慧音「やはり妹紅も年頃の娘、華のある衣装がよく似合う」
妹紅「……うん、ありがとう……」
慧音「しかし驚いたな、妹紅が輝夜と添い遂げる気になったとは」
妹紅「わ、私だって別にそんなつもりじゃ……」
慧音「だが実のところ、悪からず思っているのだろう?」
妹紅「そりゃぁ、一応、永い付き合いでもあるし……」
慧音「以前の妹紅なら、輝夜から恋の詩が届いた時点で憤慨していたろうな」
妹紅「そう、だけどさ……だからってこの服から何から一式送って寄越す?」
慧音「あちらも相応の心尽くしをしようとしているのだ」
妹紅「でもほら、東方ファイトの指定でもあるし、何か裏が――」
慧音「妹紅」
妹紅「っ……う、うん」
慧音「これから伴侶となる相手を、そう悪し様に言う物ではない」
妹紅「でも……」
慧音「余りに永く憎み続けたのだ、それが尾を引く気持ちは解らんでもない。
だが時が過ぎれば憎しみも薄れよう。仮令それに千年を要したとしてもだ」
妹紅「……うん」
慧音「あちらは我侭な姫様だ、この先を思って不安になる気持ちもあるだろうが……
ま、めおとという物は互いに支え合って成り立つ物、一人で悩む物ではないさ」
妹紅「……うん。ありがとう、慧音」
慧音「礼には及ばん。私は教師、前に進む者を見ると餞がしたくなるのさ」
妹紅「それでも……ありがとう」
慧音「ふふふ、それでは仕上げに化粧をしてやらなければな」
妹紅「あれ、そんな色粉あったっけ?」
慧音「永遠亭から届いた物の中にあったんだ。目元に塗ると良いらしい」
妹紅「目元……?駄目だよ慧音、それがきっとあの薬師が作った薬で――」
慧音「……妹紅。疑う心からは何も生まれない。苦しくても、信じる事が大事な時がある」
妹紅「う……うぅ……」
慧音「私が指につけて塗れば、まず私の指に何か変化があるだろうさ」
妹紅「……わかったよ。じゃあ慧音、おねがい」
慧音「ああ。しかしごく薄い紫色とは、また雅なものを寄越すな」
妹紅「そういう感性をもっと他に活かせばよかったのに……」
慧音「妹紅」
妹紅「……ごめん」
慧音「よし、終わったぞ。鏡を見てみるといい」
妹紅「うん……うわっ、なんか……今更だけど凄く恥ずかしいんだけど……」
慧音「はっはっはっ、一生一度だ、思う存分今の感覚を楽しんでおくといい」
妹紅「……うん、ありがとう……」
慧音「しかし驚いたな、妹紅が輝夜と添い遂げる気になったとは」
妹紅「わ、私だって別にそんなつもりじゃ……」
慧音「だが実のところ、悪からず思っているのだろう?」
妹紅「そりゃぁ、一応、永い付き合いでもあるし……」
慧音「以前の妹紅なら、輝夜から恋の詩が届いた時点で憤慨していたろうな」
妹紅「そう、だけどさ……だからってこの服から何から一式送って寄越す?」
慧音「あちらも相応の心尽くしをしようとしているのだ」
妹紅「でもほら、東方ファイトの指定でもあるし、何か裏が――」
慧音「妹紅」
妹紅「っ……う、うん」
慧音「これから伴侶となる相手を、そう悪し様に言う物ではない」
妹紅「でも……」
慧音「余りに永く憎み続けたのだ、それが尾を引く気持ちは解らんでもない。
だが時が過ぎれば憎しみも薄れよう。仮令それに千年を要したとしてもだ」
妹紅「……うん」
慧音「あちらは我侭な姫様だ、この先を思って不安になる気持ちもあるだろうが……
ま、めおとという物は互いに支え合って成り立つ物、一人で悩む物ではないさ」
妹紅「……うん。ありがとう、慧音」
慧音「礼には及ばん。私は教師、前に進む者を見ると餞がしたくなるのさ」
妹紅「それでも……ありがとう」
慧音「ふふふ、それでは仕上げに化粧をしてやらなければな」
妹紅「あれ、そんな色粉あったっけ?」
慧音「永遠亭から届いた物の中にあったんだ。目元に塗ると良いらしい」
妹紅「目元……?駄目だよ慧音、それがきっとあの薬師が作った薬で――」
慧音「……妹紅。疑う心からは何も生まれない。苦しくても、信じる事が大事な時がある」
妹紅「う……うぅ……」
慧音「私が指につけて塗れば、まず私の指に何か変化があるだろうさ」
妹紅「……わかったよ。じゃあ慧音、おねがい」
慧音「ああ。しかしごく薄い紫色とは、また雅なものを寄越すな」
妹紅「そういう感性をもっと他に活かせばよかったのに……」
慧音「妹紅」
妹紅「……ごめん」
慧音「よし、終わったぞ。鏡を見てみるといい」
妹紅「うん……うわっ、なんか……今更だけど凄く恥ずかしいんだけど……」
慧音「はっはっはっ、一生一度だ、思う存分今の感覚を楽しんでおくといい」
鈴仙「こちら鈴仙、ターゲットは例の物を使いました」
輝夜『それじゃ早速、閻魔様を呼んであげて頂戴』
てゐ「はいは~い。審判さんいらっしゃ~い」
映姫「呼ぶならこそこそせずに大きな声を出しなさい」
慧音「ん、誰か居るのか?」
妹紅「いっ!?か、隠れないと……」
映姫「東方ファイト審判の四季映姫です。
隠れる事はありません、よく似合っていますよ、藤原妹紅」
妹紅「あうあう」
慧音「それで審判殿が何の用かな?」
映姫「蓬莱山輝夜のファイト勝利を確認に来たのです。
ふむふむ……よろしい、本日のファイトは蓬莱山輝夜の勝ちです」
慧音「どういう事だ?」
鈴仙・てゐ「「(そ~っとそ~っと)」」
映姫「何処に行くのですか、まだファイトは終わっていませんよ」
鈴仙「(びくっ)で、でも私達はただの伝令ですし……」
てゐ「今回の策には全く関係ないウサ」
慧音「……策だと?聞き捨てならんな」
映姫「なに、事が成った今、隠す程の事ではありません。
あなたが先程塗った色粉、それがジュウニヒトエの花から作った物だというだけの事」
妹紅「……ジュウニヒトエの色粉を塗ったから、ジュウニヒトエ瞼?」
映姫「そう解釈しました。十重二十重に斬り合う結果にならず安堵しています」
慧音「ほほぅ……そういう事か……」
鈴仙「ちちち違うんですっ!これは全部ひめ……てゐが!てゐが考えた事で!」
てゐ「ウサーッ!?何てこと言うのよ鈴仙!勝手に人を悪者にしないで!」
慧音「なに、安心しろ。お前達を断罪するつもりはない。ないが……」
鈴仙・てゐ「「(ごくり)」」
慧音「……妹紅の乙女心を裏切ったとなれば、話は別だ。そうではなかろう?」
鈴仙・てゐ「「(こくこくこくこく)」」
慧音「では主に、式の方はつつがなく進めるよう伝えてくれ」
鈴仙・てゐ「「わっかりましたぁ~ッ!(脱兎)」」
妹紅「……こんな事だろうと思ったよ……」
映姫「……このまま終われば一時の夢ですが……夢を真にするために努力するのが人」
慧音「その通りだ。妹紅、私に任せておけ、悪いようにはしない……いや、させないさ!」
妹紅「……(なんでこんな『頼れるお父さん』みたいないい笑顔してるんだろう……)」
輝夜『それじゃ早速、閻魔様を呼んであげて頂戴』
てゐ「はいは~い。審判さんいらっしゃ~い」
映姫「呼ぶならこそこそせずに大きな声を出しなさい」
慧音「ん、誰か居るのか?」
妹紅「いっ!?か、隠れないと……」
映姫「東方ファイト審判の四季映姫です。
隠れる事はありません、よく似合っていますよ、藤原妹紅」
妹紅「あうあう」
慧音「それで審判殿が何の用かな?」
映姫「蓬莱山輝夜のファイト勝利を確認に来たのです。
ふむふむ……よろしい、本日のファイトは蓬莱山輝夜の勝ちです」
慧音「どういう事だ?」
鈴仙・てゐ「「(そ~っとそ~っと)」」
映姫「何処に行くのですか、まだファイトは終わっていませんよ」
鈴仙「(びくっ)で、でも私達はただの伝令ですし……」
てゐ「今回の策には全く関係ないウサ」
慧音「……策だと?聞き捨てならんな」
映姫「なに、事が成った今、隠す程の事ではありません。
あなたが先程塗った色粉、それがジュウニヒトエの花から作った物だというだけの事」
妹紅「……ジュウニヒトエの色粉を塗ったから、ジュウニヒトエ瞼?」
映姫「そう解釈しました。十重二十重に斬り合う結果にならず安堵しています」
慧音「ほほぅ……そういう事か……」
鈴仙「ちちち違うんですっ!これは全部ひめ……てゐが!てゐが考えた事で!」
てゐ「ウサーッ!?何てこと言うのよ鈴仙!勝手に人を悪者にしないで!」
慧音「なに、安心しろ。お前達を断罪するつもりはない。ないが……」
鈴仙・てゐ「「(ごくり)」」
慧音「……妹紅の乙女心を裏切ったとなれば、話は別だ。そうではなかろう?」
鈴仙・てゐ「「(こくこくこくこく)」」
慧音「では主に、式の方はつつがなく進めるよう伝えてくれ」
鈴仙・てゐ「「わっかりましたぁ~ッ!(脱兎)」」
妹紅「……こんな事だろうと思ったよ……」
映姫「……このまま終われば一時の夢ですが……夢を真にするために努力するのが人」
慧音「その通りだ。妹紅、私に任せておけ、悪いようにはしない……いや、させないさ!」
妹紅「……(なんでこんな『頼れるお父さん』みたいないい笑顔してるんだろう……)」