一夫多妻/ハーレム

登録日:2025/05/31 (土曜日) 22:59:00
更新日:2025/06/03 Tue 00:35:49NEW!
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「あなた♡」
「旦那様♡」
「ダーリン♡」
お帰りなさい♡



【概要】

一夫多妻とは一人の男性に対して複数人の女性と結婚(ハーレム*1は結婚せず恋愛)関係となること。つまり、男の夢である。

哺乳類の多くもこの形態を取り*2、むしろ一夫一妻/つがいで暮らす種は哺乳類全体の5%程度しかいないと言われている*3
実のところヒトも発情期無し(通年いつでも交尾する)という繁殖力の高い特徴があるため一夫多妻制は種の繁殖体制としては何もおかしくない*4

人類史においては東洋、西洋問わず世界各国の原始的な環境で存在しており、どこが起源というものは存在しない。
ある程度文明が発展すると、権力者が複数の女性を養い囲う状況は自然発生的に生まれたという。
ただ、権力者が複数の女性を養い子を産ませるという状況は、権力者の性欲が強かったからとかそういう事情だけではない。
過去の政治形態、封建制とかであれば後継者を確実に残す必要があり、医療が発達していない時代であれば子供の死産や成長途中での死亡は非常に多かった。現代において人口が増加する目安の出生率2〜3程度では、それより死亡する子供の数が多くて人口が減る一方、そもそも順当に発展していった国でも19世紀までは平均寿命も50程度なのでどんどん子供を産んでいかねばあっという間に一族が絶えてしまうのだ。
お七夜や七五三など、子供の成長に伴う祝い事が多いのもそのためである。
そして子を沢山残すのであれば一人の女性に産ませるのはまず無理であり、必然的に多数の女性が必要だったということである*5

また、どの文明に置いても血縁関係は非常に重要視され、権力者との関係を維持するために婚姻を結ぶことは重要視される。
形式上でも婚姻を結び、良好な関係を保つ意味でも一夫多妻制という状況は必然的に生まれることになる。

現在においては、医療の発展で子供が死ぬことは少なくなり、また男女間での権利の公平化にともない状況は変化。
一夫多妻制が合法とされているのは主にアフリカやイスラム教圏等の一部の発展途上国までで主要な先進国は全て一夫一妻制に変更・統一されている。


【正室と側室】

一夫多妻制においては妻は全員平等に扱う場合もあればそうでない場合もある。
歴史上では平等に扱われない場合が多く、大抵は最も身分の高い一人の女性か、最初に婚姻した女性を正式な妻(正室)とし、その他の女性は側室、妾として立場が下に置かれた。

歴史上では正室の子と側室の子は大抵の場合正室の子が後継者として優先されるが、正室に跡継ぎの条件を満たす子がいなければ側室の子を正室の子と扱うとか、養子にするとかはあったという。


【メリット】

・男が一人いれば子供は増やせる
生物の機能上、女性一人では一回の妊娠で男性一人ずつの子供しか妊娠できないのに対し、逆に男性は一人いれば一生涯複数人の女性を妊娠させられるので、効率的に子供の数を増やせる。特に人間を含めた大型哺乳類は体が大きい生物になる程1回の妊娠期間に数ヶ月〜2年程の時間がかかり、少ない個体数しか産めないので一夫多妻は理に適っている。この事から『人間は本来一夫多妻で暮らす生物』という意見もある。

・戦死者発生の悪影響を緩和出来る
上記と繋がるが、人間の雄雌を比べると、雄の方が腕力や骨格の頑強さで勝り、戦闘向けである。
コミュニティー同士の争いで戦闘員向けの男がごっそり最前線送りにされた結果、大量戦死が起こって男女比が女余りにぶれる事も史上では起こり得た。
こうなると、人口の回復と夫や父を失った遺族の生活保障を考えると一夫多妻制の方がマシ、と言う思想も一理ある。




・社会的地位をアピールできる
とにかく力ある雄が沢山の子を成す権利がある、という単純明快なルール。

・夫婦間のマンネリ化を抑制できる
一夫一妻だと結婚した事に安心してついつい妻がだらしなくなってしまうが、一夫多妻社会だと妻にとっては常に「夫が他の女性に気移りするかもしれない」というライバル心を刺激して、常に身綺麗を心掛けるようになる。

・子育て、家事を集団でできる
仕事・遠出等で長期間子供を一人にする心配が無い。家事を分担制にすることで妻一人ひとりの負担を減らせる。

・女性が保護されて安全に暮らせる
社会的弱者である女性を庇護下に置く事で貧困や外敵等の危険から保護できる。2000年代の萌えブーム以降は男より圧倒的に強い美少女が男子を守る作品が普通になってきているが。

・夫のやる気が上がる
性欲は男の力の源通称ウハウハ。ある意味最大の利点。実際これが理由でハーレムを形成する人(創作)も多い。

・実は女性に有利な制度
ここまで『男の夢』として語られた一夫多妻だが実のところ生活上のメリットを多く得ているのは多数派となる(結婚しやすい)女性の方で、実際我が国日本のように江戸時代までは一夫多妻制だったが男性側を有利にするために(キリスト教のせいで)一夫一妻に変えたという話もある。


【デメリット】


・父性本能が有る
人間は哺乳類としては珍しく、雄が妻子の護衛兼雑用として奉仕する習性が有る上に産仔適齢期に成長するまでの時間が15~16年と比較的長い。
雌としては自分と我が子の大事な護衛兼雑用を自分達の為にフル活用しようとするのは当然である。
他の父性本能・・・と言うか、雄が子供の面倒を見たり、護衛をしたりするは既に信頼関係が確立されている姉妹同士で雄を共有したり、雄は我が子を放り出して姉妹が産んだ甥姪の世話を焼く等で雌同士の対立を防いでいる。

・住める国が限られる
一夫多妻は現在の日本では重婚罪として犯罪になるので日本で一夫多妻はできず、逆にイスラム教圏等の一夫多妻で暮らしている国の人が外部の一夫一妻の国に移住する場合も当然法律上は他の妻達と離婚して妻を一人にしなくてはならない。一応、法律の抜け道としては結婚さえしなければ良いので養子縁組や、愛人として同居することは可能。

・金と労力がかかる(=金持ちしか一夫多妻になれない)
経済社会ならではのデメリット。当然生活費だけでも妻+子供の人数だけ養う為の負担(=過労死のリスク)が増える。
実際一夫多妻制の国でも皆が皆というわけではなく一夫一妻で暮らしているのが普通で国によっては第二夫人以降は結婚の際に結納金を国に支払わなくてはならない義務がある。妻達も働けばいい…と思いきや、一夫多妻の国は女性の地位が低いので、女性が働ける仕事は殆ど無い(稼ぎが少ない)事が理由。
さらに複数の妻子全員と同居するならば、当然その分の居住スペースを確保しなくてはならない。
創作の舞台でも土地を広く確保できる(架空の)国ならともかく日本は土地が狭く、一軒家でも相当の坪数が無いと無理がある。シェアハウスという手もあるか。


・夫に時間が無くなる
上記とは逆に妻全員が別居している場合は夫がそれぞれの妻の家をローテーションで回ることになる。当然妻が多いほど一人の妻に割ける時間も少なくなる。すなわち、自動車等を使っても夫自身の為に使える時間が制限される。それの対策として『毎週日曜日だけは夫を自由にする』といった取り決めを成す家庭もある。

・女性が独占される危険がある
資源を多く持つ金持ちや物凄くモテる男性のもとに女性が集中し、モテと非モテの格差が激増する状況になる。
事実、国や時代によってはイケメンや権力者が美人を侍らせ、後はブスしか残らなかったということは十分に考えられる。
そして多くの独身男性が発生し独身のまま孤独死、社会的格差が広がる。それを解消する為に一夫一妻が普及したのだが。

・人数制限がある
上記とは逆に主にイスラム教圏の様に国の制度によって他の妻達や裁判官からの承諾を得た上で、妻にできる人数や条件に制限を設けている(イスラム教なら基本的に4人まで)場合がある。

・他人から嫉妬される
やはりというべきか一夫多妻生活を満喫している人が近くにいると周囲から冷ややかな目で見られることは多々ある。最悪後ろから刺される。

・妻一人ひとりの存在感が薄くなる
『対等な目線で愛して欲しい』と考える一部女性にとって見れば旦那から妻達を『その他大勢』扱いされるのは堪えるものがある。そのため『誘われても一夫多妻に加わるつもりは無い』と意思表示する女性も一定数いる。例えば妻の人数が2〜5人程度であればほぼ毎日〜週に一度位の頻度で夫と過ごせるが、(ネタの域だが)下手に数十人〜数百人を越せば夫と過ごせるのは一ヶ月に一度〜一年に数回あるか無いかという頻度になる事は容易に想像できる。


・妻同士の人間関係を取り持たないといけない
当然人間集まれば何処かしら歪みが生まれる物。実際、大奥のように出自や地位等が理由の新人イビりや旦那の取り合いは結構多かった。万が一これかハーレムモノを書くとしても階級制度の厳守を重視したいなら一国の姫と女奴隷を一緒にしてはいけない。

・権力闘争が起きる
多数の妻を持てるのは資金力や社会的権威・権力を持った実力者に限られる。つまりハーレムの主には莫大な財力や権力がある。
そして女性も人間である。財力や権力は欲しいし、他人と分け合いたいものでもない。独占したいと誰だって思う。
そうなると、ハーレムの女性たちが他の女性を蹴落とそうとするのは当然。利権が関わっているので、上記の「人間関係を取り持つ」ことは不可能になることだってありうる。
さらには女性たちの実家もあの手この手で「応援」してくる事態も考えられる。
それどころか、その財産を継承する「子供」ができた場合、原理的に夫が妻を換えることはあり得ても、息子が母親を換えることはできないので、
将来他の女に目移りする危険性のある夫を暗殺することで、夫の財産を自分の息子に受け継がせるというのも、母となった女性にとっては「合理的な判断」として充分視野に入る。
当然、自分の息子の序列を繰り上げるために(あるいは優位な序列を維持するために)他の妻の産んだ息子を暗殺してしまうのも常套手段。なにせ、他の女が産んだ子供なんて、赤肌の他人でしかないのだから。
もちろん「暗殺した」とバレれば大変なことになってしまうが、科学的な捜査技術も未発達な時代であれば、ましてや家族として身近に接しているのであれば、バレずに本懐を遂げることも不可能ではないだろう。
もちろん財力・権力を求めるのが妻子だけとは限らないので、とある書物では君主のうち寿命で死ねるのは半分以下という文言まで出た。

・息子世代での火種となる
根本は上と同じだが、ハーレムを持てるほどの莫大な財力や権力を、独占して継承したいと考えるのは息子たちも同じである。
「兄弟は他人の始まり」ということわざもある通り、ましてや腹違いの関係であれば、いくら「血は水よりも濃い」とはいえ、その濃度は最初から半減である。
さらに、異母兄弟たちからすれば自分が後継者となることは「父の愛の独占」や「母親が特別になれる」などの精神的事情も関わってくる。
では「父の財産を均等に分ければいいのでは?」というと、今度は「異母兄弟がいなければ俺の取り分はもっと増えるはず」とか「こっちの財産よりもあっちの財産の方がいい」とか「父に縁が深い財産はあっちの方じゃないか」とか、延々と揉めていく。
実際の歴史でも不仲な異母兄弟の例は枚挙にいとまがない。

・遺伝子の多様性が失われる
男一人だけでどんなに子供を作っても結局は『腹違いのきょうだい』にしかならず、遺伝子検査をしなければ将来的にも近親交配に近い血統になりかねない。
そしてそれは劣性遺伝子として発現しなかった遺伝子由来の先天性障害のリスクも高まるという危険性を孕む。
また、1人の父親から大量の子供が産まれるとなれば、適切に管理できないと「きょうだいや親戚だと知らずに恋人同士になっていた」という事態になる可能性も上がる。
恋愛の自由も法で認められる現代において、命に関わるリスクによってこれが阻害される可能性は避けるに越した事はない。
現代でこの手の問題の話を挙げるならば畜産業界、特に競走馬生産が今なお顕著。有力な馬ならば1頭の雄が50頭以上、下手すれば100頭以上の雌と交配して子供を産む事が当たり前であり、それ故に常に「人気の種牡馬の血を引く近親馬ばかりで、次の交配先になる馬が少なくて奪い合いになる」なんて話が現代でも珍しくない。


【創作におけるハーレムのシチュエーション】

・実力主義
王道。
ルックス・財力・地位・力・武功や政治的な実績などで複数人の女性を魅了しハーレムを構築する。全年齢・成人向け、対象年齢を問わず、漫画や小説にゲームから神話伝承等々までお馴染みのシチュ。この文脈が最も強く現れているのは成人向けの寝取られものだろう。*6

・買収/強奪
上記とは逆に女性の意思は一切無視して(奴隷等)財力・権力・暴力で無理矢理自分の手元に加える。主に悪徳貴族や異世界転生して前世でモテなかった人が鬱憤を晴らすように形成するのがお約束。史実においても主に中央アジアの遊牧民などの間で近世頃まで見られた風習。

・政略結婚
中世など時代によっては当たり前の結婚方式。男女共に資金援助・世継ぎ等を理由に結婚は親や保護者が決め、結婚する当事者に発言権は無い。つまり男性側が脅されて一夫多妻にさせられた…という事もありうる。

・現地妻/浮気
妻子持ちにも関わらず外部の女性とヤッた結果互いに顔も知らない腹違いの兄弟を作ってしまう状況。父親が死んだ後に遺産の取り分けが面倒になること請け合い。ちなみに現在日本でも男性が次々に再婚と離婚を繰り返す『時間差一夫多妻』が問題になっている。

・天然たらし
あまりハーレムとは言わないかもしれないが、意図的では無いにも関わらず行動や人柄に惹かれていつの間にか女性が集まって来て周囲が女性だらけになってしまう状態。ウブ・無自覚な主人公の作品で目にする機会も多いか。

・日本の法律が変わった
現代日本が舞台のローファンタジーで無理矢理一夫多妻を成立させるための理由。少子高齢化等を理由に一夫多妻を解禁させるが突如法律が変わった事に伴い異世界モノと違って大体ドロドロした争いや葛藤等が激しく出やすい。

・日本の僻地(因習村)
上に同じくローファンタジーにおける理由。辺境の田舎や孤立した離島なので本州(特に東京)の常識が通じず『法律よりも風習・しきたりを優先する因習』に従って生きてきた為一夫多妻が容認されているといった物。

・男が極端に少ない世界観・設定
上よりもハイファンタジー寄りなシチュエーション。『ほとんど女しか生まれない種族・民族』『特殊な災害や病気で男だけ数が激減した』などの理由で男の数が少なくなっている世界観において『一夫一妻制では人口が維持できないので、数少ない男を共有しよう』という発想。上の「実力主義」や「僻地」などのシチュエーションと併せて『外部から優れた男を招き入れて「集落の夫」や「一族の夫」にする』といった形になる場合もある。

・催眠/洗脳
女性に催眠をかけて術者に都合の良い思想を植え付ける。催眠度合いも術者を恋人だと認識させる程度の軽いものからカルト狂信者並みのイエスマンにしたり、自我を完全に奪うものも。

・集団逆レイプ/種馬
要は『苗床』の男性版。男が女ばかりの集団に拉致監禁され、ひたすら種馬として種付け(搾精)させられる状態。理屈だけなら男が一人いれば繁殖「は」できるが、「男一人で子供を作っても(近親交配を避けようとすると)1世代しか時間を稼げないのでは?」とかツッコまれるが最悪ヤリ捨てを繰り返していたり「細けえこたあいいんだよ!エロければ!」と一蹴しよう。

・姉妹丼/母娘丼
妻or彼女の姉妹・娘・母親(未亡人が望ましい)、作品によってはどう見ても孫がいる年齢に見えない若々しい外見の祖母(主にエルフモンスター娘なども(性的に)頂く。出来た子供も含めて家系図に書き起こすと異母兄弟兼従兄弟とか同い年の叔母⇔姪とか家族構成が面倒くさい。

肉親
現実・創作問わず探してみると結構語られるシチュ。父親or息子の性欲処理に家族が犠牲になる、もしくは、息子を異性としか見ていないムスコン母親、異常な程にブラコンな姉or妹、実の親子にも関わらず子作りをせがむ超ファザコンな娘⇒更に娘が産んだ孫も…等「先天性疾患?なんぼのもんじゃい!」というノリで描かれる薄い本はかなり多い。かなり無理矢理な設定の物だと『ギンブナ方式で繁殖している(父親から遺伝しない)モンスター娘』とか『ご都合主義で障害を回避している』とか説明されることも。

百合ハーレム
女性が中心になることで百合の花園となる。竿役としての男を見たくない人にも人気。ちなみに現実では同性婚と重婚を両方可能な国は南アフリカしかない。*7『ただ同居すればいいだけじゃん』と言うのはごもっとも。


【一夫多妻制のある(あった)主な国】

中央アフリカ
  • チャド
西アフリカ
  • ブルキナファソ
  • マリ
  • セネガル
  • ナイジェリア
  • コートジボワール
  • ガーナ
  • モーリタニア
東アフリカ
  • ウガンダ
  • タンザニア
  • ケニア
  • ザンビア
  • マラウイ
  • エチオピア
  • ジンバブエ
北アフリカ
  • エジプト
  • モロッコ
アジア(日本以外はイスラム教徒のみ)
  • 日本国(江戸時代まで)
  • エリトリア
  • インド
  • フィリピン
  • シンガポール
  • スリランカ
  • パキスタン
中東
  • サウジアラビア
  • シリア
  • イラン
  • イラク
その他
  • モルモン教(アメリカ・1890年まで)


【創作物におけるハーレムもの】

創作物においては、青年漫画で見られる様な複数の女性と肉体関係を持つハーレムと同一視できるものがあるが、
それとは別に、「ハーレムもの」と呼称されるジャンルがある。

これは、一人のキャラクターに対して複数の異性が登場し、恋愛対象として配置されているモノ。
ただし「ハーレムもの」という呼称に反してハーレムにはならない場合がある。
ギャルゲーや乙女ゲーの様に複数の異性と交流するが、最終的に一人の異性を選ぶならハーレムではない
逆に全員と結婚するとか、全員と付き合うならハーレムと言えるだろう。
ハーレムエンドも参照。

ハーレムじゃないのに「ハーレムもの」と呼称される様になった理由としては、連載中は複数人の異性を侍らせている様に見えることから生じた誤解と思われる。


※一部シーンで一夫多妻を取り扱った作品(人物)
「音柱」にして鬼殺隊でも唯一の既婚者であり、里の風習により三人のくノ一(須磨、まきを、雛鶴)を妻に娶っている。

リムル達の作り出した魔国連邦の法律では、一夫多妻は認められているものの条件があり、子孫を残す観点から『子供を求める未亡人』のみが一夫多妻に加わる事が許されている。作中では、原作書籍14巻にて獣人族のアルビスがベニマルの第二夫人に加わるために、事前に同僚のフォビオと結婚した後、地下迷宮で決闘し殺害*8した為に未亡人の条件を満たすという方法で長鼻族のモミジと同時に結婚している。

鉄華団と杯を交わした宇宙ヤクザ・テイワズの輸送を務める下部組織・タービンズのリーダーを務めており、
作中では正妻であるアミダの他にも船員である複数の女性達と関係を持っており、子供もいる事が描かれているが、
同業者であるジャスレイを酷評したアミダ曰く、彼女達は「アンタみたいな男に使われていた連中」とのことであり、
名瀬本人が女性達を乗せているのは単なる下心ではなく、そうした境遇の女性達を守る側面があったと推測できる(本作は事実上ながらも「労働用の人身売買」が認められている世界観)。
実際作中でも、名瀬本人・彼の妻たる女性メンバーたち・鉄華団メンバーとすべてのチームが「みんなが名瀬さんと婚姻関係にある」のに留意してコミュニケーションや協業をしてはいるが、
ガンダムシリーズのアニメ作品としてはどちらかと言えば「名瀬が艦長、奥さんたちは良い意味での『部下』」といった雰囲気に描写されていたため、そういう実情であるのも意図的に持たせているのだろう。

父・パウロは、一夫一妻制の教義があるミリス教信者だったゼニスと結婚する時に教義への誓いを立てていたが、
ゼニスが長女を妊娠中かつ性欲が溜まったタイミングでメイドのリーリャから色仕掛けをされ陥落。
一時は一家離散の危機に陥るが、ルーデウスの機転により第二婦人としてゼニスからも認められた。
息子・ルーデウスはそのような事件と転生前が現代日本人だったのもあって一夫多妻制への違和感を覚えており、
シルフィエットとの結婚時にわざわざ第二婦人を作らないと誓いを立てていた。
しかしパウロの死が原因で受けた精神的ショックから立ち直るためにロキシー・ミグルディアが自らの身体を差し出した後、
周囲の説得もあって第二婦人として迎え入れる事を決意している。当のシルフィエットからは第二婦人は時間の問題と信頼されていなかったが。
さらに一時は恋仲寸前まで行くも誤解から疎遠となり連絡も途絶えていたエリス・ボレアス・グレイラットと和解し、
若干理不尽な決闘で結婚を迫られるとルーデウスは観念し第三婦人として迎え入れる事となった。
共通して父子共に第一・第二(第三)婦人に順序はつけていないが、自主的に第二(第三)婦人は第一婦人を立てる方針を取っている。
また世界観的に一夫多妻はミリス教徒以外からはタブー視されておらず、一妻多夫を成しえたキャラクターもいる。

本作の語り部であるヘンリー・スミスが母国イギリスへの帰路の途中で立ち寄った邸宅の富豪。公式で名前が無い人。
非常に誠実で如何にもな優男なのだがアニス一筋という割には彼女の抱えていた孤独感を理解できず、公衆浴場に行きたがる彼女を不安に思っていた。
そのアニスが姉妹婚*9をシーリーンという女性と結んで親友を得るのも束の間、シーリーンの夫が病死してしまい家族が困窮の危機に陥った時、
そのアニスからシーリーンを第二婦人として迎え入れるよう請願された際には悩んでこそいたが、意思を尊重し最終的には受諾した。
「公平に接する事ができれば4人まで迎え入れてもよい」という制度があるため後ろめたい事は無いのだが、アニスを思うがばかりに以前から第二婦人を受け入れるつもりは無かったと本人が言っている通り、妻側から一夫多妻を求められる稀有な例でもある。


作中で訪れるパラレルワールドイベントにて、男性の能力や適正に応じて一夫多妻を許可される『適正婚姻法』という法律が存在する世界線で『円堂守が3人の妻(秋、夏未、冬花)と結婚している』という改変された世界が登場する。
まあ前作の時点でソフト(シャイン/ダーク)毎に遠藤の嫁が夏美か冬花に変わるというぶっ飛んだイベントが実装されていたが…*10

LOEの一部エンディングにて、リューネから「自分かウェンディさんかどっちか今すぐ答え出せ」と迫られて困っていたところ、
横からセニアが「マサキはラングランで戦士階級の戸籍を持っているので多妻可能」と口を出した事で三角関係が平和的に解決してしまうというオチを迎える。
以降の作品では、元々それこそマサキが振り向いてくれなかったら百合もアリと言うくらい仲がよかったのとマサキを取り合う理由が消滅したのでリューネとウェンディは仲良くマサキを支えるようになり、
そして当のマサキは多妻OKになったので2人に男としてちゃんと答えを出す事がなくなったおい

ループもの漫画の登場人物。
前のループでは死なせてしまった恋人を、主人公の活躍によって救うことに成功する。
しかし、悲劇回避に協力してくれただけでなく、敵との戦いのために片足を切り落としてくれた恋人の姉を放っておくことが出来なかったため、
姉妹2人にプロポーズして永遠に幸せにすることを誓った。

【リアルでは】

昨今話題になっているマッチングアプリサービスにおいては、一部のイケメンに対して女性側の応募が殺到してしまい、牌を取られた非モテ男性が大量に溢れる状況になっており、さながら一夫多妻・ハーレム制度のような縮図ができあがっているとか。



【余談】

…一応、逆に女性一人が複数人の男性と結婚する一妻多夫というのもあるにはあるが、夫一人の子供を一回産むのに約10ヶ月かけないといけない人間という生物(もとい妊娠期間というブランクが存在する哺乳類*11)にとってやるメリットはほぼ無く、一夫多妻と違って正直マイナー感は拭えない。(逆を言えばミツバチやチョウチンアンコウのように卵生生物には僅かながらいる)

女性が少ない、夫一人の収入では家庭を支えられない等の事情で仕方なく取らざるを得なかった時代・事情もあるが、現時点では比較的先進的な国でも認められている国は無く、制度が存在するのも少数の民族や貧困国が殆ど。

創作で描かれる場合も大抵、『悪女キャラがコレクション目的で形成するシチュ』や逆に『女が少ない集落で共用妻として扱われるシチュ』が殆どで主役側で描かれることは稀。
但し、結婚するわけではない『逆ハーレムもの』は少女マンガを始めとして着々とその数を増やしており、人気を博している。




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最終更新:2025年06月03日 00:35

*1 『ハーレム』の語源はトルコ語のハレム(後宮)やアラビア語のハラーム(禁じられた場所)が由来と言われている。

*2 群れのボスである一頭の強い雄が多数の雌を従える・あるいは繁殖期以外は単独生活の種でも一頭の強い雄がその広大な縄張りに複数の雌の縄張りを内包するなど。

*3 逆に鳥類は全体の90%以上が一夫一妻である。

*4 人間含む霊長類(いわゆるサルの仲間)も多くは一夫多妻制の群れで生活する。

*5 医療が未発達な時代では子供だけでなく出産時の女性の死亡率も高かった為。

*6 唯一、「実力が無い側」を積極的に扱うジャンルなため

*7 重婚の方は違法なので実質無いとも言える

*8 地下迷宮内であれば死んでも復活する上、双方同意だったので『仲間殺し』には該当しないという周囲の判断

*9 ペルシャで19世紀まであった儀礼で、非常に親しい女性同士が親友としての間柄を誓い合うというもの。

*10 以降の作品やアニメでは夏美が妻となっており、正史では彼女が正妻である様子。

*11 猫や兎の様に複数の雄の子供を妊娠できる「同期複妊娠」というシステムを持った動物もいるにはいる