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  • 喫茶「オウマがトキ」 @ ウィキ
  • 暴風

喫茶「オウマがトキ」 @ ウィキ

暴風

最終更新:2022年09月10日 21:21

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だれでも歓迎! 編集
(暴風)
更新日:2022/09/10 Sat 21:21:12

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視界が霞ながらも、なんとか厨房までたどり着いたアンコに、同僚のピネが話しかけてきた。
「おお、小鳥ちゃん!どこに行ってたんだい?私は君の帰りを今か今かと待っていたんだよ!」
大袈裟な身振りで薔薇を取り出してアンコに差し出す。相棒のフルーチェが呆れたようにつっこんだ。
「大袈裟やなぁ、アンコだって生物なんだからトイレかなんかどっか行くやろ」
無神経な言葉に、アンコは少し顔をしかめる。その顔を消してから、告げた。
「あの……ピネさん、フルーチェさん、すみません……私、ちょっと疲れてて……」
その言葉にピネとフルーチェは顔を見合わせると、こう言った。
「大丈夫かい?こういう時は休んだ方がいいよ!」
「うちらも、わりと休んどるしな、プラムとか……のじゃロリ猫とか特に……」
その言葉を聞いた瞬間、アンコの口から言葉が飛び出た。
「……………うざい」
「…え?」
「アンコ?」
アンコは言葉を訂正せず、驚くフルーチェとピネの腕を掴んだ。
「周りの迷惑を考えずに休むとかあり得ない」
普段の彼女からは考えられないような力で二人の手を引っ張った。
「悪いけど」
物凄い力で二人を引っ張る。
「アタシ、料理作るから」
二人は困惑で顔を見合わせた。
「邪魔するつもりなら消えてちょうだい」
ドン!と音がして、二人は厨房から追い出されてしまった。
二人はあんぐりと口を開け、暫く固まっていた。先に口を開いたのはフルーチェだった。
「はぁ?!なんやねんあいつ!」
「まぁまぁ」
ピネは血気盛んな相棒をなだめ、厨房を眺めて呟いた。
「彼女は大丈夫なのだろうか……?」

「ハッ!」
アンコは朦朧とした意識をしっかりさせようと首を振った。
見たところ、厨房のようだ。しかし、ピネとフルーチェがいない。
「どこ行っちゃったんだろう……もう……」
アンコは取りあえず溜まっている皿を洗う事にした。
「……」
黙々と皿を洗うと、今まであまり感じた事の無い感情がアンコを襲った。
「お腹すいたなぁ……」
「アンコ、注文入ってるんだけど」
厨房に入ってきたマーマレードに、慌てて確認すると、確かにアップルパイの注文が来ている。アンコは慌てた。
「は、はい!すみません……」
急いでアップルパイを作り上げ、マーマレードに渡すと、アンコは気持ちが悪くなって厨房から離れた。
「はぁ、本当にお腹がすいたなぁ」
とぼとぼと、廊下を歩きながら呟やく。
「にゃはは!」
「アハ!」
「ヒィ!」
突然聞こえた声に驚き、アンコはしりもちをついた。
振り返ると、アンコが今来た廊下の奥の方に、のじゃロリ猫と蜘蛛の少女、くゆりが談笑しているのが見えた。
「のじゃロリ猫先輩……?!くゆりさん……?!いつの間に……!」
アンコの言葉に、くゆりは首をかしげる仕草をした。
「くゆり達、ずっとここにいたヨ?」
「え、あ、そうなんですか……?」
全然気付かなかったと思いながら立ち上がる。
「……」
のじゃロリ猫はそんなアンコの事を面白げに見ていた。
「うんうん、アンコチャン、大丈夫?なんだか疲れてるみたいだけど……」
くゆりの言葉に、ドキッとした。二人に相談しようか?いや、迷惑になるだろう。
せめてもの気を紛らす為にと、アンコは二人の話を聞く事にした。
「は、はい!大丈夫ですよ……!それで、お二人はどんな話をされてたんですか?」
くゆりはふっふんと得意気になり、盛り上がっていた話題を告げた。
「人の美味しい"食べ方"ダヨ!」
「人の……え?」
アンコは言葉の意味を理解するのに、ワンテンポ遅れた。
「あれ、もしかして、アンコチャン人食べないの?美味しいのに……特に可愛い女の人とか……失礼な態度を取る若者とか……」
「いやいや、わしはピチピチの女児が上手いと思うぞ、死にたて新鮮な獲物のな、胸に吸い付いて乳首から血を吸い上げるのじゃよ。そこから柔らかい腹に口を突っ込んで………」
「くゆりはねぇ……蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにするの!それでモゾモゾもがいてる所を徐々に千切って、悲鳴をBGMにしてむしゃむしゃ……」
キラキラした目で語る少女と、酒を飲む時と変わらないテンションで物を言う少女がそこにはいた。
「子供……?嫌がる……悲鳴?」
アンコの中から、ドロドロとした理解不能の何かが溢れ出るような気がした。心臓が痛い。冷や汗が止まらない。
「ってちょっと、アンコチャン苦手だって言ってたじゃん!もうのじチャン、話をふらないでよ!」
アンコの顔を見て、くゆりがのじゃロリ猫にキレる。
のじゃロリ猫はそんなくゆりには答えず、アンコの顔をマジマジ見ていた。
「……。……。…………」
アンコは首をガクリと前に倒し、全身を震わせ、屋内だと言うのに四つの翼をはためかせた。
「アンコチャン?」
アンコの様子のおかしさに、くゆりが声をかける。
「………」
のじゃロリ猫は黙ってアクションを待っていた。
「フヒ……」
アンコが、今まで聞いた事の無いような笑い方をする。
「………」
のじゃロリ猫を真っ直ぐに見据えたアンコの目は、赤黒く光っていた。
「その笑い方にその目……どうやら、中身の方かの?」
「………」
アンコは肯定も否定もせず、黙って片手を天井に向けた。
その手から、どす黒い影のような物が飛び出してくる。
くゆりは目を見開いた。どす黒い影はおぞましく鋭利な牙を剥き出しにして、低く鋭い声を発した。
その物体が、オウマがトキの天井を破壊する。瓦礫やら木の板やらがのじゃロリ猫達に襲いかかる。
どす黒い空間が、アンコの頭上に現れた。
アンコは獣のような唸り声をあげ、四枚の翼を羽ばたかせその空間へと飛んでいったのだった。
「ぬ、逃げられたか」
瓦礫を弾き飛ばし、のじゃロリ猫は呟いた。

所かわって、ここは青空町の穏やかな土手。土曜日のその日、三人の少女が川辺を歩いていた。
「そんでなぁ」
さっきから言葉が途切れない少女、むらサメ。
「へぇ~」
むらサメの言葉を聞いて笑っているのがきゅーばん。
そんな二人を眺めているのが龍香。三人は友達だった。一日前に体調を崩した友達の愛歩のお見舞いに行ってきた帰りだった。
「あ?」
むらサメが異変を感じて空を見上げる。
大地が揺れる程の力強い羽ばたき。ドサリと降り立つ赤い脚。
「……これは…」
「ええ?!誰?!」
臨戦態勢に入る龍香と、いきなり飛んできた者に驚くきゅーばん。
それは飢えた獣のような唸り声をあげ、脚に力を込めた。
「ひっ!」
「な、なんや?!」
「下がって二人とも!」
(こいつ、明らかにシードゥスじゃないけど、人間でもない……一体……。取り合えずカノープスを……)
龍香は二人を下がらせ、頭の上の髪飾りに触れようとし、悲鳴をあげた。
「きゃ!」
飢えた獣がそれに気付き、片腕を龍香に向け、そこから飛び出した黒い蛇のような物が、龍香の頭からカノープスを弾き飛ばしたのだ。
ポチャン!
軽い音がして、カノープスが川の中に落ちていった!
「か、カノープスが水の中に?!」
龍香は冷や汗をかいた。
(ど、どーしよ……)
カノープスがいなければ、自分はただの小学生。二人を守れるかどうか……
「いまやぁぁぁぁぁあぁああぁ!!!」
ドシンと大地が揺れ、龍香はビクッとした。
龍香と飢えた獣の意識がお互いに向いているうちに、むらサメは大きくなっていたのだ。
自分の全身の何倍もある大きな拳に殴り付けられた獣が、悲鳴をあげて吹っ飛ぶ。
「龍香ちゃん!むらサメちゃん、今のうちに逃げよう!」
鈍い音を立てて地面に打ち付けられた獣を見て、きゅーばんが言った。
「おう!」
むらサメが応える。
「え?!う、うん!でもカノープス……」
「グルルルルルル」
龍香の声を、獣の唸りが遮る。
「うわ!もう起き上がった!」
きゅーばんの声には反応せず、獣はモノトーンの翼を広げ、空へと消えていった。
「に、逃げた……?」
「恐らく、お前達より襲いやすい獲物を捕らえに行ったんだろう」
呟いた一人言に返ってきた声に、龍香は反応する。
「カノープス!どこ……?」
「お前の頭の中に直接語りかけている」
「つ、つまり……」
「川の中だ!」
「だ、だよね……」
龍香は川を見つめる。深くなく、流れはない。しかし広い。見つけるまでにどれくらいかかるだろう?
「あはは、あ~……」
飢えた獣と対峙した時に流れた汗とは別物の冷や汗が龍香の頬に流れた。
「えっと……ごめん。むらサメちゃん。きゅーばんちゃん。私の髪止め探すの手伝ってくれない……?」

また場所は変わって河川の下の方、少女二人が何かを探していた。
「どこ行ったんだろう?」
太陽の髪飾りを着けた少女、暁星旭ことライジングが、誰に言うでもなく呟いた。
「ごめんね旭。手伝ってもらっちゃって」
申し訳なさそうにするのは初と言う少女だった。
「大丈夫だよ~!早く見つかるといいね、ちゃばちゃん」
「うん、本当に……でもなんでだろう。いつもはこんな事無いのに」
初は愛猫のちゃばを思い出して項垂れた。いつもは勝手に家から飛び出すなんて事なかったのだが……。
「怜亜や猫丸ちゃんにも手伝ってもらって、ちゃばの行きそうな場所を見て貰ってるけど……」
初が考えていると、どこからか変な音が聞こえた。バサバサっと何かが羽ばたく音だ。
ドサッと音がして、二人の前に翼の生えた化け物が現れる。
「な、なんだこの人?!」
旭は驚いて、その人物を見る。
その化け物は獣のような唸り声をあげた。
「翼に爪……妖怪?」
初は知り合いの黒猫を思い出しながら呟く。ライジングの脳裏にも、のじゃのじゃ言う二又の黒猫が浮かぶ。
「取り合えず、襲ってくるつもりなら、相手になるよ!」
ライジングが元気よく宣言したのと同時だった。
「グルワァァァァァァ!!!」
「危ない!」
初がスライディングしてライジングを突き飛ばす。
「きゃ!」
飢えた獣の腕が膨張し、先程までライジングが立っていた地面を深く抉っている。
「た、助かった……初ちゃんありがとう!」
抉られた地面にゾッとしつつ、ライジングは言った。
「今度はこっちの番なんだから!《《女児符号!暁天!》》」
ライジングの手足に光と熱のエネルギーが集まっていく。
「《《加速符号!暁天・胎動!》》」
ライジングが目にも止まらない早さで動いた。飢えた獣はギリギリのところで飛んで避け、威嚇音を出した。
「まだまだ!」
ライジングは地面を蹴って跳躍し、飛翔している飢えた獣の眼前へと迫った。飢えた獣が咄嗟に片手を振り上げるが、間に合わせない。渾身の一撃をその顔面にぶちかまし、そのまま連撃を御見舞いしていく。
「キシャァァァァァ!!!」
「これでおしまい!」
ズドォォォォォンと物凄い音を立て、獣が地面へと墜落した。
「ふぅ、勝った!」
着地したライジングのお腹がぐるるとなる。ライジングの女児符号、暁天は、凄まじい威力だが燃費が悪く、少し動いただけでも、直ぐにお腹が空くのだ。
「なんとかなって良かったけど、ちゃばちゃんは……」
「旭!まだ!」
獣に背を向けたライジングに、初は警告した。慌てて振り返ると、獣が血とヨダレを垂らしながら立っていた。
「う、うそぉ!まだ立つの?!」
ライジングの言葉に焦りが混じった。出せる分の力は出しきっていたので、もう一度戦って、さっきのように怪我一つなく勝てる保証がない。
初はそんなライジングを横目に現れた敵を分析した。
「あの妖怪、なにかおかしい……怒り、飢え、苦しみ……空腹から正気を失っている?それならば……」
初は上着のポケットからマイクを取り出した。初はそのマイクに言葉を吹き込む。放たれたのは初の加速符号だ。
「《《妖怪よ!正気に戻れ!》》」
「ヴッッッ?!」
獣は初の言葉に苦しんだ。頭をかきむしり、かきむしった頭から血が滝のように溢れ出す。爪が何本も割れた。腕からも血があふれでた。
「………」
獣は、アンコは全て思い出した。
「ハハ……」
自らの罪を。忘れていた友達の事も。
アンコは血を飛び散らせ、羽を撒き散らせながら飛んだ。
「あははは!」
"ナニカ"がアンコの声を借りて嗤った。

場所はまた変わり、オウマがトキのホール。珍しくのじゃロリ猫が皆を集めたのだ。
「と言うわけで、アンコが出ていってしまったのじゃ」
「…………」
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ???!!!!!」
一拍置いて、皆が大声をあげた。
「アンコが?!なんで?!」
そう聞いたのはフルーチェだった。
「だからなんかぁ人食いの話したら出てっちゃっテ~」
くゆりがもう一度事の顛末を説明する。
「人食いかぁ……苦手な人もいるだろうしなぁ」
ジュジィがぼそりと呟く。
「…………」
メローナはこめかみを押さえた。元人間として、思うところがあるらしい。
「アンコ……」
フロートが、悲しげに呟く。どこからか、ガシャリと音がした。

アンコは懐かしい野山を歩いていた。小さな頃、友達と一緒に歩いた道だ。
「私は……」
アンコは立ち止まる。頭と胸が強く痛み、歩く事と考える事を拒絶している。
「…シャ~!」
遠くから、懐かしい声が聞こえた。今度は誰の声なのか、直ぐに分かった。
「ナーシャ!」
「ナツメグ……」
子供の頃、何度も一緒に遊んだ、大好きだった友達。その子が、生きた姿、まさにその姿でアンコの目の前に立っていた。
「どうして泣いてるの?皆待ってるよ?早く行こうよ!」
ナツメグがアンコに向かって手を差し出した。
「ナツメグ……私は……っ!」
アンコは駆け出した。
振り返ること等なかった。出来なかった。
そんな光景を遠くから見ていた影が一つあった。
影が手招きすると、ナツメグだったものが、黒く長い、蛇のようなものに変わった。
「アタシの可愛いプレデター……」
すり寄ってくるそれの顎を、影は撫で、囁く。
「喜んで?アタシがあの子と入れ代われる。もう好きなだけ外に出て、好きなだけ食べてもいいのよ」
プレデターと影が、クックと喉を鳴らし、不気味に嗤った。

ガシャンと音を立てると、そこにいた子供達は一斉にこちらを見た。
「アンコ……」
「アンコさん……」
声を発したのは、ろくばんとシトロンだ。よく知っている子供達だ。
「おい、大丈夫か?」
赤いキャンディの子供が、気安く声をかけ、こちらに向かって来た。
「待て!アイベリー!近寄るな!」
そうアイベリーに忠告したのは、のじゃロリ猫だ。こいつにも、言いたい事が沢山あった。
「何でだよ!アンコが……」
頭の中で何かがキレる音がした。
「違う……」
ずっとアンコしか見ない連中に腹が立ち、そう切り出す。
「アタシは……アタシは……」
アンコの形をしたそれは、大きな声で宣言する。
「アタシはアンコであってアンコじゃない……"アナザーアンコ"だ!」
のじゃロリ猫の瞳がキラリと光る。
アナザーアンコは、今まで溜めていた鬱憤を全て言葉に乗せる事にした。
「ああ~!イラつく!イラつくぜ!」
目に入った女を罵倒する。
「おい!マリネッタ!てめぇいつもいつもダル絡みしやがって!うぜぇんだよ!死に晒せ!」
アンコが到底吐かないような言葉に、一同が困惑してる中、アナザーアンコは更に言葉をまくし立て続けた。
「メローナ!てめぇ猫の事買いかぶり過ぎなんだよ!いつもヘラヘラ笑いやがって!本当はバカにしてんだろ?!ァア"?腹黒女がヨォ!」
「フロートォ!いつもいつも上からガミガミ言いやがって!エラソーなんだよ!苛つかせやがって!」
「アイベリー!騒ぎすぎなんだよ!!耳障りなんだよ!テメェの笑い方!」
「シトロン!!!!いつも横でおどおどしてんじゃねぇ!目障りだ!アタシの視界に入ってくんじゃねぇ!」
「マーマレード!てめぇの言い方はいちいちいちいち癪に触るんじゃッッッ!!!!」
「プラム!てめぇは騒ぎすぎなんだよパート2!」
怒涛のラッシュに、プラムはビックリしながら言った。
「ちょ、しょ、省略された?!」
プラムの足元にいたマロロンが膨れ上がり、マッチョ人間形態になった。アナザーアンコに食ってかかろうとする。
「てめ…」
「てめぇは単純に気持ち悪いんだよ!」
「グヌヌワン…」
キレた言葉に落ち込んだマロロンには目もくれず、次の人物を睨んだ。
「ピオーネ!お前はお姫様みてぇに守られて肝心な所が見えてねぇぇよなぁぁぁぁぁぁ!」
アナザーアンコの口角が上がる。
「それとも見ないふりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
「ジュジィ!貴様のイタズラでどんだけ困ったと思ってんだああああああああああ!!!!!」
「淡雪!スヤスヤ寝てんじゃねぇぞゴラァ!キビキビ働けや!!!!」
「くゆり!てめぇ、厨房が糸だらけになって困ってるんじゃボケェ!喫茶店にG連れ込んでンじゃねぇよ!」
「ろくばんてめぇ!ぐうたらサボってる先輩の為に酒作ってんじゃねぇ!」
「ピネ!いつもいつも隙あらば口説いてくんじゃねぇ!気持ちわりぃんだよ!」
「フルーチェ!いつも皿割りやがって!馬鹿は顔だけにしときやがれやぁ!」
ここまでノンストップで叫び続け、そして勢いよく振り返った。のじゃロリ猫と目が合う。アナザーはそれまでにない感情を込めて叫ぶ。
「のじゃロリ猫先輩よぉ~!てめぇはつまみ食いするは~勤務中にサボって酒飲んだり寝たり、店員と客にセクハラしたりよぉぉぉぉぉぉぉぉ!屑がッッ!!!」
「暴れて店破壊してしまいにゃあ~やりたくない仕事から逃げる糞妖怪が!興味の無い事には関心の無いな、お前な?」
「自由すぎるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!お前よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
誰もがお前みてぇに自由に出来る訳じゃ無ぇぇぇンだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!お前よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ほぼ八つ当たりの拳が、のじゃロリ猫の側にあった机に辺り、粉砕される。
「っっっ!」
のじゃロリ猫の肌をビリビリとした感覚が包んだ。
「のじゃちゃん!」
皆がアナザーアンコの事を、怯えた、敵意を込めた目で見ているのが分かった。
アナザーアンコの中でまた一つ、何かがキレる音がした。声にならない声が喉を通して出ていく。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
のじゃロリ猫に対し牙を剥き、全体重をかけて殴る。のじゃロリ猫は攻撃を受け止めはしたが、圧力で足が床下へと沈んだ。その沈む力を反動とし、拳を押し返し、アナザーアンコがバランスを崩した隙に跳躍し、距離を取った。アナザーアンコが体制を立て直すのと、のじゃロリ猫が地面に着地したのは同時の事だった。
「やれやれ……それが本性と言う訳か、ふむ。"はじめまして"と言うべきかの?アンコ」
のじゃロリ猫は鋭い牙が生えた口を嬉しそうに歪めた。
「いつものおどおどしとるお前も好きじゃが、今のお前も悪くないと思うぞ。相手してやる。来いよ!」
「グルワァァァァァァ!!!!!」
アナザーアンコは翼を高速で動かし、地上からのじゃロリ猫をかっさらうと、空中で激闘を繰り広げ始めた。殴り、蹴り、引っ掻き、噛み千切り、次に地上に着地した時には、二人とも血と傷だらけだった。
「殺してやる!猫ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」
その頃、二人の激闘を、なす術なく見届ける事しか出来ない子供達が、テーブルや椅子でバリケードを作っていた。
「あ、アンコ……あいつ……」
椅子の影から、暴れるアナザーアンコを見上げるアイベリー。
「ど、どうしちゃったの、あの子?一体何があったのよ?!」
取り乱す姉、フロートを落ち着かせるように、ピオーネが口を挟んだ。
「多分……"アナザー"と……呼ばれる現象……」
「アナザー?」
ピンと来ていないプラムに、ジュジィは考えを聞かせた。
「聞いたことがあるよ……その起源は全くの謎かつ不明瞭だけど、どこからかやって来る"第二の自分"」
ああ、もしかしてと、マリネッタも加わった。
「この前読んだ本にも載っていたものかもしれないわ。
"アナザー"
その人に良く似た存在。本人の気持ちの具現化や、クローン、全くの別人、色々な生い立ちのある、一種の妖怪のような闇のような何か……」
「……」
ろくばんは何か思うところがあるらしく、黙って聞いていた。
「…………なあ、淡雪」
「どうしたの?アイベリーちゃん?」
そんな中、アイベリーが淡雪になにやら作戦を持ちかけていた。
「あたいが合図したら………」
アイベリーが淡雪の耳元でなにやら話し、暫く立ってから淡雪は決意を込めて返事を返した。
「………分かった」
アナザーアンコとのじゃロリ猫はまた激闘を繰り広げていた。牙を剥き、爪を突き立て、食い千切り、引き裂く。
「死ねぇ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
アナザーアンコの重い拳が、のじゃロリ猫の腹にぶちかまされた。
「っく!お主、割りと強いのォ!」
渾身の一撃を急所にぶち当てても、なお不敵にニヤリと笑っているのじゃロリ猫にイラっとしつつ、アナザーアンコも口角をあげた。
「お前が気に入らないからってのもあると思うよ先輩ィィィ?いつもいつも好き勝手しやがってぇぇ!今度はアタシが好き勝手してやるのさぁぁぁぁ!」
のじゃロリ猫はアナザーアンコから離れ、口内から染み出した血を吐き捨てた。
「フッ!面白いのォ!……ところでお主、人を食った事はあるかの?」
「あん?」
「初めて見た時からお主の身体に血の匂いが漂っておっての、奇妙に思っとんだじゃよ。相当の量を食ったろ?人、いや妖の者もか?この残り香は……魚人に獣人……小人族もか?子供じゃな?友達でも食ったんか?」
アナザーアンコは四枚の翼を羽ばたかせ、滑るようにのじゃロリ猫に接近すると、また殴り付けた。しかし、今度の拳は軽く、殆んど力が入っていない。続けざまに放った蹴りも、簡単にブロックされてしまった。
「あぁ」
アナザーアンコは小さく呟くと、今度は大きな声で怒鳴った。
「喰ったよ!あぁ、喰ったさ!!喰ったとも!!!友達を!!!!でもよぉ~…旨かったんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
飢えた獣は声にならない叫び声を上げる。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!!!!!」
アナザーアンコの片手から黒く長い影……プレデターが飛び出した。鋭利な牙を持つそれは、のじゃロリ猫のマフラーに噛みつき、勢いに任せて振り上げた。
身に付けていたのじゃロリ猫も大きく上に振り上げられる。
「っ!成る程のぉ…うぉお?!」
首を絞められ、苦しそうに何か呟くのじゃロリ猫。と、プレデターがマフラーを振り下ろし、のじゃロリ猫はそれと共に地面へと思い切り叩き付けられた。
アナザーアンコはのじゃロリ猫に猛攻を仕掛けようと脚に力を込める。一気に相手の頭を引っ付かんで捻り潰すのだ。
「アンコォ!」
それを邪魔したのは、あの赤い子供だった。
「ァア"?」
「てめぇ!!!落ち着きやがれ!!!」
アイベリーは髪を振り乱し、アナザーアンコに近づいた。
アナザーアンコは鼻で笑い、プレデターをけしかけようとしたが、アイベリーの髪が、手のように変化していた。
「必殺!!じゃじゃん拳!!!」
チョキで目潰しされかけ、避けた所をグーで殴られ、パーで床に張り倒された。
「ぐっ!」
アナザーアンコが立ち上がろうとした時、一人の子供が側に駆け寄ってきた。
「いまだぜ淡雪!」
「《《女児符号!夢枕!》》」
アナザーアンコの瞳が、クラクラと揺れた。猛烈な眠気が襲う。
「な、んだと……」
フラフラになりながら、立ち上がろうとし、力尽き、地面に倒れた。
「くそ……まだ……起きていた……」
アナザーアンコの意識が途絶える。
辺りは静寂に包まれた。

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