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魔法戦争52

最終更新:2017年12月02日 22:56

jelly

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Chapter52「ちびっこ戦記7:猫を制するには猫をよく見ろ」



 深い深い闇の底でわたしは声を聞いた。
 それは頭の中から響いてくる、自分のものとは違う声だ。

 まだマタタビの影響で幻聴が響いているのかと思ったが、そうではないらしい。
 まだ意識は朦朧としているが、不思議と心は不安を感じていない。無意識のうちにそれを安全だと心が判断したからだ。どうやらその声は聞き覚えのある声らしかった。

『グッモーニン、おともだち。猫の生活は満喫できているかな?』
(こ、この声は。というかこのシチュエーション。なんか覚えがあるぞ)
『イエス! ミーだよ。アイアム、シャノワール。元気にしてた?』

 こいつ。わたしを見捨てて帰っておきながら、今ごろになって連絡してきやがった。しかもこっちの苦労も知らないで、なーにが元気にしてたぁ? だ。
 これは文句のひとつでも言ってやらないと気が済まない。

(この裏切り者! おまえたち、わたしを騙しただろ。賭けって何のことだ。わたしに黙って、あの魔女と一体どんな約束をしてたんだ!?)
『まあまあ。たしかに何かあったのかもしれないね。でもミーはよく知らないし、ユーがティエラとの対決に負けさえしなければ何も問題はなかったんだ。これでもミーは期待してたんだよ、ユーの力をね。でもユーは期待を裏切ったんだ。だから裏切り者はユーのほうじゃないのかなぁ』
(へりくつなんか聞きたくない。今わたしがこんな目に遭ってるのは、どんな理由があったにせよ、おまえたちのせいなんだぞ。ふざけるな!)
『それは違うよ。負けたのはユーの力不足が原因だ。勝っていればこうはならなかった。そうだろう? これはユーが招いた事態さ』
(なんだと。わたしが悪いと言うのか? いいかげんにしろよ。わたしが竜だということを忘れてはいないだろうな。あとで痛い目を見てもしらないぞ)
『竜? ニヒヒヒ! それはおかしいね、マドモアゼル。だってユーはただのかわいい青猫さんじゃないか』
(その台詞は前に似たようなのを聞いた。いいから、早くわたしを助けに来い)
『あいにく今はちょっと忙しくてね。でもひとつだけヒントをあげるよ』

 シャノワールは「猫を制するには猫をよく見ろ」と言った。
 何を言っているのかよくわからないと返すと、シャノはこう続けた。

『じゃあ特別にもうひとつヒントだ。ユーは他の猫たちと円滑なコミュニケーションは取れているかな?』
(ふん。にゃーにゃー言ってるけど何を言ってるのかさっぱりわからない。わたしが言ってることが通じてるのかどうかもわからないし、コミュニケーションが取れてるのは、悔しいけどあの猫の魔女だけだ)
『なるほどね。どうせそんなことだろうと思って声をかけたんだ。まず猫は言葉での意思の疎通はあまり行わない。鳴き声で感情を表したりはするけど、あれは言語じゃないからね。あくまで補助的なものだ。いいかい。猫はしぐさでコミュニケーションを図る。相手の動きをよく見ることだ』
(動きを?)
『そう。視線とか間合いとかシッポの動きとかね。だけど目をじっくり見つめちゃいけないよ。目と目が見つめ合うのは、敵対のサインだからね』
(だけどそれが何になる? わたしは別に猫と「おともだち」になるつもりなんかないぞ。それとも猫を味方につけろってこと?)
『これ以上は答えになっちゃうからもう言わない。とにかく猫をよく見ることだ。猫には猫にしか見えない世界があるってことさ。それじゃあ頑張って。グッバイ』
(あっ、こら! ちょっと待て)

 それっきりシャノの声は聞こえなくなった。それと同時にわたしの意識は現実世界に引き戻された。
 わたしが目を覚ましたのは意識を失う前と同じ、魔女の家の机の下だ。周囲にはまだ伸びている猫もいくつか見えるが、ティエラの姿はすでになかった。

(猫を制するには猫をよく見ろ、か。どういう意味なんだろう)

 他の猫たちは、それぞれが思い思いの行動をしている。
 ベッドの上で寝ているものもいれば、ベッドの下で落ち着いていたり、床に転がっていたり、柱の間に吊るされたハンモックにくるまっていたり……というか、こいつら寝てばかりじゃないか。

 寝ていない猫を探すと、柱でツメを研いでいたり、ふらふらと外へ出かけていくものがいたり、天井付近のキャットウォークをのしのしと歩いていたり。
 はて、あんな高い場所にあいつらはどうやって登っているんだろう。

 そのまま猫を観察していると、天井を見上げている猫がいた。あいつ、もしかして上に登ろうとしている? でもどうやって登るつもりなんだろう。
 茶トラの猫なので、とりあえずトラと呼ぶことにする。トラはキャットタワーに飛び乗ると、それを踏み台にしてさらに跳躍した。しかし、それだけではとてもあのキャットウォークには届きそうにない。
 それじゃあ一体どうするのかと眺めていると、なんとトラはツメでハンモックにぶら下がったではないか。そのまま逆上がりの要領で身体をくるりと持ち上げるとハンモックの上に乗った。
 よく見ると柱の上部にはいくつものツメ跡がある。トラは柱の側面にツメでしがみついて壁キックの要領で柱を蹴ると、いともたやすくキャットウォークの上へと飛び移っていった。

 あいつら忍者か。侮れない身体能力だ。
 そのままぼーっとトラを眺めていると、こちらに気付いたトラがわたしのほうをじっと見つめているのに気がついた。

 そうだ。目をじっくり見ちゃいけないんだったな。
 わたしが少し視線をそらすと、トラはそのまま数歩進んで、再びわたしのほうをじっと見つめた。そしてしばらくすると、また数歩進んで、やはりわたしを見る。

(なんだ? もしかして、ついて来いと言ってるのか)

 なんとなくそう言われたような気がして、わたしはさっきトラがやってみせたようにキャットタワーを踏み台にしてハンモックへと飛び移った。

(そしてツメをひっかけ……にゅわッ!)

 前脚は虚しく宙を切った。慌てて両手をばたばたさせるも、どれもが空振りで箸にも棒にもかからない。落ちる! と思ったそのとき、何かに引っ張られるように身体が空中に止まった。

 どうやら後脚のツメが辛うじてハンモックにひっかかったらしい。
 助かった、と思ったのも束の間。さてここからどうしたものだろう。
 今のわたしはほとんど宙吊りの状態だ。この状態をどうしたらいい。
 それに足のツメが無理な力でひっぱられて……い、痛い痛い! もげる!
 あまりぐずぐずしてはいられないようだ。

(腹筋は苦手なんだけど……やるしかない。せぇーのっ、ふにゅぬぬぬぬぅ!)

 身体を折り曲げてなんとか両手でハンモックをつかもうと踏ん張る。と、なんと足のツメがすっぽ抜けて、そのままウルトラCよろしく、くるりとハンモックの上まで身体が飛び上がった。回転とひねりを加えながらの見事な着地。うーん、これは10点満点間違いなし!
 そしてお次は柱を壁キックして、キャットウォークへのジャンプ。こんどは難なくこれをこなしてみせる。猫の身体能力ってすごーい。

 トラはそのままわたしを待ってくれていた。わたしが近づくと足早に走り去っていくのだが、少し離れると再び立ち止まってこちらを見る。やはりついて来いと言われているような気がしてならない。

 あの猫は一体わたしをどこへ連れて行こうとしているのだろう、と考えながらついていくと、トラは開けっ放しにされていた天窓を抜けて屋根の上へと登っていった。わたしも後に続くと、屋根の天辺で待っていたトラは、ぷいとそっぽを向いてすぐに下へ降りていってしまった。

(なんだあいつ。何がしたかったんだ?)

 しかしせっかく屋根の上まで登ってきたので、わたしはそのままそこから空を眺めてみることにした。ずいぶん気を失っていたのか、もう夜になっている。
 空には星が出ている。森の木々の隙間から見えるのは綺麗な星空だ。白に茶色、グレーに三毛。まるで猫みたいな色の星だ。

 ――にゃぁぁあん。

 ほら、猫の鳴き声まで聞こえて……ええっ!?
 よくみるとそれは紛れもない猫だ。猫が空に浮かんでいる?

 いや、そうではない。透明でわかりにくいが、どうやら屋根の上からは空に向かって螺旋階段が伸びているようだ。猫毛が散らばっているので、透明な板でもなんとかその位置を把握できる。猫の星はその階段の上にいるらしい。

 なんのためにこんなものがあるのか。これも猫のための設備なのか。
 よくわからないままにわたしはその透明の螺旋階段を登って行く。
 あまり登ってくる猫がいないのか、上に行くほどに猫毛の道しるべが少なくなっていったが、上に行くほどにわたしは身体に力がみなぎってくるのを感じていた。

(もしかして今なら魔法が使える?)

 試しに少し念じてみると、すぐに崩れてしまったが小さな水球を精製することに成功した。間違いない。どういうわけかはわからないけど、ここを登れば登るほどにわたしに魔法の力が戻ってくるようだ。

 もう足元の透明な板には猫毛の道しるべはまったくない。しかしわずかでも水球を出せるなら、足場を濡らすことで透明な板を視ることができる。そうしてわたしはさらに上まで登って行った。
 そしてついに森の木々よりも高い位置に出た。水を使って調べても、もうこれ以上先の足場は見つからない。頂上にたどり着いたようだ。
 夜風が心地良い。空には大きな満月が浮かんでいる。

(もしかしてここなら……! やってみる価値はある)

 わたしは以前にクルスから教わった手順をひとつずつ正しく行っていった。するとわたしの身体が青い光に包まれていく。
 青い光が治まると、月明かりに照らされて青い鱗が夜の闇にきらりと輝く。ひんやりとした夜風が毛皮ごしではなく直接、鱗の肌を撫でていくのがわかる。

「そうだ、この感じ。この開放感。すっきりさっぱりとした感じは……!」

 もうわたしの口からは猫の鳴き声は出ない。
 戻ったのだ。わたしは水竜の姿を取り戻した。
 わたしは、わたしこそが、水竜の王女。アクエリアスっ!!

「よくできました。とりあえず合格ってところかなぁ」
「ひぅっ!?」

 突然背後から声が聞こえてきた。驚いて振り返ると、あの三毛猫の魔女が宙に浮かんでいる。ティエラはたしかに猫の姿をしていたが、その背中には体毛と同じ三毛猫色をした翼が生えている。

「猫が飛んで……いや、それよりも! 合格? なんのことだ」
「これはテストだったのさ。よくあたいの魔法を破ってみせたね」
「テスト? 魔法を破った? 言ってる意味がわからない」
「最初に言ったじゃないか。あたいを仲間にしたいなら実力を示せ、ってね」

 ティエラの話によると、これは最初からわたしを試すテストだったのだ。
 いくら大魔女とはいえ、人間と竜の力の差は大きい。正面から全力でぶつかりあったのでは人間の側には勝ち目は薄い。一対一ならばなおさらだった。
 だからティエラは力ではなく知恵を試すことにしたのだ。

 すでにわたしがこの島へ来たときから罠は仕掛けられていた。
 ティエラの家の扉を開けたときにあふれ出てきたニャーストリーム。あれはただの猫雪崩ではない。あのときすでにわたしは猫化の魔法をかけられていたのだ。

 その後ティエラとの戦闘が始まったが、よく思い返してみればあのときティエラは魔法を一切使っていない。わたしの放った鉄砲水を打ち消して見せただけだ。
 だが実際は魔法を使わなかったのではない。使えなかったのだ。

 ティエラはわたしに猫化魔法をかけたあと、すぐにこの島一帯に魔封じの呪文を施していたのだ。それはすぐに効力を発揮するものではなかったので、わたしは鉄砲水を発動させることはできたし、ティエラの杖の先にも火球が浮かんでいた。
 しかし、ようやく魔封じが発効したことによってわたしの鉄砲水は寸でのところで打ち消されてしまったし、魔法が封じられているからこそわたしは竜の姿に戻る魔法を使えなかったのだ。
 あとはあらかじめかけられていた猫化の魔法がじわじわと効果を見せ始めて、わたしは為す術もなく猫に変えられてしまったというわけだった。

「じゃあ、階段を登ってきて急に魔法が使えるようになったのは?」
「魔封じはこの土地にかかってるんだ。島の上空にまでは効果が及んでいない。つまり魔封じの効果範囲から出たから、あんたに魔法の力が戻ったってわけだね」
「じゃあ、プラッシュが言ってた賭けがどうとか言うのは?」
「ああ、賭けはあたいの勝ちだよ。魔封じの罠に引っかからずに見破れるか、っていう内容の賭けでね。おかげで……青い猫と過ごした数日間は楽しかったよ」

 なんということだ。最初からわたしは騙されていたのだ。
 プラッシュにも、ティエラにも、両方の魔女に。

「くそーっ。これだから魔女は信用できないんだ」
「まあまあ、そう言わないで。だけどあんたは見事にあたいの魔法を破って見せたんだ。だから魔女は約束をちゃんと守るよ。約束通り、この猫の魔女ティエラがあんたたちの力になってあげる。こんごともよろしくね」
「ちぇっ。勝手にしろ」

 わたしは三毛猫の肉球と握手を交わした。
 水竜に戻って飛べるようになったので、わたしはティエラを連れてアルヴへと帰ることになった。……おびだたしい数の猫とともに。

「あいつら、みんな空飛べるの? 猫ってそういう生き物だっけ」
「魔女の使いの猫がみんなただの猫だと思った?」

 おびただしい数の猫たちは、そのどれもが背中に翼を生やし、にゃーにゃー騒ぎながら空をついてくる。その猫の群れは空の一面を白と黒と茶色とグレーと三毛猫色に染めた。
 ところでこれを言うの二回目なんだけど、そして自分で言っといてナンなけど、三毛猫色ってなんだ。

「それにしても、よく魔力を封じられてる状態で魔封じの効果範囲を見極められたね。意外と勉強してるんだ? それとも誰かにヒントもらってたりして」
「……も、もちろんわたしの知識だぞ。こう見えてもニヴルの王女だからな。魔法学は王族のたしなみってやつだ」

 そういえばシャノワールはなぜかわたしを助けてくれた。ティエラの猫も同様の魔女の使いだとすれば、トラ(仮称)もわたしに味方してくれたことになる。

(こんどシャノやトラに会ったら、お礼を言っとかないとなぁ)

 今までは猫なんて生意気なだけでどこがかわいいんだと思っていたが、少しわたしの中での評価が変わった。もしかしたらティエラが言っていたように、猫たちとしばらく過ごしたことで、猫の良さが身に染みてきたのかもしれない。

(猫も意外と悪いもんじゃないなぁ……)

「何か言ったかい?」
「なんでもない。そういえば、魔女は約束をちゃんと守るんだったな。プラッシュと約束をしていたことを思い出したぞ。約束はきっちり守ってもらわないと!」





 アルヴに戻ったわたしはこってり濃厚にプラッシュを問い詰めて文句を垂れ流した上で、最初に約束していたわたしだけの隠れ家を用意してもらうことにした。
 ただし、ちょっとだけその条件を変えて。

 しばらくして、耳ざとくわたしの秘密の隠れ家の噂を聞きつけたセッテがどうしても見たいとせがむので、特別に案内してやることにした。

 秘密の隠れ家は意外なことにグリンブルスティの中にある。灯台下暗しってやつだ。船の底にわたしの水の魔法にだけ反応するポータルを設置してもらった。そのポータルはわたしだけのために用意してもらった異空間に繋がっている。

 ポータルが開くと、そこからは青い光の階段が下方へ向かって伸びていく。
 すでにこの階段から先が異空間になっている。だからこの階段はこっちの世界の魔法や物理法則の影響を受けることはない。
 階段を最後まで降り切ると、海の中を思わせるような淡いブルーの壁に覆われた空間に出た。これはプラッシュに注文をつけてデザインしてもらった。空の底にあるという、どんな湖よりも大きな超湖、海。その景色を伝承を元にして再現してもらったわたし好みの憩いの空間だ。

「これ、よくできてるっすねぇ。本当に水の中にいるみたいだ」
「どーだ、うらやましいだろう。さぁ、開けるぞ」

 この空間は壁で仕切られていて、その壁には上と同様のわたしの魔法にだけ反応するポータルで扉が作られている。水球を作りそのポータルにそっと押し当てると扉は音もなく静かに開いた。

 セッテがさっそく扉の奥を覗き込むと、そこからは猫がせきを切ったようにあふれ出してきた。
 かかったな。滅びのニャーストリーム発動! 猫にまみれて萌え死ぬがいい!

「な、なんすかこれぇ!?」
「わたしの同居人だ。というか同居猫だ」
「自分のためだけの秘密の隠れ家じゃなかったんすか?」
「最初はそのつもりだったんだけどな。ソファひとつぽつんと置いてあるだけじゃなんか殺風景だし。猫だってもふもふしてるだろう。それに空間内を魚が泳いでるように見えるこの景色は、猫たちにもなかなか好評なんだ」
「それじゃあ、あっちのポータルは?」

 セッテが指差した先には、わたしたちがちょうど入ってきたのと正反対にあたる位置に赤いポータルがあった。

「あれはティエラの魔法にだけ反応するポータル。ティエラの使いである猫たちも同じようにあのポータルから自由に出入りできる。出口はアインカッツェの島だ」
「どういうことっすか? それじゃあ全然クエリア専用の部屋ってことになってないじゃないっすか」
「ティエラはわたしの邪魔はしないって約束してくれてる。だから問題ない。魔女は約束をちゃんと守るんだぞ。知ってたか?」
「でも猫は?」
「猫はいいんだ。だって、猫は自由なんだぞ」

 こうしてわたし専用のもふもふルームが完成した。
 後にこの空間は、青の猫屋敷と呼ばれるようになる。ときどき青い猫がこの空間に出入りしているのを見たって? き、きっとそれは気のせいだ。


Chapter52 END

魔法戦争53
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