アットウィキロゴ
ある所に八尺程の体を誇る大男あり。
その者は岩のように硬く、山の如き強さを持つ。
小さな墓標と、それを見守るような桜の大輪のある『墓守のウェザエモン戦の地』にて、墓守の戦いを再現するかのように男が大太刀を振るった。
男の周りに転がるは、NPCとして彼に襲いかかった魔物達の残骸である。
最後の一体を男が斬り終えた矢先、ベリアルなるものの放送が流れる。
騒がしく鳴るスマホなる絡繰を取り出してみれば、レデュエを名乗る異形が映し出されていた。

NPCの魔物達は強者(つわもの)ではあっただろう。
何故なら斬り捨てられた魔物は、ある世界では鬼という名で恐れられていた妖怪変化であった。
しかし、鬼の群れは男に一撃も与える事が出来ず、その命を終えた。
鬼共が喰らわせんとする打撃や異能といったものに男は瞬時に反応し、即座に切り捨てる。
男が大太刀を構え、大きく振り下ろしたかと思えば、放たれた剣閃のみで鬼共の身体が消滅し、脚首のみの存在となった。
単なる人間であれば決して勝てぬような化物の群れでさえ、男からすれば雑兵となる。
人の身でありながら、人知を越えた者達に並ぶ程に己を鍛え上げた修羅、或いは羅刹がいる。
それが壬無月斬紅郎という男である。

『以上十二名だ。誰に殺されたかまでは教えるつもりはない。
 死者についてだが赤文字で刻まれている。実に分かりやすいだろう?
 悔やむなり憎むなり好きにすると良い。では、朝方になったら次の放送を連絡する。
 足掻いて足掻いて、私を楽しませてくれると嬉しいのだがね。』

斬紅郎からすれば刹那で散った者達には、塵芥程の興味も沸かない。
興味のあるものは強き者のみ。
むしろ放送主であるレデュエの方が興味深い。
放送が終われば、聞き慣れぬ音と共に画面に通知が表示される。
ふと太い指を当ててみれば、画面が名簿へと切り替わる。
絡繰も進化しているのだなと、くだらぬ事を考えながら目を通す。
知己の相手もおらず、アイザックより聞いたジークフリートやサンダルフォン、十天衆なる者も居ない。
その事に落胆を覚え、画面の付いたままのスマホをデイパックに放り込み、足を進める。

目指すものは墓標だ。
本来のシャングリラ・フロンティアならば、NPCである遠き日のセツナが出迎えたかもしれないが、
この世界ではそうしたイベントは起こらない。
この場所に来た理由はひとつ。

「暫し、得物を借り受ける」

それだけ言って踵を返す。
支給品として配られた大太刀、バンガードの説明書きにあった、墓守のウェザエモンなる侍。
彼が守り抜いた女へと一言添えた。
その敬意は、息子を守れず斬り捨ててしまった、鬼に屈した者故か。

「そこの者!」

静寂な墓標に大きく張った声が響く。
炎のような髪と鍛え抜かれた心体、練り上げられた闘志。
そして『悪鬼滅殺』と刻まれた刀を持つ者だ。

「俺は鬼殺隊炎柱、煉獄杏寿郎!近くに鬼が居た痕跡があった!今すぐここを離れ……!」

言おうとした言葉を、煉獄杏寿郎は閉じる。
殺気を感じたのだ。
辺りに散らばる鬼の残骸、岩柱にも及ぶだろう巨体の気迫。
過去に相手した猗窩座にも似た鬼の気迫だが、よく見れば男が人間であることは理解できる。


「……貴方がこの鬼を倒したのか」
「然り。貴様は煉獄と申したか」

煉獄、その意味は各地を巡る旅の中で斬紅郎は知っている。
キリシタンの言う、天国と地獄の狭間だ。
生前の罪を業火により浄化させる場である。
斬紅郎の口が僅かに緩む。死合うに相応しき相手だ。この漢ならば、もしやと。

「無限流、壬無月斬紅郎」

珍しく、あえて名を名乗る。
それは求道者としてか、罰を求める罪人としてか。
優れた戦士同士に言葉は不要。それだけで目的は伝わる。
張り詰めた空気の中、ただじっと互いを見つめ、剣を握る。

「俺は貴方と戦う理由が無い」
「我にはある。強きものよ、煉獄を名乗るならば、冥府の業火で我が罪祓ってみせよ」

斬紅郎にとって、鬼とは人の命の枷を乗り越えし者、心の弱さを認めぬ者だ。
息子を守れす、無差別殺人を繰り返し、自分は鬼だと言い訳を続ける生き恥は討たれるまで止まれない。

「何故だ、貴方程の領域ならば、修羅の道を歩まずとも良いだろう!」
「我は鬼。我は災い。もはや退けぬ、進むより先に道は無い」

猗窩座のように物事の価値基準が違うという訳では無い。
理解しているうえで、人の身でありながら鬼の道を征かんとする。
自分で倒れることも出来ぬ屍は、ただ自分より強きものを求め、討たれる事を望むのみ。

(強さを持って生まれることは幸いであり、不幸だ。
強く生まれれば、それだけ己を御する精神力が問われる。
俺は罪なき人々を決して傷つけたくはない。常に清く、気高くありたいものだ)

ふと、煉獄の脳裏に昔どこかで言ったような言葉が過る。
煉獄は理解する。この男は強さが有りながら己を御する事が出来なかったのだろうと。

「……俺は人に仇なす鬼を狩る!だが、貴方は人だろう!俺は人を狩るような真似はしない!」

煉獄は人を斬らない。それが罪を犯し、他人に危害を加えんとする人間だとしても。
魘夢の配下であった人間の少女に襲われた時もそうだった。
煉獄の深層心理下で、彼自身も覚えていない行動だったが、動きは留めたが殺しはしなかった。
天より賜りし力で人を傷つけることは、生まれ持っての性根が許さぬ。
亡き母の教えの如く、清く気高くありたいのだ。

「ならば、その我道を貫け」

返答は張り詰めた殺意で返る。
己の鬼を乗り越えられなかった悲しき男は、鬼としての歩みを進める他なし。
鬼に呑まれた者は、討たれることでしか救われぬ。

「我は鬼。人で無し。民草を守りたくば、一抹の迷いも一片の曇りも無く、この場で悪鬼を討て。貴様も鬼狩りならば、その責務果たしてみせよ」

壬無月斬紅郎は、守れなかった。
煉獄杏寿郎は、守りきった。
ある種、羨望にも似た眼(まなこ)を僅かながら刮目した時が戦いの時。


「いざ、死合わん」


煉獄杏寿郎 対 壬無月斬紅郎


「炎(ほむら)の者よ、兵法極意、全てを以って―――我が鬼、討ってみせよ」


いざ尋常に、1本目 勝負


【A-5 墓守のウェザエモン戦の地/深夜/1日目】

【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】
[状態]:懐かしい気分、何かに呼ばれた気がする
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:ベリアルの企みを阻止する。
1:斬紅郎の兇行を止める。鬼ではないため殺しはしない?
2:何かに呼ばれた気がするが、気のせいか?
3:空の世界、なんだか懐かしい気分だな!
[備考]
※参戦時期は少なくとも死亡後。
※グラブルのコラボイベントやフェイトは経験済みですが記憶は保持していません。
 何かのきっかけで空の世界の記憶を思い出すかもしれません。


※放送と名簿は確認しています、どれぐらいスマホが使えたかはお任せします。



【壬無月斬紅郎@サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣】
[状態]:健康
[装備]:バンガード@シャングリラ・フロンティア
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:強きものを求む
1:煉獄と死合う。
2:相手を探す。得物を持たぬ者には興味を持たぬ。
[備考]
※参戦時期は少なくとも帯刀した侍のみを襲い始めた後。

【バンガード@シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~(アニメ版)】
ユニークモンスター、墓守のウェザエモンが使っていた大太刀。
晴天流奥義書と、解読するための神代の設備があれば、ウェザエモンの技の再現もできるかも。(設備はまだアニメ未登場であるが)
兄弟刀であるハービンジャーは「プレイヤーの体が地面から浮かないノックバック」をすべて無効化するという効果があったが、
この剣にはそうした特殊効果は無いと思われる。

017:言葉は必要ないさ 投下順 019:西新宿清掃曲
時系列順
110:リメイク版吉原炎上編に無限列車は必修じゃないらしいぞ 煉獄杏寿郎
087:キングは不在 壬無月斬紅郎

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2026年05月05日 00:44