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扉は閉ざされたまま

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匿名ユーザー

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扉は閉ざされたまま


石持 浅海 NON NOVEL


昨年のこのミスを始めいろんな所で絶賛されているので購入。
ハサミ男のような『犯人の視点で物語が描かれる』いわゆる"倒叙もの"と呼ばれるジャンルの作品。

初めてこの人の本を読んだけれど、なんだろうこの登場人物の会話の不自然さは。
登場人物は皆、大学からの親友同士という設定なのにやたらめったら説明文くさい会話の応酬が少し辟易。

設定と構成は確かに面白い。
「密室の中にいる人に何かあったのだと思われるが、扉を開ける事も窓を開ける事も外から人を呼ぶ事も躊躇われる状況」とはかなり特殊なルールを作ったなぁ。
主人公(犯人)がこの状況を有効に使い、回りを誘導していく様も見事。
そして倒叙もののお約束である、探偵役との応酬と"ミス"がまた上手い。

同じ倒叙ものと言っても、ハサミ男とは完全に対極。
読み物ではなく、これはミステリであるために有る程度ミステリを読み慣れた人じゃないとつらいかも。

宙ぶらりんである以上、行動できない。

ただ難を言えば、動機に全然共感が沸かないんだよなぁコレが。
いやそんな事が動機になる事が無いとは言えないんだけれど・・・。
主人公が聖人君子だからって、あんな動機で親友を殺しちゃうのかね。
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