「ドラえもーん!」
野比のび太は叫び声を上げながら自分の部屋に飛び込んだ。
野比のび太は叫び声を上げながら自分の部屋に飛び込んだ。
「あ、そっか。今日は22世紀にメンテナンスを受けに行くって言ってたっけ」
頼みの綱がおらずガッカリするのび太。だが次の瞬間、のび太はある事をひらめいた。
「ひょっとして!」
のび太は急いで押入れをかき回す。数分後、のび太の手にはポケットが握られていた。
「やっぱりあった!スペアポケット!」
これがあればもう大丈夫。むしろドラえもんに小言を言われずに済む分、この方が都合がいい。
頼みの綱がおらずガッカリするのび太。だが次の瞬間、のび太はある事をひらめいた。
「ひょっとして!」
のび太は急いで押入れをかき回す。数分後、のび太の手にはポケットが握られていた。
「やっぱりあった!スペアポケット!」
これがあればもう大丈夫。むしろドラえもんに小言を言われずに済む分、この方が都合がいい。
……少し前
すべての始まりは何気ない会話だった。
今日は休日であり、のび太はいつものように空き地でジャイアン、スネ夫と共に遊んでいた。
遊びの合間に二人ととりとめない会話を続けていると、いつの間にか話題は今の日本の現状
そして自分たちの将来、という大それたテーマになっていた。
今日は休日であり、のび太はいつものように空き地でジャイアン、スネ夫と共に遊んでいた。
遊びの合間に二人ととりとめない会話を続けていると、いつの間にか話題は今の日本の現状
そして自分たちの将来、という大それたテーマになっていた。
「つまりねぇ、現代は生き残りをかけた競争社会。
グローバルな万人の万人に対する戦いの時代なんだな」
グローバルな万人の万人に対する戦いの時代なんだな」
僕のパパの知り合いが社会学者でね、その人から聞いたんだけど
というもったいぶった前ふりをして、スネ夫は何やら難しい話を始めた。
というもったいぶった前ふりをして、スネ夫は何やら難しい話を始めた。
「バブル崩壊以降の日本は国際的なリバタリアニズムの波に呑まれているわけだよ。
それは自己決定至上主義であり、限られたパイを取り合うゼロサム的な弱肉強食の……」
ジャイアンものび太もスネ夫がなにを言ってるのかさっぱり解らなかったが(話しているスネ夫自身解っていなかったかもしれない)
弱肉強食、という言葉にジャイアンが反応した。
それは自己決定至上主義であり、限られたパイを取り合うゼロサム的な弱肉強食の……」
ジャイアンものび太もスネ夫がなにを言ってるのかさっぱり解らなかったが(話しているスネ夫自身解っていなかったかもしれない)
弱肉強食、という言葉にジャイアンが反応した。
「ジャクニクキョーショクなら知ってるぜ!
つまり今の時代は腕っ節が強いやつが生き残る時代なんだな!!」
言いながら得意げに指をポキポキと鳴らすジャイアンを見て、
スネ夫はそうそう、さすがジャイアン賢い!と冷や汗を流しながら追従する。
つまり今の時代は腕っ節が強いやつが生き残る時代なんだな!!」
言いながら得意げに指をポキポキと鳴らすジャイアンを見て、
スネ夫はそうそう、さすがジャイアン賢い!と冷や汗を流しながら追従する。
「それに比べて……」
「むにゃ? なんの話?」
話が理解できず立ったまま寝ていたのび太に、ジャイアンとスネ夫は軽侮の笑いを浴びせる。
「のび太は絶対に生き残れねぇな」
「まあのび太は真っ先に社会の厳しい競争から脱落するだろうね」
何やら自分がバカにされているとわかったのび太は、抗議の声を上げる。
「そんな!僕は脱落なんかしないよ!……ところでダツラクってどーいう意味?」
「このザマじゃねぇ」
「ジャクニクキョーショクでのび太が生き残れるわけないっつーの」
「のび太はケンカも弱いし頭も弱いもんな」
「ガハハハ!お前に生まれたのが運が悪かったと思って諦めろ!」
「「m9(^Д^)プギャー!」」
「むにゃ? なんの話?」
話が理解できず立ったまま寝ていたのび太に、ジャイアンとスネ夫は軽侮の笑いを浴びせる。
「のび太は絶対に生き残れねぇな」
「まあのび太は真っ先に社会の厳しい競争から脱落するだろうね」
何やら自分がバカにされているとわかったのび太は、抗議の声を上げる。
「そんな!僕は脱落なんかしないよ!……ところでダツラクってどーいう意味?」
「このザマじゃねぇ」
「ジャクニクキョーショクでのび太が生き残れるわけないっつーの」
「のび太はケンカも弱いし頭も弱いもんな」
「ガハハハ!お前に生まれたのが運が悪かったと思って諦めろ!」
「「m9(^Д^)プギャー!」」
そんな事を言われて、のび太は泣きながら家に帰ってきたわけだった。
「あいつら、僕をバカにして!
見てろ!僕の実力を見せてやる!」
このひみつ道具で……とのび太はスペアポケットを握る。
ひみつ道具を使ったら実力もクソもないのだが、彼はそんな小さなことは気にしない。
「あいつら、僕をバカにして!
見てろ!僕の実力を見せてやる!」
このひみつ道具で……とのび太はスペアポケットを握る。
ひみつ道具を使ったら実力もクソもないのだが、彼はそんな小さなことは気にしない。
「それで……どうやって実力を見せればいんだろ」
いざ意気込んでみたものの、スネ夫の話のほとんど最初から眠っていたのび太は
今回どういった経緯で自分が馬鹿にされたのかイマイチ理解出来ていなかった。
いざ意気込んでみたものの、スネ夫の話のほとんど最初から眠っていたのび太は
今回どういった経緯で自分が馬鹿にされたのかイマイチ理解出来ていなかった。
「戦いがジャクニクキョーショクでダツラク? たしかそんなこと言ってたっけ。
じゃあそれで僕がダツラクしなければジャイアンたちの鼻を明かしてやれるのか」
しかしその戦いとは何だ。鬼ごっこ? ドッジボール?
そしてその戦いにどうやって参加すればいいのか。
じゃあそれで僕がダツラクしなければジャイアンたちの鼻を明かしてやれるのか」
しかしその戦いとは何だ。鬼ごっこ? ドッジボール?
そしてその戦いにどうやって参加すればいいのか。
「うーん。なんだが考えすぎて面倒くさくなってきた……
そうだ!こういう時はあれを使えばいいんだ!ドラえもんのやつ、未来デパートに返してなけりゃいいけど……」
そうだ!こういう時はあれを使えばいいんだ!ドラえもんのやつ、未来デパートに返してなけりゃいいけど……」
のび太はスペアポケットに手を突っ込み、目的の道具を取り出す。
「もしもボックス!
やった!まだ持ってた!」
のび太はスペアポケットを床に投げ捨てると、喜び勇んでボックスに入った。
「もしもボックス!
やった!まだ持ってた!」
のび太はスペアポケットを床に投げ捨てると、喜び勇んでボックスに入った。
「なんて言えばいいのかな
えーと、たしかスネ夫が言ってたのは……」
のび太は寝る前に聞いたわずかな内容を思い出して、もしもボックスに告げる。
えーと、たしかスネ夫が言ってたのは……」
のび太は寝る前に聞いたわずかな内容を思い出して、もしもボックスに告げる。
『もしも、僕が……人の……人に対する……生き残りをかけた……戦い……に参加する世界だったら!』
「これで世界は変わったのかしら」
目に見えた変化はないと思いつつ、のび太はボックスを出る。
目に見えた変化はないと思いつつ、のび太はボックスを出る。
出た瞬間、のび太の視界が歪んだ。
「えっ?」
のび太の意識はそこで途切れた。
のび太の眠りを破ったのは、耳を聾するような轟音だった。
「え!? なになに!!?」
いつの間にか椅子に座らされていたのび太が飛び起きて辺りを見渡すと
彼の周りで同じように座って眠っていた人たちが、驚いて目を覚ましていた。
「え!? なになに!!?」
いつの間にか椅子に座らされていたのび太が飛び起きて辺りを見渡すと
彼の周りで同じように座って眠っていた人たちが、驚いて目を覚ましていた。
「うるせぇ!なんだこの音は!?」
「これはヴェルディのレクイエム、怒りの日……」
「ちょっと!ここどこよ!?」
「うわっ!なんだこの首輪!?」
「これはヴェルディのレクイエム、怒りの日……」
「ちょっと!ここどこよ!?」
「うわっ!なんだこの首輪!?」
目覚めた人々は、まず自分の首に嵌められている首輪に驚き
そして慌てて自分の周囲を見渡す。
彼らが集められていた場所、それはどこかで見たことのある空間だった。
そして慌てて自分の周囲を見渡す。
彼らが集められていた場所、それはどこかで見たことのある空間だった。
「ここって……ひょっとして国会議事堂?」
そこは間違いなく、テレビ等でよく目にする国会議事堂の会議場だった。
突然、大音量で流されていたレクイエムが止んだ。
「全員、目が覚めたようだな」
それと同時に、演壇に一人の男が現れる。
その男の顔にも、その場にいるほとんどの者は見覚えがあった。
「全員、目が覚めたようだな」
それと同時に、演壇に一人の男が現れる。
その男の顔にも、その場にいるほとんどの者は見覚えがあった。
「あれは……総理大臣?」
演壇に立って集められた人々を見下しているその男は、日本国民なら知らぬものはいない
内閣総理大臣その人だった。
演壇に立って集められた人々を見下しているその男は、日本国民なら知らぬものはいない
内閣総理大臣その人だった。
「よく聞け、貴様ら――」
状況が理解できずざわめく人々に、総理大臣は冷酷に告げる。
「この国は、すっかりダメになってしまいました!」
(ビートたけし?)
(ビートたけしの物真似だ……)
(似てねぇ!)
空気が一気に白けたのも気にせず、総理は言葉を続ける。
状況が理解できずざわめく人々に、総理大臣は冷酷に告げる。
「この国は、すっかりダメになってしまいました!」
(ビートたけし?)
(ビートたけしの物真似だ……)
(似てねぇ!)
空気が一気に白けたのも気にせず、総理は言葉を続ける。
「そこで私は首相として考えた!なぜこの国がダメになってしまったのか!
そしてその理由を見つけた!この国がダメになったその理由は……
お前ら国民がクズだからだ!!」
そしてその理由を見つけた!この国がダメになったその理由は……
お前ら国民がクズだからだ!!」
「……はぁ?」
「どうすればクズな国民を処分できるか?
そこで私は思いついた。このテラカオスバトルロワイアル法案(TCBR法案)を!!」
呆然とする一同を尻目に、総理は自分の考えたTCBR法案について熱弁を揮った。
「どうすればクズな国民を処分できるか?
そこで私は思いついた。このテラカオスバトルロワイアル法案(TCBR法案)を!!」
呆然とする一同を尻目に、総理は自分の考えたTCBR法案について熱弁を揮った。
TCBR法案とは、日本人に限らず日本に滞在している外国人、それどころか日本にいる動物等までも含めた
全員で殺し合いを行わせ、その中で生き残る『価値のある国民』を選別する。という、極めて優れた(総理談)法案である。
全員で殺し合いを行わせ、その中で生き残る『価値のある国民』を選別する。という、極めて優れた(総理談)法案である。
「最終的にはこれを全国で一斉に実施する。だがその前に、貴様らにはTCBR法のテストケースとなってもらう。
つまり――――」
つまり――――」
そこで一度言葉を切り、総理大臣はニタリと笑った。
「今日は、皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます」
まるで時間が止まったように、議事堂内が静寂に包まれた。
その中で口火を開いたのは再び総理大臣だった。
その中で口火を開いたのは再び総理大臣だった。
「終了条件は最後の一人になるまで殺し合うこと。
反則は無し。期限は三日間。場所はこの東京都の23区内全域……」
「ふざけるな!」
反則は無し。期限は三日間。場所はこの東京都の23区内全域……」
「ふざけるな!」
議席から怒りの声が飛んだ。
全員がその声の主に注目する。そこにいたのは
「東京都知事!?」
こちらも知らぬものはいない、東京都知事が顔を真っ赤にして叫んでいた。
全員がその声の主に注目する。そこにいたのは
「東京都知事!?」
こちらも知らぬものはいない、東京都知事が顔を真っ赤にして叫んでいた。
「変態(クズ)は処分するという考えには私も賛成だ」
賛成すんのかよ!というツッコミが飛び交ったが、都知事は無視して総理に詰め寄る。
「しかし!どうしてこの私が処分されるべき変態の中に混じっているのだ!
しかも私の東京都を変態どもの墓場にするなど、言語道断だ!」
「…………」
無反応の総理に、都知事はさらに近づいて喚く。
「無能な首相ってやっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて……」
賛成すんのかよ!というツッコミが飛び交ったが、都知事は無視して総理に詰め寄る。
「しかし!どうしてこの私が処分されるべき変態の中に混じっているのだ!
しかも私の東京都を変態どもの墓場にするなど、言語道断だ!」
「…………」
無反応の総理に、都知事はさらに近づいて喚く。
「無能な首相ってやっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて……」
「黙れ」
銃声が響いた。
そして、頭に風穴を開けられた東京都知事が床に崩れ落ちる。
手にした銃から硝煙をたなびかせた総理は、侮蔑の表情で都知事の骸を見下していた。
銃声が響いた。
そして、頭に風穴を開けられた東京都知事が床に崩れ落ちる。
手にした銃から硝煙をたなびかせた総理は、侮蔑の表情で都知事の骸を見下していた。
「え?」
「なに? これってテレビのドッキリ?」
一番近くにいた者が慌てて都知事に駆け寄り、息を確認する。
「……本当に死んでいる」
「なに? これってテレビのドッキリ?」
一番近くにいた者が慌てて都知事に駆け寄り、息を確認する。
「……本当に死んでいる」
一瞬の後、議事堂内はパニックに陥った。
(どどど、どうしよう……)
何人もの悲鳴の中で、のび太は震えていた。
まさかこんなことになるとは思わなかった、殺し合いだなんて、人が死んでしまうなんて……
しかも離れているせいで判りづらいが、彼の母親や近所のおじさんもここに集められているようだった。
(早く!もしもボックスで元の世界に戻そう!)
そしてスペアポケットからもしもボックスを取り出そうとしたその時
のび太は自分が大失敗を犯したことに気付いた。
何人もの悲鳴の中で、のび太は震えていた。
まさかこんなことになるとは思わなかった、殺し合いだなんて、人が死んでしまうなんて……
しかも離れているせいで判りづらいが、彼の母親や近所のおじさんもここに集められているようだった。
(早く!もしもボックスで元の世界に戻そう!)
そしてスペアポケットからもしもボックスを取り出そうとしたその時
のび太は自分が大失敗を犯したことに気付いた。
(しまった!!スペアポケットを部屋に置いてきちゃった!!)
もしもボックスを使う前にスペアポケットを床に放ったことを忘れていた。
その後、ボックスを出てすぐに意識を失ったためポケットを回収していなかったのだ。
その後、ボックスを出てすぐに意識を失ったためポケットを回収していなかったのだ。
(ど、どうしよう……早くうちに帰ってもしもボックスで元に戻さないと……)
のび太が人知れず焦っている間にも、事態は変化していた。
のび太が人知れず焦っている間にも、事態は変化していた。
「貴様ら!人の命を玩び、奪うなど!
断じて許ざん゙っ!!」
断じて許ざん゙っ!!」
まるで正義感を擬人化したような青年が、論壇の前に躍り出た。
だがそれに対して総理大臣は冷笑で応える。
だがそれに対して総理大臣は冷笑で応える。
「粋がるのはいいが、その首輪には気をつけることだ」
「何ッ!!?」
「それ以上の説明は私がしましょう」
いつの間に現れたのか、総理大臣の背後に学生服姿の少女が立っていた。
薄緑の髪に穏やかな微笑を浮かべた彼女の姿は、この異常な状況には似つかわしくないものだった。
「何ッ!!?」
「それ以上の説明は私がしましょう」
いつの間に現れたのか、総理大臣の背後に学生服姿の少女が立っていた。
薄緑の髪に穏やかな微笑を浮かべた彼女の姿は、この異常な状況には似つかわしくないものだった。
「喜緑さん!?」
議席の一角から驚きの声が上がったが、演壇に立った少女はそれを無視した。
議席の一角から驚きの声が上がったが、演壇に立った少女はそれを無視した。
「こんにちは皆さん。
私は当バトルロワイアルの進行役兼技術供与を務めさせていただきます、喜緑江美里と申します。
それでは早速首輪の機能について説明しますね」
笑顔のまま、喜緑江美里は話し続ける。
私は当バトルロワイアルの進行役兼技術供与を務めさせていただきます、喜緑江美里と申します。
それでは早速首輪の機能について説明しますね」
笑顔のまま、喜緑江美里は話し続ける。
「この首輪は生体反応を感じ取り、装着者の生死や現在地などを私たちに知らせてくれます。
そして、もしこの首輪を無理矢理に外そうとしたら……爆発して、装着している方は確実にお亡くなりになります。
装着者がたとえ蓬莱人でも、魔法少女でも、あるいはインキュベーダーでも」
その言葉に、何名かの参加者がどよめく。
そして、もしこの首輪を無理矢理に外そうとしたら……爆発して、装着している方は確実にお亡くなりになります。
装着者がたとえ蓬莱人でも、魔法少女でも、あるいはインキュベーダーでも」
その言葉に、何名かの参加者がどよめく。
「それと……皆さんの中には特別な『眼』をお持ちの方がいらっしゃるようですが
その力を使って首輪を解除しようとしても爆発しますから、あしからず」
和服の上に革ジャンという凄い格好をした女性が、そう言った喜緑を睨みつけた。
その力を使って首輪を解除しようとしても爆発しますから、あしからず」
和服の上に革ジャンという凄い格好をした女性が、そう言った喜緑を睨みつけた。
「バトルロワイアル開始から六時間おきに定期放送を行い、その時点までの死亡者の氏名と
禁止エリアになる区域を発表します。
もしも禁止エリアに入って20秒が経過したら……その時も首輪が爆発しますから注意してくださいね。
くれぐれも定期放送は聞き漏らさないようにしてください。
それと、バトルロワイアルの会場から外に出た場合も首輪は爆発します。ですから逃走など考えないように……。
もっとも、したくても出来ないと思いますけど」
小さく笑いを漏らして、彼女は説明を続ける。
「もう一点注意を。もしも24時間の間に一人も死者が出なかった場合、全員の首輪が同時に爆発します。
誰も殺さなければ全員が死ぬ、ということを忘れないでくださいね。
最後に……もしも私たち主催者に従わなかったり、反抗してゲームを破壊しようとする方がいらした場合は
私たちはいつでもその方の首輪を爆破することが出来ます。
これが単なる脅しでないことの証として……ランダムで一人、どなたかの首輪を爆発させてみましょう」
そう言って彼女は、手元のノートパソコンのキーボードを叩いた。
禁止エリアになる区域を発表します。
もしも禁止エリアに入って20秒が経過したら……その時も首輪が爆発しますから注意してくださいね。
くれぐれも定期放送は聞き漏らさないようにしてください。
それと、バトルロワイアルの会場から外に出た場合も首輪は爆発します。ですから逃走など考えないように……。
もっとも、したくても出来ないと思いますけど」
小さく笑いを漏らして、彼女は説明を続ける。
「もう一点注意を。もしも24時間の間に一人も死者が出なかった場合、全員の首輪が同時に爆発します。
誰も殺さなければ全員が死ぬ、ということを忘れないでくださいね。
最後に……もしも私たち主催者に従わなかったり、反抗してゲームを破壊しようとする方がいらした場合は
私たちはいつでもその方の首輪を爆破することが出来ます。
これが単なる脅しでないことの証として……ランダムで一人、どなたかの首輪を爆発させてみましょう」
そう言って彼女は、手元のノートパソコンのキーボードを叩いた。
(早く!早く家に帰らなきゃ!)
のび太は焦り続けていた。喜緑の説明も、彼の耳を素通りしている。
自分のせいでこんな大変なことになってしまった状況をなんとかするにはもう一度
もしもボックスを使って、元の世界に戻るしかない。
(でもここは東京なんだし……電車があればすぐに僕の家には帰れる。
家に帰れさえすれば全てが終わるんだ……ここから開放されればすぐに……)
不意に、耳障りな電子警告音がのび太の耳に響いた。
その音の発信源は
のび太は焦り続けていた。喜緑の説明も、彼の耳を素通りしている。
自分のせいでこんな大変なことになってしまった状況をなんとかするにはもう一度
もしもボックスを使って、元の世界に戻るしかない。
(でもここは東京なんだし……電車があればすぐに僕の家には帰れる。
家に帰れさえすれば全てが終わるんだ……ここから開放されればすぐに……)
不意に、耳障りな電子警告音がのび太の耳に響いた。
その音の発信源は
のび太の首輪からだった。
「え、ええ? ええええええ?」
何が起こったのかわからずに狼狽するのび太、近くにいた参加者は慌てて彼から離れていく。
「ちょ、ちょっと待って」
鳴り始めてから10秒後、警告音が一層激しくなる。
「どうしよう!た、た、」
さらに5秒後、警告音は絶叫のごとく激しく鳴り響く。
そして
何が起こったのかわからずに狼狽するのび太、近くにいた参加者は慌てて彼から離れていく。
「ちょ、ちょっと待って」
鳴り始めてから10秒後、警告音が一層激しくなる。
「どうしよう!た、た、」
さらに5秒後、警告音は絶叫のごとく激しく鳴り響く。
そして
「助けてぇ~!ドラえも~ん!!」
ボン
爆発音と共に、野比のび太の首から上が粉々に吹き飛んだ。
その周囲に大量の血飛沫と焦げた肉片、毛髪、脳味噌などが飛び散り、参加者たちの何人かが悲鳴を上げた。
「これでわかっていただけましたか?」
喜緑の問いに、参加者たちは嗚咽、嘔吐、そして沈黙で答えた。
もう誰も主催者たちに逆らおうとする者はいない。少なくともこの場では。
喜緑の問いに、参加者たちは嗚咽、嘔吐、そして沈黙で答えた。
もう誰も主催者たちに逆らおうとする者はいない。少なくともこの場では。
「では、これより皆さんに支給品入りのデイバッグをお渡しします」
喜緑が再びノートパソコンのキーを押すと、同じ大きさ、デザインのデイバッグが忽然と中空に現れ
議場中にぼたぼたと落下した。
「どうぞ皆さん、好きなバッグを選んでください。ただし一人一つですよ」
バッグの数はちょうど54個。死んだ二人を除く参加者全員と同じ数だった。
喜緑が再びノートパソコンのキーを押すと、同じ大きさ、デザインのデイバッグが忽然と中空に現れ
議場中にぼたぼたと落下した。
「どうぞ皆さん、好きなバッグを選んでください。ただし一人一つですよ」
バッグの数はちょうど54個。死んだ二人を除く参加者全員と同じ数だった。
「デイバッグは全員に行き渡ったようですね。
このデイバッグは特別製で、内部が異次元になっています。
内容は「地図」、「コンパス」、「筆記用具」、二日分の「水と食料」、「時計」、「ランタン」
そして「ランダムアイテム」……一個から三個までの道具がランダムで入っています。
武器あり、便利な道具あり、役に立たないハズレ支給品もありますけど
ハズレを引いたからって自棄にならず頑張ってくださいね。
それとこの白紙の紙は、第一回放送後にあなた方全員の名前が書かれる「名簿」です。
今はまだ何も書かれてはいませんが、間違って捨てないように気をつけてください。
誰が参加しているのか、それを確認するためにも第一回放送までの六時間を生き抜いてください。
それと……」
このデイバッグは特別製で、内部が異次元になっています。
内容は「地図」、「コンパス」、「筆記用具」、二日分の「水と食料」、「時計」、「ランタン」
そして「ランダムアイテム」……一個から三個までの道具がランダムで入っています。
武器あり、便利な道具あり、役に立たないハズレ支給品もありますけど
ハズレを引いたからって自棄にならず頑張ってくださいね。
それとこの白紙の紙は、第一回放送後にあなた方全員の名前が書かれる「名簿」です。
今はまだ何も書かれてはいませんが、間違って捨てないように気をつけてください。
誰が参加しているのか、それを確認するためにも第一回放送までの六時間を生き抜いてください。
それと……」
言葉を止めて、喜緑は先ほどの青年を含む何名かの参加者を見遣る。
「今回の参加者の中には、常ならざる力をお持ちの方がいらっしゃいます。
そのような方は、殺し合いを楽しんでいただくために、能力に適度に制限を科させていただきました。
どうか、ワンサイドゲームではなく獲るか獲られるかの遊戯を心ゆくまで楽しんでください」
そのような方は、殺し合いを楽しんでいただくために、能力に適度に制限を科させていただきました。
どうか、ワンサイドゲームではなく獲るか獲られるかの遊戯を心ゆくまで楽しんでください」
悠然と微笑むと、少女は再び総理大臣の背後に下がった。
「わかったか虫ケラども!貴様らは刃向かうことも逃げることも不可能!
死にたくなければ最後の一人になるまで殺せ!
そして最後に一人だけ生き残った価値のある国民には!」
「わかったか虫ケラども!貴様らは刃向かうことも逃げることも不可能!
死にたくなければ最後の一人になるまで殺せ!
そして最後に一人だけ生き残った価値のある国民には!」
再び総理大臣の顔に醜悪な笑いが浮かんだ。
「その功績を称えて、私のサイン色紙をプレゼントしてやろう!
さらに副賞として――
『どんな願いも叶えられる』権利をやる。
膨大な富も、無限の名声も、絶大な力も、永遠の命も
そして死者を復活させることも……全ては望むがままだ。
どうだ!生かしておいてやるだけじゃなく願いまで叶えてやるなんて
私はなんと慈悲深き宰相なのだろう!」
さらに副賞として――
『どんな願いも叶えられる』権利をやる。
膨大な富も、無限の名声も、絶大な力も、永遠の命も
そして死者を復活させることも……全ては望むがままだ。
どうだ!生かしておいてやるだけじゃなく願いまで叶えてやるなんて
私はなんと慈悲深き宰相なのだろう!」
カカカカカと狂った哄笑を議事堂内に響かせる総理大臣に、喜緑江美里がそっと声をかけた。
「総理、もうすぐ日中の12時です。丁度よろしいかと」
「うむ。それでは、現時刻よりテラカオスバトルロワイアルを開始する!」
総理大臣の開始宣言と共に、議場にいた参加者たちは東京の各所へと一斉にワープした。
「総理、もうすぐ日中の12時です。丁度よろしいかと」
「うむ。それでは、現時刻よりテラカオスバトルロワイアルを開始する!」
総理大臣の開始宣言と共に、議場にいた参加者たちは東京の各所へと一斉にワープした。
「それにしても総理、どうせ殺すならあの都知事を首輪機能の見せしめに使えばよかったのでは?」
「うむ」
「おかげで一人余分に殺すことになりましたけど」
「うむ」
「……まあいいです、他の協力者たちはすでに主催者本部に集合しているようですから
私たちも早く向かいましょう」
「うむ」
「…………」
喜緑江美里が再びパソコンのキーを押し、二人の主催者は彼らの本部へと転送されていった。
「うむ」
「おかげで一人余分に殺すことになりましたけど」
「うむ」
「……まあいいです、他の協力者たちはすでに主催者本部に集合しているようですから
私たちも早く向かいましょう」
「うむ」
「…………」
喜緑江美里が再びパソコンのキーを押し、二人の主催者は彼らの本部へと転送されていった。
そして国会議事堂には、額を打ち抜かれた老人と首から上が消失した少年の遺体だけが残された。
【千代田区永田町 国会議事堂内/1日目・日中 12時00分】
【総理大臣@カオスロワオリジナル】
[状態]:バトルロワイアル主催者、主催者本部に移動
[装備]:拳銃、その他不明
[道具]:サイン色紙、その他不明
[思考・状況]基本:バトルロワイアルを運営する。
[状態]:バトルロワイアル主催者、主催者本部に移動
[装備]:拳銃、その他不明
[道具]:サイン色紙、その他不明
[思考・状況]基本:バトルロワイアルを運営する。
【喜緑江美里@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:バトルロワイアル進行役、主催者本部に移動
[装備]:不明
[道具]:ノートパソコン、その他不明
[思考・状況]基本:バトルロワイアルを運営する。
[状態]:バトルロワイアル進行役、主催者本部に移動
[装備]:不明
[道具]:ノートパソコン、その他不明
[思考・状況]基本:バトルロワイアルを運営する。
【東京都知事@カオスロワオリジナル 死亡】
【野比のび太@ドラえもん 死亡】
【野比のび太@ドラえもん 死亡】
【テラカオスバトルロワイアル外伝――開始確認】
| 投下順 | 001:ドラゴン・クライシス |
| 時系列順 | 001:ドラゴン・クライシス |
| 総理大臣 | 080:第一回放送 |
| 喜緑江美里 | 080:第一回放送 |