係者であるという可能性が高いものだと考えていた。
 ……もっとも、ガウェインは同じ名前を冠してるだけで別に円卓とは関係のない人物ではあるのだが、
 これについてはキャメロット城自身でもなければ気づけないものなので無理からぬことである。

「他の世界のモルガンがどんな人物かは分からないのですが、
 分からない以上確認は必要です。モルガンはアーサー王最大の敵!
 此処でも敵として活動しているのなら気を付けなければなりませんからね!
 自分に有利な地で戦わせるのは、危険だというのが僕の判断です。敵でなければいいんですけど。」

「それは分かったし俺も確認は大事だと思うな。
 ただ俺の個性ならスピードは出せても距離から放送前後の可能性が高いんだ。
 それに俺は行きたい場所は特にないけど、せめて武器ぐらいはないとまずくないか?」

「う、それは……」

 少し空回りしてる部分はあれど意気込みは良し。
 一方で、状況を鑑みてないことに白雲にも言及されてしまう。
 今いる二人は北東だ。南西の端の方にあるキャメロットはどうあっても遠い。
 白雲の個性は筋斗雲のように自他を揃って乗せて飛ぶことも可能な個性でもある。
 それでも、これだけの距離を一気に縮めるだけの速度を出せるわけではない。
 行けるのは、生きた伝説ともいえるヒーロー、オールマイトぐらいなものだろう。
 まあ、これらについてはさして問題と言うほどではない。時間がかかるだけだから。

 何より心配するべきは武器の問題。
 バルバトスとの戦いで使っていた槍は完全に壊れてしまってあの場に放置した。
 今のティンタジェル城が使えるのは、城娘の姿で呼べる簡素な盾ぐらいなものだ。
 勿論、城娘としての力があるので常人よりは強いかもしれないが、とてもまともに戦えるものではない。

「助けてもらって申し訳ないんですが、ラウドクラウドさんには槍はないのでしょうか?」

 彼女に支給されて残る武器は他にない。
 とりあえずで戦うには余りにも心許ない状況だ。
 かなり不躾だし贅沢な要求だというのは自覚しているものの、
 並の武器では生き残れない環境なのは既に先の戦いで既に理解している。

「悪いな、俺にもないんだ。かといって、この棒はコスチュームの一部だから渡せないしな。」

「いえいえ! それは仮に渡されても受け取れませんよ!」

 言うなればそれはアイデンティティともいえるもので、
 渡されても困るだけともあって両手を振って断る。
 流石に、仮にくれると言っても受け取るわけにはいかない。
 彼にだって武器は必要なのだから。

「なあ、こっちから声聞こえなかったか?」

「!」

 聞こえた男の声に二人は反応し即座に身構える。
 前衛は盾を持つティンタジェル城が、後方で如意棒のような赤い棒を白雲が構えつつの陣形だ。
 互いに騎士やヒーローとして成熟こそしてないが、かといって未熟と断言できるほど弱小な存在にもない。
 揃って先ほどまで談笑していたとは思えないぐらいに真剣な表情ではあるが、

「お、いたいた……ってすでに臨戦態勢!?」

「イタドリ、アンタ不用心すぎ!」

 二人の男女が草陰から出てくるも、
 漫才みたいなやりとりを前に呆気に取られてしまう。
 とは言えゼタも虎杖も白雲と、ほぼ全員コミュ力が強い人物ともあってか、
 一瞬だけ身構えることになったとはいえ、敵ではないとすぐに打ち解けることはできた。

「夏油と、粟坂……悪い、どっちも見てないな。
 俺たちが出会ったのはこのバルバトスって奴だけだな。」

「まあそりゃ始まって間もないんだし、別の敵と出会ってたんじゃしかたないよね。」

 殺し合いから数十分か一時間程度。
 この広さで特定の人物と出会えるのかと言われると確率は高くはない。
 勿論、グランサイファーと言った誰かが集まる施設はいくらかはあるはずだ。
 そこを調べていけば、いずれは人との遭遇はありうるが、今はまだその段階ではない。

「で、夏油なんだけど……敵でいいのかちょっと分かんねえんだよな。」

「どういうことですか?」

 虎杖の知る夏油と言う人物は、天元様曰く羂索に死体を乗っ取られた存在だ。
 五条からも、乙骨からも呪術師としても、呪詛師としての夏油も何も知らない。
 だから肉体を乗っ取られてない夏油が敵なのか、或いは殺すべきなのか。
 それに彼が見た夏油よりも結構若く、同い年ぐらいなので過去の夏油の可能性もある。
 『未来で死体として使われて大勢人を殺すから殺すべき』なんて正しいと言うべきなのかと、
 渋谷での一件も相まって、虎杖としては結構悩む存在になっている。

「それで事情を知ってそうなオッコツって人に会いたいからこっちは南下してるってわけ。」

「けど本当にいいのか? グランサイファーと反対だろ?」

「団長や団員なら大概大丈夫だろうから優先順位は高くないのよ。
 それより、オッコツに会ってゲトウって人のこと聞くのが大事でしょ?
 秤の賭場が二人が知ってる共通の場所なら、そっちに行った方がいいだろうし。」

 ゼタの関係者で問題なのは上官のイルザも苦戦したとされるベルゼバブのみ。
 となれば、夏油がいかような人物かをある程度先に見極めておきたくもある。
 味方か敵か、それすら判断つかないのがいる不安要素を放っておくことはできない。
 ああ言った以上、虎杖一人で行かせるわけにもいかないのも勿論理由の一つではある。
 団長や団員も、そうやわではないだろう。ベアトリクスは無茶をしそうで心配だが。

「もう一人の粟坂と言う方も敵なんですか?」

「こっちもよくは知らないけど、渋谷で俺と伏黒が戦った敵だ。
 攻撃があべこべにされる面倒な術式を持っててさ……」

 初見殺し、かつ一対一では困難を極める術式。
 ビルからの落下でも傷をつけられないほどの強固さで、
 伏黒の考えと連携のおかげで比較的楽に倒せたようなものだ。
 これを知らずに戦っていれば、勝つのは困難を極めるだろう。
 一方で術式の開示がほぼ無理、開示しても術式の効果のアップが見込めない、
 攻撃に転用することも困難なので、分かれば対処は難しくはないとも言える。
 もっとも、虎杖の名前がある以上相手も術式がバレる前提で立ちまわってくるだろう。

「ふむふむ……敵を知ることは勝利に必要なことですよね。ありがとうございます。」

「にしても城が人かー……付喪神っていうのもあるし、
 俺の世界でも案外いるのかもな。ひょっとして、大阪城とか松本城とかそっちにいんの?」

「多分いると思いますが、僕が知る日本の城は柳川城さんと立花山城さんだけなのであまり。」

 厳密には王子こと日本の殿があの時一緒にいたのがその二人だけだ。
 実際なら日本にはもっと多くの城娘がいるだろうことは予測できるものの、
 海外で出会った日本の城娘は、限りなく少ない状況であったためよくは知らない。
 加えて仲間ともはぐれた状態なので、海外の城娘との交流もどれほどかは定かではなかった。

「えーっと、立花宗重の城だっけか……ちょっと会ってみて―かもな。
 ティンタジェルがアーサー王の話を知ってるんだし、武将の話とかも聞けるのか?」

「城によってはあると思います。城主の知識とか、悲劇とか、いろんなことを記憶してるので。
 場合によっては、それが『業』とも呼ばれる可能性も無きにしも非ずです。僕が騎士に憧れるのも、
 ティンタジェル城がアーサー王生誕の地と呼ばれる人の願いから生まれた部分はあると思いますから。」

 時には特殊な方法で顕現する城娘とかもいるが、
 そうあれかしと願われて誕生し、人を守るのが城娘の役割だ。

「おー。なんかめっちゃ気になるな。城から見た武将の話とか。」

 城娘と言う付喪神のような存在を前に、虎杖は少し楽しそうだ。
 渋谷のことを引きずってないはずはないものの、基本表面には出さない。
 そういうところの切り替え方は、虎杖の得意とする分野とも言えるだろう。

「確かに、ベアもエムブラスクの剣の声を聞けるみたいだし、
 武器や城からどう思われているのかはちょっと気になるわね。」

「あの、話を変える上に不躾で申し訳ないのですが、槍とか持っていませんか?」

 ティンタジェルが使える武器を失ったままなのは変わらない。
 ゼタの持つ槍があるので、余ってる可能性がないかと申し訳なさそうに尋ねる。
 物乞いのような状況に、騎士らしくない状況に恥ずべきことで顔もどこか赤い。

「あー……だったら俺のあるけど、いるか?」

「いいんですか? ありがとうございます!」

 虎杖は専ら徒手空拳と人間離れした身体能力だ。
 だから武器がなくても敵次第なら十分に戦える力を持つ。
 なので持ち腐れでもあったので彼女に渡すことになるものの、

「ってあの、とても騎士らしいかっこいい剣なのですが……これ、槍ではないのでは?」

 デイパックから出たのはどう見ても剣である。何処をどう見ても銀の両手剣。
 騎士が持つに相応しい業物であるのは分かるが、言い換えればそれだけだ。
 残念だがこういうのはキャメロット城の方が得意とするものになるだろう。
 自分が持ったところで、下手の横好きレベルの剣技にしかなりえないと。

「ああいや、変身した後それで槍がでるっぽい。ただ相性? みたいなのがあって、
 使いこなせないと負担がやばいって言うやばいもんだからあんまりお勧めできなくってさ。
 それでもいいっていうなら渡すけど……やっぱやめとくか?」

「なるほど……でも大丈夫だろ! 何だか分からないけど、使えるって確信がどこかにあるからな!」

「そうですよね! 負担を乗り越えてこそ騎士と呼べるものかもしれません!」

「シラクモもティンタジェルも楽観的すぎない? いや、
 アルベスの槍のように使い手の敷居が下がってるから、案外いけるのかも……」

 考えればあの鳥も、燃えたとはいえ平然と封印武器を使用していた。
 封印武器の適正についてはは結構な精査が必要になるものなので、
 単に適性があったとはいいがたく、恐らく使用可能な者は増えてるのだろう。
 もっとも、完全に誰でも使用できます、とは限らないのは先のガルダンディーの見ての通りだ。

「では遠慮なく。あと、ガルダンディーって魔物には警戒ですね。」

「あんた達もモルガンってのがどれだけ強いか分からないけど気をつけなさいよ。
 アーサー王最大の敵が本当にそのままいるなら、勘に近いけど相当強いはずだろうから。」

「はい!」

 二組はそのまま別れて各々の目的の場所へと向かう。
 白雲の個性で快速で移動する二人を便利そうに眺めつつも、
 虎杖たちも呪詛師や夏油、或いは乙骨との合流を目指すべく南下していく。
 誰かのため、彼ら四人は改めて決意しながらこの戦いを終わらせると。

【C-6 森/深夜/1日目】

【ティンタジェル城@御城プロジェクト:Re】
[状態]:ダメージ(中)(城娘の能力で再生中)、精神的疲労(中)
[装備]:悪鬼纏身インクルシオ@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(槍はない)、
[思考・状況]
基本方針:アーサー王みたいに、キャメロット城さんみたいに殺し合いを止める。
1:バルバトス、ガルダンディーを何とか倒さないと。
2:ラウドクラウドさんと行動する。
3:キャメロットに向かいたい。
4:モルガンに警戒。ガウェイン卿は会ってみたい。

[備考]
※参戦時期は夢幻航海時空で、少なくとも洗脳解除以降。

【白雲朧@ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS-】
[状態]:健康
[装備]:ラウドクラウドのヒーローコスチューム@ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS‐
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(槍はない)
[思考・状況]
基本方針:ベリアルを止める
1:ティンタジェル城と行動する。
2:モルガンがやばい奴じゃないことを願う。

[備考]
※参戦時期は死亡後です。
※コスチュームは一式で支給品1枠です
※制限で個性で飛べる高さには限界があり、高く、或いは長く飛びすぎると消耗が激しくなります。

【虎杖悠仁@呪術廻戦】
[状態]:健康、精神的疲労(ちょっとだけ)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2(槍はない)
[思考・状況]
基本方針:人を救う。呪いは祓う。
1:団長との合流が優先。伏黒とも早く合流したいけどいるのかどうか分からないのが不安
2:助けてほしいから代わりに自分も俺のこと助けるって⋯⋯いや有り難いけどさぁ
3:ーーそれでも、あれは俺のやったことなんだ
4:夏油について、乙骨先輩と合流できそうな秤の賭場に向かう。
[備考]
※参戦時期は東京第1結界突入直後です
※グラブルコラボ及び虎杖&伏黒フェイトエピソードの記憶が蘇っています
※虎杖の中にいる両面宿儺の扱いは後続の書き手にお任せします

【ゼタ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康、ダメージ・中(体力消耗・中)
[装備]:はがねの槍@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1、ジャッジマンの証拠(渋谷事変)@呪術廻戦
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない
1:団長や仲間のみんなを探す。それにいたら虎杖の仲間を探す
2:アルベスの槍は必ず取り返す
3:イタドリのことが色々と心配
4:ーーあたしはやっぱり、仲間が傷つくのが嫌なのよ
5:今はイタドリのため秤の賭場に行ってみる。
[備考]
※参戦時期は最低でも「Spaghetti Syndrome」以降


【悪鬼纏身インクルシオ@アカメが斬る!】
虎杖にに支給。竜型超級危険種『タイラント』を素材とした鎧を呼び寄せる剣と鎧の帝具。
鎧なので高い防御力、身体能力の向上に加えてノインテーターと言う槍の副武装、
奥の手として一時的に透明になることができると、攻防共に強い恩恵がある。
ただし使用者への負担も大きく、適性がなければ装備するだけで死亡する危険も含む。
タイラントの桁違いの生命力はインクルシオの素材となった今現在でも生きており、
使用者に合わせた鎧の変化に加え、使用者の力をさらに引き出すことも可能になっている。
一度受けた攻撃への耐性もあり、時間を『凍結』と言う形での時間停止にも耐性が付く程。
ただし代償として、無理に力を引き出し続けるとインクルシオが使用者と融合していき、
最終的にタイラントに支配される危険性も含まれる。

009:ブルータルゴッド 投下順 011:だってこれはライアーゲーム
時系列順
134:ヒーローの資格 白雲朧
ティンタジェル城
173:死滅蒼空 -序- 虎杖悠仁
ゼタ

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最終更新:2026年04月10日 23:28