メタルウルフカオス
part30-321~329・331
- 321 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:16:28 ID:9yvcDhtE0
- 21世紀初頭、アメリカの自由は死んだ。
全米各地で一斉蜂起した大規模なクーデター軍により、
瞬く間に軍部を始め、アメリカの全ての中枢機関が掌握されたのだ。
合衆国のクーデターは完全に成功されたかに見えた。
だが、最後の希望は残されていた…
アメリカ最後の砦:ホワイトハウスにまで進軍するクーデター軍。
蟻一匹這い出る隙もない包囲に、誰もが諦めたその時、
ホワイトハウスの執務室を突き破って一体のアーマードスーツが出現する!
兵士や戦車の攻撃をものともせず、破壊の限りを尽くす男。
彼こそ第47代アメリカ合衆国大統領:マイケル・ウィルソンその人であった。
○ホワイトハウス「危機一髪!ホワイトハウス大脱出作戦」
マイケルはホワイトハウスと、父の銅像へと一時の別れを継げ、
クーデター軍の本隊が来る前に脱出を開始する。
プレジデントパークの噴水を割って飛び立つエアフォース・ワン。
軍を指揮する一体のアーマードスーツと、マイケルの視線が交錯する。
彼こそがクーデター軍の首魁・元副大統領:リチャード・ホークである。
「マーイコォゥ!!フハハハハハハハ!!!!」
「リッチャァァァァァァドゥ!!!!」
互いに咆哮を上げ、離れていく二人。
アメリカ全土を舞台とした戦いの火蓋は切って落とされた。
合衆国新政府はホワイトハウスに現れた武装テロリストを
『メタルウルフ』と呼称、全米へと警戒令を敷く。
ニュースを見て、大統領秘書官:ジョディ・クロフォードは顔を顰める
「我々はアメリカの敵、というわけですね。
如何いたしましょう大統領、他国に亡命なされますか?」
「いや、アメリカで戦争を起こすわけにはいかない。
戦うのは私一人で十分だ。
ジョディ、本日の予定は何だったかね?」
「日本で野生生物保護の会談を控えていますわ。」
「そうか、ならば日本大使館に延期の連絡をしてくれないか。
これからアメリカを救わねばならなくなったのでね。」
マイケルとプレジデントフォースの、孤独な戦いが幕を開けた。
反撃の狼煙は、大都市の少ないアメリカ西部から上がる。
- 322 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:20:58 ID:9yvcDhtE0
- 【前半ステージ】
・サンフランシスコ「熱き戦いの始まりはシスコから都市奪還作戦」
街頭を占拠している戦車群と対決。ボスは最新鋭大型戦車「DORSEY」
「見てください大統領!中華街の建物が要塞になっています!
ところであのビルって、イベントでのイルミネーションがとても綺麗なんですよ。
前々から私、あのビルを壊したらどんなに綺麗だろうって思ってたんです!」
・アルカトラズ島「監獄島をぶち壊せ大作戦」
発射まで残り5分。西海岸を狙うアルカトラズキャノンを叩く。
「DNN、ピーター・マクドナルドです。
我々はこれから凶悪犯メタルウルフの突撃取材を敢行します。
どうやら彼は、アルカトラズ砲の占領を目論んでいるようです。
がんばれ合衆国軍!メタルウルフに負けるな!」
・フェニックス「荒野の決闘作戦」
荒野のゴーストタウンにて、アーマードスーツ3体と決闘。
「少佐…、いえ、マイケル・ウィルソン!
貴方はアメリカの、あなた自身の誇りを汚した。ここで死んでもらう!」
「やれやれ、まるで西部劇の決闘だ…
なら、どちらがワイアット・アープか決めようじゃないか!」
・グランドキャニオン「血と硝煙のアリゾナ作戦」
渓谷の基地を襲撃。中ボスで大型武装ヘリ「CASTINA」が出現。
「敵軍は壊滅しました。このままコロラド川に流されていくでしょう。
このアリゾナの大自然に、戦争は似合いませんからね。」
「ジョディ… 君にも戦争は似合わないさ。」
「はいはい、お疲れ様です。大統領。」
・ビバリーヒルズ「セレブな街を取り戻せ大作戦」
富裕層の依頼で、高級住宅街に蔓延る軍隊と爆弾の撤去。
「メタルウルフによって街が占拠されてしまいました!
我々は避難しますが、これからも報道は続きます。
なぜなら"ペンは剣より強し"!DNN、ピーター・マクドナルドでした。」
西部を開放し、レジスタンス中心人物「ナイスガイ」と接触、彼らの一斉蜂起も近い。
反クーデター気運高まる中、いよいよ激戦地であるアメリカ東部へと向かう。
同日:ニューヨーク
街で容赦ない破壊を続ける黒い悪魔ことメタルウルフの前に、
ついに新政府大統領:リチャード・ホークのアーマードスーツが降り立った。
周囲の被害を無視したメタルウルフの暴虐に、防戦一方のリチャード新大統領。
「私は負けん!なぜなら私は、
ラストアメリカンヒーロー:リチャード・ホークだからだ!!」
その両手はついにメタルウルフを捕らえ、正義の波動砲が火を吹いた!
「うぎゃぁぁぁぁ! や、やられちまったァァ!」
「正義は勝つ!アメリカ合衆国万歳!!」
- 323 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:25:18 ID:9yvcDhtE0
- 「朗報です。本日NYに現れた凶悪なテロリスト・メタルウルフは
リチャード氏の特殊起動重装甲により、完膚なきまでに破壊されました。
悪は滅びたのです。同時に新政府が極秘に行った作戦により、
彼に協力するテロリストも次々と検挙されています。
戒厳令はもう暫く続きますが、今日だけはこの勝利を喜びましょう。
ウィ・ラブ・リチャード・ホーク. 新政府政策推進室がお伝えしました。」
「何ですかあれ!最新のVFXも真っ青の特撮映像じゃないですか!!」
ニュースを見たジョディは、目の前のメタルウルフ・マイケルへと激昂した。
クーデター軍は、偽の映像で反クーデターの士気を挫く行動に出た。
そして敵の作戦を裏付けるように、レジスタンスとも連絡が取れなくなってしまう。
調子に乗ったリチャードは本格的に国民への圧政を敷き始めた。
街での兵器実験や資源の凍結、そして人身売買と反乱分子の粛清…
一刻も早く、非人道的な状況に晒された国民を救わねばならない。
「大丈夫さ、ジョディ。私はあんな腐ったチーズような野郎には負けない。
なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!!」
【後半ステージ】
○シカゴ「シカゴの夜明け大作戦」
活動限界5分。毒ガスによる粛清を阻止せよ。
「なんとメタルウルフは、人々を毒ガスで皆殺しにしているようです!
致死濃度まで残り3分、カップラーメンを作る時間すら与えてくれない!
メタルウルフ、極悪です!」
○マイアミビーチ「あの美しく済んだ海をもう一度大作戦」
人身売買の港を強襲。巨大空母を操るかつての上官との激戦。
老兵は死せず…
○ヒューストン「決戦!オラジワン対メタルウルフ大作戦」
宇宙港を占領している巨大飛行空母と激闘。
「ああーっ!あのオラジワンが、無敵の空母、我らのオラジワンが
破壊されてしまいました!恐るべしメタルウルフ。
ですが希望を捨ててはいけません。そう"ペンは剣より(以下略」
○ニューヨーク「ウィー・ラブ・NY大作戦」
街の人々で実験中の、無人大型兵器を破壊せよ。
「マイケル、私の可愛いペットはどうだい?
彼のおかげでニューヨーク市民は楽しそうに逃げ回っているよ。
君もあの子の波動砲を喰らって、"最高にハイ"な気分で天国に行きな!!」
「ついにここまで来たな。ジョディ。終わったら有給を許可しよう。」
「一ヶ月は頂きますよ。大統領。田舎の母親とは、しばらく会っていないんです。」
東部都市を開放し、ホワイトハウスを目前としたプレジデントフォースは
戦勝ムードに包まれていたが、彼らの硬い絆を引き裂く悪魔のニュースが流れる。
- 324 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:27:30 ID:9yvcDhtE0
- 「軍から逃亡したメタルウルフは、各地で煽動活動を続けています。
テロリストに賛同する人々よ。思い出して欲しい。正義の心、アメリカの心を。
今なら罪は軽いはずです。ですが、もし投降しないのであれば、
新合衆国憲法により、メタルウルフ賛同者の4親等以内の家族、同じ学校の学友、
職場の同僚などに該当する人間は、公開処刑されることになります。
あなたたちに正義の心が残っているならば、本日までにどうか投降して下さい。
ウィ・ラブ・リチャード・ホーク. 新政府政策推進室がお伝えしました。」
クーデター軍の卑劣な作戦。身近な大切な人を人質に取られた
プレジデントフォースは、一人また一人とマイケルの下を去っていった。
だが、彼らの行為を裏切りだと責めることは、誰にもできない。
一人残されたマイケルの前に、あの男が現れる。
「マァイケルゥ。久しぶりだな。」
「リチャード!? 何故だ、何がお前を変えてしまった!?」
「ンフフフ、マイコゥ。この国には豚が増えすぎたんだ。
豚どもは今やアメリカを食いつぶそうとしている。
この国には、優秀な者だけが生きるべきだと思わないか?」
「そんなもの、認めるわけにはいかない!」
「やはり君と私は相容れないようだな。そういえば、
お前の部下どもも私に逆らった豚だ。即刻処刑することにしたよ。」
「貴様!!」
「ンハハハハハハハハ!!」
マイケルに挑戦状を叩きつけ、通信を切るリチャード。
処刑の場はNYリバティ島。罠が待ち受けているのは間違いないが、
マイケルに彼らをを見捨てることなど、できるわけがない。
「なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!!」
- 325 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:32:54 ID:9yvcDhtE0
- ○リバティ島「何故なら私は…アメリカ合衆国大統領だからだ!作戦」
リバティ島へと続くブリックリンブリッジに、大統領は一人降り立つ。
ジョディたちプレジデントフォースの職員たちは、
リバティ島のシンボル・自由の女神像へと監禁されていた。
「ジョディ!無事か!?」
「大統領! 貴方を裏切った私たちをどうして!?」
「私は友人を見捨てたりはしない。何故なら私は合衆国大統領だからだ!」
「逃げて下さい!大統領!これは罠…」
「相変わらずヒーローごっこを楽しんでいるようだな。マイケル。
気付いてないようだから教えてやろう。この国の自由は、死んだ!!」
「リチャード!!」
「ンハハハハ。おっと、アフターヌーンティーの時間だ。
続きは美味しいダージリンティーを飲みながら楽しませて貰うよ。」
ブルックリン橋に出現した巨大戦車「WARNER」は、
メタルウルフと自由の女神を破壊すべく、その兵装を展開させる!
女神像へ発射される多数のミサイルを迎撃しつつ、激しい攻撃に防戦一方。
そして、武装ヘリが自由の女神へと向かってしまう。
「新手だと!?」
「少し違うな。メタルウルフ。」
「その声…? 生きていたのか!? 」
「しぶとさだけが我々の取り柄でね。」
武装ヘリから聞こえてきたのは、レジスタンス「ナイスガイ」の声であった。
ヘリに描かれた"Welcome Freedom!"のペイント。
彼らにプレジデントフォースの救助を託し、巨大戦車へと攻撃を集中させる。
全兵装を破壊され、最後の特攻をかけてきたWARNERを、
マイケルはブーストを吹かして真正面から受け止める。
何百トンもある巨体を持ち上げ、そのままジャイアントスイング!
「アーッ!!これが大統領魂だ!!!!」
投げ飛ばされた巨大戦車は、ニューヨーク湾の藻屑と消えた。
「大統領、私、何て言えば…」
「ジョディ、 遅くなってすまない。」
「大統領…」
「DNNのピーター・マクドナルドです!
突撃取材により、もの凄い真実が明らかとなりました!
ご覧になりましたか!副大統領、いえ、リチャードホークの本性を!
やはり私が主張していた通り、メタルウルフこそが正義だったのです!!
世界中から疑われていても、私だけは貴方を信じていましたよ。
ありがとう、メタルウルフ! ありがとう、マイケル・ウィルソン!!」
「Whatever...(やれやれだ)」
- 326 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:41:27 ID:9yvcDhtE0
- ○ファイトハウス「ただいま、ホワイトハウス大作戦」
要塞と化したホワイトハウスの、その醜悪な外装を破壊する。
「ようやくハンサムな顔が見えてきましたね。大統領!」
破竹の勢いでホワイトハウスを奪還したマイケルたち。
だが、そこにリチャードの姿は無かった。
レジスタンスの情報から、彼が目撃されたラスベガスへと向かう。
○ラスベガス「幸運を、大統領!作戦」
リチャードのアーマードスーツと一対一の決闘。
同等以上の装甲服と、卑怯な攻撃を続けるリチャードに苦戦するマイケル。
「マイケルゥ!『ママーあいつ卑怯だからボクチン勝てまちぇん』ってかあ!」
「リチャァード!貴様!」
リチャードのバースト攻撃(完全無敵のボムみたいなもの)をも防ぎきり、
遂にリチャードを追い詰めた。だが彼が逃げた建物からは、何とスペースシャトルが発進する。
「あんなものまで用意してたなんて… 大統領?」
マイケルはシャトルに向けて助走距離をとっていた。
「まさか!あのシャトルに飛び乗るつもりですか!?無茶です!!」
「無茶ではない!!何故なら私は―――
アメリカ、合衆国、大統領だからだァァァァ!!!!!
ジョディ!ちょっと宇宙まで行ってくる!」
大統領と副大統領を乗せたシャトルは、衛星軌道上の宇宙ステーションへと収容された。
「大統領!!ご無事ですか!?」
「ああ、初めての宇宙旅行を楽しんでるよ
ただカメラを持ってこなかったのが悔やまれるな。」
「大統領。いよいよ決戦ですね!」
「ジョディ、日本大使館に連絡しておいてくれないか。
延期していた野生生物保護の会談だが、明日滞りなく行う、とね。」
○宇宙ステーション「ビリーヴ・ユア・ジャスティス!大作戦」
マイケルの戦闘により、崩壊を始めた宇宙ステーション。
その最上階で、リチャードは超大型機動兵器「ULTIMATE WEAPON」で待ち受けていた。
激戦の末、全ての兵装を破壊。すると、ドームが開いて宇宙空間に出る。
機動兵器の背中からは、アメリカに向けられた巨大ミサイルが出現する。
ミサイルにはご丁寧にも"Merry X'mas"と書かれていた。
全ての火力を集中させ、ミサイル発射前に機動兵器を破壊する。
機動兵器は大爆発を起こし、リチャードは吹っ飛ばされていった。
- 327 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:44:20 ID:9yvcDhtE0
- 【エンディング】
「あのスピードと角度なら、流れ星になっておしまいです。」
「…救助する!」
「ふ、不可能です!!
いくら貴方でも、流れ星を止めるなんて出来っこありません!!」
「ジョディ、私は誰だ?
私は大統領だ。これまで不可能を可能にして生きてきた。
そして、これからもそうする!!イーヤッハー!」
ステーションの瓦礫を破壊し、ボンベを連鎖爆発させて急加速。
赤熱し始めたリチャードへと追いつく。
「マ、マイケル?」
「リチャード!! お前は道を間違えただけだ!!
アメリカを想う気持ちは、私と変わらん!!」
ついにリチャードの腕を掴む。だが…
「・・・ンフフ・・・フフフハハハハハハ!!
正義の心でも、消せぬ炎がある事を知るがいい!!」
リチャードはスーツ腕部を自ら爆破し、笑いながら燃え尽きていった。
沈黙するマイケル。
「応答してください!!大統領!!大統領!!」
「・・・ノー・プロブレム。」
全武装をパージし、降下形態となった大統領のスーツは、
そのまま地球へと落下していった。
「ジョディ…」
「何ですか?大統領。」
「明日から、また忙しくなるな…」
- 328 :メタルウルフカオス:2007/05/02(水) 21:46:19 ID:9yvcDhtE0
- 翌日のホワイトハウス。
多くの兵士の前で、大統領の演説が行われていた。
「 おはよう。皆さん、
我々は、自由を愛している。
だが自由とは、空気や水のように、当たり前にそこに在るものではない。
およそ240年前、我々の祖先が、血と汗と涙を糧に戦い、その果てに勝ち取ったものだ。
それを忘れてはいけない。
もし、我々の自由を、我々の信念を脅かす者が現れたとき、
我々はこれに抗い、これを打ち砕くだろう。
戦うこと、自由を守るための戦いに、大仰な理由は必要ない。
大義名分も、美辞麗句も並べ立てる必要は無い。
自由と信念と愛すべき隣人を守るために、
我々は"自らの正義"を信じ続け、戦うことを諦めない。
なぜなら我々は、アメリカ合衆国市民だからだ!
そして貴方たちが許す限り、
私はその戦いの最前線で戦うだろう。
なぜなら私は――
アメリカ合衆国大統領だからだ!!」
ホワイトハウスは拍手と喚声に包まれた。
- 329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/02(水) 22:06:15 ID:YxaaknL90
- メタルウルフカオス乙
ちなみにこんなゲーム
ttp://www.youtube.com/watch?v=Genl242_ZU8
- 331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/02(水) 22:58:01 ID:9yvcDhtE0
- 大統領魂だ!はあくまで字幕ですな。
音声はいつもの「ハゥ・ユー・ライク・ミー・ナーウ!!」
これが純国産のゲームだから恐ろしい。