映姫「今日の勝負ですが、筆下ろしをしていただきます、が、茨木華扇、ちょっと待ちなさい」
華扇「……バレてましたか」
映姫「最初から糊で固められていない筆を用意するのは無効です。筆はこちらで用意したものを使いなさい」
華扇「うちの馬の尻尾の毛で作った、とびきり上等の筆なんですけどね」
華扇「……バレてましたか」
映姫「最初から糊で固められていない筆を用意するのは無効です。筆はこちらで用意したものを使いなさい」
華扇「うちの馬の尻尾の毛で作った、とびきり上等の筆なんですけどね」
映姫「で、対戦相手のパチュリーですが……」
パチェ「何かしら?」(ドヤ顔)
映姫「……いつもの服の上に、胸に腹巻きを巻いているというのは、流石に見苦しくないですか?」
パチェ「胸を気にして勝負にならないよりは万倍マシでしょ」
映姫「ええ、まあ本人がいいと言うならいいんですが」
パチェ「何かしら?」(ドヤ顔)
映姫「……いつもの服の上に、胸に腹巻きを巻いているというのは、流石に見苦しくないですか?」
パチェ「胸を気にして勝負にならないよりは万倍マシでしょ」
映姫「ええ、まあ本人がいいと言うならいいんですが」
華扇「しかし、筆下ろしで勝負というのはどうやってやるのですか? 速さでも競うのでしょうか?」
映姫「そう、速さで勝負です。ただし、使う筆はこちらになります」
パチェ「普通の筆みたいだけど……?」
映姫「まあ、見た目にはそうですね……二人とも持ちましたね? それでは、始めてください」
映姫「そう、速さで勝負です。ただし、使う筆はこちらになります」
パチェ「普通の筆みたいだけど……?」
映姫「まあ、見た目にはそうですね……二人とも持ちましたね? それでは、始めてください」
勝負開始と同時、パチュリーと華扇は、筆の仕様に気付く。
華扇「何ですかこれ、異様に固い……?」
パチェ「糊に仕掛けがあるようね……ていうかこれ、接着剤じゃないの?」
パチェ「糊に仕掛けがあるようね……ていうかこれ、接着剤じゃないの?」
普通に水につけて筆先をほぐそうとしても、なかなかほぐれようとしない。
そこで二人は、お湯を使うことにした。
パチュリーは、魔法で水と生み出し、炎でそれを熱して沸騰させた。
華扇は、子龍を呼び出して大雨を降らせて鍋に汲み、子龍の吐いた炎で熱して沸騰させた。
そうすると、筆を固めていた接着剤が溶け出した……が。
そこで二人は、お湯を使うことにした。
パチュリーは、魔法で水と生み出し、炎でそれを熱して沸騰させた。
華扇は、子龍を呼び出して大雨を降らせて鍋に汲み、子龍の吐いた炎で熱して沸騰させた。
そうすると、筆を固めていた接着剤が溶け出した……が。
華扇「うわ、なんですかこれ、すぐに鍋の中が真っ白に……」
接着剤の量が尋常ではなかった。
実はこの筆、筆の中の距離を操って、中に大量の接着剤を仕込んでいたのだ。
そうすると、接着剤を全部溶かすためには、大量の水が必要になる。
ここで、二人の手段に差が出てしまった。
パチュリーは、古いお湯を捨てて、新しい水を魔術で作り出せば済んだ。
だが華扇は、新しい水を出すためだけに、わざわざ子龍を操らねばならなかった。
ほんの少しの手間の違いではあったが、そこが勝負の分かれ道。
結局そのまま、両者とも根気良く筆をほぐし続けて、パチュリーの勝負になったのだった。
実はこの筆、筆の中の距離を操って、中に大量の接着剤を仕込んでいたのだ。
そうすると、接着剤を全部溶かすためには、大量の水が必要になる。
ここで、二人の手段に差が出てしまった。
パチュリーは、古いお湯を捨てて、新しい水を魔術で作り出せば済んだ。
だが華扇は、新しい水を出すためだけに、わざわざ子龍を操らねばならなかった。
ほんの少しの手間の違いではあったが、そこが勝負の分かれ道。
結局そのまま、両者とも根気良く筆をほぐし続けて、パチュリーの勝負になったのだった。
映姫「仙人らしさにこだわった、それがあなたの失敗よ」
華扇「はい?」
映姫「普通に水道使ったほうが早かったでしょうが」
華扇「あっ」
華扇「はい?」
映姫「普通に水道使ったほうが早かったでしょうが」
華扇「あっ」