19スレ第20戦(2) - 東方ファイトスレ @まとめウィキ

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ある朝早くの事である。
八坂神社の勝手口に数人の人影が集まっていた。
緑髪の少女は、人数が集まったことを確認すると大きく息を吸い込み、勝手口を叩きだす。
ドンドンドン！
映姫「東風谷さん！おはよう御座います！四季映姫です！開けてください！」
ドンドンドン！
ぱたぱたぱた、かちゃかちゃ、がちゃり
早苗「ふぁいなんですかこんな朝はｙ」
ばんっ！
妹紅「捜せぇ！」
早苗「きゃあ！」
どかどかどか
慧音「ま、まて妹紅まだ令状が･･･」
パチュリー「私たちもさっさと捜すわよ」
輝夜「どんなのが出てくるか楽しみねえ」
早苗「な、なんですかいきなり！ちょっと！」
映姫「おはよう御座います東風谷早苗さん。朝早くから申し訳ありませんが、これから神社を家宅捜索させて頂きます。
　　　　こちらが東方ファイト実行委員会発行の捜索差押さえ令状です」
早苗「かた･･･そんな！私鉄砲とか覚せい剤とかそんな後ろめたい物は持ってません！」
映姫「いえ、捜索するのは貴女が大量に隠匿しているらしい男性同士の恋愛を描いた本です」
早苗「っ！わ、わたしそんな物持ってなんか･･･」
妹紅「あったぞ慧音！」
妹紅の声を聞いた早苗は脱兎も真っ青な勢いで声のした部屋へと向かった。
妹紅が家捜ししていたのは事もあろうに早苗の寝室だった。
押入れから段ボール箱を出し、中を物色している。
早苗「やめて下さい！」
妹紅「あ？今私は機嫌が悪いんだが」
慧音「妹紅、いくらなんでもガラが悪すぎるぞ･･･」
早苗「どうしてもやめないというなら実力を行使します。奇跡『神の風』！」
しーん･･･
早苗「あ、あれ？」
映姫「妨害されるといけませんので申し訳ありませんが、貴女の人と神の白黒を付けさせてもらいました。
　　　　これで貴女はただの人間です。私たちに歯向かう術はありません」
早苗「そ、そんなあ･･･」
へたへたと座り込む早苗。
目にはうっすらと涙がたまっているがそんなことはお構いなしに捜索は続く。

輝夜「みーつけた、勉強机の引き出しの裏。うはあ、これはなかなか･･･」
パチュリー「天井裏にもあったわ。まったく、同人誌とはいえあんなところに隠すなんて本が傷むじゃない」
慧音「･･･見つからない」

そこへにゅっと早苗が祀っている神達が寝ぼけ眼でやってきた。
神奈子「なんだいこんな朝早く･･･」
諏訪子「昨日は夜まで宴会で寝たの朝方なんだから･･･」
早苗「八坂様あ！洩矢様あ！なんとかしてくださいぃ！」
映姫「おはよう御座います。東方ファイトで家宅捜査をさせていただいてます」
神奈子「おや閻魔様、おはよう。で、家宅捜査だって？」
諏訪子「早苗、まさかいけない薬とか･･･」
早苗「やってません！」
映姫「捜しているのは早苗さんが所有している、いわゆるボーイズラブの同人誌です」
神奈子「なんだそんなものか。それなら早苗のベッドの下にたくｓ」
早苗「わーわー！八坂様！」
両手を振り回し神奈子の口を塞ごうとする早苗、だが時は既に絶望的に遅すぎた。
捜索していた四人が一斉に早苗のベッドに群がり、引き出しを引っこ抜くと我先にとそこに仕舞われていたものを確保していく。
妹紅「うほっ、こんなにありやがらあ」
慧音「なんて不純な･･･」
輝夜「見かけによらず好きなのねえ」
パチュリー「私でもここまでは･･･」

かくして早苗の受難の時は過ぎ、集計へと移る。

文「いやあ、これはこれは･･･実に興味深い･･･なるほどこんな世界が･･･」
一冊ずつ写真を撮りながら、射命丸が両ペアの戦果を数えていく。
文「えーと、ぱちぇてるチーム、一般向け18冊、R指定6冊の計48ポイントですね。けねもこチームが一般向け5冊のR指定8冊で45ポイント。
　　他にもドラマCDやゲームが出てきましたが、今回はあくまで同人誌での勝負なのでノーカウントです」
映姫「集計できましたね。48対45でパチュリー・輝夜チームの勝利です。東風谷さん、ご協力ありがとう御座いました。こちらはお返しいたします」
輝夜「でも見つからなかったわねえ、あの子の描いた本」
パチュリー「あるいはそこまでではなかったのかしら･･･だとしたら期待はずれだわ」

37冊の同人誌を真っ白になっている早苗に手渡し、6人は八坂神社を後にした。

結果：パチュリー･輝夜チームの勝ち

しばらくして･･･
涙目になりながら早苗は同人誌たちを元の場所に戻すが、終わったとたんに大きなため息を吐き、ベッドのマッドレスをひっくり返す。
そこにあったファスナーを開け、中の大切なお宝達を取り出す。
出てきたのは、本当に大切にしている同人誌たちと早苗の可愛い創作物たちだった。
因みに殆どがR指定である。
「危なかったあ。でも流石にマットレスの中という発想はなかったみたいね」

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