妖夢「共闘、ですか?」
鈴仙「どういう風の吹き回し?まさか物騒な名前に恐れをなした……なんて言わないわよね?」
霊夢「詳しい事は早苗が説明してくれるわ」
早苗「はい、『人類種の天敵』は人型ロボットを操る傭兵です」
鈴仙「ロボット?ヒソウテンソクとか?」
妖夢「あれは結局風船でしたよね」
早苗「あれとは違います。強いて言えばアリスさんのゴリアテが近いのですが、火力が破格です」
アリス「火力と大きさは単純に比例はしないけど、ゴリアテと比べて破格なんて無茶ね」
早苗「何より……」
霊夢「ほら、最後まで言いなさいよ」
早苗「……『人類種の天敵』の名前が示す通り、『殺し』に抵抗感がありません」
妖夢・鈴仙・アリス「「……」」
霊夢「物騒な事にならないように『弾幕ごっこ』のルールまで作ったってのに」
アリス「でも待って、どうしてそんな厄介な物が幻想郷に漂着するの?」
早苗「外の世界ではよくある事なんです。新作が出た時に、旧作の辿る運命は様々です。
恐らくはアーマード・コアの新作が出たために意識が新作に集まり過ぎ……」
鈴仙「結果、旧作が幻想入りしかけている……と」
早苗「そこまで極端ではないにせよ、境界が曖昧になっている可能性はあります」
妖夢「……あの、それで……どうやってそんな物騒な物を倒すんですか?」
霊夢「毒をもって毒を制する。その方法も早苗が教えてくれたわ」
早苗「私の案でもありませんが……要するに、他の旧作の力を借ります。
パイロットの居ない機体なら、博麗大結界を越える時に乗っ取れます」
アリス「それに妖精を乗せて、私の魔法糸で機体と繋ぐのよ。
既に隊長機としてチルノ搭載型を完成させてあるわ」
霊夢「それで、妖夢にはアリスの直掩、鈴仙には戦域一帯の撹乱をお願いしたいのよ」
鈴仙「貴女は何をするの?」
霊夢「博麗大結界を二重結界化する」
妖夢「二重……結界の強化ですか?」
霊夢「違うわ。外界と幻想郷で一枚、幻想郷と戦域で二枚、大結界を張るの」
アリス「結界に綻びがあって他のが来たら困るものね」
早苗「でもそれはこちらも同じです」
鈴仙「最初に結界を越えて持ち込んだ以上の戦力は使えない……か」
アリス「そういう事。戦術レベルはチルノに任せるけど、戦略レベルは私が直に指揮するわ」
妖夢「その直掩って……狙われたらどうしようも無いような……」
霊夢「ま、何とかなるわよ」
早苗「皆さんへの信頼ですか?」
霊夢「勘よ」
鈴仙「どういう風の吹き回し?まさか物騒な名前に恐れをなした……なんて言わないわよね?」
霊夢「詳しい事は早苗が説明してくれるわ」
早苗「はい、『人類種の天敵』は人型ロボットを操る傭兵です」
鈴仙「ロボット?ヒソウテンソクとか?」
妖夢「あれは結局風船でしたよね」
早苗「あれとは違います。強いて言えばアリスさんのゴリアテが近いのですが、火力が破格です」
アリス「火力と大きさは単純に比例はしないけど、ゴリアテと比べて破格なんて無茶ね」
早苗「何より……」
霊夢「ほら、最後まで言いなさいよ」
早苗「……『人類種の天敵』の名前が示す通り、『殺し』に抵抗感がありません」
妖夢・鈴仙・アリス「「……」」
霊夢「物騒な事にならないように『弾幕ごっこ』のルールまで作ったってのに」
アリス「でも待って、どうしてそんな厄介な物が幻想郷に漂着するの?」
早苗「外の世界ではよくある事なんです。新作が出た時に、旧作の辿る運命は様々です。
恐らくはアーマード・コアの新作が出たために意識が新作に集まり過ぎ……」
鈴仙「結果、旧作が幻想入りしかけている……と」
早苗「そこまで極端ではないにせよ、境界が曖昧になっている可能性はあります」
妖夢「……あの、それで……どうやってそんな物騒な物を倒すんですか?」
霊夢「毒をもって毒を制する。その方法も早苗が教えてくれたわ」
早苗「私の案でもありませんが……要するに、他の旧作の力を借ります。
パイロットの居ない機体なら、博麗大結界を越える時に乗っ取れます」
アリス「それに妖精を乗せて、私の魔法糸で機体と繋ぐのよ。
既に隊長機としてチルノ搭載型を完成させてあるわ」
霊夢「それで、妖夢にはアリスの直掩、鈴仙には戦域一帯の撹乱をお願いしたいのよ」
鈴仙「貴女は何をするの?」
霊夢「博麗大結界を二重結界化する」
妖夢「二重……結界の強化ですか?」
霊夢「違うわ。外界と幻想郷で一枚、幻想郷と戦域で二枚、大結界を張るの」
アリス「結界に綻びがあって他のが来たら困るものね」
早苗「でもそれはこちらも同じです」
鈴仙「最初に結界を越えて持ち込んだ以上の戦力は使えない……か」
アリス「そういう事。戦術レベルはチルノに任せるけど、戦略レベルは私が直に指揮するわ」
妖夢「その直掩って……狙われたらどうしようも無いような……」
霊夢「ま、何とかなるわよ」
早苗「皆さんへの信頼ですか?」
霊夢「勘よ」
戦闘は熾烈を極めた。
鈴仙によるジャミングが奏功し、敵性ACである『人類種の天敵』は索敵範囲が極端に低下、
一方で見えざる魔法糸によるリンクで戦略司令塔であるアリスには全体の情報が集まる。
青をベースカラーにした⑨ボールことナインボール・セラフの超機動と超火力、
加えて一般妖精達による量産型ナインボール・セラフという圧倒的な物量。
これらを持ってしても、『人類種の天敵』の機体と技量を上回るには至らなかった。
最後は妖夢の援護と鈴仙の撹乱を信じたアリスが自らを囮に攻撃を引き付けゴリアテで凌ぎ、
それによって生じた隙を突いて、チルノと一緒に乗っていた大妖精が機体ごとのテレポートを敢行、
全弾発射と同時にバリアを用いた体当たりという万歳突撃により相打ちとなった。
鈴仙によるジャミングが奏功し、敵性ACである『人類種の天敵』は索敵範囲が極端に低下、
一方で見えざる魔法糸によるリンクで戦略司令塔であるアリスには全体の情報が集まる。
青をベースカラーにした⑨ボールことナインボール・セラフの超機動と超火力、
加えて一般妖精達による量産型ナインボール・セラフという圧倒的な物量。
これらを持ってしても、『人類種の天敵』の機体と技量を上回るには至らなかった。
最後は妖夢の援護と鈴仙の撹乱を信じたアリスが自らを囮に攻撃を引き付けゴリアテで凌ぎ、
それによって生じた隙を突いて、チルノと一緒に乗っていた大妖精が機体ごとのテレポートを敢行、
全弾発射と同時にバリアを用いた体当たりという万歳突撃により相打ちとなった。
霊夢「……お疲れ様」
アリス「流石に十分な余力を残して、とはいかなかったわね」
妖夢「私達三人の他に生存者なし、でしたからね」
鈴仙「まああの爆発じゃパイロットも無事じゃ済まないわよ……」
霊夢「そうでもないわ、無事外の世界に戻ったみたいよ」
妖夢「どういう意味ですか?」
霊夢「言葉の通りよ。最後の最後で、結界に紫の力が干渉してきたわ」
鈴仙「じゃあ、助かったんだ」
アリス「どちらにしても喜べない話だと思うけど」
早苗「いえ、作品世界に戻った訳ですから、二度目は無いと思います……多分」
妖夢「それで、どうしてそんなに不満そうなんですか?」
霊夢「べーつにー」
アリス「流石に十分な余力を残して、とはいかなかったわね」
妖夢「私達三人の他に生存者なし、でしたからね」
鈴仙「まああの爆発じゃパイロットも無事じゃ済まないわよ……」
霊夢「そうでもないわ、無事外の世界に戻ったみたいよ」
妖夢「どういう意味ですか?」
霊夢「言葉の通りよ。最後の最後で、結界に紫の力が干渉してきたわ」
鈴仙「じゃあ、助かったんだ」
アリス「どちらにしても喜べない話だと思うけど」
早苗「いえ、作品世界に戻った訳ですから、二度目は無いと思います……多分」
妖夢「それで、どうしてそんなに不満そうなんですか?」
霊夢「べーつにー」
渾身の博麗二重結界を通り抜けて、紫はパイロットを助け出した。
逆に言えば、最初から紫一人で問題が解決できたという事でもある。
そこに気付いた時、霊夢の頭に浮かんだのは――
霊夢「(別にこんな難題なんて仕立てて貰わなくても、幻想郷の危機は私達で何とかするわよ)」
――紫が、霊夢達を鍛える目的で敢えて無茶な状況を作り出したのではないかという疑念だった。
霊夢「……(問い質しても、とぼけるだけなんだろうなぁ……)」
それならそれで仕方が無い、何にせよ今度聞いてやる。
依頼元の藍もグルだろう。そういえば共闘はドロー扱いで結局報酬もなかった。
せめて報酬はあっても良いんじゃないか、そんな事を考える霊夢だった。
逆に言えば、最初から紫一人で問題が解決できたという事でもある。
そこに気付いた時、霊夢の頭に浮かんだのは――
霊夢「(別にこんな難題なんて仕立てて貰わなくても、幻想郷の危機は私達で何とかするわよ)」
――紫が、霊夢達を鍛える目的で敢えて無茶な状況を作り出したのではないかという疑念だった。
霊夢「……(問い質しても、とぼけるだけなんだろうなぁ……)」
それならそれで仕方が無い、何にせよ今度聞いてやる。
依頼元の藍もグルだろう。そういえば共闘はドロー扱いで結局報酬もなかった。
せめて報酬はあっても良いんじゃないか、そんな事を考える霊夢だった。