【世界観】
ゲームの舞台となる世界『ローランシア』と『浮遊大陸』及び『浮島』について説明する。
【ローランシア世界】
万物の根源が数である世界、それがローランシアである。
万物は1と0によって構成され、全てが規則正しく論理的に形作られた合理的かつ数理的な世界。
人々は数を理解し、それを操る術によって繁栄した。
【超大陸ローランシア】
太古、世界には巨大な大陸はたった一つであり、元はこの大陸を指してローランシア大陸、ローランシア世界と呼んでいた。
【繁栄期】
この時代、世界を支配したのはカウントという種族である。
彼等は優れた知性を持ち、それによって万物の根源である数を解き明かし、それを人為的に操作する術―魔数学―を開発した。
これにより、後に古代文明と呼ばれる魔数学文明が築かれることとなる。
魔数学文明の力を背景に、カウントは繁栄を極め、大陸全土を支配することとなる。
そうしてカウントは、世界統一国家カエッサ帝国を建国することとなる。
世界はカエッサ帝国の下、永遠に続くと信じられていた。
【虚数爆発】
虚数――ありえざる数。
虚数爆発とは、本来ありえないはずの虚数が発生、爆発的に世界へ蔓延する最大最悪の災害のことである。
繁栄を極めたカエッサ帝国が滅びる原因となった災害である。
万物の根源は数であり、1と0によって構成されるこの世界にとって、ありえざる数である虚数が発生するとはどういうことか。
秩序は混沌へ、論理は破綻へ、全てが揺らぎ、歪み、無秩序な世界へと変わっていく。
具体的には以下のような自体が引き起こされることとなった。
数字を狂わす最悪の病魔デジタル・ウィルスの誕生、それが生み出す万物を犯すバグ。
様々な亜人、魔物の誕生。
大陸の崩壊と世界変異。
これらが連鎖的に引き起こされたのである。
こうしてカエッサ帝国は崩壊した。
この出来事を後に『虚数災害』と呼ぶようになる。
虚数爆発が起こった原因については、帝国による実験であるとか、神々の天罰であるとか諸説あるが原因は今もって判明していない。
【浮遊大陸と浮島】
虚数爆発によるもっとも大きな異変、災厄がこの浮遊大陸と浮島の存在である。
天と地が分かたれ、広大な海に巨大な大陸が存在するという世界であったのが、虚数爆発の影響で大きく様変わりすることとなった。
天と地は交わり、広大な海は消失し、大陸は砕けて天へと上った。
こうして世界は、広大な空に大小幾つもの大陸と島が浮かぶものへと変異した。海もまた、以前に海と呼ばれたものは消失し、海の一部が地表ごと浮かび上がってできた海洋大陸という浮遊大陸のことを言う。
【カウントの滅亡の始まり】
カウントの滅亡、それは緩やかに、しかし確実に始まった。
カウントが子供を成した場合、生まれるのが亜人だけとなったのだ。
すなわち、新たなカウントが生まれないということであり、それは種族としての死を意味した。
生まれる亜人の種類は、母体の置かれた環境によって変わった。
四大精霊の影響の強い土地では、それぞれ土から
クラリティ、水からは
ローレライ、火からは
カルマン、風からは
フェイが生まれた。
竜の住まう土地で生んだ場合は、
ドラゴニアが生まれた。
妊娠中、魔物との遭遇、接触した場合は、
キマイラと
ハルピュニアが生まれた。
そして、それ以外の土地では特徴を持たぬ人――
ヒューマンが生まれた。
【混沌時代】
こうして世界は混沌時代へと突入した。
帝国の崩壊、亜人の誕生による混乱、モンスターの脅威、デジタル・ウィルスによる恐怖、世界変異、世界は確実に崩壊への一途を辿っていた。
それでも人々は生き残っていた。懸命に生きていた。
特に魔数学を生み出したカウント達は、この世界崩壊を食い止める新たなる術の開発を開始していた。およそ十数年の年月の果て、カウントは世界の混乱を治める新たな術を生み出す。
バグを修正、除去する精霊『アシャ』とデジタル・ウィルスに対する抗体を持つ精霊『マナフ』という精霊を考案し、それを生み出すための転生術を構築した。カウント達は、そのほぼ全てがこの転生術により、精霊アシャとマナフへと生まれ変わった。
アシャはその力によりバグを修正、除去し、人々の生存圏を拡大。
マナフは人の身に宿ることで、その人にデジタル・ウィルスへの抗体を宿らせた。
抗体を持つ彼等は唯一デジタル・ウィルスと戦うことが出来る存在であり、人類の護り手となった。こうして、世界の混乱は徐々に収束して行くこととなる。
後にこの人類の生存圏を『既知世界』と呼び、それ以外の地方を『未知世界』と呼ぶようになる。
【復興期】
大小様々な浮遊大陸と浮島。
その一つ、カエッサ帝国の帝都が存在した位置である超大陸ローランシア、その北東部であった浮遊大陸。この浮遊大陸はカエッサ帝国にちなみ、カエッサ大陸と名づけられた。
人々の復興はこのカエッサ大陸から開始された。
これは虚数災害は、超大陸ローランシア南西部から世界全体へと広がっていったものであるため、北東部は他と比較すれば(あくまで比較上のことではあるが)被害が少なかったこと、生き残った人々が逃れ、集まった場所が北東部――現在のカエッサ大陸であったためだ。
人々は数百年の年月をかけ、カエッサ大陸を正常化し、生存圏を拡大していった。
村から町へ、町から都市へ、都市から国家へ、生存圏は巨大化していく。
そうなれば自然、人同士の争いも起こるようになって行った。
【遺跡の探索と遺産の発掘】
人々の復興に大きな力となったのは、カエッサ帝国時代の遺跡とそこから発掘される遺産であった。
魔数学文明、その遺産である数々の魔導技術とその物品は、モンスターの戦いから人々の生活まで広く恩恵を与えることとなる。
それゆえに、遺産の発掘、その多寡・質により世界のパワーバランスを左右することになる。
遺産の力を背景に、集団は力を持ち、やがて国家となる。
つまり国家の国力=所有すめ遺跡・遺産の数によって決まるのである。
【諸国動乱期】
遺産の発掘により、各地方に小国家が建国された。
復興が進み、生活レベルが安定していった結果、人々は限られたパイの奪い合いへと発展して行った。
数々の国が生まれ、滅び、吸収される戦国時代となった。
戦国時代ゆえに著しく勢力図の変わることとなるが、やがて一つの帝国が人々を統一することになる。
【聖魔帝国】
マジック・マスターと呼ばれた一人の男、マグス・ルーン。
彼は極めて脆弱な肉体の持ち主であったが、類稀なる魔力と天才的頭脳の持ち主であった。幼少時にはすでに賢者と呼ばれ、カウントの再来とも言われた。
事実、彼は初めて生まれた、カウントの先祖帰りであった。
その出自、その力ゆえに、己の生まれた理由を問い続けていたが、とある遺跡でかつてカウントが作り出した浮遊装置を発見した時に天啓を得た。
彼はその浮遊装置の復元、量産に成功し、それを用いた飛空艇と天空要塞の開発、それを用いた世界征服を開始。44人の高弟と共に人類圏統一へと乗り出した。
空中から侵略するという圧倒的アドバンテージと数々の魔導技術により、瞬く間に他国を侵略し、人類圏統一を果たすこととなる。
【稀代の天才マグス・ルーンの発明】
マグス・ルーンの発明は、世界のありようを変えたと言われている。
虚数災害以後、広大な空に大小いくつもの浮遊大陸と浮島が存在するというこの世界で、人々はカエッサ大陸のみで生き残っていた。
というのも、そもそもとして他の浮遊大陸、浮島に行く手段が存在しなかったためだ(ハルピュニアの翼や魔法で一時的に行く事は出来ても、大勢の人を移動させることは不可能である)
それを解決したのが飛空艇と、そして地表結合という大魔術である。
飛空艇は用意に他の大陸や島の探索、移動を可能にし、そして地表結合は別々の大陸や島を文字通り結合させることが可能という大魔術であった。これによって、生存圏の拡大すら可能としたのである。
【聖魔帝国の崩壊】
マグス・ルーン、彼は間違いなく英雄であった。
彼の作り出した聖魔帝国は人々に繁栄と平和を約束した。しかし、それは長く続くことはなかった。
マグス・ルーンは人類圏統一で満足することはなかった。人類圏を統一し、繁栄と平和を生み出したがそれゆえに、彼はいずれこの人類圏だけでは足りなくなること、未だ外の世界では虚数災害による被害が拡大していることと、それがいずれは人類圏を脅かすことになることを予見していた。
それゆえに、彼は未知世界の探索、開拓を精力的に開始した。
事実、この時代に開拓された土地がルーシアス大陸とヴァルト大陸である。この二つの大陸を彼はカエッサ大陸と結合させたのだ(以後、この二つの大陸は、ルーシアス地方、ヴァルト地方と呼ばれるようになる)
しかし、この性急な開拓は、未知世界に住まう魔物を刺激することとなり、魔物との激しい戦いへと突入することとなった。
マグス・ルーンのこの行動は間違いなく、人類全体を考えてのものであったが、人々の目にはそう映ることはなかった。
現状に満足していた人々には、彼の行動はただの支配欲、領土欲にしか見えず、その為に人々の不満、彼への反感を生み出すこととなった。
開拓戦争後期、人々の不満は、反乱という形で表れることになる。
自らが愛し守ろうとした人々の裏切りに、マグス・ルーンの心は傷つき、徐々に疲弊し、彼の心は狂気へと落ちることになる。
反乱を起こした人々を蛮族と呼び、ついには抹殺を開始。
これにより、聖魔帝国は事実上崩壊した。
マグス・ルーンの最後は、親友の手に討たれるという哀れな最後であった。
【第二次戦国時代】
聖魔帝国の崩壊により、人類は再び戦国時代へと突入することとなった。
第一次よりも技術が発展したこと、生存圏が拡大したことからこの戦乱はおよそ200年続くこととなる。
最終的に、生存圏中心部にイリアス帝国、八つの島を中心として葦原八洲国の二大国家が建国することで戦乱は終結する。
イリアス帝国は、厳格な法律と完全階級制度により他国、多種族を支配し、その勢力を拡大していくことになる。
これに対し、葦原八洲国は地の利を活かした防衛と鎖国政策によりイリアス帝国の干渉を防いだ。
【ルーシアス王国建国】
戦乱は終結したものの、強引かつ傲慢なイリアス帝国への反発は強く、度々反乱が起こることとなる。
とりわけ大きな反乱となったのがルーシアス地方で起こったカウント達が中心となった反乱である。
マグス・ルーンというカウントの先祖帰りが生まれたように、彼のほかにも先祖帰りは多く生まれるようになっていた。しかし、そういったカウント達は聖魔帝国のこともあって迫害されることになった。
これイリアス帝国に限ったことではなかったが、イリアス帝国では明確にカウントは生まれに限らず三級国民とされ、不当な扱いを受けていた。
また、聖魔帝国がマグス・ルーンを中心とした魔導師たちの国であったことから、イリアス帝国では魔導師の権利などが厳しく制限されていた。
これに不満を持ったカウントと魔導師達によって起こった反乱『ルーシアス独立戦争』である。
ルーシアス地方で発見された遺跡にて得た遺産の力を背景として、彼らはルーシアス地方での独立戦争を起こした。
数に勝るイリアス帝国であったが、戦争が続くうちに各地方の支配が緩み、さらなる反乱、暴動が起こり始めた為、苦渋の決断であったがルーシアスの独立を認め、和平条約を結んだ。
【地表結合と地表分離】
ルーシアス王国建国から数年後、ルーシアス王国で一つの魔術が発明される。
それは地表結合の逆、地表分離の魔法である。
この魔法によって、ルーシアス王国は王国全土をカエッサ大陸から分離、物理的に切り離しすことに成功する。
これは防衛という観点から見て、非常に有効な方法であった。
これ以後、この世界での戦争は、飛空挺によって敵領土を侵略後、制圧した地域を分離、自軍側の土地へと結合するという形を取るようになった。
【獣人戦争】
ルーシアス地方が独立した後、起きた戦争が差別階級であったキマイラ・ハルピュニア達、俗に言う獣人によるものである。
ルーシアス独立戦争に比べ、こちらは遺産などの力を背景としていないこと、中心となる人物・組織がなく、各地方で起きた暴動が発展したものであることから小規模なものであった。
しかし、獣の特性を持ち、身体能力に優れたキマイラ・ハルピュニアのゲリラ戦にイリアス帝国は手を焼くこととなり、この戦争はおよそ30年続くこととなる。
最終的に、長い戦いにキマイラ・ハルピュニア側に厭戦感情が沸き、和平組織『ホワイト・ファング』が結成された。
ホワイト・ファング側は、帝国内での待遇改善を条件に帝国と和睦、戦争は終結することとなった。
【イリアス帝国の衰退】
この二度に続く戦争は、帝国の支配を緩めることになり、帝国中心部から離れたアーシア地方では各都市が独立。独立後、自由都市国家同盟を結び、帝国の動きを牽制した。
この動きは極めて早く、戦争直後ということと後述のヴァルト地方のこともあり帝国側は対応できず、自由都市国家の独立を認めざるを得ない形となった。
この自由都市国家の素早い動きには、それを後押しした葦原八洲国の存在がある。
葦原八洲国はこの機に乗じて、イリアス帝国の力を弱めるために背後から手を回したのだ。
【ガズ=ヴァルト帝国建国】
アーシア地方で自由都市国家同盟が起こる、その同時期に未知世界からの魔物侵入を防ぐ最前線ヴァルト地方でも独立戦争が起こった。
この地方は、最前線ということもあるが、開拓が不十分ということもあり、兵士・開拓民としては下級階層の者達が強制的に送り込まれていた。
当然のことながら、彼等の不満は大きく、帝国へ叛旗を翻す機会をずっと伺っていた。
彼等はルーシアス王国の手法を真似、開拓によって手に入れた遺産の力を背景に独立戦争を仕掛けた。
度重なる戦争と暴動により疲弊していたイリアス帝国はこれに抗し切れず、一年の戦争を経てヴァルト地方の独立を認めざるを得ないこととなる。
【開拓期】
こうして復興期からおよそ千年、人々の生存圏はカエッサ大陸へと広がっていた。
三大大国であるイリアス帝国、ルーシアス王国、ガズ=ヴァルト帝国、そして葦原八洲国と自由都市国家同盟。
これらの国が建国され、その後、各国家間の戦争は幾度も起こることとなった。
人々はすでに限られた土地を奪い合う段階へと入っていた。
ここに来て、各国家は一つの考えに至る。
このまま限られた土地の奪い合いによる戦争を起こし続ければ、土地と人は疲弊していくばかり。
ならば、新たな土地を手に入れるべきだ。
未だ虚数災害による被害が吹き荒れる未知世界の土地。千年間、人々の住まぬ未踏の地。
その地を探索し、正常化を行い新たな地を手に入れる。どの国よりも早く。
各国家は競って、人々を雇い、あるいは組織し、外なる土地へと派遣した。
人々は彼らを探索者、あるいは冒険者と呼んだ。
最終更新:2014年10月19日 16:31