Dr.ゲロと人造人間について


ドラゴンボール改でセル編が始まりました。
というわけで、TRIの一部で議論が白熱している、Dr.ゲロと人造人間についての疑問点についてまとめたのが、このページです。

議題1「Dr.ゲロはどうして今でもレッドリボン軍マークを使っているの?」
  • レッド総帥に心酔していたから。→レッドリボン軍は、単一王国のドラゴンボール世界でガチで世界征服を目指していて、ブルマさんがビビるぐらいの団体だから、その総帥はそれなりにカリスマがあったと思う。ただ、部下のブラックに殺害されたこともあって、レッド総帥が小物っぽく見えるのはマイナス点。
  • 人造人間の研究を好きにさせてもらったから。→Dr.ゲロが典型的なマッドサイエンティストであるので、研究を好きなようにさせてもらったことへの感謝の方が、レッド総帥への心酔とかよりも、もっともらしく見える。明らかに征服には使えなかった人造人間8号もちゃんと実践配備されているし、研究を優遇してもらっているのはよく分かります。
  • 俺がレッドリボン軍だ。→生き残ったのが自分だけだから、総帥の野望を継いで、世界征服を成し遂げる、という説。なら、ドラゴンボールもちゃんと探せよと思うので、いまいちかなあ。

議題2「そもそもDr.ゲロの目的って何?」
  • 孫悟空の抹殺だよ。→16号に始まりセルに完結する人造人間シリーズが、そろいもそろって孫悟空の抹殺が任務だよ、といっているので。Dr.ゲロとしても、孫悟空は古巣を壊滅させたこともあり、恨みを晴らしたいところでもありましょうし。ただ、それならば人造人間20号と19号はどうして、適当な島で破壊活動を開始したのかという疑問はあります。家に直接出向けと。Z戦士の地球防衛ってそんなに普遍的なのかなあ。そのわりに、スーパーサイヤ人を知らないのは、手抜き過ぎる。
  • 世界征服だよ。→レッドリボン軍の意思を引き継ぐならこっち。ただ、人造人間はどいつもこいつも、破壊こそすれ支配するつもりはなさそうなので、世界征服はあくまで孫悟空抹殺のおまけっぽい。むしろ、孫悟空さえ除去してしまえば、あとはどうにでもなるというのが、ドラゴンボール世界のパワーバランスなんでしょう。

議題3「Dr.ゲロがハード屋って本当?」
人造人間8号:ホワイト将軍を倒すなど、ハードとしては当時のレッドリボン軍の幹部クラスの性能はあったものの、そもそも侵略活動が嫌いという兵器としては致命的な欠点があります。多分まともに戦えれば、孫悟空を苦戦させられたはず。このころから、世界征服を目指す悪の秘密組織のマッドサイエンティストとしては、致命的な弱点が見えていますね。
人造人間13号~15号:劇場版なのでよく知りません。こいつらは結構まともだと思いますが、劇場版なんで考慮しません。
人造人間16号:「俺は無から作られた」というDr.ゲロ会心のハードとしての完成形。ハード的には、セル第一形態末期と同等ということで、つまり精神と時の部屋で修行前のZ戦士よりははるかに強いということで、彼が人造人間編の当初に投入できていたら、試合終了です。とはいえ、彼のきめ台詞は「鳥が逃げてしまった」ですよ。孫悟空の抹殺は理解しているものの、本編では孫悟空と戦うことはなく、セルの邪魔をする始末。これのどこが悪い人造人間だと。このあたりは、人造人間8号と変わってません。
人造人間17号、18号:人間ベースの永久エネルギー式人造人間です。性能はセル第一形態初期と同等以上かと。修行前のスーパーサイヤ人とでも互角以上だから、相当に強いのです。彼らの場合、強さこそ16号に劣りますが、セルとの融合を計画に含めたため、人間ベースで改造を有機物で代替すると、わけの分からんくらい面倒そうな改造をしているので、やはりDr.ゲロのハード屋としての傑作といってよいでしょう。16号よりは悪い子だけど、正直なところ昔のピッコロ様とかと比べると普通ですよね。未来の彼らはなんであんなにぐれちゃったのかなあ。
人造人間19号:旧式といわれるエネルギー吸収型の人造人間です。なんとなく体格が人間ばなれしているし、顔も白いので、個人的には彼は無から作られたのだと思う。17号や18号よりも新しいものの、強さはピッコロさん程度を圧倒するぐらいで、スーパーサイヤ人には基本的に劣ります。まあ、Dr.ゲロ自身を20号に改造したのは彼なので、忠誠心の高さには定評があります。多分、Dr.ゲロのソフト面での完成形かと。
人造人間20号:Dr.ゲロ本人なことは、ブルマさんの証言などで、状況証拠的に間違いない、最後のナンバー付き人造人間です。惜しむべくは、彼もまたエネルギー吸収式の旧型で、17号、18号に性能が及ばないことです。本人がベースなのだから、16号クラスの人造人間に改造すればよかったと思うのですけども、それができないのがDr.ゲロ式人造人間なのでしょう。
セルを作ったコンピューター:人造人間ではありませんが、セルを作ったのはやはり凄いし、それを作ったDr.ゲロはもっと凄いです。
セル:セルの場合、Dr.ゲロは完成前に死んでしまっているので、あくまでセル育成計画の構想を書いて、17号、18号を作ったのがDr.ゲロの仕事になりますが、それでも凄いでしょう。ハード面でも、完全体セルの強さはスーパーサイヤ人2クラスなのですが、それ以上に孫悟空抹殺のために、未来からタイムマシンを奪って戻ってきて、1年間我慢して、多くの人のエネルギーを集めて、17号と18号を吸収して、というその孫悟空抹殺のために頑張る姿は涙を誘います。タイムマシンを奪うというのは、さすがにDr.ゲロの計画にもないでしょうし、たいした奴です。

さて、以上のことを踏まえたうえで、Dr.ゲロ式人造人間の特徴をまとめると、
  • ハード面の強さには定評があり、ドラゴンボール世界のZ戦士のインフレに十二分についていける。
  • ただし、強く作るほど優しくなる傾向があるため、兵器としては使い物にならなくなる。

なんというか、Dr.ゲロって不幸な人ですよね。彼は、福祉ロボットでも作れば大成したでしょうに。よりによって、もっとも不得手な兵器開発に従事しているのですから。

個人的に想像しているDr.ゲロの人造人間作製フロー

16号:もてる技術をつぎ込んで作製した究極の人造人間は、強いけど優しすぎて兵器としては使い物にならず、愕然とする。制御ソフトをいじってみたけど、優しさをどうにもすることができなくて、凍結する。
17号、18号:制御ソフトがいまいちなら、人間ベースで制御を元の人格に任せればよいのではないかと考え実行に移す。強さは16号よりも低くなってしまったし、言うことも聞いてくれないことに愕然とする。仕方ないので、爆弾を埋め込んで脅して言うことを聞かせてみたり、せっかくの有機物ベースなので、セル計画に組み込んでみたりするが、最後は凍結する。
19号:旧式のエネルギー吸収型なら、まあ大丈夫だろうということで作製し、それなりに自分の言うことを聞いてくれる人造人間ができて、一安心する。それでも、たまに自分に生意気な口を聞くなど、自分は創造主なのになとショックを受ける。やっぱり、自分が強くないと舐められるのかなあと考え始める。
20号:19号を使って、自らを人造人間化する。エネルギー吸収型を採用したのは、永久エネルギー型だと自分まで優しくなったらやだなというのと、19号がうらやましく思ってミスでもされたら堪らないなと思ったから。
セル:自分は制御には向いていないと思い悩み、ならば自分で成長する人造人間を作れば、制御の問題は解決するのではと考え実行に移し始める。さらに、使い道がなくなっていた、17号と18号も計画に組み込むことにする。

結論としては、Dr.ゲロはハード屋さんですよ。人造人間だってある程度プログラムで動いているのでしょうが、言うこと聞かせるのにプログラム的に対応するのではなく、爆弾を埋め込んで脅迫するというのを選択するところなんて、まさにそうでしょう。
最終更新:2010年11月07日 18:24