「ふぅん。面白いじゃない。私もあなたたちとは勝負したいと思ってたの。どうせこっちが勝つだろうけど」
「へぇ、たかだか吸血鬼ごときが本気で勝てると思ってるの?千年早いわよ」
試合前からヒートするレミリアと輝夜。この勝負で、幻想郷でどちらがより強い力を持っているのか証明される。
絶対に負けられない。お互いにそういう思いがあった。
だが…
「というわけであたいが審判するわねっ!」
審判はまさかのチルノだった。両陣営とも、すでに不安が半端なかった。
「へぇ、たかだか吸血鬼ごときが本気で勝てると思ってるの?千年早いわよ」
試合前からヒートするレミリアと輝夜。この勝負で、幻想郷でどちらがより強い力を持っているのか証明される。
絶対に負けられない。お互いにそういう思いがあった。
だが…
「というわけであたいが審判するわねっ!」
審判はまさかのチルノだった。両陣営とも、すでに不安が半端なかった。
紅魔館 VS 永遠亭
種目:600mリレー
種目:600mリレー
「いい?イナバ。どんな手を使ってでも勝つのよ!」
「咲夜、本気でいきなさい!」
輝夜とレミリアからの激励がとぶ。第一走者は優曇華と咲夜だった。
審判の「スタート!」の合図とともに走り出す両名。
咲夜の方が速い。メイド長直伝のカカトを地につけないサンドマン走りで、人間とは思えないスピードを出していた。
大きく遅れている優曇華。ここで永琳の喝が入る。
「咲夜、本気でいきなさい!」
輝夜とレミリアからの激励がとぶ。第一走者は優曇華と咲夜だった。
審判の「スタート!」の合図とともに走り出す両名。
咲夜の方が速い。メイド長直伝のカカトを地につけないサンドマン走りで、人間とは思えないスピードを出していた。
大きく遅れている優曇華。ここで永琳の喝が入る。
「ウドンゲー。ここで負けたら新薬「ハイポーション」の実験台にするわよー」
その言葉を聞いて、優曇華は必死に追い上げる。
新薬「ハイポーション」とは一体…!?
しかし追いつくことは敵わず、大きくリードを許したまま第二走者にバトンを渡した。
第二走者はてゐと小悪魔。
新薬「ハイポーション」とは一体…!?
しかし追いつくことは敵わず、大きくリードを許したまま第二走者にバトンを渡した。
第二走者はてゐと小悪魔。
「全く情けないウサギね。このてゐ様の素晴らしい走りを見習うがいい!」
実際てゐは速かった。千年以上前から鍛えてきた逃げ足の速さは伊達じゃない!
あっという間に距離を詰めて、小悪魔の真後ろについた。
「念のため、さらに駄目押しをしておこう」
そう言うとてゐは、小悪魔の尻に座薬をズボォッと詰め込んだ!
盗賊顔負けの早業なので、誰にも確認することは出来なかった。
小悪魔がお尻を押さえてつらそうにしている間に悠々と次の走者にバトンを渡すてゐ。少し遅れて小悪魔。
実際てゐは速かった。千年以上前から鍛えてきた逃げ足の速さは伊達じゃない!
あっという間に距離を詰めて、小悪魔の真後ろについた。
「念のため、さらに駄目押しをしておこう」
そう言うとてゐは、小悪魔の尻に座薬をズボォッと詰め込んだ!
盗賊顔負けの早業なので、誰にも確認することは出来なかった。
小悪魔がお尻を押さえてつらそうにしている間に悠々と次の走者にバトンを渡すてゐ。少し遅れて小悪魔。
第三走者は慧音と美鈴だ。
永遠亭が若干リードしていたが、流石に中国拳法相手に歴史の先生が敵うはずもなかった。
だんだんと距離を詰めていく美鈴。
しかし、ここで外野の輝夜が永夜返しを発動。
時間はあっという間に進み、満月の夜となった。
そして獣人に変身した慧音は圧倒的なスピードで美鈴から距離を放す。
パチュリーが「反則よ!」と声を上げるが、チルノはバカなので夜になったことにも気付いていない。
結局、永遠亭が更にリードをして第四走者にバトンを渡した。大きく遅れて美鈴。
第四走者は永琳とパチュリー。
永遠亭が若干リードしていたが、流石に中国拳法相手に歴史の先生が敵うはずもなかった。
だんだんと距離を詰めていく美鈴。
しかし、ここで外野の輝夜が永夜返しを発動。
時間はあっという間に進み、満月の夜となった。
そして獣人に変身した慧音は圧倒的なスピードで美鈴から距離を放す。
パチュリーが「反則よ!」と声を上げるが、チルノはバカなので夜になったことにも気付いていない。
結局、永遠亭が更にリードをして第四走者にバトンを渡した。大きく遅れて美鈴。
第四走者は永琳とパチュリー。
パチュリーは喘息持ちで体が弱い魔法使いなので、圧倒的に不利かと思われた。
しかしここでパチュリーは予想外の行動にでる。
しかしここでパチュリーは予想外の行動にでる。
「あなたの魔法、借りるわね。魔理沙」
パチュリーは真後ろにマスタースパークを放ったのだ。
マスタースパークの推進力で一気に追い抜いたパチュリー。
もちろん反則だが、チルノはバカなのでスルーして「綺麗だね」とか言っている。
だがここで永琳が本気を出した。
そして次の瞬間、永琳が目の前から消えた。
マスタースパークの推進力で一気に追い抜いたパチュリー。
もちろん反則だが、チルノはバカなのでスルーして「綺麗だね」とか言っている。
だがここで永琳が本気を出した。
そして次の瞬間、永琳が目の前から消えた。
気づいたら、既に輝夜にバトンが渡っていた。
まさかの瞬間移動に唖然とする紅魔館メンバー。
「よくやったわ永琳!」
第五走者の輝夜が走り出す。
パチュリーも第五走者のレミリアにバトンを渡すが、かなり遅れていた。
だが普段動かない輝夜は、どんなに頑張っても人間並みのスピードしか出せなかった。
一方、レミリアは絶好調で神速の如きスピードで走っていた。
「時間を夜にしたのは致命的なミスだったわね。夜は私たちの時間よ」
なにより日傘を差さなくてもよくなったというメリットは大きい。
ついでに満月の力が吸血鬼に更なるパワーを与えていた。
しかし輝夜は不敵に笑う。
「何がおかしいの?あなたたちが負けるのは確定事項なのに」
「いいや、私たちは勝つわ。いけすかないけど、一番信頼できるやつが最後に残っているからね」
輝夜とレミリアが同着でバトンを渡す。
「よくやったわ永琳!」
第五走者の輝夜が走り出す。
パチュリーも第五走者のレミリアにバトンを渡すが、かなり遅れていた。
だが普段動かない輝夜は、どんなに頑張っても人間並みのスピードしか出せなかった。
一方、レミリアは絶好調で神速の如きスピードで走っていた。
「時間を夜にしたのは致命的なミスだったわね。夜は私たちの時間よ」
なにより日傘を差さなくてもよくなったというメリットは大きい。
ついでに満月の力が吸血鬼に更なるパワーを与えていた。
しかし輝夜は不敵に笑う。
「何がおかしいの?あなたたちが負けるのは確定事項なのに」
「いいや、私たちは勝つわ。いけすかないけど、一番信頼できるやつが最後に残っているからね」
輝夜とレミリアが同着でバトンを渡す。
「いくのよ妹紅…っ!貴方がナンバーワンよっ!」
バトンが最後の走者である妹紅とフランに渡る。
「まさか、宿敵であるお前にそんなことを言われるとはな」
妹紅とフランが走り出す。最後は小細工なしの一本勝負だ。
「まさか本気で人間ごときがフランのスピードに敵うと思ってるの?」
嘲笑するレミリア。だが輝夜は揺るがない。
「あいつを普通の人間だと思っているの?」
「まさか、宿敵であるお前にそんなことを言われるとはな」
妹紅とフランが走り出す。最後は小細工なしの一本勝負だ。
「まさか本気で人間ごときがフランのスピードに敵うと思ってるの?」
嘲笑するレミリア。だが輝夜は揺るがない。
「あいつを普通の人間だと思っているの?」
永琳は思った。
姫が最後の走者を私ではなく妹紅に任せたのは、誰よりも妹紅を認めているから。
しかし相手は吸血鬼、いくらなんでも分が悪すぎる。
一体姫は何を考えているというの…?
姫が最後の走者を私ではなく妹紅に任せたのは、誰よりも妹紅を認めているから。
しかし相手は吸血鬼、いくらなんでも分が悪すぎる。
一体姫は何を考えているというの…?
案の定、フランの方がスピードが速かった。
妹紅も決して遅いわけではないが、もともとの身体能力が違いすぎる。
このままでは負ける…!
そう思った妹紅の頭に、一瞬だけ輝夜の憎たらしい顔がよぎった。
妹紅も決して遅いわけではないが、もともとの身体能力が違いすぎる。
このままでは負ける…!
そう思った妹紅の頭に、一瞬だけ輝夜の憎たらしい顔がよぎった。
死んでも負けられない!!!
その強い思いが妹紅を次の段階に押し上げた。
炎の翼が今までにない勢いで燃え盛る。
炎の翼が今までにない勢いで燃え盛る。
そして妹紅は人間の限界を超えた!
光の如きスピードで追い上げる妹紅。
そして最後の10mで、妹紅とフランが並んだ!
あとは全力で駆け抜けるのみ。
そして最後の10mで、妹紅とフランが並んだ!
あとは全力で駆け抜けるのみ。
最後の10m、妹紅もフランも死力を尽くして走る。
二人にはその10mが永遠のように遅く感じた。
そして…
二人にはその10mが永遠のように遅く感じた。
そして…
「ゴールッ!!!」
二人はほぼ同時にゴールした。
「どっちだ!?どっちが先にゴールしたんだ!!」
ざわめく観衆。
判定は馬鹿のチルノじゃ不安なので、正しいジャッジをすることが仕事の映姫様にしてもらった。
どっちが勝っても悔いはない。両陣営とも全力を尽くしたのだ。
「どっちだ!?どっちが先にゴールしたんだ!!」
ざわめく観衆。
判定は馬鹿のチルノじゃ不安なので、正しいジャッジをすることが仕事の映姫様にしてもらった。
どっちが勝っても悔いはない。両陣営とも全力を尽くしたのだ。
「ただいまの結果、コンマ0.0000001秒の差で…」
ごくりと唾を飲む観衆たち…
そして結果が発表された。
そして結果が発表された。
「永遠亭の勝利です!」
わぁっと湧き上がる永遠亭メンバーとイナバたち。
輝夜も慧音も優曇華もてゐも、皆で妹紅の胴上げをする。
「もーこたんっ!もーこたんっ!」
「もこたんっていうなー!!」
怒っている口調で言う妹紅だったが、どちらかというと照れくさそうだった。
少し離れたところでその様子を見つめる永琳。
「姫はこうなることが分かっていたのね…少し悔しい気もするけど」
輝夜も慧音も優曇華もてゐも、皆で妹紅の胴上げをする。
「もーこたんっ!もーこたんっ!」
「もこたんっていうなー!!」
怒っている口調で言う妹紅だったが、どちらかというと照れくさそうだった。
少し離れたところでその様子を見つめる永琳。
「姫はこうなることが分かっていたのね…少し悔しい気もするけど」
レミリアが輝夜に言う。
「ふん、今回は負けたけど、次はこうはいかないからね」
それに対して、輝夜は自信たっぷりに答えた。
「あら。次も勝たせてもらうわよ。うちのチームワークは幻想郷一なんだから。ねっ、妹紅?」
「ハッ、私はお前が大嫌いだけどな」
相変わらずぶっきらぼうに答える妹紅。
「あっはっは。私もあなたが大嫌いよ」
「何だとォーっ!」
そして始まるいつもの喧嘩。一切手加減をしない輝夜と妹紅だったが、
その様子はまるで姉妹のようでもあって、微笑ましくもあった。
「ふん、今回は負けたけど、次はこうはいかないからね」
それに対して、輝夜は自信たっぷりに答えた。
「あら。次も勝たせてもらうわよ。うちのチームワークは幻想郷一なんだから。ねっ、妹紅?」
「ハッ、私はお前が大嫌いだけどな」
相変わらずぶっきらぼうに答える妹紅。
「あっはっは。私もあなたが大嫌いよ」
「何だとォーっ!」
そして始まるいつもの喧嘩。一切手加減をしない輝夜と妹紅だったが、
その様子はまるで姉妹のようでもあって、微笑ましくもあった。
「うわーんお姉さまー。負けちゃったよぉ」
レミリアに泣きつくフラン。そっとその頭を撫でるレミリア。
「フラン、帰るわよ。咲夜、おいしいケーキと紅茶の用意お願いね」
その言葉を聞き、満面の笑みで答える咲夜。
「はいっ♪」
そして振り返り、永遠亭のメンバーに言うレミリア。
「あと、あなた達もうちに来なさい。満月の夜はパーティをするってしきたりになってるから」
「じゃあお邪魔しようかしら」
「あたいもあたいもー!」
ぞろぞろと紅魔館に向かう群衆をみて、咲夜は一人ごちた。
「やれやれ、今夜は忙しくなりそうね」
レミリアに泣きつくフラン。そっとその頭を撫でるレミリア。
「フラン、帰るわよ。咲夜、おいしいケーキと紅茶の用意お願いね」
その言葉を聞き、満面の笑みで答える咲夜。
「はいっ♪」
そして振り返り、永遠亭のメンバーに言うレミリア。
「あと、あなた達もうちに来なさい。満月の夜はパーティをするってしきたりになってるから」
「じゃあお邪魔しようかしら」
「あたいもあたいもー!」
ぞろぞろと紅魔館に向かう群衆をみて、咲夜は一人ごちた。
「やれやれ、今夜は忙しくなりそうね」
その日は紅魔館も永遠亭のメンバーも、あといつもの巫女や魔女、妖怪や妖精も交えて盛大なパーティが行われた。
過去の歴史をずっと見つめてきた慧音は思った。
人も妖怪も妖精も月人も神でさえも、種族の壁など関係なしに仲良くできる。
まだまだ問題は山積みだけど、そういう今の幻想郷に生まれてきて本当によかった、と…
人も妖怪も妖精も月人も神でさえも、種族の壁など関係なしに仲良くできる。
まだまだ問題は山積みだけど、そういう今の幻想郷に生まれてきて本当によかった、と…