――――――――――――――――予告―――――――――――――――――――――
海と空の青を、一匹のカモメが優雅に飛んでいく。飛んでいくカモメを見送っていく、一人と一機。
海原を大きな船が行く。船に乗るのは様々な人々。服装も人種も違うその中で、その青年は気持ち良く南風を仰いでいる。
そんな青年に、傍らの一機――――過去の戦争が残した遺産こと、その名も自動人形であるタウエルンが声を掛ける。
海原を大きな船が行く。船に乗るのは様々な人々。服装も人種も違うその中で、その青年は気持ち良く南風を仰いでいる。
そんな青年に、傍らの一機――――過去の戦争が残した遺産こと、その名も自動人形であるタウエルンが声を掛ける。
『ショウイチ、フィリックス島には何時着くの?』
タウエルンの質問にショウイチは振り向きざま、答える。
「気付いたら着いてるよ」
Tueun
銀色の 騎馬編
「それにしても良い島だなー、ここは」
―――――フィリックス島。周りを海原に囲まれた、数少ない地上に残された孤島。
その豊かな自然と温かな気候、そして豊富な農作物と、人々はこの島をこう称する。「緑の遺産」と。
その豊かな自然と温かな気候、そして豊富な農作物と、人々はこの島をこう称する。「緑の遺産」と。
列を連ねる露天。人々の明るい笑顔と、それに伴う活気。晴天と太陽が、ショウイチとタウエルンを見下ろす。
買った果物を嗜みながら、ショウイチは爽やかな笑顔を浮かべて、人々の列を眺める。
そんなショウイチに付き添うタウエルン――――と、タウエルンを見つめる、ある視線。
その視線に気付き、タウエルンはショウイチと一旦別れる。
買った果物を嗜みながら、ショウイチは爽やかな笑顔を浮かべて、人々の列を眺める。
そんなショウイチに付き添うタウエルン――――と、タウエルンを見つめる、ある視線。
その視線に気付き、タウエルンはショウイチと一旦別れる。
この別れによる、二つの出会い。
『君、僕の事……見てたよね?』
「お兄ちゃん、ロボット……なの?」
「お兄ちゃん、ロボット……なの?」
町を駆け抜ける、銀色の騎馬。華麗な長髪を靡かせながら、その騎馬の主がショウイチの前に現れる。
颯爽と騎馬から飛び降りたその男が――――ショウイチと、対峙する。
颯爽と騎馬から飛び降りたその男が――――ショウイチと、対峙する。
「久しぶりだな、誠人。いや、今はショウイチ・マーチマンか」
「……こんな所で再会するとはな。ウォルタ―・ロッチ」
「……こんな所で再会するとはな。ウォルタ―・ロッチ」
幼女を乗せて森を駆けまわる、タウエルン。
タウエルンは幼女から聞く。この島にまつわる――――あまりにも恐ろしい、言い伝えを。
タウエルンは幼女から聞く。この島にまつわる――――あまりにも恐ろしい、言い伝えを。
『その話、本当なの?』
「本当だよ……赤ちゃんを産んだ女の人は、皆……」
『どうして本当って言えるの?』
「だってあたしのお母さん――――あの人達に、連れてかれちゃったもん」
重く鋭く突き刺さる、ウォルターの拳がショウイチを襲う。それに対して退く事無く真正面から殴り合う、ショウイチ。
二人の男が自らの事も考えずに、子供の様に拳を振って殴り合う、ある種異様な光景。
と、足を引っ掛けながらウォルターがショウイチを、ひっくり返して突っ伏させる。
二人の男が自らの事も考えずに、子供の様に拳を振って殴り合う、ある種異様な光景。
と、足を引っ掛けながらウォルターがショウイチを、ひっくり返して突っ伏させる。
「漫遊中に随分弱くなっちゃったなぁ? あぁ? 誠人君よぉ!」
「お前の拳は……他人を殴る為にあるのか、ウォルター」
「世界を焼いたお前に、俺を批判する権利があるのかよ!」
「お前の拳は……他人を殴る為にあるのか、ウォルター」
「世界を焼いたお前に、俺を批判する権利があるのかよ!」
『しまった、囲まれた!』
タウエルンと幼女をぐるりと取り囲む、様々な形状の自動人形達。
今にも一機と一人を滅せんとする、邪悪な雰囲気に囲まれて幼女はタウエルンに震えながら隠れる。
そんな幼女を護る為に身構えるタウエルン。――――と。
今にも一機と一人を滅せんとする、邪悪な雰囲気に囲まれて幼女はタウエルンに震えながら隠れる。
そんな幼女を護る為に身構えるタウエルン。――――と。
「まぁまぁ待ちなさい。それは客人だよ。私のな」
タウエルンの前に現れる、長い帽子を被った神官の様な男。
不敵な笑みを浮かべるその男はタウエルンに――――言い放つ。
不敵な笑みを浮かべるその男はタウエルンに――――言い放つ。
「君が例の――――アルタイルか」
「アルタイルはどうした? お前と一緒じゃないのか?」
拘束され、連行されるショウイチ。
しかしショウイチの目に光は消えておらず、尚且つショウイチはウォルターを睨みつけながら。
こう、言い放つ。
しかしショウイチの目に光は消えておらず、尚且つショウイチはウォルターを睨みつけながら。
こう、言い放つ。
「今のお前に協力する気はない。それにタウエルンも、お前には協力しない」
「タウエルン? あぁ、アルタイルか。随分ふざけた名前をつけ」
「それに――――」
「タウエルン? あぁ、アルタイルか。随分ふざけた名前をつけ」
「それに――――」
「もう俺は軍人じゃない」
「つまり逃げたんだな? あの日から」
「逃げたんじゃない。あの時の俺には――――ああするしか、無かったんだ」
「つまり逃げたんだな? あの日から」
「逃げたんじゃない。あの時の俺には――――ああするしか、無かったんだ」
「タウちゃん! タウちゃん!」
一体何が起きたのか、タウエルンは力無く、その場に倒れ込む。
幼女の叫びも虚しく、タウエルンに起き上がる様子はない。じりじりと近寄ってくる、周囲の自動人形達。
ゆっくりと、そして舐めまわす様に一人と一機を見下ろしながら、神官の様な男が歩いてくる。
男はタウエルンに、そして幼女に向かって、抑揚たっぷりに語る。
幼女の叫びも虚しく、タウエルンに起き上がる様子はない。じりじりと近寄ってくる、周囲の自動人形達。
ゆっくりと、そして舐めまわす様に一人と一機を見下ろしながら、神官の様な男が歩いてくる。
男はタウエルンに、そして幼女に向かって、抑揚たっぷりに語る。
「希望というのは実に儚いモノだ。圧倒的な力の前には、屑同然と化す」
「起きてよ、タウちゃん! お願い……お願い、だから!」
「お願い……お母さんを、助け……て……」
タウエルンを見下しながら、男――――ギネフ・ワイズマンは背中のマントを翻しながら、高らかに、叫ぶ。
「私は救いなのだ。君の様な虚構の正義の味方ではなく、救世主なのだよ!」
燃え盛る、ある爆発による業火。周囲で悶え苦しむ、軍服を着た者達。
「くっ……何なんだ、こいつは……」
膝を突きながらも意識を保とうとするウォルター。
拘束具が解けながらも、唖然とした表情で目の前を見るショウイチ。
拘束具が解けながらも、唖然とした表情で目の前を見るショウイチ。
ショウイチは驚きを隠せないまま、言葉を発する。
「液体……金属……」
二人の前でグネグネと、粘土の様に変形しながらそれが――――言い、放つ。
『やぁ~おっ久しぶりだね、誠人君。ううん、今は正義の味方、ショウイチ・マーチマン君だっけ?』
「生きて……生きていたのか、デザイア!」
「分かっただろ、ウォルター。軍は、いや、国は未だに人を捨て駒だと思ってる。あの頃から何も……変わっちゃいないんだ」
「だまれ! お前があの日何をしたのか……お前自身が一番、分かっているだろ!」
「だから俺は……だから俺は今償っている! この、死ねない体で!」
「だまれ! お前があの日何をしたのか……お前自身が一番、分かっているだろ!」
「だから俺は……だから俺は今償っている! この、死ねない体で!」
様々な点が繋ぎ合い、そして浮き彫りになる、真実、そして、過去。
「軍人ってのはな、国の為に動くから軍人なんだよ。いい加減……理解しろ、ショウイチ」
「俺は弱者を虐げる為に、自動人形を作ったんじゃない。俺の邪魔をすれば、お前にも容赦はしない」
「俺は弱者を虐げる為に、自動人形を作ったんじゃない。俺の邪魔をすれば、お前にも容赦はしない」
全ての謎が明らかになった時。
本当の悪が明らかになり、男は立ち上がる。
「タウ! トランスだ!」
「分かったよ、ショウイチ!」
「分かったよ、ショウイチ!」
「アーサー、行くぞ」
「イエス、マスター」
「イエス、マスター」
「「トランス!」」
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
Tueun
銀色の 騎馬編
銀色の 騎馬編
「君、大丈夫か?」
「貴方は……」
「何、この荒野で人の歴史を観察している、しがない只の農夫さ。名前を教えるとすれば――――」
「マキ・シゲルとでも、名乗っておこう」
諸々終わったら、連載開始
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