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獣の夢

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匿名ユーザー

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獣の夢


中井 拓志 角川ホラー文庫


俺が購読している作家の中で屈指の遅筆作家。専業じゃないみたいだけれど。
おおよそ3年に1冊出るかどうか、くらい。
今回はちょっと早かったなー。前作のアリス―Alice in the right hemisphereから二年しか経ってないな!

理系もしくは文系のパニックホラーで、詐欺のような爽やかなラストが持ち味。
今回は文型パニックホラーだな。
…文型パニックってぜってー読まねぇと想像できないだろなぁ…。

元々クセの無い、淡々とした書き方の人だったのだけれど、今回は文体を変えた様子。
ちょっぴりライトな感じになって非常に読みやすい。
結構独特な書き方だし、『ま、』って行頭が多すぎる感があるけれど。

いやーしっかし上手くなったなぁこの人。
序盤でパニック発生、混乱する人々、報道、乗り込む主人公、はこの人のお約束。
この導入部が非常に上手く、ぐいぐいと読ませてくれる。
パニックものとしては大事な『飽きさせない』構成だし、作品を重ねるごとに確実に腕を上げている印象。

多分、若い人ほどこの作品の本質は共感できるんじゃないかなー。
"獣"の正体しかり、きっと誰もが一度は思った事なんじゃないだろうか。
終盤のパニックはかなーり皮肉を利かせた書き方だし。

読みやすさでは今まででダントツかな。
読後感ではレフトハンド
構想ならアリス―Alice in the right hemisphereがお勧め。

でもこの人、quarter mo@nもそうだったけれど、ネットの書き方が上手いなぁ。
あと、『科警研心理1室3班』ってなんか本当にありそうな名称だな。

九年前のわたしたちは、何人でした?教室の鼠は?
それを数えるとき、お姉さんは必ず間違えます。
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