新国家公務員試験体験記[TRIC-006]

2012年度より新しくなる国家公務員試験を受験して、その内容について記録することでTRIからの国家公務員輩出を目指す。
今回はTECRAが単独受験を行う。受験区分はこれまでの国1に相当する、大学(大学院)卒業程度の総合職試験(院卒者試験)とする。

スケジュール

2012年度の国家公務員試験スケジュールは以下のとおり。
http://www.jinji.go.jp/saiyo/pamphlet.pdf
2012/04/02 インターネット申込開始
2012/04/09 インターネット申込終了
2012/04/29 第1次試験
2012/05/27 第2次試験(筆記)
2012/05/29~06/15 第2次試験(人物)
2012/06/25 合格発表日

1. インターネット申込

受験の申込はこちらから。
http://www.jinji-shiken.go.jp/juken.html
事前登録→試験申込の順で手続きをするようだ。

取り敢えず申し込んでみた。
どうやらIEでないと申込できないようだ。
事前登録をすると登録したメールにIDが送られるので、そのIDでログインして試験申込をする流れとなる。

院卒者は卒業した(or見込みの)大学院名だけでなく、所属していた大学名なんかも入力する欄がある。
また、これまでの国1に無かった「語学に関する入力欄」があったので、私はハングル検定を入れておいた。
もちろん合否とは関係ない(と書かれているし、実際関係ないと思われる)。

申込には区分がある。
あまり詳しくは読んでいないのだが、自分は旧国1の理工1に相当すると思われる
「工学」の区分で申込をした。

2. 受験票の印刷

どうやら今年から制度が変わったらしく、受験票は各自PDFでダウンロードした上で
印刷して持ってくることになったらしい。流石56%削減は伊達じゃない。

申込締切の1週間後の昼にメールで通知が来た。
メールにあるリンク先からPDFをダウンロード。

受験票の作り方はこちらを参照。

3. 1次試験

1次試験はマークシートによる回答を行う。
旧試験では午前に基礎試験、午後に専門試験だったが、今回は午前に専門試験、午後に基礎試験と順序が変更となっていた。

時間、出題数にも変更が見られた。詳細は以下の通り。
専門試験:9:20~12:50(3時間30分)
 165問中、必須問題20問+選択問題20問の合計40問について回答する。
 選択問題の20問については、145問の中から4~6科目を選択し回答する。
 工学を始めとする幾つかの区分では、問題用紙の中に計算・下書き用の紙が綴じられている。
基礎試験:14:40~17:00(2時間20分)
 30問全てが必須となっている。

試験内容の詳細については以下を参照。
1次試験回答

午前試験の開始前に受験心得を渡される。
試験時の注意事項・2次試験の日程等について書かれているが、特に重要なのは住民票記載事項証明書。
2次試験までに区役所で証明を受け、試験までに紛失しないように気をつけること。

ちなみに。
受験案内等に書かれているので皆律儀に鉛筆を使って回答しているが、マークシートはHBやBのシャープペンシルでもちゃんと読み取ってくれる。
試験中にシャープペンシルを使うことについても何も指摘されない。

4. 1次試験合格発表

合格者の照会は以下のページで行える。
http://www.jinji-shiken.go.jp/goukaku.html
ちなみにIEでないとリンクが表示されないようだ。

幸い自分は合格していた。
某所の統計を取った感じ、院卒区分(工学)は教養15/30、専門25/40あたりが足切りラインのようだ。
本当かは分からないが、教養15、専門23で合格したという報告もあった。
旧試験で自分は教養20/40、専門25/45で通った記憶があるので、正答率的には大きく動いていないように見える。

工学の合格者数が177人/694人。自分が思っていたよりも受験者数が少なかった。
そして1次の時点で倍率が約4倍。ただ記念受験も考えるとそこまで高い壁だとは思わない。半分できていれば合格ラインなわけだし。

5. 1次試験合格通知

1次試験を通過した人に対しては人事院より合格通知書が送られる。
と言ってもはがき1枚だが。
合格通知書には2次試験の時間と場所が書かれている。
ちなみに2次試験の場所は毎度お馴染み中央大学理工学部だった。

合格通知は1次試験の合格発表後に届く。
都内であればその日のうちに、遅くとも2~3日程度で届くものと思われる。

6. 住民票記載事項証明書の取得

2次試験を受けるまでに住民票記載事項証明書を取得する必要がある。
→どうやら面接試験までに間に合えば良いようだ。とは言え面接試験の日程はこの時点で分からないので、2次試験までには取っておいたほうが無難。
自分が住民票を置いているところの区役所(市役所)に行き発行してもらう。
発行には300円程度のお金が必要。

地方から東京に出てきてまだ住民票を移していない人はどうするのだろうか。

7. 2次試験

2次試験を受けに後楽園にある中央大学理工学部キャンパスへ。
内容としては以下の通りであった。
性格診断:9:10~9:25(15分)
専門試験(記述式):9:50~13:20(3時間30分)

7-1. 性格診断

後の面接試験の判断材料として使われる性格診断を行う。
基本的に記載の内容について、当てはまれば「ハイ」当てはまらなければ「イイエ」で回答する。
15分で100個の設問に回答しなければならないが、直感で答えるだけなので普通にやっていれば時間が足りなくなることはまず無いはず。

性格診断の結果が合否に直接影響することは無いと書かれているが、設問中に「毎日のように死にたいと思う」「今にも気が狂いはしないかと心配だ」など、「ハイ」と答えるような人は明らかに公務員に向かないだろうな、という内容のものがあった。
それでも、「私は神の使者である」「私に友達が少ないのは私が高尚な趣味の持ち主だからだ」のような設問があった旧試験に比べるとだいぶマイルドな内容になっている。

ちなみに、性格診断に限り問題冊子の持ち帰りが認められておらず、冊子は試験終了後に回収される。

7-2. 専門試験(記述式)

性格診断の終了後、続けて専門の記述試験を行う。
専門試験は全29科目の中から1~2問を選択して回答する。
会場には残り時間が表示されたタイマーが設置されるため、最悪時計は無くてもなんとかなる。

自分が選択したのは5A(ハードウェア)および6B(ソフトウェア)。
再現答案は後日掲載予定。
→再現答案はこちら:2次試験再現答案。(2012/07/18)

7-3. その他

旧試験と比較して、小論文が無くなった分だけ試験時間は短くなったが、逆に試験中は休憩時間が一切無いため注意。
特にトイレには気をつけるべきだろう。試験開始前には必ずトイレに行くべし。

8. 修了証明書の取得

面接試験を受ける際に大学院の修了証明書を提出する必要があるため、大学で入手する。
自分はこんなこともあろうかと修了時に何枚か作っておいたので特になにもする必要は無かった。

9. 面接試験の日程通知

5月末に面接試験の日程と場所を記したメールが送られてくる。
このメール自体も持参する必要があるので印刷しておくこと。

10. 面接カードおよび採用志望カードの作成

面接試験を受ける際に必要となる面接カードと採用志望カードを作る必要がある。
ちなみにどちらも2次試験の開始前に配布される。

面接カードは面接の際のネタとして使われる。3枚組の転写シートになっているため、ボールペンで力強く書くこと。
失敗は許されないので一旦下書きを作成してから書くべし。

書かなければならない内容と分量は以下の通り。
[これまでに取り組んだ活動や体験]
達成感があったと感じたり、力を入れてきたりした経験について、どのような状況で
(いつ頃、どこで、誰と等)、どのようなことをしたのか、簡潔に記入してください。
1. 学業や職務において
2. 社会的活動や学生生活において
3. 日常生活その他(資格、特技、趣味、社会貢献などで関心のあること等)において

[志望動機]
これまでの体験や自分の長所などを踏まえ、国家公務員としてどのような貢献ができるのか、具体的に記入してください。

[志望官庁]
(複数可)

分量は[これまでに取り組んだ活動や体験]がそれぞれ3行ずつ、[志望動機]が5行。

作成した内容については自身の経歴が含まれるためこちらでの公開を控えるが、そもそも3行にまとめないといけないので簡潔な内容しか書けない。
あとは面接で深堀りされるということだろう。

採用志望カードは採用を希望する年度と、希望省庁を記入するくらいで特に面接に使うわけではない。

11. 面接試験&政策討論試験

2次試験後に送られるメールで指定された日の午前か午後に行われる。
面接試験→政策討論試験の順番で行う。

現時点ではまだ試験期間中なので、試験の詳細については伏せるが、
面接は一人あたり20分、討論は資料の作成→発表→討論という流れになっていて(これは、試験要項に書かれている)、資料作成が25分。
→こちらに簡単にまとめました:政策討論について

試験会場に入った時点で、面接試験案内(メールを印刷したもの)と面接カードを提出する。
自分の面接が終わったタイミングで、修了見込証明書と採用志望カード、住民票記載事項証明書を提出する。
自分の時に実際あったのだが、修了見込証明書ではなく在学証明書や成績証明書を持ってこないように注意。再提出の猶予は与えられるが、何度も大学と人事院に出向くのが面倒である。

12. 合格発表

2012年6月25日(月曜)、昼頃に合格発表があった。
合格者の照会は1次試験の時と同じ。
http://www.jinji-shiken.go.jp/goukaku.html

幸い自分は合格していた。
最終的な合格者数は91人。1次試験から見ると約2倍の倍率である。
合格していることも分かったし、試験も終わったので、自分の回答を再現してwikiにアップして行こうと考えている。

合格の決め手はおそらく2次の専門試験だろう。
8割程度しか解けなかったと思うが、それでも平均よりはだいぶ上のはず。1次試験もなんだかんだ言って7割は取っているので悪くはない。
旧試験では科目ごとの成績を照会できたのだが、新試験でできるかは不明。

そんなわけで、活動としてはほぼ終わりである。

13. 結果

7月頭に人事院から合格通知書が届いた。
旧試験は賞状が送られてきて豪華なものであったが、新試験ではハガキ1枚だけだった。

合格通知書には採用候補者名簿に記載された旨、合格者数、順位、総合得点、有効期限などが書かれている。
合格者数91名のうち、自分は20番台だった。得点は600点台。
人事院が公表しているデータによると、最低合格点は506点らしい。1次試験の最低合格点が178点なので、2次で328点取れば十分合格できる計算になる。

得点の詳細は特に書かれていなかった。旧試験では請求することができたのだが、今回の試験ではやり方がよく分からなかった。
(もしくは、公表しないポリシーになったのかもしれない)

ステータス

活動終了

活動履歴

2012/07/18 案件完了
2012/07/18 政策討論について追記
2012/07/18 2次試験の再現答案を掲載
2012/06/25 合格発表
2012/06/07 面接試験
2012/06/06 面接カードおよび採用志望カードの作成
2012/05/31 面接試験の日程通知
2012/05/27 2次試験
2012/05/20 住民票記載事項証明書の取得
2012/05/11 1次試験合格通知到着
2012/05/11 1次試験合格者発表
2012/04/29 1次試験
2012/04/16 受験票の配布および印刷・作成
2012/04/02 インターネット上で事前登録および試験申込
2012/03/20 案件発足

その他


コメント

  • 2013年度の受験生です。今日2次の筆記試験を受けてきました。次は面接なのですが、受験心得を紛失してしまいました...。やはり受験心得がないと面接関係の資料の準備などはできないでしょうか? -- 受験生。 (2013-05-26 18:57:56)
  • 今年は違うかもしれませんが、受験心得の中に住民票記載事項証明書があり、面接試験時に必要になります。人事院に連絡して再発行してもらうと良いでしょう。 -- TECRA (2013-05-26 21:04:41)
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最終更新:2013年05月26日 21:04