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  • 物語の始まりはそう、為す術のない彼女が――――

物語の始まりはそう、為す術のない彼女が――――

最終更新:2011年06月06日 20:42

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物語の始まりはそう、為す術のない彼女が―――― ◆xrS1C1q/DM



夜の街に天使が舞い降りた。


触れただけで切れてしまいそうなほどに細いプラチナブロンドの髪。
透き通るほど白くありながらも、不健康さとは程遠い瑞々しさを保つ肌。
白人特有の彫りの深い顔立ち、その造りは見るものに彼女の柔和な性格を瞬時に悟らせる。
しかし、優しげな顔をしながらもガラス細工のような青い瞳にはハッキリとした意志の炎が宿り、薄い桜色に染まった唇はキリッと引き締まっている。
彼女の名はユーゴー・ギルバート。"天使”の二つ名を持つ世界最高クラスのテレパシストだ。

「高槻君は大丈夫なのでしょうか……」

ユーゴーの表情は憂い一色に染まっている。
突如巻き込まれた殺し合い、それに対する不安や恐怖は当然あった。
が、それ以上に大切な仲間が心配だった。

「この場には……憎しみと悲しみが渦巻いている」

ブラックが細工を行ったのか、いつものように鮮明な思考が届くことはなく。遠く離れた仲間へ思念を送ることもできない。
されどもあまりにも強い感情だけは離れていても自動的に彼女の脳内へと流れこむ。
その強い思念の内のどれかは自身の仲間が発しているものかもしれない。そう思うと彼女はいたたまれない気持ちに襲われる。
首輪の爆発によって殺された赤木カツミと彼女の想い人である高槻涼はただの幼なじみ以上の関係であった。
それを眼の前で失った絶望、怒り、そして憎悪。

「もしも彼が憎悪で我を忘れたなら……」

ブルーメンの屋敷で高槻涼と交わした約束を思い出し、ユーゴーは拳を握りしめ、地面に視線を落とす。 
『涼がジャバウォックに呑み込まれた時は自分がジャバウォックを殺す』
この約束が急激に現実味を帯びてきた。

「……私の命に換えてでも」

そう言って彼女の双眸は再び前を見据える。
彼女の瞳には絶望の色が一切見えず、前に進む意志のみが煌々としている。
天使は悩みを振り切り、自分の足でこの殺し合いの渦中を歩み出す覚悟を決めた。

「まずは現状を確かめましょう」

自分のそばに置かれていたディバッグを手に取り、中身を確かめる。
そして、中身を一通り確認した後、出てきた名簿に目を通した。

「キース・シルバー!?」

彼女の目が大きく見開く。
オリジナル達の参加は確信していた。むしろ久留間恵の不参加に驚かされたほどだ。
キースシリーズたちの存在もブラックが主催をしている時点でありえない話ではないと思っていた。
自分が参加させられている以上、アルや兜、カルナギの存在にも納得はした。
しかし、しかしだ。
高槻涼との戦いで死したはずのキース・シルバーの名は彼女を驚愕させるに足るものであった。
ブラックが言っていた死者の復活が急に現実味を帯びてくる。
本当にそんなことが可能なのだろうか、そこまで考えて――――

「お嬢さん、ちょっといいかい?」

背後からかけられた声に大きく飛び上がってしまった。

「は、はい」

自分でもハッキリと裏返っていることが分かる声で返事をし、咄嗟に後ろを振り返る。
気配が全くしなかったことと、思考が流れてこないせいで誰かがいた事になど全く気がつかなかった。
そして、体を向けた先にいたのは。

「えっ?」
「ん、どうした。オレがそんなに怪しいってか?」
「い、いや、そうじゃありません。知人と少し似ていたので驚いただけです」

彼女は嘘を吐いた。
ユーゴーが間の抜けた声をあげてしまった原因はそんなことではない。
男の姿を視認した途端にテレパシー能力が普段どおりに使えるようになったことにも驚いたが、それが原因でもない。
空っぽなのだ。この男の心には何も無い。ただ風が吹き抜けるだけ。
あまりの空虚さに、ユーゴーは目の前の男は精神感応能力の対策を常にしている者なのではないかと疑ったほどだ。

「ふぅん、そんなこともあるんだな。後でどんなやつか会ってみたいもんだ。
 そういや自己紹介が遅れてたな。俺は流、秋葉流ってんだ
 とりあえずはこのプログラムとやらには協力するつもりはないから安心してくれ」

どこか飄々とした感じのする話し方で男、流は笑いながら自己紹介をする。
しかし、ユーゴーは彼の話し方や内容を好意的にとらえることはできない。
熱の通った生き物と呼ぶには、人間と呼ぶには彼の心があまりにも空虚すぎるから。

「私はユーゴー・ギルバートといいます。私も……こんな殺し合いには乗る気はないです」

返事をしつつ、流の心をより深い部分まで探る。
本来ならばこのような事をしたくはないのだが、状況が状況だ。
それに、初めて見るケースに好奇心がまるでなかったといえば嘘になる。

「しかし、厄介な事に巻き込まれちまったもんだな。更に悪いのが、オレの仲間も何人か連れてこられちまったことだ。
 おまえの方はどうなんだ? 知り合いが一人もいないってことはないだろう?」
『ひでえよな。これからだ、ってところでブラックとやらが横槍を入れやがるんだ。
 オレが裏切りもんだって告げて、オレの大嫌いな甘ちゃんの目がどんなふうに歪むか見てやりたかったのによぉ』

仲間というキーワードと共に、巨大な感情の奔流が流の中に生まれる。
感情の欠片を探すことにすら苦戦していたユーゴーは突然の事に思わず顔をしかめそうになるも、表面に出すこと無く会話を続ける。

「そうですね、私の仲間も何人も連れてこられました。こんな殺し合いに乗る人は一人もいないんですが……。
 実は、首輪を爆発させられて死んだ女の人は私たちの仲間だったんです」

ユーゴーは話を続けようとする。しかし、声が出ない。
最初に出てこなかった涙が今更溢れてきた。
赤木カツミ、ユーゴーが愛する青年の恋人。
彼女と直接出会ったことはないが、涼の話や記憶のなかで彼女とは何度も出会っている。
止めどめなく溢れてくる涙も悲しみを洗い流してはくれず、ただただ流れ落ちるだけ。

「すまねえ。悪いこと言っちまったな」
『だが、この環境は考え方を変えれば吉だ。こういった趣旨ってのも悪くはないかもな。
 うしおの目の前で他の連中を皆殺しにしてやってオレが最悪の裏切りもんだってアピールする。
 流石にそこまですりゃあ、あのお人好しもオレの正体がどんなやつか分かるはずだろうよ』

心中で暴れまわっていた哀惜が潮が引くように消えて行くのを感じた。
代わりに膨れ上がってくるのは焦燥と困惑。
眼前の男がとてつもなく恐ろしいことを考えていることを理解し、その悪意に震える。

「すみません。少し取り乱してしまったようです」
「気にするこたぁない。仲間が死んじまったんだ、吐き出せるなら吐き出しちまったほうがいいぜ? 下手に溜めるよりゃ全然ましだ。
 とりあえず近くの家の中にでも入ろうや。情報交換なり、今後の方針を決めるなりはしても損じゃねえだろ」

悲しみが引いたといえども、消えたわけではない。
残滓がズキズキと疼き彼女を包み込もうとするが、全力でそれに抗う。
程なくして涙は止まり、まともに会話ができるようになるまで回復してから流との会話へと戻る。

「そうですね、では行くとしましょうか」

秋葉流という男がこの殺し合いに乗っているのは間違い様のない事実だ。
けれども、ユーゴーはおとなしく彼の発言に従う。
彼の考えていることによれば、彼は蒼月潮と出会ってから周りにいるものを皆殺しにするつもりらしい。
ならば逆に言ってしまえば、気まぐれさえ起こさなけれれば安全なのだ。
だからこそ逃げる隙を窺いつつも、彼が変な気を起こさぬようにユーゴーは彼を刺激せぬように注意をはらう。

「んっと、じゃあこの家にすっか。じゃまするぜ」

誰もいないと分かっているであろうに、律儀にも挨拶をしながら流はドアノブを回す。
鍵は閉まってしないのか、ドアはアッサリと空いた。
先に入ってるぜ、と小さく言った流に促されるようにユーゴーも民家へと入る。
中はごくごく一般的な民家であり、玄関から入ってすぐに食卓とテレビが置いてあるリビングがあった。
テーブルの傍に置いてある椅子の一つを流は引き、どっかりと座り込んだ。
少し古かったせいか、乱暴な扱いのせいか木製の椅子がギシリと軋む。
苦笑を浮かべた流にユーゴーも笑みで返し、彼と机を挟んで対面に存在する椅子へと静かに腰をおろす。

「じゃ、早速だがまずは自己紹介から行っとくか。
 いきなりになっちまうが、オレは化物の退治を生業にしてる、って言ったら信じるか?」
「ええ、私も普通じゃないことには慣れてますから」

流が嘘を言っていないということだけは分かる。
妖怪とやらの存在は初耳であったものの、狂人の妄想とそうでないことを見分けることが出来無いわけではない。
と言ったものの、ユーゴーから見た流は狂人以外の何者でもないのだが。

「へぇ、意外だ。修羅場に慣れてんならあんなに無防備な姿は晒さねぇ方がいいたぁ思うけどな」
「あれはちょっと考え事をしてただけです。それに気配を感じさせないで後ろから近寄る人には気が付きませんよ」
「分かった分かった。からかってすまなかったよ」

茶化したように両腕を上げ、ケラケラと笑い声を上げる流。
とても腹の奥深くにどす黒いものを抱え込んでいる人間には見えない。
話を変える意味でもユーゴーは自分の事を語ることにした。

「まず、私の境遇と一緒に知り合いについて説明したいと思います。
 私の能力は細胞の活性化による再生能力。心臓を貫かれても死ぬことはない……はずですがこの場では何故か発動しないみたいなんです」
「そりゃあ死なない人間が殺し合いに参加してたらどうしようもないからな。
 ブラックとやらがなんらかの手を加えたんじゃないか?」

テレパシストであること、そこ以外は嘘偽りなく藍空市で高槻涼に出会ってからのことを掻い摘んで話す。
が、流としてはユーゴーの来歴や誰が危険で誰が安全なのかには興味のある話題ではなかったようだ。
表面上は頷いたり、相槌を打ったりしているものの、ユーゴーが読んだ思考には無関心の三文字以上のことは出てこなかった。
しかし、僅かな時間であったが彼の心の一端を覗いた彼女は確信する。
彼が無関心なのは、自分が話している内容だけでない。彼はどんなことにも興味を持っていないのだと。
主催であるブラックを知っているという手札を明け渡して尚、彼の無関心が崩れることはなかったのだから無理もない。
だからこそ、ARMSについての説明に彼が予想以上に食いついてきたことには驚きを隠せなかった。

「んで、そのARMSとやらはそんなに強いのか?」
『もしかしたらオレが本気を出せるかもしれねぇ、オレを楽しませてくれるかもしれねぇ』
「ええ、少なくとも今の地球にある兵器ではARMSに対抗できません
 街の一区画を吹き飛ばす数万度に達する砲撃、空間をねじ曲げ移動や攻撃に使用する能力。
 私が知ってるのはこれくらいですが、ブラックがARMSを持っているのはほぼ確実かと」

電流に弱い事などの弱点はあえて伏せ、能力に関してもオリジナのルものについては詳しくは語らない。
そして、流の胸に込み上げてくる興奮の正体を気にする。
戦いを楽しんでいる。これはコウ・カルナギと同じだ。
だが流とカルナギが似ているのかと聞かれれば、ユーゴーは間違えなくノーを突きつけるだろう。

「じゃあオレの方も紹介させてもらおうかね。生憎ながら知っているのは3人しかいないんだがな。
 まずは蒼月潮。こいつに関しちゃ何があっても無害だって信じていい」

蒼月潮の名が出るとともに、流の全身から嫌悪が流れ出る。

「こいつは獣の槍って武器を持ってなきゃ普通のガキなんだがな、中々退屈させないんだ。
 しかも天然の女たらしときた。あんたも惚れちまわねぇよう注意したほうがいいとおもうぜ」

ウインクと冗談を交えながら潮を紹介する流。
彼の言っていることは心からの本心だ。それは分かる。
だからこそ、なぜ彼がここまで潮を憎んでいるかが理解出来ない。
無理も無いだろう。流本人ですら潮の瞳が気に食わない真の理由を完璧には理解出来ていないのだから。

「二人目の知り合いはとら。こいつは、妖怪なんだが、とりあえず今のところは大人しくなってる。
 だが、この状況でトチ狂っちまう可能性がゼロじゃねぇから警戒はしといた方がいいかもな。
 元人食い妖怪だった上に強いってんだから質が悪い……まっ、十中八九大丈夫だろうけどよ」

深刻な顔で告げたと思いきや、ニカッと笑みを浮かべ軽い嘘ってヤツだと謝罪する。
この説明に関しても一切の嘘が混じっていない。
ただ、とらの名を出した途端、秋葉流の心に巣食う虚無の正体を理解してしまった。



☆  ★  ☆





枯れた草木が点々としている荒野にポツリと立っている人影。
道化のように滑稽なポーズを取り、歪な笑みを浮かべている男。
それが秋葉流の正体。中身。本性。

風が吹きすさぶ世界の中心にいる彼はあまりにも孤独だった。

天才。秋葉流を一言で形容するならばそうなのだろう。
何をしても周りの物よりも秀でた結果を出せる。
何もしなくても努力をした並の天才には負けることはない。

だからこそだ。

彼の人生は地獄であった。
生きながらにして心を延々とすり減らしていく地獄。
彼自身がこのことになんら苦痛を感じていないのだから尚悪い。

周りの凡人たちに足を引っ張られ続ける日々。

ついに母親の心が壊れた。

上手な生き方を身につけるとともに失っていく何か。

いつからか、彼は「本気」を出すのをやめた。
何事にも本気を出さないから、何があっても嬉しくはない。何があっても悲しくはない。
だからこそ彼は――――




――――人生を楽しめないのだ。




☆  ★  ☆



「大事な情報を聞いてるときゃボーっとしないほうがいいぜ? お前もそれが原因で死にたくはないだろう?」
「す、すみません」

流さんに肩を叩かれ、私は我に返る。
どうやら溢れ出した強烈な感情を辿っていくうちについつい深い部分まで踏み込んでしまっていたみたいだ。
けれど、流さんには気がつかれなかったようでホッと胸をなで下ろす。
呆れ混じりに再び語られた蒼月紫暮という人物に関する説明は半分以上頭から抜けていってしまった。
私の思考の大半は"この男をなんとかして説得できないだろうか”という事に傾いている。
ハッキリと言えば自信は全くない。
様々な人間を見てきた私でもこのようなタイプの人間を見るのは初めて。
だけど、このままじゃ彼があまりにも哀れだと思う。
何一つ人生を楽しむこと無く死んでいく。それはとても辛いことでしょう。

「でだ、今後の方針なんだがな、とりあえずはあの遊園地でも向かってみねーか? ちょうど北にあるし、観覧車があって場所が分かりやすいからな」
「ええ、それで構わないと思います。施設の方が人は集まりそうですからね」

もしも、もしもだ。彼の説得が無理そうだったらどうしようか。
逃げるか? それとも諦めないで改心を待つか?
今はまだ分からない。だから希望を持っていたい。
気の持ちよう。最初から無理だった事を想定してしまうと意志が弱くなってしまう。
けれども私にこの男の人をどうにかすることができるのだろうか?
人生をかけて崩していった心をもとにもどすことができるのだろうか?
弱気な方へ向かってしまう心。
どこから入ればいいのかすら分からない彼を私は……。



――――違う。できるのかじゃない、やるんだ。



私は天使ユーゴー。私には私にしかできない戦い方がある。
そのやり方でこの人を……止めよう。

「そういえばユーゴーは支給品の方は確認してあるのか?」
「あ、そういえばまだでした」
「ったく、あんましボケてると本当に死んじまうぞ」

ガシガシと頭をかきながら流さんは馬鹿にしたように言う。
きっと明るく調子ものなキャラクターを演じることに慣れすぎてしまったのだろう、と思わせるに十分すぎるほどの自然さだった。

「ちなみに流さんの支給品は一体?」
「ん、オレのか? オレのはこれらしい」

カバンから支給品の入ってると言われた珠を探すついでに流さんに尋ねてみる。
すると、上着にのポケットから珠を取り出し、道具を中から出す。
出てきたのは妙な形をした刀。

「鋼金暗器っていうらしいんだがな、こうやって――どうだ」

そう言うと流さんはガチャガチャとその刀を分解し、新たに組み立てる。
ものの数秒で刀は鎖鎌へと姿を変えた。

「ビックリすんなよ、こいつは5種類の武器に変形するらしいぜ」
『つまんねぇ武器だ。説明書を軽く流し読みしただけで練習もなしに成功しちまう』

楽しそうな調子で言ったものの、流さんの心が晴れる様子はない。
アッサリと組み換えに成功してしまうこの道具は彼の"本気”を引き出すには至らないらしい。

「こんなにアッサリと組み立てるなんて凄いですね。えっと、私の方は」

中の物を出そうと念を込める。
そして出てきたのは――――

「えっ?」

着包み。
それもカマキリを模したヘンテコな胴体に、金髪のどこか間の抜けた男のマスクのセット。
訳がわからない。ブラックはこんなもので殺し合いをさせようとしたのだろうか?
そう思い、二つ目の珠の中身を取り出し――――

私は完全に硬直した。

次に出てきたのも着包み。
それも妙に安っぽいSFのヒーロー風味の。

一緒に出てきた説明書によれば、前者は『カマキリジョー』、後者は『ヒーローババーン』というものらしい。
あんまり過ぎる物品。ブラックは私たちに死ねと言っているのだろうか。
助けを求めるように流さんをみると。

「ぶっ、くくくくく」

こらえられなかったか、吹き出してしまっている。
……もちろんそれも演技なのだが。

「大丈夫だ、オレがフォローしてやっからよ」
「流さんってお強いんですか?」
「そこそこな。まっ、やばくなったら逃げるよ。お前と一緒にな」

そこまで言って流さんは席を立った。
つられて私も腰をあげる。

「じゃ、行くとしようかね」






ユーゴー・ギルバートが秋葉流を説得するには致命的なピースが足りていない。
何故、彼がうしおととらに執着するのか、それに気がつかない限り彼女に先はない。
彼の心に吹いている風は依然として――――止まない。




【A-4北部 一日目深夜】

【ユーゴー・ギルバート】
[時間軸]:カリヨンタワーのキース・シルバー戦直後
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:カマキリジョーの着ぐるみ@金色のガッシュ、ヒーローババーンの着ぐるみ@うしおととら、基本支給品一式

※制限によりテレパシー能力は相手の所在が分かる場合のみにしか発動できません


【秋葉流】
[時間軸]:SC28巻、守谷の車を襲撃する直前
[状態]:健康
[装備]:鋼金暗器@烈火の炎
[道具]:ランダム支給品0~2、基本支給品一式





【カマキリジョーの着ぐるみ@金色のガッシュ】
名前のとおり、ただの着包み。
中身の顎とか頭が割れたお兄さんは付いてこないぞ! 以上

【ヒーローババーンの着ぐるみ@うしおととら】
これを着ればあなたもおまけ漫画のヒーロー!

【鋼金暗器@烈火の炎】
小金井の所有する武器型魔導具。虚空の作品で彼も海魔討伐の際に使っていた。「一の型」から「六の型」まで6つの形態に変形させることのできる武器。基本的には「一の型」から「二の型」というふうに順に変形させていく。構造はかなり複雑で慣れた者でも一つの変形に10秒、さらに「一の型」から「四の型」という風に変則的にな変形にはさらに時間がかかる。が、小金井薫の「天才的なパズルの才能」によって、彼の場合変形所要時間はわずか0.6秒と驚異的なタイムを叩き出す。
「一之型」牙 薙刀。基本の形態。
「二之型」龍 鎖鎌。
「三之型」極 大鋏(おおばさみ)。巨大なハサミ。主に敵の攻撃を受ける際に使用。
「四之型」三日月 武羽冥乱(ブーメラン)。また月白の「海月」のように刀としても使用していた。
「五之型」暗 弓。鋼金暗器の真の姿と言われている。
「六之型」無 バラバラの状態。幻の型といわれ「一之型」から「五之型」を遠回りに変形しないとたどり着くことができない。核の「金」と書かれている玉に向かって各パーツが集結することで回避不能のオールレンジ攻撃が可能。

wikipediaより



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GAME START ユーゴー・ギルバート 037:ヘルダイバー
GAME START 秋葉流
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