クッキークリッカーはインフレゲーなのか?~[TRIC-012]
1. はじめに
クッキークリッカーはしばしばインフレゲーとして扱われているが、
業績をほぼ解除した私としては、この見方は一面的すぎるのではないかと考えている。
そこで、クッキークリッカーにおけるクッキー経済の移り変わりについて考察する。
2. クッキー収入の部
1.クッキー連打
初期の収入はこれに頼るしかない。(実際はゴールデンクッキーボーナスもあるが割愛)
また中盤以降も連打ツールと組み合わせることで、収入を加速させることが可能となる。
最終強化により設備収入の5%が1クリックごとに手に入るようになり、
秒間100クリック程度が可能であるため、時間当たりの収入を数倍となる。
2.生産設備
設備はいろいろとあるが、その時点で買える一番高価な設備を購入していけばよい。
最終的な生産量は最強の生産設備である「反物質コンデンサー」の数で決まる。
設備の数が少ないうちは投資効果が高いが、設備が増えるにつれて投資効果は下がっていく。
(1台が2台になるのは生産量が倍になるが、99台が100台になるのは1%強しか増えないことを考えればよい)
3.設備強化
設備の数を増やすか、設備強化を買うかを選択させるという意味で、
クッキークリッカーの数少ないゲーム要素ではあるが、
最終的には全部買うことになるので、その意味ではやはりゲーム性は薄い。
例:「反物質コンデンサー」の強化購入
1つ目:15台目に買うのが望ましい
2つ目:15台目に買うのが望ましい
3つ目:27台目に買うのが望ましい
4つ目:36台目に買うのが望ましい
5つ目:40台目に買うのが望ましい
4.時はクッキーなり
最後は放置最強のゲームなので、自宅でPCをつけっぱなしにできる人は単純に強い。
3. クッキー支出の部
1.生産設備購入
1つ買うごとに価格が1.15倍になっていくため、最初は簡単に増やすことが可能だが、
実績解除の100個(一部は200個超)買うのは非常に大変である。
2.設備強化購入
生産設備に比べると設定価格は高めだが、固定価格なので最適な購入時期が算定でき、
結局は全部買うことになるので、対して影響はない。
「反物質コンデンサー」関連の強化以外は、生産量にほとんど影響しない。
4.クッキークリッカーの経済史
1.開始直後
クッキー連打による収入が圧倒的であり、連打こそがすべての時代。
(連打せずにまったりと遊ぶ場合を除く)
クリックするだけで無限に生み出されるクッキーはまさにインフレの象徴であり、
インフレ率が一番高い時代といえる。
2.安定インフレ期
設備が増強が進み、設備からの収入で再生産が可能となる時代。
設備の数が増えることで、その設備の成長率は低下していくが、
適宜上位設備に乗り換えていくことで、安定したインフレを持続させることができる。
クッキークリッカーがインフレゲーであるという印象はこの時代によるものだと考えられる。
3.インフレ鈍化期
生産力増強が「反物質コンデンサ」の数を増やすしかなくなった、低成長時代。
たまに強力な強化購入により生産力が増強があるものの、
あくまで単発なので、全体的に停滞感が伴う。
クッキー連打により収入を数倍にすることは可能であり、
それは確かに有効ではあるが、停滞感を払拭することはできない。
ゲームを楽しむのであれば、このあたりでゲームをリセットするのがおすすめではある。
(ただし、実績コンプリートを目指すなら通過点に過ぎない)
4.デフレ期
個人的には「タイムマシン100台生産」の実績狙い以降の時代。
強力な強化はあらかた手に入れてしまったため、
生産力を劇的に増やす手段を欠いたまま、高騰した設備を集める苦行が始まる。
クッキー連打で収入を増やすことが焼け石に水となり、
(放置1日と連打4時間のどちらがマシかということに)
PCをどれだけ放置できるかが問われることになる。
圧倒的なデフレ経済の元、プレイヤーのやる気が切れたとき、
クッキークリッカーの経済は幕を閉じる。
5.結論
クッキークリッカーは途中までは良質なインフレゲーだが、
実績全解除を目指すと否応なくデフレゲーをプレイすることになる。
クッキークリッカーが流行した最大の理由は、インフレゲー部分なので、
そのあたりはもっと工夫の余地があると思われる。
少なくも実績解除だけを目標とするデフレゲーは、
多くの人にとっては決して楽しいものではないだろう。
例えば現在のところ実績解除の数やイベントこそ多いものの、
最終生産力が「反物質コンデンサ」に圧倒的に負けている「クッキーおばあちゃん」であるが、
これを「反物質コンデンサ」以上に強化することで、インフレ期間を長くすることができる。
一見するとインフレ華々しいクッキークリッカー経済は、
最終的にはデフレの海に沈むのが確定している砂上の楼閣といえよう。
活動履歴
2013/10/31 案件作成
その他
最終更新:2013年10月31日 17:05