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正義の定義 ~英雄/十二使徒~ 第4話 2/2
「えいゆうすいさん!ふぇ!」
「さあ、カッコ良く決めるぜぇ!!」
武装展開早々、青島は巨人に向かって突っ走って行く。基本武装のハンドガンで牽制しつつ接近。弾は全く効いていない。
「ちょっと青島くん!先走らないで!」
注意を促すも青島の耳には全く届かない。青島はコードを入力すると、その手に握られた薙刀を振り切る。
『"エナジー""ハルバート"』
「燃えよ『青龍』!」
「ゴオォォ!」
巨人は青島の体を掴もうと手を伸ばすが、青島はそれを"ホバリング"を使いスライディングするように腰を低くし、上手く回避する。
頭上間一髪の所を巨人の手が過ぎる。そうして青島は名乗りを上げ、薙刀を振り下ろした。
エネルギーの塊が巨人の異形に向かって伸びていく。程なくしてそれは巨人の体にぶち当たり、爆ぜた。
案外あっさりと命中してしまった訳だが。しかしどうだろう、巨人はピンピンしているではないか。
ダメージも受けていないように思える。攻撃が効いていない事に狼狽える青島。
しかしながらあの攻撃で無傷とは何かがおかしい。
「あれは魔素で体を覆っているんだ、だからそれを何とかしないと傷は付けられない」
ふと、冴島の横からTシャツの青年が忠告する。
「…そんな事、わかっています。君は下がってて」
そう言うと、冴島は陰伊達に指示を出し迎撃体制に入る。陰伊は右から、裳杖は左から、トエルは正面から"ブレイカー"で魔素の
膜をぶち壊す作戦のようだ。指示通りに陰伊達は定位置につく。
「魔素を引き剥がした後に私が"グレネード"で討ち取ります。行くわよ!!」
「ふえぇ!ラジャー!」
『"ジャンクション""クロウ"』 『"ブレイカ-""クロウ"』
「了解」
『"ブレイカー""デスサイズ"』
「わかりましたっ!」
『"ブレイカー""ダブルセイバー"』
各自がコード入力を行い、攻撃の予備動作へ移る。"ブレイカー”は魔素効果を打ち消す効果のある攻撃である。その際金色に
刀身が一時的だが変化するのが特徴だ。何でも魔素を打ち破る物質に化学変化を起こしてうんたらかんたらすげーとの事らしい。
「今よ!」
「ふぇ!」
「行きますっ!」
「"魔術滅却陣"!」
一人厨臭い技名を叫んでいる人間がいた気がしないでもないが、作戦に沿い、三人が巨人に向かって飛びかかる。正面のトエルは巨人に叩き落とされそうになる、その瞬間、トエルは巨人の手に足を掛け、"ハイジャンプ"で更に上へと飛び上がる事で事無き
を得た。
「くらえ!」
「そこですっ!」
「終わりだッ!」
「ゴォ!?」
それぞれの攻撃が巨人に叩き込まれる。 魔素が散り、無防備になったところを冴島のランチャーが畳み掛ける。
『"グレネード""ランチャー"』
「覚悟しなさい、己が咎、その身に刻め!!」
冴島のランチャーから爆炎弾が発射される。紅蓮の炎が宙を這い、一直線に巨人へと飛んでいった。玉の回りは昼間のように
明るく、高温の物質が弾に内包されている事を物語っている。いくら図体が大きい異形とはいえ、これを食らえば一溜まりもない。
近づきゃたちまち身を焼かれ、当たれば爆炎が骨も残さぬ。
「…だめね、あれじゃ」
戦いを見ていた吸血鬼は戦いの戦局を分析する。彼女は悟る、この攻撃は…通らないと。
「さあ、カッコ良く決めるぜぇ!!」
武装展開早々、青島は巨人に向かって突っ走って行く。基本武装のハンドガンで牽制しつつ接近。弾は全く効いていない。
「ちょっと青島くん!先走らないで!」
注意を促すも青島の耳には全く届かない。青島はコードを入力すると、その手に握られた薙刀を振り切る。
『"エナジー""ハルバート"』
「燃えよ『青龍』!」
「ゴオォォ!」
巨人は青島の体を掴もうと手を伸ばすが、青島はそれを"ホバリング"を使いスライディングするように腰を低くし、上手く回避する。
頭上間一髪の所を巨人の手が過ぎる。そうして青島は名乗りを上げ、薙刀を振り下ろした。
エネルギーの塊が巨人の異形に向かって伸びていく。程なくしてそれは巨人の体にぶち当たり、爆ぜた。
案外あっさりと命中してしまった訳だが。しかしどうだろう、巨人はピンピンしているではないか。
ダメージも受けていないように思える。攻撃が効いていない事に狼狽える青島。
しかしながらあの攻撃で無傷とは何かがおかしい。
「あれは魔素で体を覆っているんだ、だからそれを何とかしないと傷は付けられない」
ふと、冴島の横からTシャツの青年が忠告する。
「…そんな事、わかっています。君は下がってて」
そう言うと、冴島は陰伊達に指示を出し迎撃体制に入る。陰伊は右から、裳杖は左から、トエルは正面から"ブレイカー"で魔素の
膜をぶち壊す作戦のようだ。指示通りに陰伊達は定位置につく。
「魔素を引き剥がした後に私が"グレネード"で討ち取ります。行くわよ!!」
「ふえぇ!ラジャー!」
『"ジャンクション""クロウ"』 『"ブレイカ-""クロウ"』
「了解」
『"ブレイカー""デスサイズ"』
「わかりましたっ!」
『"ブレイカー""ダブルセイバー"』
各自がコード入力を行い、攻撃の予備動作へ移る。"ブレイカー”は魔素効果を打ち消す効果のある攻撃である。その際金色に
刀身が一時的だが変化するのが特徴だ。何でも魔素を打ち破る物質に化学変化を起こしてうんたらかんたらすげーとの事らしい。
「今よ!」
「ふぇ!」
「行きますっ!」
「"魔術滅却陣"!」
一人厨臭い技名を叫んでいる人間がいた気がしないでもないが、作戦に沿い、三人が巨人に向かって飛びかかる。正面のトエルは巨人に叩き落とされそうになる、その瞬間、トエルは巨人の手に足を掛け、"ハイジャンプ"で更に上へと飛び上がる事で事無き
を得た。
「くらえ!」
「そこですっ!」
「終わりだッ!」
「ゴォ!?」
それぞれの攻撃が巨人に叩き込まれる。 魔素が散り、無防備になったところを冴島のランチャーが畳み掛ける。
『"グレネード""ランチャー"』
「覚悟しなさい、己が咎、その身に刻め!!」
冴島のランチャーから爆炎弾が発射される。紅蓮の炎が宙を這い、一直線に巨人へと飛んでいった。玉の回りは昼間のように
明るく、高温の物質が弾に内包されている事を物語っている。いくら図体が大きい異形とはいえ、これを食らえば一溜まりもない。
近づきゃたちまち身を焼かれ、当たれば爆炎が骨も残さぬ。
「…だめね、あれじゃ」
戦いを見ていた吸血鬼は戦いの戦局を分析する。彼女は悟る、この攻撃は…通らないと。
―――…
「そんな…ッ?」
弾は確かに巨人に当たった。爆炎弾は巨人のその大きな体を爆炎で包み込んだはず…立っているはずが無い。
…だがそれでは、今自分達の目の前で巨人が立っている事の説明がつかない。
「マジかよっ!?」
冴島武装は英雄武装の中でも屈指の威力を誇る。これが通用しないとなれば…戦況は思わしくなくなるだろう。
「ゴオオオオオオオ!!」
巨人は反撃に出る。腕を振り上げ、地に叩きつけた。地面が割れ、ちょっとしたマグニチュードを起こす。粉塵舞い、視界が
悪くなる。英雄一同はゴーグルで巨人の位置を瞬時にサーチ。敵の攻撃に備える。
「見てるだけじゃなくて青島先輩も手伝ってくださいよっ!!」
緊迫状態の中、呆けていた青島にも支援を求める陰伊。青島はビビりつつも応戦に向かう。一触即発、異形の明確な殺意がひしひしと空気を伝う。それに感づいた青島の手は汗でびっしょりになった。呼吸することさえとんでもないプレッシャーになる状況…
正直、長時間こんな状況が続いたら気持ち悪くなってしまいそう。
「グゥアアアアアア!!」
「く、ここはバリアを…」
『"ガード""デスサイズ"』
最初に巨人が狙いを定めたのは裳杖だった。それを感じ取った裳杖は瞬時に武器の前にガードを展開する。
巨人の拳が裳杖を捉える。武器で受けるも、あまりの衝撃に裳杖は後方へ吹っ飛ばされてしまう。
「ぐっ…!!」
飛ばされた裳杖は木に激突する。気を失いはしなかったが、攻撃はそこそこ堪えているようである。
「裳杖君!!」
「陰伊さん、今は戦闘に集中して!」
「でも…」
「死にたいの!?前を向きなさい!!」
裳杖を心配する陰伊を一喝する冴島。彼女の目には焦りの色が見えた。自分の作戦がうまくいかなかったから陰伊達を
危険に晒してしまっている。自責の念にかられる。最悪、自分が足止めして他の者達を逃がす事も考えた。
「………ふふん、なってないわね、あなた」
そんな状況の中、後ろで縛られている吸血鬼が冴島に話しかける。
「…何が…なってないと言うの?」
冴島は静かに問いた。今この時間も他のメンバーは戦っている。少しでも時間を無駄には出来ないのだが…
「何度やっても、あの方法じゃあれは倒せない」
「…どういう事?」
「あの巨人の額を見てみなさいよ…」
吸血鬼は顎でくいっと巨人の額の方を示す。粉塵が捌けていき、視界も随分回復した一帯。巨人の顔もよく見える。冴島は
巨人の顔を凝視してみると、額に光るものが見えた。
「あれは…宝石?」
「そ、あれがある限り魔素の衣は打ち破れない。破れても何回でも再生する」
「じゃあ…あれを壊せば…」
「でも、はたしてそう簡単にいくかしら?ここは私をかいh…」
「…それをやるのが英雄です…待ってなさい!!化け物!!」
巨人に銃弾を浴びせつつ前身していく冴島。上手く口車に乗せて縄をといてもらおうという思惑があった吸血鬼はなぜ人間は
こうも話を聞かないのかと腹を立てた。…とても人の事を言える立場ではないが。
「皆!!」
「冴島さん!!」
裳杖が抜け、陰伊・青島・トエルでなんとか戦闘を持たせていた。冴島の復帰は心強い。一気に皆の士気が高揚する。
「奴の弱点は額の宝石よ。トエルちゃんは敵を引きつけて!他の者であれに三段攻撃を仕掛けます!!」
「りょうかーい!ふぇ!おらこっちだだいまじん!!ふぇ!ふぇ!」
巨人を引きつけるため巨人の目の前に躍り出るトエル。ひょいひょいとうまいこと巨人のパンチを避ける。
即座に物理計算のできるトエルに単純な攻撃はそう簡単には当たらない。
「じゃあいくわよ!今度こそ仕留めます!」
「おう!」
「は…はい!」
弾は確かに巨人に当たった。爆炎弾は巨人のその大きな体を爆炎で包み込んだはず…立っているはずが無い。
…だがそれでは、今自分達の目の前で巨人が立っている事の説明がつかない。
「マジかよっ!?」
冴島武装は英雄武装の中でも屈指の威力を誇る。これが通用しないとなれば…戦況は思わしくなくなるだろう。
「ゴオオオオオオオ!!」
巨人は反撃に出る。腕を振り上げ、地に叩きつけた。地面が割れ、ちょっとしたマグニチュードを起こす。粉塵舞い、視界が
悪くなる。英雄一同はゴーグルで巨人の位置を瞬時にサーチ。敵の攻撃に備える。
「見てるだけじゃなくて青島先輩も手伝ってくださいよっ!!」
緊迫状態の中、呆けていた青島にも支援を求める陰伊。青島はビビりつつも応戦に向かう。一触即発、異形の明確な殺意がひしひしと空気を伝う。それに感づいた青島の手は汗でびっしょりになった。呼吸することさえとんでもないプレッシャーになる状況…
正直、長時間こんな状況が続いたら気持ち悪くなってしまいそう。
「グゥアアアアアア!!」
「く、ここはバリアを…」
『"ガード""デスサイズ"』
最初に巨人が狙いを定めたのは裳杖だった。それを感じ取った裳杖は瞬時に武器の前にガードを展開する。
巨人の拳が裳杖を捉える。武器で受けるも、あまりの衝撃に裳杖は後方へ吹っ飛ばされてしまう。
「ぐっ…!!」
飛ばされた裳杖は木に激突する。気を失いはしなかったが、攻撃はそこそこ堪えているようである。
「裳杖君!!」
「陰伊さん、今は戦闘に集中して!」
「でも…」
「死にたいの!?前を向きなさい!!」
裳杖を心配する陰伊を一喝する冴島。彼女の目には焦りの色が見えた。自分の作戦がうまくいかなかったから陰伊達を
危険に晒してしまっている。自責の念にかられる。最悪、自分が足止めして他の者達を逃がす事も考えた。
「………ふふん、なってないわね、あなた」
そんな状況の中、後ろで縛られている吸血鬼が冴島に話しかける。
「…何が…なってないと言うの?」
冴島は静かに問いた。今この時間も他のメンバーは戦っている。少しでも時間を無駄には出来ないのだが…
「何度やっても、あの方法じゃあれは倒せない」
「…どういう事?」
「あの巨人の額を見てみなさいよ…」
吸血鬼は顎でくいっと巨人の額の方を示す。粉塵が捌けていき、視界も随分回復した一帯。巨人の顔もよく見える。冴島は
巨人の顔を凝視してみると、額に光るものが見えた。
「あれは…宝石?」
「そ、あれがある限り魔素の衣は打ち破れない。破れても何回でも再生する」
「じゃあ…あれを壊せば…」
「でも、はたしてそう簡単にいくかしら?ここは私をかいh…」
「…それをやるのが英雄です…待ってなさい!!化け物!!」
巨人に銃弾を浴びせつつ前身していく冴島。上手く口車に乗せて縄をといてもらおうという思惑があった吸血鬼はなぜ人間は
こうも話を聞かないのかと腹を立てた。…とても人の事を言える立場ではないが。
「皆!!」
「冴島さん!!」
裳杖が抜け、陰伊・青島・トエルでなんとか戦闘を持たせていた。冴島の復帰は心強い。一気に皆の士気が高揚する。
「奴の弱点は額の宝石よ。トエルちゃんは敵を引きつけて!他の者であれに三段攻撃を仕掛けます!!」
「りょうかーい!ふぇ!おらこっちだだいまじん!!ふぇ!ふぇ!」
巨人を引きつけるため巨人の目の前に躍り出るトエル。ひょいひょいとうまいこと巨人のパンチを避ける。
即座に物理計算のできるトエルに単純な攻撃はそう簡単には当たらない。
「じゃあいくわよ!今度こそ仕留めます!」
「おう!」
「は…はい!」
―――…
「ふえぇぇぇえぇえぇぇぇ!!」
『"ワイヤー"』
「グゥエ!?」
しばらく交戦した後、そろそろ頃合いだと思ったトエルはワイヤーで巨人の足を縛る。当然もがく巨人であったが、トエルが
がっちりと締め上げ逃がさない。
「ふぇ!オラ!オラオラ!ふえふぇ!ふえぇぇぇ!」
「いい感じね…第一撃!青島くん!」
「御意!!」
『"ブレイカー""ハルバート"』
黄金の刃が闇夜に舞う。月明かりに照らされより輝き増し、一閃の太刀筋となって巨人の魔素を打ち消さん青島は襲いかかる。
「いっけええええええええ!!」
「グギャアァァッッ!!」
切る斬る、斬りつける。これでもかという位、二十数回は斬りつけただろうか?もう魔素は打ち消せているはずだろう…
息切れし始めたところで青島は陰伊へと繋げる。
「第二撃…あなたに恨みはありませんが…倒させていただきます!!」
「グアァァ!」
攻撃の手を休める事なく、続いて陰伊が攻勢に出る。巨人はパンチで応戦するがかわされ、それどころか自分の腕に登られて
しまう。巨人の腕の上を素早く駆けていく陰伊だったが、ここで思わぬ誤算が生じる。
「しゃあああああぁぁぁぁ!!」
「!?」
なんと巨人は口を大きく開き、炎を吐いたのだ。これには堪らず退散する陰伊。髪が僅かに焦げた、間一髪だったようだ。
しかしこれで連続攻撃の連携は崩れてしまった。
「ああ!また失敗…」
『"ワイヤー"』
「グゥエ!?」
しばらく交戦した後、そろそろ頃合いだと思ったトエルはワイヤーで巨人の足を縛る。当然もがく巨人であったが、トエルが
がっちりと締め上げ逃がさない。
「ふぇ!オラ!オラオラ!ふえふぇ!ふえぇぇぇ!」
「いい感じね…第一撃!青島くん!」
「御意!!」
『"ブレイカー""ハルバート"』
黄金の刃が闇夜に舞う。月明かりに照らされより輝き増し、一閃の太刀筋となって巨人の魔素を打ち消さん青島は襲いかかる。
「いっけええええええええ!!」
「グギャアァァッッ!!」
切る斬る、斬りつける。これでもかという位、二十数回は斬りつけただろうか?もう魔素は打ち消せているはずだろう…
息切れし始めたところで青島は陰伊へと繋げる。
「第二撃…あなたに恨みはありませんが…倒させていただきます!!」
「グアァァ!」
攻撃の手を休める事なく、続いて陰伊が攻勢に出る。巨人はパンチで応戦するがかわされ、それどころか自分の腕に登られて
しまう。巨人の腕の上を素早く駆けていく陰伊だったが、ここで思わぬ誤算が生じる。
「しゃあああああぁぁぁぁ!!」
「!?」
なんと巨人は口を大きく開き、炎を吐いたのだ。これには堪らず退散する陰伊。髪が僅かに焦げた、間一髪だったようだ。
しかしこれで連続攻撃の連携は崩れてしまった。
「ああ!また失敗…」
「あーもう!見てられねぇ!!」
「え?何!?」
冴島の横を走り抜ける影。光り輝く棒は持ち主の身の丈以上の長さ。影は飛び上がり、巨人の目線程の高さにまで上昇する。
影の正体は…Tシャツジーンズカジュアルファッションの青年であった。
「な…何であなたが…!」
「おりゃ!」
光が一層強くなり、槍のような変化を遂げた棒を巨人の眉間に突き刺し、「今だ!」と青年は冴島に叫ぶ。苦しみ暴れる巨人は
額の棒を抜こうとそれを握る。それと同時に、青年が巨人から離れたところを確認した冴島はコードをデバイスに入力した。
「おりゃ!」
光が一層強くなり、槍のような変化を遂げた棒を巨人の眉間に突き刺し、「今だ!」と青年は冴島に叫ぶ。苦しみ暴れる巨人は
額の棒を抜こうとそれを握る。それと同時に、青年が巨人から離れたところを確認した冴島はコードをデバイスに入力した。
『"グレネード""ランチャー"』
「ああもうとにかく!今度こそ!己が咎、その身に刻め!」
発射。今度はおまけと言わんばかりにもう一発追加された爆炎弾はドカンと大爆発を起こし、異形の身を吹っ飛ばした。
ヒュンヒュンヒュン。爆風によって吹き飛ばされた棒は青年の頭上に落下する。青年は予測していたかのように片腕を挙げ、
棒をキャッチする。その背には上半身が吹き飛ばされ、崩れ落ちる異形の姿があった。
棒をキャッチする。その背には上半身が吹き飛ばされ、崩れ落ちる異形の姿があった。
「…なんかおいしいところもっていかれたきがする!ふぇ!ふぇ!」
「これは英雄の枯渇に関わる問題だクソ!俺よりかっこよく決めやがって!クソックソッ…FUCK!!」
「これは英雄の枯渇に関わる問題だクソ!俺よりかっこよく決めやがって!クソックソッ…FUCK!!」
かくして、無事異形は討伐されたと言う訳だ。
―――…
「…さっきは色々言ってごめんなさいね、助かったわ」
「…別にいいって。俺が勝手にやったことなんだし…まぁ、お互い様だろ?」
戦いが終わればお互いの功績を讃え合うのが正しい英雄の嗜みなんだとか。例によって冴島はTシャツの青年に感謝していた。
「あの規模の奴は一人でやるのも結構きついからなー、ともあれ、一件落着…か?」
「そいえば何か忘れているような…」
「…別にいいって。俺が勝手にやったことなんだし…まぁ、お互い様だろ?」
戦いが終わればお互いの功績を讃え合うのが正しい英雄の嗜みなんだとか。例によって冴島はTシャツの青年に感謝していた。
「あの規模の奴は一人でやるのも結構きついからなー、ともあれ、一件落着…か?」
「そいえば何か忘れているような…」
「ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
トエルが今日何回目だという奇声を上げる。半ばお約束化してきたこの流れ、良い出来事であった試しが無い。
「どうしたんだよとえる~」
「きゅーけつきいなくなってんすけど!ふえぇ!」
「え?」
トエルが今日何回目だという奇声を上げる。半ばお約束化してきたこの流れ、良い出来事であった試しが無い。
「どうしたんだよとえる~」
「きゅーけつきいなくなってんすけど!ふえぇ!」
「え?」
† † †
「…もう、助けにくるのが遅いんじゃない?」
エリカ様は酷くご立腹のようだ。せっかく助けたというのに…感謝される事はあれど怒られる義理はない。
先程まで強く羽の付け根あたりを縛られていたようで、少し飛び方がぎこちないように思える。私の目が届かない所で勝手に無茶
するからこういう事になる。少しいい気味だ。
…はは、どうにもこうにもお取り込み中のようでしたので
私は先程、縄に縛られていた(最初はそういうプレイかと思った)エリカ様を助けた。吸血鬼が人間に捕まるなんて滑稽…
いや、なんて事をしてくれたのだろうか。機を見て(その光景をじっくりと楽しんだ後)救出できたから良かったものの。
この事は日記に書き留めておこうと私は思った。
またあの方に会っておられたので?
そう問いかけてみると、エリカ様は不機嫌そうに頷いた。よほど人間共に捕まったのが癪だったのだろうか?その自慢の美貌も
額に筋がぴくぴくと浮かんでいては台無しである。折角のお召し物も泥で汚れてしまっているし、まぁ私の仕事が増えるだけだ。
ええそうですとも、私の仕事が増えるだけ。
「ちょっとした邪魔が入ったのよ…この私があんな恥を晒すなんて、ああもう腹が立つ!」
今日いっぱいはこの調子だろうか?何にせよ、エリカ様に大事が無くて良かった。明日にはケロっとしているであろう事を祈る。
ところで私は常々思っていたことがある。エリカ様の意中の雄の名前である。私はあの青年の名前を知らない。エリカ様は
知っているのだろうか?気になった私はそういえばあの青年の名は…なんでしたか?と聞きますと、エリカ様は
「………あ、聞くの忘れてた」
と、今の今まで忘れていたかのような反応を見せた。…うちの主はどうも抜けているところがあるらしい。
「…今、失礼なこと考えなかった?」
エリカ様は酷くご立腹のようだ。せっかく助けたというのに…感謝される事はあれど怒られる義理はない。
先程まで強く羽の付け根あたりを縛られていたようで、少し飛び方がぎこちないように思える。私の目が届かない所で勝手に無茶
するからこういう事になる。少しいい気味だ。
…はは、どうにもこうにもお取り込み中のようでしたので
私は先程、縄に縛られていた(最初はそういうプレイかと思った)エリカ様を助けた。吸血鬼が人間に捕まるなんて滑稽…
いや、なんて事をしてくれたのだろうか。機を見て(その光景をじっくりと楽しんだ後)救出できたから良かったものの。
この事は日記に書き留めておこうと私は思った。
またあの方に会っておられたので?
そう問いかけてみると、エリカ様は不機嫌そうに頷いた。よほど人間共に捕まったのが癪だったのだろうか?その自慢の美貌も
額に筋がぴくぴくと浮かんでいては台無しである。折角のお召し物も泥で汚れてしまっているし、まぁ私の仕事が増えるだけだ。
ええそうですとも、私の仕事が増えるだけ。
「ちょっとした邪魔が入ったのよ…この私があんな恥を晒すなんて、ああもう腹が立つ!」
今日いっぱいはこの調子だろうか?何にせよ、エリカ様に大事が無くて良かった。明日にはケロっとしているであろう事を祈る。
ところで私は常々思っていたことがある。エリカ様の意中の雄の名前である。私はあの青年の名前を知らない。エリカ様は
知っているのだろうか?気になった私はそういえばあの青年の名は…なんでしたか?と聞きますと、エリカ様は
「………あ、聞くの忘れてた」
と、今の今まで忘れていたかのような反応を見せた。…うちの主はどうも抜けているところがあるらしい。
「…今、失礼なこと考えなかった?」
――とんでもございません。
闇夜に二つの影。月の光が悪魔のような、コウモリのような…人ならざるシルエットを映し出す。そしてそれは夜の闇へと消えていくのだった…。
† † †
「それじゃあ、俺はこっちの道だから」
「ふぇ!もういぎょーにからまれるんじゃねーぞこら!ふぇ!ふぇ!」
二手に分かれる分かれ道。英雄一行と青年はここでお別れのようだ。
「ねえあなた、名前を教えてくれないかしら?というか良かったらうちの機関に入らない?強い人は大歓迎今なら色々特典付きよ」
「うわ、冴島さんこんなところでも勧誘活動とか抜かりねぇな!」
「ははは…冴島さんったら……」
冴島は青年の腕を見込んで勧誘をするのだが。これをこの人がやると見事に怪しい宗教の勧誘みたくなる。
「いや…やめとく。今は一人守るのに精一杯だからな…」
「そう…じゃあせめて名前を教えてくれないかしら?」
「ふぇ!もういぎょーにからまれるんじゃねーぞこら!ふぇ!ふぇ!」
二手に分かれる分かれ道。英雄一行と青年はここでお別れのようだ。
「ねえあなた、名前を教えてくれないかしら?というか良かったらうちの機関に入らない?強い人は大歓迎今なら色々特典付きよ」
「うわ、冴島さんこんなところでも勧誘活動とか抜かりねぇな!」
「ははは…冴島さんったら……」
冴島は青年の腕を見込んで勧誘をするのだが。これをこの人がやると見事に怪しい宗教の勧誘みたくなる。
「いや…やめとく。今は一人守るのに精一杯だからな…」
「そう…じゃあせめて名前を教えてくれないかしら?」
「…坂上匠…だ」
「そう、私は冴島六槻」
「ふぇ!わたしはトエルふぇ!」
「おれは…」
「おまえはよんでないさがってろ」
「ちくしょー除け者にしやがって!俺グレるし!」
「…も、もう!また冴島さんに怒られるよ二人ともっ!」
「ふぇ!わたしはトエルふぇ!」
「おれは…」
「おまえはよんでないさがってろ」
「ちくしょー除け者にしやがって!俺グレるし!」
「…も、もう!また冴島さんに怒られるよ二人ともっ!」
「ふふ…またどこかでお会いできたらいいわね、それじゃ…」
「ああ…」
そうして彼らは別々の道を行く。それぞれの物語へと、回帰していくのだろう。このお話はそんな物語同士の、ちょっとした交差
がもたらした、何てこと無い出来事である…
がもたらした、何てこと無い出来事である…
「また会えたら…か、さあ、早く帰るか。クズハも心配してるしな…」
一行は道なき道をひたすら進む。思わぬハプニングで大幅にタイムロスしてしまった。
「ちょーっとやすみましょうやー!冴島さん!」
「もうちょっと我慢してちょーだい」
目的地まであと少し。一行は炎堂が待つ自治区へと急ぐのだった…
「ちょーっとやすみましょうやー!冴島さん!」
「もうちょっと我慢してちょーだい」
目的地まであと少し。一行は炎堂が待つ自治区へと急ぐのだった…
―続く―
―次回予告。
今回は大仕事!敵は町の要人を狙う謎の集団!
「謎だろうが何だろうが関係ないぜえ~!俺の活躍の踏み台となってもらうだけさ!」
数はこちらの数倍だ!だがしかし、英雄は数には屈しないィ!!
「むしろその方が燃えるってヤツ?沢山の敵を薙ぎ倒すってカッコいいよねぇー」
だがしかし…この案件はそう単純なものではなかった…裏に隠れる巨悪の陰謀…果たして英雄達はそれを暴くことが出来るのか?
「俺が華麗に暴いてみせるぜ!!」
次回、正義の定義第五話「魔法と少女と召喚獣!略して"ととしょ"っておま」乞うご期待!
「次回もいろいろアレな感じが匂ってきやがるぜ!!」
今回は大仕事!敵は町の要人を狙う謎の集団!
「謎だろうが何だろうが関係ないぜえ~!俺の活躍の踏み台となってもらうだけさ!」
数はこちらの数倍だ!だがしかし、英雄は数には屈しないィ!!
「むしろその方が燃えるってヤツ?沢山の敵を薙ぎ倒すってカッコいいよねぇー」
だがしかし…この案件はそう単純なものではなかった…裏に隠れる巨悪の陰謀…果たして英雄達はそれを暴くことが出来るのか?
「俺が華麗に暴いてみせるぜ!!」
次回、正義の定義第五話「魔法と少女と召喚獣!略して"ととしょ"っておま」乞うご期待!
「次回もいろいろアレな感じが匂ってきやがるぜ!!」