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鬼頭6日目・No.2

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streetpoint

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私のやんごとなき王子様












「何がありえないんだ?」

「わあっ!?」


 手を洗って消毒をしていると、突然背後から声が聞こえた。

 驚いて振り返ると、鬼頭先生が相変わらずの冷めた目で立っている。


「あ……いつの間に戻って来たんですか? びっくりするじゃないですか!」

「いつ戻って来たかというくだらない質問をするな。まあ、お前を驚かせるためにわざわざ音を立てないように帰って来たんだからな。これで驚かれなかったらつまらん」

「もうっ!」


 やっぱり先生が私を好きだなんて絶っっっ対! ないわ!!

 膨れる私を見て満足げに口元を片方だけ上げると、すぐ傍の窓を開けて風を室内へと送り込む。

 ムカつくけど潮風が気持ちいい。


「お前、海は好きか?」

「はあ……? まあ」


 唐突な質問に私は間の抜けた声で返事をする。


「山と海はどっちが好きだ?」


 え? これって何の質問?

 良く分からないけど、きっと答えないと後が大変な気がして素直に答えた。


「えっと、どっちかって言ったら山ですかね。子どもの頃から夏休みは家族や親戚と山でキャンプしたり川遊びしたり、結構行ってましたし……あ、でも海も花火したり海水浴したりスイカ割りしたり、楽しいですよね!」


 そういえば高校に入ってからは忙しくて親戚皆でキャンプなんて行ってないな。


「はあ。やっぱりお前はお子様だな」


 どうしてそんなため息吐かれないといけないのよ。正直に答えたのに。


「でもまあ、お前らしいか」


 え? 今先生何て言った?

 ぼそりと呟くと、先生が急に窓から外に飛び降りた。


「わああ! 先生何してるんですかっ?!」


 いくら一階でも窓は人が出入りするための物じゃないですよ!


「ちょっと海に行くぞ」

「はあっ?」


 涼しい顔でそう言うと、先生は私に向かって手を伸ばした。

 何故か私は反論を忘れ、その手に引き寄せられるように窓枠に足を掛けて鬼頭先生の腕めがけて飛び降りていた。

 ふわりと優しく受け止められ、一瞬ドキリとする。


「……お前もう少しダイエットした方がいいぞ」

「っ! 失礼な事言わないで下さい! 女の子はちょっとお肉がついてる方が可愛いんです!」

「くっ……冗談だ」


 そう言って睨んだ先生の横顔は、ちょっと楽しそうだった。

 鬼頭先生の手に触れた所が何故だか暖かい。

 私は目が合わないように、じっと先生の足元を見ながら着いて海岸まで降りた。













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