東方ファイトスレ @まとめウィキ

32スレ第29戦(2)

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tohofight

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だれでも歓迎! 編集
「と、言うわけで食料難に陥りかけている人里のために炊き出しをお願いします」
「……でもこの状況って」
「確実に『出る』わよね」
映姫の宣告に対してあまり乗り気でない文と幽香が答える。
「問題ありません。すでに対策は出来てます」
一方、こちらは落ち着いた様子のさとり。傍らには何故かチルノ。
「チルノちゃん。なんでこんなところに?」
「よくわかんないけど、今日のファイトはあたいがふかけつなんだって。
 やっぱりあたいってば最強ね」
「そ、そうなんだ(大丈夫かな)」
いやな予感を胸に抱きつつもファイトに集中しようとする大妖精。
「さて、それでは始めてください」
映姫の開始の声と同時に動いたのはさとり。
どこから用意したのか大量の練乳をチルノにぶっかける。
「わっ!?」
「チルノちゃん!?」
白い液体を身体中から垂らすチルノ。同時に現れる食欲魔神二体。
「……匂うぞ、……甘い匂いが。……氷ミルク、……白熊、……小豆と抹茶で宇治金時~!」
「デザートなのか~!」
「チルノちゃん! 逃げて!」
「ヒィィィィィィィ!」
そして始まる鬼ごっこ。
「想起『DIE妖精』」
「……ウフフ、面白い事してるじゃない? チルノちゃんをいじめるなんて……
 ……ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ
 コロスコロスコロスコロスコロスコロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
チルノを危険な状況に追い込めば、誰かが彼女を想起する。幻想郷最強にして最凶の存在。DIE妖精を。
あとはさとりがそれを呼び覚ませば、食欲魔神すらも押さえ付ける、最凶妖精の登場だ。
「……あ……ああ……」
さらにさとりの想起は相手の戦力を削る意味も持っていた。
触れられたくない過去を間近でみる羽目になった大妖精が力なくへたりこむ。
「さて、今のうちに」
「あなたもえげつないわねえ。まあそういうの、嫌いじゃないわ」
「……それはどうも」
悠々と炊き出しの準備を始めるドSコンビ。
勝負は決したかに見えた。
しかし……
「大妖精さん、顔を上げてください」
「いやっ、いやぁ……」
「チルノさんを助けたくないんですか?」
「……でも」
「……あの娘、チルノちゃんと遊んでくれてましたよね」
「……えっ?」
「あちらの娘はチルノちゃんを友達だって言ってました」
「……」
「あの娘、あんなに心配そうにチルノちゃんを見ていますよ」
「……わたしは」
「あんなまやかしに惑わされないで。チルノちゃんを助けるために
空腹で困ってるチルノちゃんの友達を助けるために、貴方が頑張らないでどうするんですか」
「……文さん」
「幸いあちらのおかげで邪魔は入りません。だとしたら一刻も早くチルノちゃんを助けないと」
文の説得に大妖精の目に光が灯る。
「取り乱してごめんなさい文さん。」
「いいんですよ。頑張りましょう、チルノちゃんと、チルノちゃんの可愛いお友達のために」
「はいっ!」
炊き出しの食物はすきま経由でたくさんある。
あとはより貢献できた方の勝利だ。
親友のチルノのために、人里の少女のために(たまには人間の少女もいいよねウフフ)怒涛の速度で炊き出しを行う二人に、
大妖精のリタイアをあてにしていたドSコンビに追い付けるはずもなく文と大妖精のコンビが勝利した。

……そして
「ふう。やっと逃げ切った」
身体から練乳が落ちきり、興味を失った食欲魔神を振り切ったチルノ。
「……邪魔はいなくなったわ。……さあチルノちゃん、一緒に帰ろ?」
そこにやってきたのは大妖精……いや、チルノを偏愛するDIE妖精だった。
「……だ、大ちゃん?」
「……どうしたのチルノちゃん?……ああ、まだ怯えてるのね。……可哀想なチルノちゃん。
 ……でも大丈夫。……わたしが慰めてあげるから。
 ……あの意地汚い亡霊と妖怪も後で消しておかなきゃね」
暗い笑みを浮かべるDIE妖精に怯えるチルノ。
「大ちゃん、……怖い」
「……うん、怖かったね。……もう大丈夫だから。……誰にも見つからないところで二人で暮らそう。
 ……ウフフ、ずっとずっと……一緒に……イテアゲル」
「ひいっ!?」
「サア……、チルノチャン……、オイデヨ……」
「そこまでです!」
「っ!? 誰!?」
そこに颯爽と現れる文と大妖精。
「無垢な氷精を独占しようなどと不届き千万!」
「過去の弱かったわたし。……今こそ引導を渡してあげます」
DIE妖精は動ずることなく大妖精に向き直る。
「チルノちゃんを守れもしないくせに……弱いのは貴女じゃない。
 ……そうね。……貴女を消してわたしが大妖精になってあげる」
「負けません。文さんのおかげで、何が大切かようやく気付けたんですから!」
「(漁夫の利、漁夫の利~)」
「(……私が想起を止めればそれで片付くんですが ……ま、いいか)」
その後、大妖精vsDIE妖精の死闘が繰り広げられたわけだが、……それはまた、別の東方ファイト。

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