皇城ジウは知らない ◆2lsK9hNTNE
PENTAGONの前には中野四葉と同じ顔の少女が死体となっていた。
中野姉妹がPENTAGONで暮らしていたという話は四葉から聞いていた。殺しそこねた姉妹の誰かがここに行くのではないかと思いやってきたが。髪型や服装からしてこの少女で間違いない無そうだ。
遠目に罠の類が無さそうなことを確認し、ジウは死体に近づいた。肩から胸にかけてが大きく裂けている。死因は明らかにこれだろう。
かなり力任せに斬られている。刀の類では無い。刀であればこれだけ乱暴な振り方ではここまでは斬れない。創られた幕末で世界で新選組で過ごした数年間、斬殺死体は嫌というほど見てきたし、作ってもきた。それくらいのことはわかる。
中野姉妹がPENTAGONで暮らしていたという話は四葉から聞いていた。殺しそこねた姉妹の誰かがここに行くのではないかと思いやってきたが。髪型や服装からしてこの少女で間違いない無そうだ。
遠目に罠の類が無さそうなことを確認し、ジウは死体に近づいた。肩から胸にかけてが大きく裂けている。死因は明らかにこれだろう。
かなり力任せに斬られている。刀の類では無い。刀であればこれだけ乱暴な振り方ではここまでは斬れない。創られた幕末で世界で新選組で過ごした数年間、斬殺死体は嫌というほど見てきたし、作ってもきた。それくらいのことはわかる。
(向こうの男を殺したのも同じやつか?)
PENTAGONの壁に叩きつけれていた男の死体、傷の形は違うが力任せな感じは共通している。死体や周囲の血の乾き具合を見ても二人の死んだ時間にさほど差は無い。同じ人物に殺されたと見て間違いはないだろう。
少女の死体の腰の辺りに僅かい赤い物が見える。ジウは仰向けに倒れていた死体をひっくり返した。
予想通りだ。背中と腰の二箇所、地面に置かれたせいで掠れてはいるが血の跡が残っている。この位置と形は誰かが血の付いた両手で少女の身体を抱き上げた時に付くものだ。
この少女はジウが殺し合いに乗ったことを知っている可能性がある。もしかしたら少女を抱き上げた誰かにもそのことを伝えているかもしれない。
少女の身体の上には、向こうの男が壁に叩きつけられた時に飛んだと思しき破片が乗っていた。あの大きさの破片なら抱き上げられたなら落ちるはずだ。つまりまだ戦いが続いている最中に抱き上げられたということになる。たかが数時間前に知り合った人物ならそこまではしないだろう。やったのは少女の元からの知り合い――姉妹の誰かか、上杉風太郎だ。
少女の死体の腰の辺りに僅かい赤い物が見える。ジウは仰向けに倒れていた死体をひっくり返した。
予想通りだ。背中と腰の二箇所、地面に置かれたせいで掠れてはいるが血の跡が残っている。この位置と形は誰かが血の付いた両手で少女の身体を抱き上げた時に付くものだ。
この少女はジウが殺し合いに乗ったことを知っている可能性がある。もしかしたら少女を抱き上げた誰かにもそのことを伝えているかもしれない。
少女の身体の上には、向こうの男が壁に叩きつけられた時に飛んだと思しき破片が乗っていた。あの大きさの破片なら抱き上げられたなら落ちるはずだ。つまりまだ戦いが続いている最中に抱き上げられたということになる。たかが数時間前に知り合った人物ならそこまではしないだろう。やったのは少女の元からの知り合い――姉妹の誰かか、上杉風太郎だ。
(そいつはどこに行った?)
死んでいる男は二十歳は越えているだろうから、高校生の上杉風太郎ではない。
少女と男を殺したはずの殺人者の死体もないから、そいつ、またはそいつらは逃げたか撃退したかしたはずだ。
逃げたのなら手がかりはないが、撃退したのならまだ生きている知り合いを中野家の部屋で待っている可能性がある。その場合そいつまたはそいつらはこの死体を作った殺人者を凌ぐ力を持っているということだ。
近づくのは危険、だが放っておいたらジウの悪評が広まるかもしれない。生かしておく訳にはいかない。
ジウはPENTAGONに入った。こういったマンションは本来出入り口がオートロックドアになっていて、中から開けてもらわないと入れないが、ドアは開けっ放しになっていた。
部屋番号までは聞いていないが、受付などを調べればそれくらいはわかる。中野家の部屋は三十階にあるらしい。
階段で登るには体力の消耗が馬鹿にならない階数だが、エレベーターを使えば自分の居場所がばれるリスクがある。
ジウはひとつのエレベーターを無人のまま三十階へ向かわせ、自分は別のエレベーターに乗り込んだ。ドアの真横、外からの死角に身を潜める。
三十階に到着してドアが開き、刀を触れる耐性ですぐさま飛び出した。が、誰もいない。ジウは息をついた。
少女と男を殺したはずの殺人者の死体もないから、そいつ、またはそいつらは逃げたか撃退したかしたはずだ。
逃げたのなら手がかりはないが、撃退したのならまだ生きている知り合いを中野家の部屋で待っている可能性がある。その場合そいつまたはそいつらはこの死体を作った殺人者を凌ぐ力を持っているということだ。
近づくのは危険、だが放っておいたらジウの悪評が広まるかもしれない。生かしておく訳にはいかない。
ジウはPENTAGONに入った。こういったマンションは本来出入り口がオートロックドアになっていて、中から開けてもらわないと入れないが、ドアは開けっ放しになっていた。
部屋番号までは聞いていないが、受付などを調べればそれくらいはわかる。中野家の部屋は三十階にあるらしい。
階段で登るには体力の消耗が馬鹿にならない階数だが、エレベーターを使えば自分の居場所がばれるリスクがある。
ジウはひとつのエレベーターを無人のまま三十階へ向かわせ、自分は別のエレベーターに乗り込んだ。ドアの真横、外からの死角に身を潜める。
三十階に到着してドアが開き、刀を触れる耐性ですぐさま飛び出した。が、誰もいない。ジウは息をついた。
(用心しすぎだったみたいだな)
こんな状況では警戒を解くわけにはいかないが、あまり気を張り詰めすぎるのも身がもたなくなりそうだ。
ジウな中野姉妹の部屋へと歩く。下からだと角度の問題で気づかなかったが、周りの部屋は全て電灯が消えているのにこの部屋だけは明るかった。
再び警戒を強め中に入る。玄関を通りリビングへ。テーブルに備え付けられた椅子の数は五つ。私室らしき扉の数も五つ。洗面所へ行けば歯ブラシも五つあった。
やはりこのPENTAGONは名前だけではなく、中野姉妹が暮らしたマンションを正確に再現した物のようだ。
ラブデスター実験の舞台もジウたちが通う学校を再現した物だった。この一件の首謀者はファウストたちと並ぶ技術力を持っているということか。あるいはホログラムのような物を使えば、本人に特別な技術なんて何もなくてもこの状況を作り出すことは可能だ。もっとも歯向かう気の無いジウにとっては首謀者の力がどの程度だろうとあまり関係ないが。
探索を続けるが結局ひとの気配はまるでなかった。誰かが一度来たというだけだったのだろう。
ジウな中野姉妹の部屋へと歩く。下からだと角度の問題で気づかなかったが、周りの部屋は全て電灯が消えているのにこの部屋だけは明るかった。
再び警戒を強め中に入る。玄関を通りリビングへ。テーブルに備え付けられた椅子の数は五つ。私室らしき扉の数も五つ。洗面所へ行けば歯ブラシも五つあった。
やはりこのPENTAGONは名前だけではなく、中野姉妹が暮らしたマンションを正確に再現した物のようだ。
ラブデスター実験の舞台もジウたちが通う学校を再現した物だった。この一件の首謀者はファウストたちと並ぶ技術力を持っているということか。あるいはホログラムのような物を使えば、本人に特別な技術なんて何もなくてもこの状況を作り出すことは可能だ。もっとも歯向かう気の無いジウにとっては首謀者の力がどの程度だろうとあまり関係ないが。
探索を続けるが結局ひとの気配はまるでなかった。誰かが一度来たというだけだったのだろう。
(まあいい。それならそれで色々と調達させてもらおう)
当初ジウは、支給品の数を少なく見せて信用を得やすくすることを狙っていたが、人間離れした能力を持つ奴が何人もいるとあってはそんなこともいってられない。
救急箱や工具など使えそうな物をリュックサックに入れていく。どれも新品同然の状態だ。そんなところまで本物を再現はしなかったようだ。
自分や他の参加者のリュックサックを漁っている内に気づいたが、これには外観の質量以上の物をしまえる機能の他に、探している物が自動的に見つかる機能もあるようだった。中野四葉が地図や名簿を探した時に大量の刀に気づかなかったのもそれが原因だろう。何を入れたのかさえちゃんと覚えていれば、どれだけ大量に詰め込んでも探すのに手間取ることはない。
一通り詰め終わりジウは立ち上がる。これでPENTAGONでやるべきことは終わった。
殺す効率を考えたらまだやっておきたいはある。ここは複数の参加者に縁があり、遠目に目立つ建物だ。今後も誰かやって来るかもしれない。回収した品を使って爆弾を自動で起爆するタイプに改造して設置すれば、何人か殺せるかも知れない
だが駄目だ。それではしのが引っかかてしまうかもしれない。たまたまジウがここに爆弾を仕掛けたあと、たまたま起爆前にしのがやって来て死んでしまうなんて可能性としてはかなり低いだろう。悲惨なことばかりだったラブデスター試験の時でもそこまでの悲運には見舞われていない。
だがゼロではない。ならばできない。トラップの類は駄目だ。
ジウは外に出る。朝日が視界に入り目を細めた。最初の放送の時間が近づいていた。
救急箱や工具など使えそうな物をリュックサックに入れていく。どれも新品同然の状態だ。そんなところまで本物を再現はしなかったようだ。
自分や他の参加者のリュックサックを漁っている内に気づいたが、これには外観の質量以上の物をしまえる機能の他に、探している物が自動的に見つかる機能もあるようだった。中野四葉が地図や名簿を探した時に大量の刀に気づかなかったのもそれが原因だろう。何を入れたのかさえちゃんと覚えていれば、どれだけ大量に詰め込んでも探すのに手間取ることはない。
一通り詰め終わりジウは立ち上がる。これでPENTAGONでやるべきことは終わった。
殺す効率を考えたらまだやっておきたいはある。ここは複数の参加者に縁があり、遠目に目立つ建物だ。今後も誰かやって来るかもしれない。回収した品を使って爆弾を自動で起爆するタイプに改造して設置すれば、何人か殺せるかも知れない
だが駄目だ。それではしのが引っかかてしまうかもしれない。たまたまジウがここに爆弾を仕掛けたあと、たまたま起爆前にしのがやって来て死んでしまうなんて可能性としてはかなり低いだろう。悲惨なことばかりだったラブデスター試験の時でもそこまでの悲運には見舞われていない。
だがゼロではない。ならばできない。トラップの類は駄目だ。
ジウは外に出る。朝日が視界に入り目を細めた。最初の放送の時間が近づいていた。
【E-7/PENTAGON/1日目・早朝】
【皇城ジウ@ラブデスター】
[状態]:健康
[装備]:千刀・『鎩』@刀語
[道具]:基本支給品一式、救急キット@Fate/Grand Order、ネクタール・ボンボン@Fate/Grand Order、無名街爆破セレモニーで使用された爆弾@HiGH&LOW、ランダム支給品0~1(前述のものと合わせて支給品が合計3つ以下に見える状態)
[思考・状況]
基本方針:しのを生き残らせる
1:しのを優勝させるために皆殺す
2:さっきの青い獣(千翼)は殺す
3:中野姉妹と上杉風太郎を殺す
[備考]
※参戦時期は細川ひさこの仮想空間(新選組のやつ)から帰還してミクニを殺害するまでの間です。
※中野四葉から彼女の知り合いについて話を聞きました。少なくとも林間学校以降の時系列のものです。
[状態]:健康
[装備]:千刀・『鎩』@刀語
[道具]:基本支給品一式、救急キット@Fate/Grand Order、ネクタール・ボンボン@Fate/Grand Order、無名街爆破セレモニーで使用された爆弾@HiGH&LOW、ランダム支給品0~1(前述のものと合わせて支給品が合計3つ以下に見える状態)
[思考・状況]
基本方針:しのを生き残らせる
1:しのを優勝させるために皆殺す
2:さっきの青い獣(千翼)は殺す
3:中野姉妹と上杉風太郎を殺す
[備考]
※参戦時期は細川ひさこの仮想空間(新選組のやつ)から帰還してミクニを殺害するまでの間です。
※中野四葉から彼女の知り合いについて話を聞きました。少なくとも林間学校以降の時系列のものです。
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