「どういう事なのか、説明してもらいたいな」
眉を吊り上げたトニーが、腕組みをしてシュウイチとメルティを交互に見比べた。テーブルの上には、出来たての美味しそうな朝食が並んでいる。
シュウイチは申し訳無さそうに俯き、メルティはニコニコと笑顔のままだ。むしろこの状況を楽しんでいるようにも見える。
眉を吊り上げたトニーが、腕組みをしてシュウイチとメルティを交互に見比べた。テーブルの上には、出来たての美味しそうな朝食が並んでいる。
シュウイチは申し訳無さそうに俯き、メルティはニコニコと笑顔のままだ。むしろこの状況を楽しんでいるようにも見える。
「昨日酔いつぶれてしまったのは俺の責任だ。それは謝ろう。……けど、こう言う事はすぐに説明してもらわないとホントに困るんだよ」
「ごめんなさい……疲れてる貴方を見ると、とても起こす気にはなれなくて」
上目遣いで答えるメルティに、トニーは顔が赤くなる。だが首を横に振り、強めの口調で返答した。
「ごめんなさい……疲れてる貴方を見ると、とても起こす気にはなれなくて」
上目遣いで答えるメルティに、トニーは顔が赤くなる。だが首を横に振り、強めの口調で返答した。
「いいかい、メルティ。今の俺達には誰かを雇う余裕も無ければ金も無いんだ。それに……分かるだろ」
トニーは言葉を止め、メルティに目線を送る。その目が何を言いたいかを、メルティはすぐに理解する。
だが、だがメルティはそれでもショウイチの語るトラクターを、トニーに見て貰いたかった。昨日のショウイチの熱意が本物なのかを、メルティは見てみたいのだ。
トニーは言葉を止め、メルティに目線を送る。その目が何を言いたいかを、メルティはすぐに理解する。
だが、だがメルティはそれでもショウイチの語るトラクターを、トニーに見て貰いたかった。昨日のショウイチの熱意が本物なのかを、メルティは見てみたいのだ。
「お願い、トニー。すこしだけ、少しだけで良いの。ショウイチさんが作ったっていうトラクターを見てもらえれば……」
「あぁ、あのバカデカイ機械か。……トラクター? あれってトラクターなのか!?」
トニーが驚嘆した様子でショウイチに視線を移した。ショウイチはキョトンとするが、察して力強く頷いた。
「あぁ、あのバカデカイ機械か。……トラクター? あれってトラクターなのか!?」
トニーが驚嘆した様子でショウイチに視線を移した。ショウイチはキョトンとするが、察して力強く頷いた。
「はい! 先程は、ちょっと言えなかったんですけど……」
時間をトニーとショウイチ――名も知らぬ青年が出会った時に戻そう。青年の質問に、トニーは数秒ほど固まった。
何故なら求人募集なぞやる訳が無いうえ、青年が自分の知人にも友人にも、ましてや身内にも記憶に無い男だからだ。
しかし自分の名字を、いやメルティの名前を知っているという事は、自分と関わりがある事は確かだと思う。
一瞬セールスマンかと思ったが、こんな村にそんな職業の人間はいない。それに目の前の青年がそんな職業だとは思えない。
トニーはどうするべきか迷っていた。ここで断ればすぐに解決するが、もしメルティの友人やそれに準ずる人だったらひどい失礼にあたる。だが……。
何故なら求人募集なぞやる訳が無いうえ、青年が自分の知人にも友人にも、ましてや身内にも記憶に無い男だからだ。
しかし自分の名字を、いやメルティの名前を知っているという事は、自分と関わりがある事は確かだと思う。
一瞬セールスマンかと思ったが、こんな村にそんな職業の人間はいない。それに目の前の青年がそんな職業だとは思えない。
トニーはどうするべきか迷っていた。ここで断ればすぐに解決するが、もしメルティの友人やそれに準ずる人だったらひどい失礼にあたる。だが……。
「あの……どうか為されましたか?」
「あ、えっと」
青年に心配され、トニーははっとする。何時の間にか考え込んでしまったようだ。
しかしどうするべきか……。恰好だけ見るなら、気の良さそうな普通の青年だが初対面の人間を信用するほどお人よしじゃない。
そうだ、もしこの青年が無粋を働くなら、俺がメルティを守れば良い。朝に気合を入れたばかりじゃないか。よし、決めた。
「あ、えっと」
青年に心配され、トニーははっとする。何時の間にか考え込んでしまったようだ。
しかしどうするべきか……。恰好だけ見るなら、気の良さそうな普通の青年だが初対面の人間を信用するほどお人よしじゃない。
そうだ、もしこの青年が無粋を働くなら、俺がメルティを守れば良い。朝に気合を入れたばかりじゃないか。よし、決めた。
「すまない、少し眠気がね……私がその家の主だ。御用は後から聞くとして、一先ず家に案内するよ。着いて来てくれ」
「あ、貴方が……いえ、何でも無いです」
青年の言葉に若干の突っかかりを感じながらも、トニーは着いて来るように促し、背中を向けて、自宅へと歩きだした。
トニーの返答に納得したのかは分からないが、青年は分かりましたと言って、トニーに続いた。もちろん、あの赤い何かも着いてくる。
トニーはそれが何なのかを聞きたくて仕方が無いが、もしそれが危害を及ぼすような物だとしたらどうする?
それならば、青年だけでも引き剥がしておけば後から対処できよう。そうだ、まずは言っておくべきだ。トニーは立ち止まり、青年に振り返る。
「あ、貴方が……いえ、何でも無いです」
青年の言葉に若干の突っかかりを感じながらも、トニーは着いて来るように促し、背中を向けて、自宅へと歩きだした。
トニーの返答に納得したのかは分からないが、青年は分かりましたと言って、トニーに続いた。もちろん、あの赤い何かも着いてくる。
トニーはそれが何なのかを聞きたくて仕方が無いが、もしそれが危害を及ぼすような物だとしたらどうする?
それならば、青年だけでも引き剥がしておけば後から対処できよう。そうだ、まずは言っておくべきだ。トニーは立ち止まり、青年に振り返る。
それと俺の名はトニー。トニー・クロウスだ。宜しくな」
「あ、自分はショウイチ。ショウイチ・マーチマンと言います。宜しくお願いします」
そう言って青年――ショウイチと言う名の青年は深く頭を下げた。今の所、トニーはショウイチに悪いイメージは抱いていない。むしろ逆だ。
背格好こそは妙だが、その表情や態度は純朴でお人よしの様な印象を受ける。もしかしたら本当にこの青年は困っていただけなのかもしれない。
……いや、油断は出来ない。家に着くまで。ショウイチをあの何かから遠ざけてからだ。それから初めてショウイチを信用する事が出来る。
「あ、自分はショウイチ。ショウイチ・マーチマンと言います。宜しくお願いします」
そう言って青年――ショウイチと言う名の青年は深く頭を下げた。今の所、トニーはショウイチに悪いイメージは抱いていない。むしろ逆だ。
背格好こそは妙だが、その表情や態度は純朴でお人よしの様な印象を受ける。もしかしたら本当にこの青年は困っていただけなのかもしれない。
……いや、油断は出来ない。家に着くまで。ショウイチをあの何かから遠ざけてからだ。それから初めてショウイチを信用する事が出来る。
それから二人は気まずい家路を黙々と歩く。話題が無いのもあるが、トニーがショウイチを警戒しているからだ。
その要因は一点、ショウイチが連れている何かだ。それが何かをショウイチが説明すればいいのだが、ショウイチは無言のままだ。
声を掛けてきた手前、それがいったい何なのかを説明するべきではないのか? とトニーは思うが口には出さない。
奇妙な緊張感が二人の間を漂っている。正直ショウイチの方も好んで沈黙している訳ではない。
その要因は一点、ショウイチが連れている何かだ。それが何かをショウイチが説明すればいいのだが、ショウイチは無言のままだ。
声を掛けてきた手前、それがいったい何なのかを説明するべきではないのか? とトニーは思うが口には出さない。
奇妙な緊張感が二人の間を漂っている。正直ショウイチの方も好んで沈黙している訳ではない。
ショウイチから見たトニーの印象は悪くない。むしろプラスな印象だ。
多少頼りなさげではあるが、同じ志を持つ者として分かる。畑を観察していた時の表情からして、この男は農業に対して真剣に向き合っている者だと。
だがそれ故に、ショウイチの心は不安で満ちていた。それ故にこの人が――――この人が、タウエルンを認めてくれるのかと。
トニーは昨日のメルティさんの話を聞いていると思う為、自分の事を就職希望者だと思っているだろうが、それは違う。
本当に用があるのは自分ではなく、自分が連れているコイツだ。今度こそ、コイツを理解し、使ってくれる農家を見つけなければならない。
それが俺の旅の目的にして、終着点だ。
多少頼りなさげではあるが、同じ志を持つ者として分かる。畑を観察していた時の表情からして、この男は農業に対して真剣に向き合っている者だと。
だがそれ故に、ショウイチの心は不安で満ちていた。それ故にこの人が――――この人が、タウエルンを認めてくれるのかと。
トニーは昨日のメルティさんの話を聞いていると思う為、自分の事を就職希望者だと思っているだろうが、それは違う。
本当に用があるのは自分ではなく、自分が連れているコイツだ。今度こそ、コイツを理解し、使ってくれる農家を見つけなければならない。
それが俺の旅の目的にして、終着点だ。
「着いたよ。ちょっと待っててくれ。妻に話を付けてくる」
気づけば目的地であるクロウス家に到着していた。昨日振りである。トニーはそう言って玄関まで歩いていく。
ショウイチは頷いて背後でノロノロと追いつてきたタウエルンに腰かけた。
気づけば目的地であるクロウス家に到着していた。昨日振りである。トニーはそう言って玄関まで歩いていく。
ショウイチは頷いて背後でノロノロと追いつてきたタウエルンに腰かけた。
「どうだ、タウ? あの人感じ良さそうだろ?」
『うん……今の所は多分。けど……』
「けど何だよ?」
『……やっぱり駄目な気がする。今の状態ならともかく、僕の本来の姿を見たら』
「だからそういう思考は止めろっていっただろ。大丈夫だよ、タウ。今度こそ、な」
『一応期待はしてみるけど……あ、トニーさんが来たみたい。切るね』
『うん……今の所は多分。けど……』
「けど何だよ?」
『……やっぱり駄目な気がする。今の状態ならともかく、僕の本来の姿を見たら』
「だからそういう思考は止めろっていっただろ。大丈夫だよ、タウ。今度こそ、な」
『一応期待はしてみるけど……あ、トニーさんが来たみたい。切るね』
ショウイチはタウエルンから正面に目を向けた。玄関口からトニーがこちらに向かってくる。
だがその表情には何故だか険しい表情が浮かんでいる。ショウイチは首を傾げながらも不安に駆られた。
トニーはショウイチの目前まで来ると、険しい表情のまま言った。
「ショウイチさん、申し訳無いが家まで来てくれるかな? 話したい事があるんだ」
だがその表情には何故だか険しい表情が浮かんでいる。ショウイチは首を傾げながらも不安に駆られた。
トニーはショウイチの目前まで来ると、険しい表情のまま言った。
「ショウイチさん、申し訳無いが家まで来てくれるかな? 話したい事があるんだ」
物語は最初のシーンに戻る。
トニーは単純にメルティがショウイチの事について言わなかった事に怒っているのではない。
事態は把握できたものの、現状を考えるとショウイチに危険が及ぶかもしれないという危惧と、不作による生活苦の苦悩がトニーを悩ましているのだ。
無論ショウイチを雇う事は到底無理なのでそれは断るつもりだが、どう話を切り出せばいいのかを迷う。
トニーは単純にメルティがショウイチの事について言わなかった事に怒っているのではない。
事態は把握できたものの、現状を考えるとショウイチに危険が及ぶかもしれないという危惧と、不作による生活苦の苦悩がトニーを悩ましているのだ。
無論ショウイチを雇う事は到底無理なのでそれは断るつもりだが、どう話を切り出せばいいのかを迷う。
メルティの話によると、ショウイチは東から西へと国を渡り歩いて就職先を探していると聞いた。相当苦労してきたのだろう。
それもこれも赤い機……いや、トラクターが原因らしい。自作のトラクターで、農家に採用を懇願するもの、断られてしまうようだ。
あんなトラクター、今まで長い間畑を耕してきたが、全く見た事が無い。正直気味悪がられるのも分かる気がする。
どんな秘密があるかは分からないが、トラクターを入れたら維持費云々で今でもギリギリなのに、さらに生活が困窮する事になる。ショウイチには悪いが……。
それもこれも赤い機……いや、トラクターが原因らしい。自作のトラクターで、農家に採用を懇願するもの、断られてしまうようだ。
あんなトラクター、今まで長い間畑を耕してきたが、全く見た事が無い。正直気味悪がられるのも分かる気がする。
どんな秘密があるかは分からないが、トラクターを入れたら維持費云々で今でもギリギリなのに、さらに生活が困窮する事になる。ショウイチには悪いが……。
トニーはため息をつき、ショウイチの目を見据えた。ショウイチも察したのか眼を合わせた。
「ショウイチさん、貴方の事情は大体飲み込めました。しかしね、本当に申し訳ないのですが……」
トニーは言葉を一度止めて、息を吐いた。ショウイチと視線を合わすと偉く罪悪感が募るが、言わねばならない。
「ショウイチさん、貴方の事情は大体飲み込めました。しかしね、本当に申し訳ないのですが……」
トニーは言葉を一度止めて、息を吐いた。ショウイチと視線を合わすと偉く罪悪感が募るが、言わねばならない。
「今の私達には、他人を雇えるほどの余裕も、予算も無いんです。貴方一人ならともかく、あのトラクターも一緒となるとね……
それに、畑を見たでしょう? 今年は例年に見る大不作でね、もう二進も三進もいかない状況なんですよ。だから」
「あ、えっとその事なんですけど」
それに、畑を見たでしょう? 今年は例年に見る大不作でね、もう二進も三進もいかない状況なんですよ。だから」
「あ、えっとその事なんですけど」
何故かぱあっと表情を明るくしたショウイチがトニーの言葉を遮った。トニーは怪訝な表情になった。
メルティも不思議そうな顔でショウイチを見つめた。ショウイチは先程の時とは裏腹に妙に明るい口調で言葉を紡いだ
メルティも不思議そうな顔でショウイチを見つめた。ショウイチは先程の時とは裏腹に妙に明るい口調で言葉を紡いだ
「あのタウエ……じゃなくてトラクターは最新鋭のテクノロジーで出来ているんですよ。畑を自動で耕すのは勿論!
内部構造に植物、および農作物の成長を促すナノマシンを生成して霧状で分布するんです。ナノマシンと言っても危険な物では無くて……何と!
地面に着いた途端に自然消滅するのでいくら分布しても問題なし! あぁそうそう、どうやって成型されるというとですね、これが驚きますよ~。
ソーラーシステムによって自動的に生成されます。ナノマシンの構造体が日光を主食とするんですね。まぁ詳しい話をすると後2時間掛かるので略します。
それと、もっとも農家の方が頭を悩ませる維持費!こちらもソーラーシステムを兼ねているので、陽の光があれば全く無問題なんですよ!
おっと、一番の決め手を忘れてた。あのトラク」
内部構造に植物、および農作物の成長を促すナノマシンを生成して霧状で分布するんです。ナノマシンと言っても危険な物では無くて……何と!
地面に着いた途端に自然消滅するのでいくら分布しても問題なし! あぁそうそう、どうやって成型されるというとですね、これが驚きますよ~。
ソーラーシステムによって自動的に生成されます。ナノマシンの構造体が日光を主食とするんですね。まぁ詳しい話をすると後2時間掛かるので略します。
それと、もっとも農家の方が頭を悩ませる維持費!こちらもソーラーシステムを兼ねているので、陽の光があれば全く無問題なんですよ!
おっと、一番の決め手を忘れてた。あのトラク」
「ショ、ショウイチさん。分かった、分かったから」
人が変わったようにトラクターの特性を語りだしたショウイチに、トニーは思わず立ち上がり諌めた。
ショウイチはハッとすると、恥ずかしそうに俯き、申し訳無さそうに言った。
「す、すみません。つい畑の事に関すると自分が見えなくなってしまって……」
人が変わったようにトラクターの特性を語りだしたショウイチに、トニーは思わず立ち上がり諌めた。
ショウイチはハッとすると、恥ずかしそうに俯き、申し訳無さそうに言った。
「す、すみません。つい畑の事に関すると自分が見えなくなってしまって……」
さっきまでの手慣れたセールスマンの様な話術を行っていた青年とは思えない。
本気でこのショウイチと言う名の青年の事が分からなくなってきた。それにあのトラクターがそれほどのトンデモメカだとは思え……いや、どうだろうか。
ショウイチの話に信憑性があるかといえば全く無いのだが、どうも一概に否定したい気にはならない。
そんな奇妙な説得力があのトラクターにはある。もしショウイチの話が本当なら、自分達は凄い物を手に入れた事になる。それも今の状況を一変させるほどの。
本気でこのショウイチと言う名の青年の事が分からなくなってきた。それにあのトラクターがそれほどのトンデモメカだとは思え……いや、どうだろうか。
ショウイチの話に信憑性があるかといえば全く無いのだが、どうも一概に否定したい気にはならない。
そんな奇妙な説得力があのトラクターにはある。もしショウイチの話が本当なら、自分達は凄い物を手に入れた事になる。それも今の状況を一変させるほどの。
だが一つ気がかりがある。それほどの物を……なぜ誰もが拒否したのだろうか? トニーの中でふと、そんな疑問が浮かぶ。
自分なら喜んでショウイチ……正直に言えばショウイチが引きつれたトラクターを受け入れるのだが。やはり何かがある。
ショウイチとトラクターが今まで拒否されてきた理由が。だがそれを聞いてみていいのだろうか。そういやさっき自分から引きとめてしまったが、ショウイチが何か言いかけた様な。
そうだ、どうせなら実際にこの目でショウイチが語るトラクターがどれほどの物か見てみれば良い。もしも嘘ならばすぐに追い返せば良いだけだ。
畑なら先月、試しにやってみたものの、全く収穫が出なかった為、ちょうど放置していたスイカ畑がある。もしも本当にトラクターが……トラクターがショウイチの言う通りなら。
自分なら喜んでショウイチ……正直に言えばショウイチが引きつれたトラクターを受け入れるのだが。やはり何かがある。
ショウイチとトラクターが今まで拒否されてきた理由が。だがそれを聞いてみていいのだろうか。そういやさっき自分から引きとめてしまったが、ショウイチが何か言いかけた様な。
そうだ、どうせなら実際にこの目でショウイチが語るトラクターがどれほどの物か見てみれば良い。もしも嘘ならばすぐに追い返せば良いだけだ。
畑なら先月、試しにやってみたものの、全く収穫が出なかった為、ちょうど放置していたスイカ畑がある。もしも本当にトラクターが……トラクターがショウイチの言う通りなら。
「正直あまり時間は無いのですが……良いでしょう。一か所、放置している畑があります。
貴方が作ったというあのトラクターで私が良いと言うまで耕してみて下さい。その結果次第で、貴方を雇うかどうかを決めさせてもらいます」
普通なら何を馬鹿な事みたいな台詞で一喝して追い返すよなぁ……と思いながらもトニーはショウイチの懇願を承諾した。
ショウイチはトニーの顔を二度見すると、小さく拳を握り、立ち上がって頭を下げた。そして。
「ありがとう……ございます。その畑に案内していただければ、すぐに耕せます」
貴方が作ったというあのトラクターで私が良いと言うまで耕してみて下さい。その結果次第で、貴方を雇うかどうかを決めさせてもらいます」
普通なら何を馬鹿な事みたいな台詞で一喝して追い返すよなぁ……と思いながらもトニーはショウイチの懇願を承諾した。
ショウイチはトニーの顔を二度見すると、小さく拳を握り、立ち上がって頭を下げた。そして。
「ありがとう……ございます。その畑に案内していただければ、すぐに耕せます」
「その前に」
ふっと、メルティが笑みを浮かべて合間に入った。
「朝ご飯を食べて力を付けましょう? 何事も朝が大事だからね」
ふっと、メルティが笑みを浮かべて合間に入った。
「朝ご飯を食べて力を付けましょう? 何事も朝が大事だからね」
打って変わって、シュワルツのアジトの地下――――巨大なスペースにて、シュワルツとロッファが対峙していた。
理由は簡単だ。その二人の右方で鎮座している巨大な蛇の形をした自動人形についてだ。そして腹の部分に付いた「顔」だ。目を閉じているが圧倒的な威圧感を与えている。
床に設置された機械群より繋がれたチューブが所々差し込まれている為、動く事は無さそうだ。今の所は。
理由は簡単だ。その二人の右方で鎮座している巨大な蛇の形をした自動人形についてだ。そして腹の部分に付いた「顔」だ。目を閉じているが圧倒的な威圧感を与えている。
床に設置された機械群より繋がれたチューブが所々差し込まれている為、動く事は無さそうだ。今の所は。
「……シュワルツさん、これを一体どうする気なんですか?」
恐る恐るロッファは薄ら笑いを浮かべるシュワルツに聞いた。シュワルツは張り付いた笑みを浮かべながら淡々と答えた。
「無論戦争に使うのですよ。ただし私が使う訳ではありません。必要とする人間にね」
恐る恐るロッファは薄ら笑いを浮かべるシュワルツに聞いた。シュワルツは張り付いた笑みを浮かべながら淡々と答えた。
「無論戦争に使うのですよ。ただし私が使う訳ではありません。必要とする人間にね」
ロッファから自動人形に視線を移し、シュワルツは自動人形を見上げながら言葉を続ける
「コイツは本来、殲滅用として投入される筈だったのですが非常に燃費を食うのと、あまりにも武装が強力すぎた為に軍部に開発中止を告げられたのです。
ですがそのまま破棄されるのは惜しいとある一部の物好きが目を付けましてね。当時の開発チームを召喚し、その責任者として私が抜擢されたのです。
兵器として復活させる為にね。けれど困った事に、コイツを製造していた地下の秘密工場の上に……」
「コイツは本来、殲滅用として投入される筈だったのですが非常に燃費を食うのと、あまりにも武装が強力すぎた為に軍部に開発中止を告げられたのです。
ですがそのまま破棄されるのは惜しいとある一部の物好きが目を付けましてね。当時の開発チームを召喚し、その責任者として私が抜擢されたのです。
兵器として復活させる為にね。けれど困った事に、コイツを製造していた地下の秘密工場の上に……」
そこまで言い切り、シュワルツはロッファに指を指した。張り付いた笑みが邪悪な笑みへと変貌している。
「貴方達が村を建設していた。本当に偶然、貴方達がそこで住居を構えて暮らして平々凡々とね。
私は何分意地の悪い性格で、そう言うのを見るとどうしてもちょっかいを出したくなるのです。まぁ、適当に作業を行う為の理由が欲しかっただけなのですが」
「貴方達が村を建設していた。本当に偶然、貴方達がそこで住居を構えて暮らして平々凡々とね。
私は何分意地の悪い性格で、そう言うのを見るとどうしてもちょっかいを出したくなるのです。まぁ、適当に作業を行う為の理由が欲しかっただけなのですが」
シュワルツの発言にロッファは呆然とも唖然とも言った表情でポカンと口を開けた
まるでこれでは自分達はシュワルツの趣味の為に弾圧されていた様なものではないかと。しかしそのまま口に出すほどロッファは阿呆では無い。
ロッファは動揺している精神を落ち着かせ、ゆっくりと質問した。
まるでこれでは自分達はシュワルツの趣味の為に弾圧されていた様なものではないかと。しかしそのまま口に出すほどロッファは阿呆では無い。
ロッファは動揺している精神を落ち着かせ、ゆっくりと質問した。
「ごめんなさいねぇ、どうしてもこの年だと理解が追い付かなくて……ええっとシュワルツさん。
貴方がその~自動人形の為にこの村に居るのは分かりました。それじゃあ、この自動人形とやらの作業が終わったら、この村から発ちのいてくれるのかい?」
ロッファの質問にシュワルツは一瞬真顔になると、何が可笑しいのか口元に手を当てて含み笑いし始めた。
ロッファはシュワルツの様子に困惑する。数秒、シュワルツはそうやって笑うと、ロッファに返答した。
貴方がその~自動人形の為にこの村に居るのは分かりました。それじゃあ、この自動人形とやらの作業が終わったら、この村から発ちのいてくれるのかい?」
ロッファの質問にシュワルツは一瞬真顔になると、何が可笑しいのか口元に手を当てて含み笑いし始めた。
ロッファはシュワルツの様子に困惑する。数秒、シュワルツはそうやって笑うと、ロッファに返答した。
「ええ、もちろん。実践に耐えられるかのテストを行ってからね」
同時に銃声が、空虚なスペースに響いた。白衣を着た――――開発チームが硬直する。シュウルツの右手には拳銃が握られていた。
ゆっくりと白目を剥き、ロッファが床へと倒れた。その顔にはもはや生気は無い。腰のホルダーにシュワルツは銃を挿した。
同時に銃声が、空虚なスペースに響いた。白衣を着た――――開発チームが硬直する。シュウルツの右手には拳銃が握られていた。
ゆっくりと白目を剥き、ロッファが床へと倒れた。その顔にはもはや生気は無い。腰のホルダーにシュワルツは銃を挿した。
「ダルナスが起動すればこの村自体が消滅しますよ。貴方の事は忘れません。無慈悲なる殺戮の最初の犠牲者としてね」
巨大自動兵器――――ダルナスのレーザー部分である「顔」は、無言でシュワルツを見下ろしている。
続く
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