オレが、赤銅色の狩人を名乗り始めてから、実はそこまでの時間は経っていない。
それでも100年くらいは生きているし、人間から見れば長生きしてるのだが、リーゼンゲシュレヒトの中ではまだまだ若造だ。
まぁそんなくらいの時間でも、色々なことを経験してきた。1世紀というのは案外長いものだ。
子供の頃から英才教育を受け、勉強に明け暮れ名門大学を卒業し、リーゼンゲシュレヒトになって、学者の助手になり、傭兵を始め、傭兵団を設立して、今は独立してセカイの意志。
そんな滅茶苦茶な経歴を持ったオレだからこそ、普通の人間やリーゼンゲシュレヒトでは体験できない様々なこと経験してきたつもりだ。
リーゼンゲシュレヒトというファンタジーな存在だからこそ、そう言ったものにも理解はあるし、理屈じゃあ証明できないこともあった。
それでも100年くらいは生きているし、人間から見れば長生きしてるのだが、リーゼンゲシュレヒトの中ではまだまだ若造だ。
まぁそんなくらいの時間でも、色々なことを経験してきた。1世紀というのは案外長いものだ。
子供の頃から英才教育を受け、勉強に明け暮れ名門大学を卒業し、リーゼンゲシュレヒトになって、学者の助手になり、傭兵を始め、傭兵団を設立して、今は独立してセカイの意志。
そんな滅茶苦茶な経歴を持ったオレだからこそ、普通の人間やリーゼンゲシュレヒトでは体験できない様々なこと経験してきたつもりだ。
リーゼンゲシュレヒトというファンタジーな存在だからこそ、そう言ったものにも理解はあるし、理屈じゃあ証明できないこともあった。
「それでもよぉ……さすがにこれはワケわかんねぇわ」
周囲を見回すと、辺りは無骨なコンクリートの壁に囲まれている。半径10メートルくらいの円状に広がる壁は、出口らしき物の一つない。
上を見上げるが、天井は見えないし、壁の到達点も見えない。一体高さ何メートルあるのか想像もつかなかった。
窓の一つも、照明すらもないのだが辺りは問題なく明るい。活動に支障が出るほどでもなかった。
そんな異常な空間の中にいるのに気付いたのが10分前。それまで、オレは普通に病院の自室にいたはずだ。気付いたらいきなりここにいたのだ。
上を見上げるが、天井は見えないし、壁の到達点も見えない。一体高さ何メートルあるのか想像もつかなかった。
窓の一つも、照明すらもないのだが辺りは問題なく明るい。活動に支障が出るほどでもなかった。
そんな異常な空間の中にいるのに気付いたのが10分前。それまで、オレは普通に病院の自室にいたはずだ。気付いたらいきなりここにいたのだ。
「くっそ、なんでこんなむさい男と二人で密室に閉じ込められなきゃいけねぇんだ。身長150cm以下の美少女なら、今頃楽園(エデン)となっていたというのに」
「…………」
オレと似た髪の毛の色をした、赤色の髪の男が先ほどから地面に座り込んでこれを繰り返している。正気を疑ったが、どうやら本気で言っているらしい。
何故かこいつとオレは、同じくこんな場所に閉じ込められたらしい。状況確認を求めたらこう返されたので、オレは呆れて放置することにした。
何故かこいつとオレは、同じくこんな場所に閉じ込められたらしい。状況確認を求めたらこう返されたので、オレは呆れて放置することにした。
「なぁおっさん、ここどこだよ」
「てめぇ自分の顔鏡で見てから言え。んな年変わらねぇだろ。っつーか、場所なんざわかったら苦労しねぇ。だから探してんだろ、てめぇも手伝え」
「くっ、どうやら俺が動くときが来たようだ」
目の前の男がそう言って、気怠そうに立ち上がった。そのとき、突如として上から響き渡るラジオのようなノイズ音。
咄嗟に上を向くが、上には相変わらず真っ暗な空間が広がるだけだった。そこに異変も何も無い。
咄嗟に上を向くが、上には相変わらず真っ暗な空間が広がるだけだった。そこに異変も何も無い。
『あーあーあー、マイクテスマイクテス。あー、聞こえてますか』
「てめぇは誰だ、ここは何処だ」
女の声。声質からしてそこまで年齢が高くないのがわかる。おそらく、少女と呼ばれるような年代だろう。声だけでもそれくらいの情報は手に入る。
勿論、ボイスチェンジャーの可能性も捨てきれない故、情報を鵜呑みにするのはバカのすることだが。
勿論、ボイスチェンジャーの可能性も捨てきれない故、情報を鵜呑みにするのはバカのすることだが。
「その声、ヘーシェンか?」
「なんだてめぇ、知り合いなのか。グルか、敵か」
「いや、まだ声だけだから確証はない。わからん」
『世間に仇なす犯罪者予備軍共よー、ここに正義の鉄槌をくだしてやるわー』
その言語と共に、突如として空中に出現した電光パネル。見た目は何の変哲もない。強いて言えばコードなどがないことくらいだ。
今の状況を打開するかもしれない。全ての起きる事象に気を配る。
今の状況を打開するかもしれない。全ての起きる事象に気を配る。
『ここは犯罪者予備軍を隔離した空間だー。犯罪者予備軍は犯罪者予備軍同士、争えばいいと思いますよ』
「なんだヘーシェン、妬いてるのか?」
『死ねばいいと思いますよ』
「やっぱりお前か……」
謎の声と話す謎の男。全く持って状況が読めないし理解も出来ないが、どうやらこの状況に陥れた存在とこの男は知り合いなようだ。
共謀してオレを殺そうとしているのか、何もわからない。こいつはなんだ?保守派の人間なのか?
共謀してオレを殺そうとしているのか、何もわからない。こいつはなんだ?保守派の人間なのか?
『もう面倒になったんで簡単に簡潔に言わせてもらいますね。これから貴方たちには、ここで殺し合いをしてもらいます』
「ってことはここって無人島なのか?」
「おい、なんでそんなことがわかる」
「え、お前セリフからしてわからんのか」
突如先ほど降りてきた電光パネルが軽快な音を立て始める。そして、段々と浮かんでくる文字。
「何々、"勝利条件、相手の行動不能"だぁ?ってことは、真面目にこいつと戦えってことかよ」
「ったく、ヘーシェン、この男は誰なんだよ。オレが戦っていい相手なのか?」
『そこら辺は問題ないです。別世界の人間ですし、どうせここは正規の時間軸や世界とは剥離されてますから』
段々と状況がわかってきた。どうやらオレは何がしかの理由で別世界に飛ばされ、そして元の世界に戻るためには、この男を倒さなければならないということ。
そして、言葉からするに、この男もどうやら腕に自信はあるということだ。戦える人間、ということだ。
そして、言葉からするに、この男もどうやら腕に自信はあるということだ。戦える人間、ということだ。
「なぁてめぇ。要するに、この男をボコせばオレは元の世界に帰れんだな?」
『そういうことですね。理解が早くて助かります』
「ならやるしかねぇなぁ。オレの名前は"赤銅色の狩人"リーゼンゲシュレヒト・イェーガー。てめぇの名前はなんだ」
「これ、戦うしかないのか……。俺は"小さな存在を愛する者"、リヒト・エンフィールドだ。知り合いに身長150cm以下の美少女がいたら紹介してくれ」
電光パネルに数字が表示される。カウントのようだ。表示された数字が段々と減っていく。
『それでは、4……3……2……1……、初めてください』
電光パネルのカウントが0になり、軽快な音と共に消失していく。
そして、0に数字がなった瞬間には、オレの身体は既に行動に移っていた。
既に身も心も戦闘モードだ。何処の誰かは知らないが、強いヤツと戦えるのならそれ以上の喜びはない……!
そして、0に数字がなった瞬間には、オレの身体は既に行動に移っていた。
既に身も心も戦闘モードだ。何処の誰かは知らないが、強いヤツと戦えるのならそれ以上の喜びはない……!
「おいおい、開始直後にこれかよ」
「……はん、よく受け止めたじゃねぇか」
「いやいや、マジで腕痛いって。泣きそうだもんよ」
「けっ、ヘラヘラ笑いながらよく言いやがる」
"ほぼ開始と同時"に顔面目掛けて拳を放った。最速で放たれる必殺の拳。
それを腕でガードされていた。正直、これに反応できる人間がいるとは思わなかった。同じリーゼでさえ今のに反応出来るのは数少ないだろう。
それを腕でガードされていた。正直、これに反応できる人間がいるとは思わなかった。同じリーゼでさえ今のに反応出来るのは数少ないだろう。
「……いいねぇいいねぇ!楽しくなりそうで嬉しいぜ!」
そのまま至近距離で拳を放ち続ける。リヒトと名乗った男はそれを器用に腕で払い流し、防いでいた。
プロの格闘家ですら反応は難しいはずなのだが、この男は全てに反応し、防御してみせている。
こいつ、やはり只者じゃない……!
プロの格闘家ですら反応は難しいはずなのだが、この男は全てに反応し、防御してみせている。
こいつ、やはり只者じゃない……!
「こういうのを、柔よく剛を制すって言うんだよな」
「なら、これはどうよってなッ!」
防いだ腕を掴み、引き寄せる。そしてそれに合わせてもう片方の腕で顔面目掛けて肘鉄を打ち込んだ。
「イケメンの顔を狙うなよッ!」
そう叫びながら顔を逸らし間一髪避けられ、リヒトの頬に赤い線が走った。そのまま互いに飛び離れ、距離を取る。
今度は互いに攻撃するタイミングを伺う。こいつの戦闘力はまだ把握出来ていない。迂闊に飛び込むのは良くないか……?
顔の赤い線を、胸のポケットから取り出したハンカチで拭いているリヒトだが、オレは今攻撃するほど無粋でもなかった。
今度は互いに攻撃するタイミングを伺う。こいつの戦闘力はまだ把握出来ていない。迂闊に飛び込むのは良くないか……?
顔の赤い線を、胸のポケットから取り出したハンカチで拭いているリヒトだが、オレは今攻撃するほど無粋でもなかった。
「ったく。せっかくのイケメンなのに傷が付いちまったじゃねぇか」
「いいじゃねぇかそんな傷ならよ。安心しろ、次はそのヘラヘラしたツラにだせぇ青痣つけてやるからよ」
「そうかい。言ってくれんじゃねぇか!」
その言葉と共にリヒトの姿が消え失せる。それと同時に背後から感じる殺気と危機感。
咄嗟に振り向くと、こちら目掛けて凄まじい速度で右腕による拳が放たれていた。
普通の人間なら姿が消え失せ、この速度で背後から掌底を放たれては反応すらできず、反応できたとしても防ぐことすら叶わないだろう。
こいつが真っ直ぐな拳を放ったのも、オレが反応しても、それを防げないと予想してのことだろう。
だが、それでは甘い……!
咄嗟に振り向くと、こちら目掛けて凄まじい速度で右腕による拳が放たれていた。
普通の人間なら姿が消え失せ、この速度で背後から掌底を放たれては反応すらできず、反応できたとしても防ぐことすら叶わないだろう。
こいつが真っ直ぐな拳を放ったのも、オレが反応しても、それを防げないと予想してのことだろう。
だが、それでは甘い……!
「ッ……!」
「逃さねぇッ!!」
リヒトが咄嗟に息を呑み、回避行動に移ろうとするが、それをさせる気は毛頭ない。だが気づいただけでも相当だ。
オレは"リヒトが移動しようと脚を踏み込んだ"時点で、後ろに対する迎撃行動を取っていた"のだから。
弾丸の如き速度で放たれる拳を、振り返る勢いで身体を捻って避け、腕と身体に力を込める。
オレは"リヒトが移動しようと脚を踏み込んだ"時点で、後ろに対する迎撃行動を取っていた"のだから。
弾丸の如き速度で放たれる拳を、振り返る勢いで身体を捻って避け、腕と身体に力を込める。
「うおらぁッ!」
そして、そのままタックルの要領で肩を思い切りリヒトの腹部に叩き込む。
まるで車が猛スピードで突撃してきたかのような威力を秘めた攻撃が、直撃した。
肉と骨がぶつかり合う鈍い音がし、錐揉みをしながらリヒトの大柄な身体が吹き飛んでいく。
だが、並の人間が当たれば確実に死に至るだろうそれを直撃したのにも関わらず、リヒトは空中で身体を翻し、華麗に着地してみせた。
まるで車が猛スピードで突撃してきたかのような威力を秘めた攻撃が、直撃した。
肉と骨がぶつかり合う鈍い音がし、錐揉みをしながらリヒトの大柄な身体が吹き飛んでいく。
だが、並の人間が当たれば確実に死に至るだろうそれを直撃したのにも関わらず、リヒトは空中で身体を翻し、華麗に着地してみせた。
「っ……、まさか、反応速度で負けるなんて思わなかったぜ。かなり痛かったっての」
「反応速度だけがオレの長所なんでな。これだけは誰にも負けねぇ。っつーか、今のを食らって普通に立ってるお前はマジで人間か?」
「障壁張んのがあと0.1秒でも遅かったら今頃倒れてるよ。ちっ、本当は避けたかったんだけどなぁ」
今までの応酬でわかったことがある。この男は半端じゃない実力を持っている。それも、オレの想像を遥かに越えた。
パワー・スピード・テクニックはあちらが上。そしておまけに障壁なんていう代物も使えるとなると、頭を抱えるしかない。
先程の一撃はオレの反応速度を把握し切れていなかったからこそ入った一撃。おそらく次を入れるのは至難の技だろう。
だが、それでも肉弾戦ならば負ける気はしない。相手と自分のリーチはほぼ同じ。ならば、こちらがカウンターに徹すれば勝機はある。
パワー・スピード・テクニックはあちらが上。そしておまけに障壁なんていう代物も使えるとなると、頭を抱えるしかない。
先程の一撃はオレの反応速度を把握し切れていなかったからこそ入った一撃。おそらく次を入れるのは至難の技だろう。
だが、それでも肉弾戦ならば負ける気はしない。相手と自分のリーチはほぼ同じ。ならば、こちらがカウンターに徹すれば勝機はある。
「……やっぱ、殴り合いじゃあ分が悪いか」
リヒトが呟く。そして、腕を振るった瞬間に、手には先ほどまで握られていなかったもの握られていた。
それはとても長く、明らかに歩行補助のためには造られていないとわかる造形をした杖だった。
純白に染められたその杖の先端には赤い宝石。見る者を魅了させるかのように美しい造形をしたその杖を、リヒトは片手で持ち構えた。
それはとても長く、明らかに歩行補助のためには造られていないとわかる造形をした杖だった。
純白に染められたその杖の先端には赤い宝石。見る者を魅了させるかのように美しい造形をしたその杖を、リヒトは片手で持ち構えた。
「んじゃま、第2ラウンドと行こうじゃねぇか」
「棒術か槍術か……見せてもらおうじゃねぇかッ!」
白い軌跡を残しながら振るわれる純白のロッド。そのリーチは、拳とは比べ物にならない。
そして、おそらく金属の類であろう素材で出来ているその杖の強固さと重量で振るわれた物をそのまま腕で受け止めるのは、明らかに自殺行為だ。
こちらの肉体を破壊しようと迫り来る攻撃。オレは、それに真正面から向かい撃つ。それが、オレの戦闘スタイルだ。
拳を深く握り締め、思い切りそれを真正面に撃ち出した。
そして、おそらく金属の類であろう素材で出来ているその杖の強固さと重量で振るわれた物をそのまま腕で受け止めるのは、明らかに自殺行為だ。
こちらの肉体を破壊しようと迫り来る攻撃。オレは、それに真正面から向かい撃つ。それが、オレの戦闘スタイルだ。
拳を深く握り締め、思い切りそれを真正面に撃ち出した。
「なっ」
「おらああッ!」
耳をつんざくように響く金属音。リヒトの持つロッドの先端と、オレの拳が真正面から激突し合った音だった。
素手で振るわれる金属の物を防げる道理はない。それはいくらリーゼンゲシュレヒトであろうこの身でも覆せない現実。
されど、リーゼンゲシュレヒトであるからこそ。オレはヤツの攻撃を受け止めることができた。
素手で振るわれる金属の物を防げる道理はない。それはいくらリーゼンゲシュレヒトであろうこの身でも覆せない現実。
されど、リーゼンゲシュレヒトであるからこそ。オレはヤツの攻撃を受け止めることができた。
「さすがに、一筋縄じゃいかねぇってか!」
「固有兵装ってんだ。そっちが杖だしてんだから、こんぐらいいいだろ」
杖を受け止めるその手は、先ほどとは明らかに変化していた。
赤銅色に染められた、拳を守り、相手を穿つためだけに創造された兵装。
リーゼンゲシュレヒト・イェーガーのヒトの状態用の固有兵装、"ガントレット"。
無骨なデザインをした赤銅色の手甲を、両手に顕現させたのだ。
赤銅色に染められた、拳を守り、相手を穿つためだけに創造された兵装。
リーゼンゲシュレヒト・イェーガーのヒトの状態用の固有兵装、"ガントレット"。
無骨なデザインをした赤銅色の手甲を、両手に顕現させたのだ。
「格好いいじゃねぇか。っても、俺の物には及ばねぇが」
「は、いつまでも軽口言ってやがれ」
会話は終わりだ。オレは両の手を構え、リヒト目掛けて突貫する。
奴の武器は長柄物。こちらのリーチとは雲泥の差だ。なれば、その距離を詰めるにはこちらから攻めるしかない。
拳に力を込め、眼は真っ直ぐ見据え、脳は行動に対する全ての対応を思考する―――!
奴の武器は長柄物。こちらのリーチとは雲泥の差だ。なれば、その距離を詰めるにはこちらから攻めるしかない。
拳に力を込め、眼は真っ直ぐ見据え、脳は行動に対する全ての対応を思考する―――!
「はっ……!」
まるで旋風のように展開される杖捌き。上から、下から、左右から。
こちらの突撃を阻む、縦横無尽に繰り出されるその連撃はまるで壁の如く硬かった。
手首のスナップを効かせ、曲線を描きながら舞う純白の軌跡。
厚く塞がるその風に、弾丸を撃つかのように拳を叩き込んでいく。
こちらの突撃を阻む、縦横無尽に繰り出されるその連撃はまるで壁の如く硬かった。
手首のスナップを効かせ、曲線を描きながら舞う純白の軌跡。
厚く塞がるその風に、弾丸を撃つかのように拳を叩き込んでいく。
「っ……!はっ……!なんだその流派は。見たこともねぇ動きしやがる―――!」
「その言葉、そのままそっくり返すぜッ!」
オレの格闘術は"アイツ"に教わった物に我流を加えてある、世界に一つしかない戦い方だ。
相手を撃ち倒すことのみに特化した、まるで弾丸を放つかのように拳を叩き込んでいくだけのもの。
だが、ヤツの棒術も今まで見たことがない。そもそも、両手で持つはずの長いロッドを片手で振り回す時点で常軌を逸している。
あのような流派、聞いたことも見たこともない。
相手を撃ち倒すことのみに特化した、まるで弾丸を放つかのように拳を叩き込んでいくだけのもの。
だが、ヤツの棒術も今まで見たことがない。そもそも、両手で持つはずの長いロッドを片手で振り回す時点で常軌を逸している。
あのような流派、聞いたことも見たこともない。
「ッ、このままじゃあラチが空かねえッ!」
いくら手甲で覆われているとはいえ、衝撃を完全に殺しきることなど出来はしない。
杖による衝撃自体、直撃すれば骨折だけでは済まないだろう。それを、防具越しとはいえ何発もうけているのだ。
このまま長引けばこちらが不利になっていくだけだ。ダメージが蓄積していって速度が遅くなり、いつかは倒れてしまう。
けたたましい金属音と、飛び散る火花。赤銅色の弾丸と、純白の旋風の応酬。
雨のように放たれる弾丸は、全て壁のように立塞がる風に叩き落とされていく。それをもう何合繰り返したことか。
杖による衝撃自体、直撃すれば骨折だけでは済まないだろう。それを、防具越しとはいえ何発もうけているのだ。
このまま長引けばこちらが不利になっていくだけだ。ダメージが蓄積していって速度が遅くなり、いつかは倒れてしまう。
けたたましい金属音と、飛び散る火花。赤銅色の弾丸と、純白の旋風の応酬。
雨のように放たれる弾丸は、全て壁のように立塞がる風に叩き落とされていく。それをもう何合繰り返したことか。
「しっかしお前ってかなりタフだなっ!」
「こんな程度で倒れるようなヤワな鍛え方はしてねぇッ!」
上から真正面に振り下ろされる杖。風を切る音と共に迫り来る杖を真正面から見据える。
握りしめていた手を開き、思い切り突き出す。今度は振り下ろされる杖を弾くのではなく、受け止めるために。
"セカイ"を手に集中する。マトモには受け止められるはずもない。初めてやるが、きっとオレにも出来るはずだ―――!
鈍い衝撃音と共に、今まで旋風の様に舞っていた杖が停止する。そして、それと同時に右腕に伝わる凄まじい衝撃。
思わず手から力が抜けそうになるが、絶対に気は抜かない。そう、純白の杖はオレにその柄を握られることによって停止していた。
握りしめていた手を開き、思い切り突き出す。今度は振り下ろされる杖を弾くのではなく、受け止めるために。
"セカイ"を手に集中する。マトモには受け止められるはずもない。初めてやるが、きっとオレにも出来るはずだ―――!
鈍い衝撃音と共に、今まで旋風の様に舞っていた杖が停止する。そして、それと同時に右腕に伝わる凄まじい衝撃。
思わず手から力が抜けそうになるが、絶対に気は抜かない。そう、純白の杖はオレにその柄を握られることによって停止していた。
「お前っ、さっきの俺がやった……!」
「見様見真似だがな。成功してほっとしてるぜ」
手の平に"セカイ"で障壁を張ったのだ。先ほど、ヤツがオレの攻撃を受け止めたときと同じ要領だ。
本来、曖昧な定義である"不可視の障壁"をセカイで創造するのは非常に困難だ。一握りのリーゼンゲシュレヒトのみが為せる離れ業の一つである。
だが、予想通りリヒトが使っている"不可思議な力"は根っこでは"セカイ"と同種の物。そう信じて、ヤツのを見て感じたまま創造してみたのだ。
それにそこまで完成された障壁は必要ない。 5cmくらいの大きさで、尚且つオレの腕が潰れなくなる程度の障壁を一瞬でも張れればいいのだ。
それくらいならば、一度見て感じた今なら作るのはさして難しいことではない。
本来、曖昧な定義である"不可視の障壁"をセカイで創造するのは非常に困難だ。一握りのリーゼンゲシュレヒトのみが為せる離れ業の一つである。
だが、予想通りリヒトが使っている"不可思議な力"は根っこでは"セカイ"と同種の物。そう信じて、ヤツのを見て感じたまま創造してみたのだ。
それにそこまで完成された障壁は必要ない。 5cmくらいの大きさで、尚且つオレの腕が潰れなくなる程度の障壁を一瞬でも張れればいいのだ。
それくらいならば、一度見て感じた今なら作るのはさして難しいことではない。
「一気に詰めさせてもらうぜッ!」
杖を横に弾き、地を駆ける。ヤツの攻撃範囲はまるで台風だ。外側は何人たりとも近づけない鉄壁さを誇る。
だが、一度"目"に入ってしまえばこちらの物だ。オレの"弾丸"は阻まれることなく届く。
両の拳をに力を込め、密着して連撃を放つ。ヤツがリーチを離す隙など与えず、絶え間なく殴り続ける。
だが、直撃に至る攻撃は全て杖を小刻みに動かし弾いている。ならば、直撃を与えるまで攻撃するだけということ。
だが、一度"目"に入ってしまえばこちらの物だ。オレの"弾丸"は阻まれることなく届く。
両の拳をに力を込め、密着して連撃を放つ。ヤツがリーチを離す隙など与えず、絶え間なく殴り続ける。
だが、直撃に至る攻撃は全て杖を小刻みに動かし弾いている。ならば、直撃を与えるまで攻撃するだけということ。
「っ、これじゃあ……!」
「はっ!このまま離させねぇぞ!」
「……なら離れなくて構わねぇ。本気、いくぜ」
リヒトがそう小さく呟くと途端に、オレの本能が訴える"危機"。反応速度を以てしても危険だと、自分自身が告げている。
ここは自分自身の本能を信じる。咄嗟に地面を蹴り、今まで詰めていたヤツとの距離を離すために、全力で退避する。
凄まじい"力"を感じ、ヤツが持っていた杖が溶け、リヒト自身を覆った……そう認識した瞬間、オレの身体は宙を舞っていた。
ここは自分自身の本能を信じる。咄嗟に地面を蹴り、今まで詰めていたヤツとの距離を離すために、全力で退避する。
凄まじい"力"を感じ、ヤツが持っていた杖が溶け、リヒト自身を覆った……そう認識した瞬間、オレの身体は宙を舞っていた。
「っなッ……!」
「言ったろ、本気だって。……今の俺は、全力で戦ってるぜ!」
リヒトの身体は白き装甲に包まれ、元々のリヒトの姿形は見る影もない。
バイザーと胸元の宝玉が赤く光り、うさぎの耳にも見える二本のアンテナが揺れる。
それはまるで、リーゼンゲシュレヒトの類と言っても過言ではない……そう、オレは思った。
バイザーと胸元の宝玉が赤く光り、うさぎの耳にも見える二本のアンテナが揺れる。
それはまるで、リーゼンゲシュレヒトの類と言っても過言ではない……そう、オレは思った。
だが、そんなことを考えてる余裕なんてない。事態を把握することで精一杯だ。
「どうしたイェーガー!肉弾戦がお前の本分じゃあねぇのか!?」
「はっ!んな隠し玉持ってるなんて、楽しくて仕方ねぇじゃねぇかあ!」
白い軌跡を描きながら、自分の反応速度を以てして防ぐことが精一杯の連撃が放たれる。
それが拳によるものなのか、脚によるものなのかも判別できない。今までの"経験"と、感じる"殺気"だけが頼りだ。
だが、このままではやがてこちらが倒れるのは自明の理。攻撃を防ぐ腕と脚に着々とダメージが蓄積されていく。
一発一発が直撃すれば致命傷になる威力を持っているのだ。もはや、形振り構っている場合ではない。
それが拳によるものなのか、脚によるものなのかも判別できない。今までの"経験"と、感じる"殺気"だけが頼りだ。
だが、このままではやがてこちらが倒れるのは自明の理。攻撃を防ぐ腕と脚に着々とダメージが蓄積されていく。
一発一発が直撃すれば致命傷になる威力を持っているのだ。もはや、形振り構っている場合ではない。
「一応ギリギリセーフで主義には反してねぇよな。行かせてもらうぜ……!」
攻撃を防ぎながら、身体にセカイを満たしていく。例えどんな場面に自分があろうと、この感覚だけは消えることはない。
自分が自分でなくなっていく感覚。ヒトの身ではない、リーゼンゲシュレヒトである存在の証。
世界が無音になる。そして、紡がれるは狩人の名。言葉を発した瞬間に、自分と世界が一変していく。
自分が自分でなくなっていく感覚。ヒトの身ではない、リーゼンゲシュレヒトである存在の証。
世界が無音になる。そして、紡がれるは狩人の名。言葉を発した瞬間に、自分と世界が一変していく。
『……我は獲物を捉える紅の牙。"赤銅色の狩人"イェーガーッ!』
自分を中心に、辺りを赤銅色の光が包みこんでいく。
そして光が晴れたときには、自分の身体は既にヒトの身を逸脱していた。
全身を赤銅色の装甲に身を包み、所々凶々しい爪を思わせる装飾の数メートルの巨人。
それが、リーゼンゲシュレヒト・イェーガーとしての姿だった。
そして光が晴れたときには、自分の身体は既にヒトの身を逸脱していた。
全身を赤銅色の装甲に身を包み、所々凶々しい爪を思わせる装飾の数メートルの巨人。
それが、リーゼンゲシュレヒト・イェーガーとしての姿だった。
「なんだよ、お前も隠し玉持ってるんじゃねぇか」
「別にお前のみたいに爆発的に身体能力が上がるわけじゃないぜ。それに、これはヒト相手には使わねぇって決めてんだがな」
「おいおい……俺はヒト認定されてねぇってのか」
「はっ、お前ほど化け物染みた力を持った普通の人間なんざいてたまるか!」
白い装甲に身を包んだリヒト目掛け思い切り拳を振り下ろす。生の人間が食らえば一瞬で潰されてしまう程の威力だ。
だがその拳はリヒトを捉えることなく、地面に深々とクレーターを作るだけだった。そして、振り下ろした腕の上を駆け登ってくる。
腕を振り払い落とそうとするが、既にリヒトの姿は空中へと舞い上がり、こちらの胸部の前にいた。
だがその拳はリヒトを捉えることなく、地面に深々とクレーターを作るだけだった。そして、振り下ろした腕の上を駆け登ってくる。
腕を振り払い落とそうとするが、既にリヒトの姿は空中へと舞い上がり、こちらの胸部の前にいた。
「んなら、レオーネタイプの方が早いし重かったぜッ!」
そう言いながら、ここが空中であることなど関係がないかのように構えを取るリヒト。
咄嗟にもう片方の腕で振り払おうとするが、こちらの攻撃が届くよりリヒトの攻撃の方が早かった。
胸部に重い衝撃が走ると共に、大きく後ろにバランスを崩してしまい、リーゼンゲシュレヒトの強固な装甲が軋む。
だがこちらもただやられているわけではない。瞬時に後ろ足に思い切り力を込め踏ん張り、そのまま空中にいるリヒトを掴み上げる。
そしてそのまま地面に叩き付ける。こちらの全重量をかけた渾身の一撃だ。
咄嗟にもう片方の腕で振り払おうとするが、こちらの攻撃が届くよりリヒトの攻撃の方が早かった。
胸部に重い衝撃が走ると共に、大きく後ろにバランスを崩してしまい、リーゼンゲシュレヒトの強固な装甲が軋む。
だがこちらもただやられているわけではない。瞬時に後ろ足に思い切り力を込め踏ん張り、そのまま空中にいるリヒトを掴み上げる。
そしてそのまま地面に叩き付ける。こちらの全重量をかけた渾身の一撃だ。
「レオーネだかなんだか知らねぇが、オレは速さも力も別に優れてねぇっての。長所は反応速度だけだ」
「ったく。蹴られたと同時に動くなんて勘弁してくれ、よっと!」
軽やかに立ち上がるリヒト。……まったく、それはこちらのセリフだ。今のを耐えられる人間なんて勘弁してほしい。
いくら力が優れてないといえど、それはリーゼンゲシュレヒトの中での話だ。決して低いわけじゃない。
伊達に武闘派は名乗っていないのだ。ましてや人間が耐えられる要素など何処にもないくらいの威力を持っている。
それを直撃しておいて普通に活動できるなんて、冗談にしても性質が悪い。
いくら力が優れてないといえど、それはリーゼンゲシュレヒトの中での話だ。決して低いわけじゃない。
伊達に武闘派は名乗っていないのだ。ましてや人間が耐えられる要素など何処にもないくらいの威力を持っている。
それを直撃しておいて普通に活動できるなんて、冗談にしても性質が悪い。
「しっかし、世界ってのは面白ぇ。人間でこんな化け物がいるなんて、思いすらしなかったぜ」
「こっちもまさか、人間で機械人形そのままになれるヤツがいるなんて思わなかったぜ」
互いに構えを取り向かい合う。赤銅色の装甲と白銀の装甲。ふとこの状況に対して既視感が浮かぶ。
二刀を構え、勝てない相手にも真っ正面から挑んできた一人のリーゼンゲシュレヒト。アイツも、白銀の装甲だった。
あの時はオレの方が強く、ヤツの方が弱者だった。だが今のオレはどうだ。目の前の存在より強者と言えるのだろうか。
おそらく、弱者だろう。勝てる保証など何も無い。ただ、それがどうしたというのだ。
自分にできるのは、相手に必殺の一撃を叩き込むのみ。きっと、あの時のリーゼンゲシュレヒトもそうだったはずだ。
二刀を構え、勝てない相手にも真っ正面から挑んできた一人のリーゼンゲシュレヒト。アイツも、白銀の装甲だった。
あの時はオレの方が強く、ヤツの方が弱者だった。だが今のオレはどうだ。目の前の存在より強者と言えるのだろうか。
おそらく、弱者だろう。勝てる保証など何も無い。ただ、それがどうしたというのだ。
自分にできるのは、相手に必殺の一撃を叩き込むのみ。きっと、あの時のリーゼンゲシュレヒトもそうだったはずだ。
「そろそろオレの装甲も限界だ。いい加減……」
「これを維持するの、そろそろ限界なんだよな。だからよ……」
お互いにお互いの存在しか目に入らなくなり、相手を倒すことだけを考える獣となる。
辺りを言い様のない緊張感が包みこむ。そして、この長いようで短い時間に決着が着くときが来た。
辺りを言い様のない緊張感が包みこむ。そして、この長いようで短い時間に決着が着くときが来た。
「「終わりにしようぜッ!!」」
二匹の獣が同時に動き出す。大きさは違えども心は同じ。相手を……叩き潰す。
オレには必殺技など存在しない。できるのは、ただただ渾身の力を込めた拳を放つのみ。
今までも、これからも乗り越えていくのは、この両の拳でありたいのだ。それが、狩人としての矜持。
オレには必殺技など存在しない。できるのは、ただただ渾身の力を込めた拳を放つのみ。
今までも、これからも乗り越えていくのは、この両の拳でありたいのだ。それが、狩人としての矜持。
「おらあああああああああああああッ!」
リヒト目掛けて拳を思い切り振り下ろす。策も何も無い、シンプル故に破壊力だけに長けた技。
構えを取り、純白の装甲に包まれたリヒトはそれを真っ正面から迎え撃つ。
構えを取り、純白の装甲に包まれたリヒトはそれを真っ正面から迎え撃つ。
「バニッシャーは使わねぇ。こいつは、オレ自身の手で倒す!」
リヒトの身体が一瞬ブレたかのように見えた瞬間、先ほどオレが直撃した胸部の装甲に、リヒトの肘が叩き込まれていた。
こちらの拳は一瞬前までヤツがいた場所に振り下ろされていた。勿論、手応えなどない。
やられたのに難しい理由などない。オレの攻撃を回避し、カウンターで接近し攻撃された。ただそれだけのこと。
だが……シンプル故に、覆すことも、言い訳すらもできない。完全なるオレの敗北だった。
こちらの拳は一瞬前までヤツがいた場所に振り下ろされていた。勿論、手応えなどない。
やられたのに難しい理由などない。オレの攻撃を回避し、カウンターで接近し攻撃された。ただそれだけのこと。
だが……シンプル故に、覆すことも、言い訳すらもできない。完全なるオレの敗北だった。
「っ、カウンターはオレの十八番だっつーの……。ああ、お前、強ぇえなあ……」
「……楽しかったぜ、イェーガー」
赤銅色の光が、貫かれた装甲からあふれ出る。そして……段々と落ちていく意識。
完璧に負けたのだ。敗者は余計な言葉など紡がず、大人しく立ち去るのみ。
ただ、それでも。それでも1つだけ確認したいことがあった。これだけは、確認しておかなければならない。
今日という日を。人間でもこんな強者がいたのだという記憶を、絶対に忘れないために。
完璧に負けたのだ。敗者は余計な言葉など紡がず、大人しく立ち去るのみ。
ただ、それでも。それでも1つだけ確認したいことがあった。これだけは、確認しておかなければならない。
今日という日を。人間でもこんな強者がいたのだという記憶を、絶対に忘れないために。
「オレの名前は"赤銅色の狩人"イェーガー。お前の……名は?」
「リヒト・エンフィールド、"小さな存在を愛する者"だ。よーく覚えとけ」
純白の装甲が解除され、赤い髪を揺らしながらその男はそう言った。
その景色を最後に、オレの意識は完全に闇へと落ちていった。
その景色を最後に、オレの意識は完全に闇へと落ちていった。
「っ・・・」
次オレが意識が戻って初めて目にした景色は、見慣れた病室の天井だった。
"セカイ"は以前のまま。シュタムファータァにやられてからと同じ、リーゼ化することもままならない。
病室のベッドから降り、カーテンを開けると、いつもと同じ景色が写る。
"セカイ"は以前のまま。シュタムファータァにやられてからと同じ、リーゼ化することもままならない。
病室のベッドから降り、カーテンを開けると、いつもと同じ景色が写る。
「ま、こういうことだろうとは思ったが。・・・ったく、誰の思惑だっての」
まだ手に残る、先ほどの戦いの感覚。心が沸き立つあの感覚は消えることはない。
戦った証拠もない。人に話せば、夢だと一言で片づけられてしまうだろう。実際、反論できる要素などないのだから。
だが、それでもあの戦いは実際にあったことだとわかる。自分自身が、それを一番わかってる。
戦った証拠もない。人に話せば、夢だと一言で片づけられてしまうだろう。実際、反論できる要素などないのだから。
だが、それでもあの戦いは実際にあったことだとわかる。自分自身が、それを一番わかってる。
「リヒト・エンフィイールド、か」
今思っても、滅茶苦茶なヤツだった。今までの固定概念を根っこから崩されるような男。
もう一度あの男と戦ってみたい。またこの手に残る感覚を味わいたい。
だから強くなる。今のままでは勝てないのはわかっているから。
世の中は広い。自分より上の存在は、まだまだこの世に沢山いるということがわかった。
もう一度あの男と戦ってみたい。またこの手に残る感覚を味わいたい。
だから強くなる。今のままでは勝てないのはわかっているから。
世の中は広い。自分より上の存在は、まだまだこの世に沢山いるということがわかった。
「また戦おうぜリヒト。次こそ、お前をぶっ潰してやるからよ・・・!」
そう誰に聞かせるまでもなく紡いだ言葉は、窓から雫れる朝日の光に溶けていったーー-。
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