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甘味処繁盛記 三獣乱撃編

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甘味処繁盛記 三獣乱撃編


「よーし、みんな生きてるな」

和泉を守護する防壁の向こう側。
武装隊をまとめて門谷が一息をつく。

異形の襲撃に対して迎撃をまさに済ませた時分である。
武器の点検から負傷者の把握をして、第二波の有無を確認してから開門を促す。
班分けをして、負傷者を含めて先に詰め所へ帰る者はそこで戦闘終了である。

が、まだ過半数の緊張は解けていなかった。
これから和泉周辺を警邏、本当に異形を退けたかの確認に赴かねばならない。

というのも、最近の異形の襲撃に纏まりがあるからだ。
統率が取れているといっていい。
集団一つを凌いだからといって油断はできなかった。

そしてもう一つ。
四匹を、逃したのだ。
明確に追撃するつもりはないが、少なくとも周囲に潜伏して再度襲われるのは避けたい。

「第五班まで出発するぞ」

信太の森にまで、足を運ぶ事になるだろう。
かすかに。
この時からすでに門谷は嫌な予感がしていた。かもしれない。

なにか、関わりたくないような人物が関わりたくないような事やってその尻拭いをせにゃならんような気が……していた。かもしれない。


森を走っていた。
信太の森である。

イヌ科の猛獣じみた異形。
和泉を襲撃し、そして逃げ延びた四匹のうちの一匹だ。
他の三匹とはすでに散り散りである。
木を縫うように、追ってくる者から逃げ続ける。

本能の赴くまま逃げていた異形であるが、途中で気づくのだ。
追ってくる人数が増えている、と。
最初は一人だった。
ずっと一定距離のままついてくるのだ。
つかず離れず。
うっとうしい事この上ない。
しかし一人だから、と追跡者を攻撃する気にはなれなかった。

分かるのだ。
恐ろしい相手だ、と。
だから逃げ続ける。
がむしゃらに森の中を駆け抜けた。

振り返る余裕もない。
そしてそんな遁走の途中に異形の耳は、追跡の情報をしっかり捉える。
追う者が増えているのだと、分かる。

もはや恐怖しかなかった。
自分では足元に及ばないと生命の本能が告げるのだ。
そんな化け物が複数。
つかず離れず……で、あった追跡の音が消えた。

同時、森の拓いた場所に出る。
荒れた地だ。
第二次掃討作戦で荒らされたこの森には、多々傷ついたままの状態の場所がある。
そこに一人の男が立っていた。
人だ。
飄々とした、体躯の良い男。
しかし体躯が良いと言っても猛獣じみた異形と比べるべくもない。

異形は駆ける速度も落とさずに、男へ突っ込んだ。
追跡者の音が消えても安心できずに不安に苛立ち、立ちふさがるのは弱そうな人間一人。
そう、明らかに弱そうだ。
まるで脅威を感じない。
だから、男へ異形が牙を突き立てるのは自然な事だった。

男と異形がすれ違う。
ごっそりと、肩口から腕を食いちぎって異形が駆け抜けた。
男はおもちゃのように吹っ飛び転がる。
噛み千切った傷は肺も露出させんとするものだったが、必殺にまで至っていない。
どうでもいい。
それよりも追跡者の不安がまだ残っている。
食いちぎった腕を牙で破いて骨を噛み砕く。

そのまま駆け抜けようとした時、

「いただいます」

男が言った。
瞬間。
異形の口内から枝が伸びた。いや、枝ではない。根だ。
微細に分岐し伸び育っていく植物の、根。
口内から溢れたと思えば、異形の四肢に絡みつき胴に巻きついていくではないか。
驚き、足を止めた異形だがすでに身動きできぬほどに根の捕縛は強靭だ。
なんという成長の速度か。

まるでそれは、異形を土壌として育とうとする……樹。
口内から溢れているという事は、すでに体内にまで根はその侵食を進めている。
異形の体内構造という体内構造を侵し、そして吸い上げて成長していくのだ。

この樹に囚われたとてすぐに死にはしない。
緩やかな、しかし伸びやかな成長の末に樹が実をつけるまで死ねないのだ。

もがき、苦しむ異形を、男は冷めた目で見ていた。
そしてその傍らには、真達羅。

「割と小物ですね」
「食えるだけ有難ぇよ」
「……そうですね」

異形の命を吸い上げてつける果実こそ、桃太郎を生き永らえさせる無二の栄養である。
もう異形は根に埋もれてしまい、全容が見えなくなってしまっていた。
それでもはみ出た四肢が痙攣してまだ生きているのが分かる。

おぞましいものだった。

そして、貪欲だ。
真達羅さえも捕らえようと根が伸びてくるのだ。
それを、手刀で全て切り払う。
伸びてきた根を切断せしめる真達羅の手刀は無論、魔素の強化に依る。

桃太郎に移植されたこの樹の異形は、一定量以上の魔素保有する生命に寄生してその命を吸い上げる。
そして吸い上げた命に応じた果実をつけるのだが、寄生する生命が零になった時がこの樹の寿命でもあるのだ。

つまり、イヌ科の猛獣じみた異形を食いつくし、果実をつけた時が樹の滅びの時。
だからより一層、長く存在するため、樹はより多くの異形を捕らえようと根を伸ばすのだ。
しかし一定量以下しか魔素を持たぬ者は見向きもせず、根の中にもぐりこんだとしてもその命を吸い上げられることもない。
桃太郎には根が一切伸びてこず、真達羅ばかりを狙うのはこのためだ。

問題は、

「招杜羅と摩虎羅、上手くやってくれてっかなぁ……」

この森。
信太の森。
狐の妖魔の住処で、この樹を開放してしまう事。

樹は、寄生する魔性が多ければ多いほどに成長していく。
異形を捕らえれば捕らえるほどに、加速度的に、偉大に、おぞましく大きくなっていくのだ。
第一次掃討作戦において、この性質を利用して千に届く異形の大群を一夜にして滅ぼしている。
山を二つ、巻き添えに飲み込んで。

だから、正直な話この森で「食事」はしたくなかった。
狐を巻き込んでしまう可能性が嫌でもちらつく。
だから樹の監視には真達羅一騎を置いて、招杜羅と摩虎羅は周辺の警戒だ。
原住する狐の魔性が近づく事ないように。

できる事ならば、もう少し場所も獲物も選びたかった。
だがしかし。
すでに桃太郎は限界だった。
もはや子供よりも肉体的に衰えてしまっている。
良平とケンカして負けてしまうであろうほどだ。

それを見越して、和泉という体を落ち着かせる場所に来た。
そして、異形を待った。
和泉に頼らず、旅すがら樹を寄生させる異形を探す事もできただろう。
だが万一。
旅の途中で桃太郎の体力が尽きるのを懸念した。

「久しぶりの、食事だ」

ごっそりと、疲れを滲ませて桃太郎が息を吐く。
眼前には、樹として形づいてきた自分の分身と、その根をことごとく切り落とし寄せ付けぬ真達羅の姿。

ぴくり、ぴくりと、樹の半ばに流動がある。
まだ中の異形は生きているのだ。
死にたい気分だろう。
しかし死なせてやれない。

もどかしさか、哀れみか、はたまた自己嫌悪か。
気持ちが沈んでいた頃合。

「!?」
「!?」

景色が歪んだ。
一陣、風が吹く。

「これは……!」
「結界!」

風が止めば、景色が変わってしまっていた。
そして明らかに先程までは感じなかった気配が周囲に満ちている。

木々や草々から、こちらを警戒して覗き込んで来るのは――狐。

「お前ら逃げろ!!」
「来ないでください!!」

樹が、根が、真達羅にだけでなく四方八方へと勢いよく伸びていく。
本能的に、ほとんどの狐たちはそれを逃れ、あるいは真達羅が切り落とし、また実力ある狐は焼いてしまう。

だが、

「しまった!!」

捕らえられてしまった狐も数匹。

予想外だった、というのは言い訳だろう。
この信太の森についてもっと調べていれば結界について思い当たっていたはずなのだ。

蛇の目邸。
古くから信太の森に鎮座するこの迷い家は結界によって姿をくらましている。
これを知っていれば、信太の森中央の巨木他、各所が結界によって守られていると予想はきっとついていた。

「さっきの結界をもう一度張ってください!」

真達羅が、叫ぶと同時。
人のよさそうな穏やかさが根こそぎ消えた。
そして存在感が爆発的に増したと思えば、両腕が伸び体が膨れていく。
みるみると異形の本性に戻っていけば、家屋にさえ匹敵するほどに巨大な怪鳥が姿を現した。

森の木々をいくらか薙ぎ倒して翼を広げれば日の光が翳ってしまうほどに大きい。
羽ばたく。
大規模な暴風がそれで起こるという事はなかった。
代わりに、狐たちを捕らえた根の全てに局所的な竜巻が複数発生、狐たちを開放する。
自由になった狐たちは即座に離脱するのを確認してから桃太郎が叫んだ。

「もう一度さっきの結界を張れ! 説明と侘びは後でする!」

景色がまた歪んだ。
樹は再び狐たちを捕縛しようと動くが、その数も少ない。
それ以上に、正体を暴いた真達羅にばかり根が伸びるのだ。

再び結界が張られれば、もとの拓いた荒地に戻る。
そこに、

「な、た、大将、なんだ、どうなってんだ?」
「これは結界で御座るか!」

摩虎羅と招杜羅がいた。
「食事」中に消えた桃太郎と真達羅を不審に思って来てくれたのだろうが、間が悪かったとしか言えないだろう。

「そこを離れろ二人とも!」

摩虎羅と招杜羅のいた位置は。
樹の蠢く位置と近すぎた。
瞬く間に根は摩虎羅と招杜羅を捕らえて飲み込んだ。

「摩虎羅! 招杜羅!」

怪鳥が再び羽ばたいてはピンポイントに風を竜巻きは幹をずたずたにする。
が、それで摩虎羅と招杜羅を露出させるよりも再生の方が速い。

「やっべ……」

二騎を飲み込み、明らかに樹が太く大きくたくましくなってしまっている。
摩虎羅と招杜羅は樹の養分として上等すぎるのだ。
不都合すぎる樹の成長に、桃太郎が樹に飛び込んでいく。

根が絡まり、蠢き波打つ中へと男一人がすぽん、と進入してしまったのだ。
数秒の間をおき、摩虎羅が樹から放り出される。

「摩虎羅! 無事ですか!?」
「クソッ! 不甲斐ねぇ!」

次いで樹が脈動したかと思えば、内側から剣のような爪が突き出された。
そして樹の幹を引き裂き魔犬が顔を出す。
爛々と血走った双眸覗いたかと思えば咆哮と共に飛び出してくるではないか。

真達羅よりも一回り小さいが、堂々たる威容。
招杜羅の本性である。
摩虎羅の脱出が速かったおかげで自力で抜け出せたと悟った時、三騎が青ざめる。

「店長!」
「大将!」
「主殿!」

桃太郎が中に残ったままだ。
もはや周囲のどの樹よりも健やかに育った樹は迂闊に手が出せない。
そして、何よりも大きな問題は、

「……いかん! 果実が…!」

高く高くに桃のような果実が生り始めた事だ。
あの果実が熟し、完成する事で樹は寿命を迎える。

普通ならばようやくそれで「食事」の終わりになるのだが、桃太郎が中にいるままではまずい。
例えば魔素を一定量以下しか保有していない人間が樹の中にもぐりこんだまま果実が生れば、
樹が滅びた後でも特に問題ない。

しかし桃太郎が中にいるまま、果実が生ってしまうと桃太郎まで一緒に滅びる。
桃太郎から生まれた樹でも、ここまで育ては樹の方が支配力は上なのだ。

「大将! 大将! 大将!!!」

焦燥に駆られて摩虎羅も大猿の本性を現す。
森の木々と引けを取らぬほどの背丈の妖猿へと変じて咆哮。

白いきらめきを十爪に宿して樹の幹を切り刻む。
自然界において切断できぬ物なしと思わせるほどの十条の軌跡は、
しかし樹の半ばまでしか断ち割れなかった。

どころか、たちどころに傷は根に埋まり、根は活発に三騎を絡めとろうと蠢くのだ。

「クッ……成長させすぎた……!」

摩虎羅と招杜羅から一時的であれ魔素を吸い上げた樹は大きくなりすぎた。
三騎をして手加減の余地少なすぎる難敵と化している。

怪鳥、妖猿、魔犬の正体を現した三騎が樹を滅ぼそうと思えばできるだろう。
しかしそれでは駄目なのだ。
桃太郎を、救わねば。

気づけば、果実がそろそろ完成しそうになってしまっている。

「い、いけない!!」

真達羅が、躊躇なく樹に飛び込んだ。
己の命を滋養として、樹を生き永らえさせるために。
怪鳥が根に絡まり、少しだけ飲み込まれたかと思えば翼が広がる。
そしてもがきながら怪鳥の頭も出てきた。

「店長に呼びかけても返ってきません!」
「……まさか気絶してるで御座るか!?」
「やべぇ……! やべぇぞコレ!」

真達羅を捕らえてますます樹が巨大に成長してしまう。
その根は妖猿と魔犬をして捌くのが難しくなってきた。

しかもそれだけではなく、これまで樹が反応できていた範囲外で様子を観ていた、
狐たちへとその太くたくましい根を伸ばし始める。
とりあえず実力ある妖狐らばかりらしく、狐火やまやかしで凌いでくれているがいつまで持つか……

「貴様ら、いったいコレは何なのだ!?」

怒りを乗せて、狐の一匹が根をかわしながら叫びを上げた。
ひときわたくましい妖狐だ。
この狐たちの中でのリーダー格か何かだろう。

「妖怪食べる樹だ! すまん、下手こいて厄介な事になっちまった! 逃げてくれ!」
「もう逃げてる! それよりアレは何とかできるのか!?」
「……できない」
「貴様!」
「頼みがある! 人間だ! 人間を連れてきてくれ……!」
「人間だと……?」

狐が根を焼きながら訝しがる。

現世の樹木の類ではないあの樹は絡みつきこそすれば離すのに厄介だが、
根を掻き分けて進入する事も実は容易である。

問題は樹が一定量以上の魔素保有者を捕らえるという事。
しかし逆に一定量以下の魔素しか持たぬ者は相手にしないのだ。
だからほとんどの人間であれば樹に出入りする事さえ可能なのである。

異形が樹に捕らえられその命を吸い上げられるのを引き離すのは難題かもしれないが、
現在人間程度にしか魔素を持っていない桃太郎はそもそも根に捕らえられているというわけではない。
一般的な成人男性であれば楽に桃太郎を剥離せしめる事ができるだろう。

「そうだ、とりあえず男! 誰もでもいいから頼む! 連れてきてくれ!」
「……分かった。いいだろう」
「一生感謝する!」

もはや他の木々の倍ほどの高さで、その背丈に相応しい太さと化した樹に妖狐が背を向け駆け出す。
一方、なんとか深くまで飲み込まれぬように真達羅はもがき続けていた。
しかしそれも目に見えて衰えている。

「真達羅! 代われ、俺が入る!」
「いや……今私が出ても根を捌ききれる自信がない。現状維持だ」

明らかに声音が細っていた。
このまま消耗が続くのは明らかに危険だろう。

「……招杜羅! 真達羅と俺が代わる! お前だけで根を裁けるか!?」
「するしか御座らん!」
「よく言った!」

妖猿の姿がゆらめいた。
摩虎羅に充実していく魔素が白い光となって蜃気楼のように空気を歪ます。

白光を纏い、妖猿が樹へと突っ込んだ。
絡みつかんと触れた根がのきなみ爛れて滅んでいく。
爪を立てて樹を抉り、怪鳥の胴を掴めば摩虎羅が力任せに引っ張り出す。

白光に当てられて、まるで錆びるように朽ちていく樹から真達羅の姿があらわになっていく。
ぶちぶちと嫌な音を立てて根を千切り、開放と同時に招杜羅の方へとぶん投げた。

ずしん、と森の木を何本か巻き込みながら怪鳥の巨躯が横たわる隣。
魔犬が震えて魔素を全開に吠えた。
耳をつんざく咆哮を浴び、真達羅を追い招杜羅を狙う根がみるみる枯れていく。

「人が来るまで持たせろ!」
「承知!」

白光が止んだ妖猿が樹に沈んでいく。


「……なんだ、ありゃ」

門谷は呆然と森を見上げる。
視線の先はみるみる育つ巨木があるのだ。
不自然すぎる成長を見せる巨木に、逃がした異形を追跡していた班の隊員はざわめいている。

進んで調べるか戻って構えるか。
門谷が決断をするより先に。
木々の向こうから灯りがやってくるのが見えた。

「待て、撃つな」
「実に都合よく人のいたものだな。しかも先の争いの指揮者の一人とは……」

狐だ。
銃を構える一人を制する門谷たちを前に、堂々と姿をさらした。

「丁度いい。貴様ら、あれを止めるために来てもらおうか」
「……あの樹の事か?」
「そうだ。どうやら人間でなければ止められんらしい」
「あれは何だ?」
「こっちが聞きたいぐらいだな。テンチョウだとか、タイショウだとか、アルジドノだとか呼ばれていたが……心当たりはないか?」
「………………………………………………………………」

頭痛がした。
心当たりはある。

「よし、分かった。行こう」
「……素直だな。一応、緊急事態らしいが、そんなにすんなり信じていいのか?」
「構わん。多分知り合いのアホだ」

異質な輩だとは、予想がついていた。
それだけで、あんな怪異を起こすと言われて信じよう。
これでも第二次掃討作戦を戦い抜いた兵だ。
予想の上を行かれても揺るがない程度に鍛えられている。

狐が元来た道を辿り、門谷もそれを追った。

「迷惑な知り合いだな、人間」
「まったくだ」
「……? どういう間柄の知り合いだ」
「……客と店長」
「人間はよく分からんな……」
「俺もあいつがよく分からん」

全速の疾駆をもってすれば、そう時間がかからず件の現場に辿りつく。
途中、何度か恐ろしい獣の咆哮が聞こえたが、まぁ、つまりそう言う話なのだろう。
部下たちを置き去りにしてしまいはしたが、緊急事態らしいので仕方あるまい。

森の拓いたそこで門谷は見た。
そびえ立つ雄大なる巨木を。
横たわる怪鳥を。
襲い来る樹の根を迎撃しつくす魔犬を。
そして、樹に埋もれてもがく妖猿が、

「か、門谷隊長」

自分の名前を呼ぶのを。

「俺だ、摩虎羅だ!」

門谷が眼を見開いて一寸止まった。
そして狐が己を捕らえようとする根を焼く横で、

「仕事をサボって何しとるか!!」

怒った。

「………………すんません」
「あのアホもいるんじゃないのか?」
「樹の中で御座る! 門谷隊長!」
「うお!? お前もしゃべれる異形か。まさか招杜羅か?」
「………………仕事サボって申し訳御座らん」
「お前ら異形だったとはなぁ。まぁ、ある程度は疑ってたが……それで、あの樹はなんだ?」
「妖怪を食う樹で御座る! 主殿はあの樹の中で意識を失って御座る! 人間しか、助けられんので御座るよ、門谷隊長!」
「……なるほど、そういう話か」

狐や招杜羅に木の根が延びるが、自身には音沙汰ない事を含めておおよそを門谷が把握した。
騙して門谷以下、班の全員を取って食おうとするには、招杜羅と摩虎羅の必死さが伝わってくる。

もう、桃太郎、真達羅、招杜羅、摩虎羅は和泉の住人だ。
ならば。

「中に入れるんだろうな、これ」

番兵が助けてやらねば誰が助けてやると言うのだ。





<甘味処 『鬼が島』>
本日休業
不在:桃太郎、真達羅、摩虎羅、招杜羅

<お品書き>
 ・吉備団子
 ・きなこ吉備団子

 ・カルピス

<お品書き・裏>
 ・吉備団子セットA
 ・吉備団子セットB
 ・吉備団子セットC

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