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テラカオスバトルロワイアル外伝
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脅かされるマスコットポジション

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「…どうしたもんかね、この状況」

髪をわしゃわしゃと掻きながら、縞合羽に三度笠という古風な格好をした青年…シレンは一人ごちた。
確か不思議のダンジョン攻略中だった筈なのだが、謎の連中に捕らえられ…
気がつけば、殺しあいに強制参加。
あらゆる状況を想定し、それを最終的には切り抜けてきた歴戦の風来人をもってしてもこれは想定外だ。
支給品を入れるデイバックは、普段シレンが使用しているものよりも高性能で、
持ち物が無制限に入る…彼の知る保存の壺をさらに進化させたような代物ではあった。
このカバン持ち帰れば、どのダンジョンもグッと楽になるんじゃないか?
そんなことをついつい癖で考えてしまうシレンであったが、すぐにまた髪を乱す。

(そりゃ、俺も普段からモンスターや人間…店主や盗賊番を切り捨てて強盗してるよ。
街中の人にみどりトドの肉を投げつけて、その場でトド狩りをしたこともある。
レベル上げのためにペケジやケチを生け贄に捧げたことさえあった…
でも、この場所は違う…加護の力が感じられない。いつものダンジョンとは違う…
俺を含めて、あらゆる生物が死んだらそれまで、か…)

まいったねと呟きつつ、シレンは辺りを見回す。
とてもダンジョンとは思えない、かといってのどかな街でもない。
全く知らない場所、見たことのない異国の風景だった。

(そういや意識無くしてる間に捕まったのって、砂漠の魔城以来だな。
ははっ、もしかしてここにも城があったり…)

シレンがなんとなく振り向くと、そこにはなんと城が!

(…ほんとに城があったよ。でも俺が子供の頃に作った城の方が立派だな、うん。
…待てよ、あの時は領主に悪魔や悪霊がとりついて、邪神の復活を企てていた。
あの男も、この国の首相として考えて云々言ってたが、要はこの国の支配者、領主…)

最初に目を覚ました部屋にいた、総理大臣なる男の下卑た笑みを思い出し、シレンは身震いする。
あの醜悪な顔、狂った言動…シレンの中で、疑念が確信に変わった。

(あ、あの男も邪神を復活させようとする悪魔にとりつかれてるのか!?
そうなるとこの殺し合いは、儀式!俺たちを邪神復活のための生け贄にする気か!)

冷や汗を流しながら、シレンは過去の旅を思い出す。
旅先、砂漠に封じられていた邪神や、南国で力を失っていた獣神などを屠ってきたりはしているが…
復活にここまで大規模な生け贄は必要としていない。

(ってことは、今度の邪神はどれだけ危ない敵だってんだ…)

かつての邪神は、復活直後にシレンにより頭と両腕、心臓部を破壊され完全に滅び去った。
しかし、神にも階級はある。
自分に肩入れをしてくれている旅の神クロンでさえ、運命神リーバには基本逆らえないのだ。
つまり、邪神にも階級があってもなんら不思議ではない。
人間の殺し合い、そこで生まれる血と恐怖と絶望を糧にする邪神がいてもおかしくない。



(…落ち着け。風来人は冷静さを失ったらお終いだ。状況を整理するんだ…
とにかく、邪神を復活させないためには、死人を出さないのが一番近道なのは間違いない。
優勝狙いの奴も、多分いるだろうが…そいつらは、説得なり武器を砕くなりして対処。
そして優勝狙い以外の参加者とは協力して、状況に応じて複数人行動…
これで多分大丈夫だろう…だが万が一に備えるとなると…)

砂地にその辺に転がっていた枝で色々と書き綴りつつ、シレンは悩む。
これまで幾多のダンジョンを十数年にわたり潜り続け、そして踏破してきた…確かな実績。
シレンは長きに渡るその旅を、まず考えることで生き抜いてきた。
もちろん、最初の内はシレンも失敗続きだった。
店での草飲み鑑定、ドラゴン草で店主を焼いたミスも、合成の壺を遠投したミスも…
舐めてかかった洞窟マムルに一撃でぶちのめされたミスも、復活草を飲んでしまうミスもある。
だがシレンは、その失敗を生かしてきた。豊富な経験を生かし、まずは考えてきた。
如何にして生き延びるか?如何にして敵を安全に倒すか?如何にして苦境を乗り越えるか?
思考を巡らせ、限られた道具と地形で最善を尽くす…それがシレンの生き方だった。

(ま、結局運も絡んでくるんだけどな…運がよければ役立つアイテムもゴロゴロ出てくるし。
とりあえず首輪は装備外しの罠で外せるはずだ。罠師の腕輪があれば確実性は増す…
邪神復活を目論む連中に容赦は必要ないから、適当に根絶やしの巻き物なり爆薬壺を投げ込む…
んで、接近戦になった場合に備えて剣や盾を鍛冶合成で鍛えておきたいとこだが…)

魔法のデイバックに手を突っ込み、シレンは基本支給品以外、自分に与えられたランダム支給品を探す。
だが…




(腕輪も巻き物も剣も盾も無しか…なるほど、今日のアイテム運は相当に悪いらしい。
ま、最初から期待はしてないけどな。支給品だって主催者の手で制限されてて当たり前だ。
さて、気を取り直してこの支給品の有効活用法を考えるとしますか…)

支給品に目当てのものは入っていなかったが、さほど気にすることなくシレンは支給品を広げる。
簡単な説明書がそれぞれついているが、少なくとも武器になりそうなものはなさそうだ。

(んー…流石に欲を言えば棍棒でもいいから武器は欲しかったかな…
…っと!最近、コハルに頼りすぎてたせいか、俺も少し弛んでんなぁ…
最悪、素手で戦い続ける覚悟も必要だなこりゃ)

己を戒めつつ、シレンは自分を慕い、旅の援護をしてくれていた狐の少女を思い出す。
彼女の献身ぷりは凄まじく、文字通りシレンの剣となり盾となり、共に戦った。
刀・コハルモエモエー、盾・コハルハアハア。
堅物のはずのシレンが、何を思ったかそう名付けたのは、風来人仲間には絶対明かせないシレンの秘密である。

(そーいや、この殺し合い、動物も巻き込まれてんだったな。コハルたちは大丈夫かな…
…ってあの子、店主と殴り合いできんだ。今の俺よりかは安全だな…)

と、ここでシレンが体も頭も動きを止めた。
何か、大切なことを忘れているような…
動物…一緒にいた…安否不明の…

「…そうだよ動物!コッパがいねえ!」

たまらずシレンが叫び声をあげる。
コッパとは、シレンが子供の頃から相棒としている語りイタチだ。
臭くて抜けててお調子者だが、どこか憎めない相棒。
初期は、動物の言葉も人間の言葉もわかる特技で活躍していたが…
最近では先のコハル(狐)や商人(狸)や宿屋(雀)や王子(バナナ)が
「普通に人間の言葉を話せる」ため、語りイタチの旨みが消えてきてる可哀想な相棒。
尻尾と耳が特徴的で、以外と毛もふかふかでつぶらな瞳の…

「…」
「そうそう、だいたいこんな感じの…相…棒…」
「…シマリスをいぢめるよりも先に相棒と呼んでくれるなんて、光栄なのでぃす」
「…誰だお前は!?」

【千代田区・江戸城付近/一日目・日中】
【シレン@風来のシレン】
【状態】:健康、満腹度100
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム品1~3(確認済み。武器の類は無し)
【思考】基本:参加者が全滅する前に主催者を倒し、邪神の復活を阻止する
1:語りリス…だと…?
2:冷静な行動を心がける
3:役立ちそうなアイテムを集める
4:コッパはいるのか?

【シマリス@ぼのぼの】
【状態】:健康
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム品1~3
【思考】基本:不明
1:不明だが、現時点ではシレンに攻撃する気はない


028:ももいろ☆ツインズ 投下順 030:過程と結末と望むモノ
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初登場! シレン 055:ぼのぐらしのなく頃に~秋葉原編~
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