共闘 ◆2lsK9hNTNE
空を覆う木々によって月の光さえ遮られた森の中。若殿ミクニは、岩や木の根だらけの歩きにくい地面の上を覚束ない足取りで歩いていた。
あのBBという女は何者なのか、目的はなんなのか、このバトルロワイアルはラブデスター実験の一貫なのか、疑問はいくらでもある。爆弾の威力を見せつけるためだけに人を殺したあの所業を思い出すと、身体が怒りで震えてくる。
だがミクニは立ち止まらずにとにかく動くこと選んだ。名簿に載る幼い頃からずっと一緒にいる友達や、共にラブデスター実験を乗り越えようと頑張る仲間たちの名。一刻も早くあいつらと合流しなければ。
こんな暗い森にいては人探しのしようもない。ミクニは森から出るため、ただ一心に足を動かしていた。
あのBBという女は何者なのか、目的はなんなのか、このバトルロワイアルはラブデスター実験の一貫なのか、疑問はいくらでもある。爆弾の威力を見せつけるためだけに人を殺したあの所業を思い出すと、身体が怒りで震えてくる。
だがミクニは立ち止まらずにとにかく動くこと選んだ。名簿に載る幼い頃からずっと一緒にいる友達や、共にラブデスター実験を乗り越えようと頑張る仲間たちの名。一刻も早くあいつらと合流しなければ。
こんな暗い森にいては人探しのしようもない。ミクニは森から出るため、ただ一心に足を動かしていた。
「うおっと!」
木の根に足を引っ掛け転びそうになる。反対の足でどうにか耐えた。危なかった。こんな荒れた地面の上で転んだら、打ちどころによってはただでは済まない。
「こんなところでウダウダやってる暇なんてねえ。早く皆と合流しねえと」
「その皆っていうのには俺も含まれてるのかな?」
「誰だ!」
「その皆っていうのには俺も含まれてるのかな?」
「誰だ!」
突如として背後からかけられた声にミクニは振り返り、驚愕した。
「オメェは!?」
わずかに空いた木々の隙間から入る月明かりに中、そこに立つのはここにいるはずのない男だった。
髪を七三分けにし、六角形のメガネをかけた、その男の名は……
髪を七三分けにし、六角形のメガネをかけた、その男の名は……
「猛田!?」
猛田トシオ。ミクニと同じ月代中学校の生徒。それはつまり全校生徒を巻き込んだラブデスター実験の被害者という意味でもある。
だが、彼は『測定器』と呼ばれる相性の良い異性を調べられるアイテムを手に入れると、それを使って他の生徒たちを支配しようとした。
生徒会として場を仕切っていたミクニたちを失脚させ、『測定器』で皆を騙し、自分だけのハーレムを築こうとした。
しかし、その野望はミクニたちの作戦によって白日のもとに晒された。猛田は逃げ出し、後に人知れず死亡したことが判明した……はずだった。
だが、彼は『測定器』と呼ばれる相性の良い異性を調べられるアイテムを手に入れると、それを使って他の生徒たちを支配しようとした。
生徒会として場を仕切っていたミクニたちを失脚させ、『測定器』で皆を騙し、自分だけのハーレムを築こうとした。
しかし、その野望はミクニたちの作戦によって白日のもとに晒された。猛田は逃げ出し、後に人知れず死亡したことが判明した……はずだった。
「どうしてここに。オメェは死んだはずじゃ!?」
「それは俺にもわからない。自分の身体が弾ける感覚を確かに味わったはずなのに、気づいたらここにいたのさ。
さっきの女はバトルロワイアルで優勝すれば死者の蘇生すら叶うと言っていたが、ひょっとしたらそういうことなのかもな」
「生き返ったっていうのか……?」
「それは俺にもわからない。自分の身体が弾ける感覚を確かに味わったはずなのに、気づいたらここにいたのさ。
さっきの女はバトルロワイアルで優勝すれば死者の蘇生すら叶うと言っていたが、ひょっとしたらそういうことなのかもな」
「生き返ったっていうのか……?」
確かにあの女はそう言っていたが、本当に死者の復活なんて芸当ができるのか?。
にわかには信じがたい。名簿で猛田トシオの名前も見ても同姓同名の別人だとばかり思っていた。
にわかには信じがたい。名簿で猛田トシオの名前も見ても同姓同名の別人だとばかり思っていた。
「それで? どうなんだよ。おまえが言うみんなには俺も含まれてるのか?」
猛田は自分の身勝手な欲望のために大勢の利用し、傷つけた。その中にはミクニの幼馴染のシノも含まれている。簡単に許せるような相手ではない。だが――
「ああ! もちろんだ。さっき言った時はオメェは死んでるんだと思ってたけどよ、生きてんなら当然含むぜ!」
簡単に許せるような相手ではない。だが猛田もラブデスター実験の被害者だ。あんな状況にさえならなければ、あんな暴挙に出ることもなかったはずだ。
「お人好しだなぁ。俺が優勝を狙ってるとは考えないのか?」
「考えねえわけじゃねえさ。でも狙ってるとしたって、オメェはそれを素直に言うようなやつじゃねえだろ?」
「そうだな、おまえ相手に取り繕っても仕方ないから白状するが、優勝を狙っていてもいなくても俺のやることは変わらない。おまえに近づいて信用を得ようとする」
「俺も同じだ。オメェが優勝を狙ってねえならオメェと協力するし、狙ってんならぶん殴ってでも目を覚まさせる。どっちにしても一緒に行動することには変わりねえ」
「なら、一先ずはよろしくってことでいいのかな?」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「考えねえわけじゃねえさ。でも狙ってるとしたって、オメェはそれを素直に言うようなやつじゃねえだろ?」
「そうだな、おまえ相手に取り繕っても仕方ないから白状するが、優勝を狙っていてもいなくても俺のやることは変わらない。おまえに近づいて信用を得ようとする」
「俺も同じだ。オメェが優勝を狙ってねえならオメェと協力するし、狙ってんならぶん殴ってでも目を覚まさせる。どっちにしても一緒に行動することには変わりねえ」
「なら、一先ずはよろしくってことでいいのかな?」
「ああ、よろしく頼むぜ」
ミクニが右手を差し出す。猛田がその手を握った。
友情を感じているわけでもない。信用しているわけでもない。それでもふたりの共闘はいまこの握手によって確かに結ばれた。
友情を感じているわけでもない。信用しているわけでもない。それでもふたりの共闘はいまこの握手によって確かに結ばれた。
◇
(クククッ、さすがに簡単には信用されないか)
固く結ばれた手を見ながら猛田は笑う。
無論、猛田にはミクニと協力する気など毛頭ない。測定器の力でハーレムを築くという野望はミクニのせいで破綻したのだ。誰が協力などするものか。むしろ復讐すべき相手だ。
だが無闇に殺すようなことはしない。生前(というのも奇妙な言い方だが)の猛田の失敗は測定器の力を過信し、ミクニたち生徒会を侮って敵に回したことだ。
どんな便利な道具も使えなければ意味がない。一度は得た生徒たちの支持も、測定器を奪われたせいでミクニに逆転されてしまった。
無論、猛田にはミクニと協力する気など毛頭ない。測定器の力でハーレムを築くという野望はミクニのせいで破綻したのだ。誰が協力などするものか。むしろ復讐すべき相手だ。
だが無闇に殺すようなことはしない。生前(というのも奇妙な言い方だが)の猛田の失敗は測定器の力を過信し、ミクニたち生徒会を侮って敵に回したことだ。
どんな便利な道具も使えなければ意味がない。一度は得た生徒たちの支持も、測定器を奪われたせいでミクニに逆転されてしまった。
(こいつらのような、ある程度の能力を持つ連中は迂闊に敵にしないほうがいい。ますは徹底的に利用して、敵に回す時は確実に始末する!)
猛田は一度した失敗は繰り返さない。優勝賞品の『どんな願いでも一つだけ叶えられる権利』は自分のものだ。
そのためには六十九人もの人間を死に追いやらなければならないが、猛田はすでに恋人を殺しているのだ。いまさら興味のない人間が何人死のうがどうでもいい。
そのためには六十九人もの人間を死に追いやらなければならないが、猛田はすでに恋人を殺しているのだ。いまさら興味のない人間が何人死のうがどうでもいい。
(楽しみだよミクニ。俺に利用されたと知った時、おまえがどんな顔で死んでいくのか)
その時のことを想像し、猛田は心の中でほくそ笑んだ。
互いに相反する想いを抱きながらふたりは握手を解いた。ミクニが言う。
互いに相反する想いを抱きながらふたりは握手を解いた。ミクニが言う。
「そういえばよ。生きてたんならオメェに伝えなきゃいけねえことがあったんだ」
「伝えなきゃいけないこと?」
「オメェ、遊川に運命の相手は武道だって教えたんだろ?」
「それがどうかしたか?」
「オメェがいなくなったすぐ後、あいつら告白を成功させて地球に帰ったぜ」
「なんだと?」
「伝えなきゃいけないこと?」
「オメェ、遊川に運命の相手は武道だって教えたんだろ?」
「それがどうかしたか?」
「オメェがいなくなったすぐ後、あいつら告白を成功させて地球に帰ったぜ」
「なんだと?」
測定器に遊川と相性の良い相手として武道が表示されたのは事実だが、本当はあの時他にもふたり女が表示されていた。しかしそのふたりは猛田のハーレムに加えるに相応しい中の上以上の女だったため、遊川には相手は武道しかいないと嘘をついたのだ。
武道は表示された女の中で一番遊川と合わなそうな女だった。いくら測定器の判断とはいえこのふたりはさすがにないだろうと猛田は思っていたのだが。
武道は表示された女の中で一番遊川と合わなそうな女だった。いくら測定器の判断とはいえこのふたりはさすがにないだろうと猛田は思っていたのだが。
「そうか。あのふたり、帰ったのか」
……まあどうでもいい話だ。
【D-5・/1日目・深夜】
【若殿ミクニ@ラブデスター】
[状態]:
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:バトルロワイアルからの脱出
1.森を出て皆を探す
[備考]
※敬王から帰還以降からの参戦。詳しい時期は後続の書き手にお任せします
【若殿ミクニ@ラブデスター】
[状態]:
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:バトルロワイアルからの脱出
1.森を出て皆を探す
[備考]
※敬王から帰還以降からの参戦。詳しい時期は後続の書き手にお任せします
【猛田トシオ@ラブデスター】
[状態]:
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:優勝商品を手に入れる
1.若殿ミクニを利用する
[備考]
※死後からの参戦
[状態]:
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:優勝商品を手に入れる
1.若殿ミクニを利用する
[備考]
※死後からの参戦
| 前話 | お名前 | 次話 |
| 拝啓、桜舞い散るこの日に | 若殿ミクニ | センチメンタルクライシス |
| Debut | 猛田トシオ | センチメンタルクライシス |