依姫「いい加減桶から出てきなさい、そこの妖怪。
今回私たちが使う武器はこれよ。私達は一週間でこれをものにしなければならないわ」
キスメ「あ、あの……そんなに肩に力を入れなくても……」
今回私たちが使う武器はこれよ。私達は一週間でこれをものにしなければならないわ」
キスメ「あ、あの……そんなに肩に力を入れなくても……」
カードとカードを置く機械をキスメの前で広げて見せた依姫に返ってきたのは、
桶に体を半分隠しながら放たれた弱々しい声だった。
やる気が感じられない声に、依姫は眉をひそめる。
桶に体を半分隠しながら放たれた弱々しい声だった。
やる気が感じられない声に、依姫は眉をひそめる。
依姫「いいえ! このカードゲームに絡む格言として『カードは剣、デュエルディスクは盾』というものがあると聞きました。
ならば、このカードも十分に武器足りえるもの。訓練を欠かすわけにはいけない」
キスメ「…………えぇ?」
依姫「玉兎とは違う意味で難儀ね……いいけれど。
この私が特別に、地上の妖怪に月の訓練をしてあげましょう」
キスメ(な、なんか、寒気が……)
ならば、このカードも十分に武器足りえるもの。訓練を欠かすわけにはいけない」
キスメ「…………えぇ?」
依姫「玉兎とは違う意味で難儀ね……いいけれど。
この私が特別に、地上の妖怪に月の訓練をしてあげましょう」
キスメ(な、なんか、寒気が……)
その後の依姫の訓練は、想像を絶するものであった。
ルールの把握はもちろん、カードの引き方や置き方、その際の腕の振り方まで、
美しく軽やかに威勢よく行うことを要求された。
ルールの把握はもちろん、カードの引き方や置き方、その際の腕の振り方まで、
美しく軽やかに威勢よく行うことを要求された。
依姫「この際、貴方が桶から出ることは諦めるとしても。
ならばせめて、見えている上半身だけは穢れなく美しく振舞うのが筋というもの!
さぁ、私に続くのよ、私のターン! ドロー!」
キスメ「わ、わたしのターン、ドロー……」
ならばせめて、見えている上半身だけは穢れなく美しく振舞うのが筋というもの!
さぁ、私に続くのよ、私のターン! ドロー!」
キスメ「わ、わたしのターン、ドロー……」
~~~一週間後~~~
キスメ「し、試合の日……」
依姫「こそこそしない。何度も繰り返した訓練を思い出しなさい」
依姫「こそこそしない。何度も繰り返した訓練を思い出しなさい」
キスメの桶を掴んで鼻息も荒く試合会場へと入場する依姫。
そこで彼女を待っていたのは審判の早苗、対戦相手、そして……バイクだった。
そこで彼女を待っていたのは審判の早苗、対戦相手、そして……バイクだった。
依姫「この道具はいったい……」
早苗「あれ? 言いませんでしたっけ。今回行うのはライディングデュエル。
このD-ホイールに乗りながらカードゲームを行うんですよ?」
輝夜「ちゃんと私は、乗れるように髪をまとめて来たのに」
ルーミア「つるべ落としも桶から出てこれに乗らないとねー」
依姫「なん……だと……!?」
キスメ「え……桶は……」
早苗「脱げ(にっこり)」
依姫「ま、待ちなさい! この車輪とカードに何の関係もあるようには思えないわ」
早苗「Dホイールを走らせられない者には、自分の番は回ってこないんです!」
依姫「……どういう理屈なのかしら」
早苗「そういうルールだからです」
依姫「だからそのルールの理由は……」
早苗「そういうルールだからです!」
早苗「あれ? 言いませんでしたっけ。今回行うのはライディングデュエル。
このD-ホイールに乗りながらカードゲームを行うんですよ?」
輝夜「ちゃんと私は、乗れるように髪をまとめて来たのに」
ルーミア「つるべ落としも桶から出てこれに乗らないとねー」
依姫「なん……だと……!?」
キスメ「え……桶は……」
早苗「脱げ(にっこり)」
依姫「ま、待ちなさい! この車輪とカードに何の関係もあるようには思えないわ」
早苗「Dホイールを走らせられない者には、自分の番は回ってこないんです!」
依姫「……どういう理屈なのかしら」
早苗「そういうルールだからです」
依姫「だからそのルールの理由は……」
早苗「そういうルールだからです!」
その後、バイクに乗れなかったキスメには一回もプレイすることはできず、
一人で戦う羽目になった依姫は輝夜とルーミアにフルボッコにされた。
一人で戦う羽目になった依姫は輝夜とルーミアにフルボッコにされた。