『一握の砂』(英題:A Handful of Sand)は、石川啄木の第一歌集。1910(明治43)年12月1日刊行、発行元は東雲堂書店。収録作は全551首。同年発売の歌集『NAKIWARAI』の影響を受けた三行分かち書きの短歌が大きな特徴であり、1908年から1910年にかけて詠んだ、故郷の岩手や北海道時代、東京時代の個人的な哀愁をテーマとする作品群が注目を浴びた。
内容
表題歌
頬につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず
この歌は、歌集『一握の砂』の全体を通して、二首目にあたる作品。その解釈に関して意見が分かれている。「一握の砂」については自身の作品を暗喩しているという説が有名だが、「示しし人」の正体については作者本人説と他者説の両者が存在し、いずれにせよ明瞭な結論には至っていない。