リッチームクガイヤ
そしてその日、魔王が召喚され、さらに数日の後、聖王が死んだ。
ヨネア「あれだけ自信満々に召喚しといて再送還できないとか、どういうことよ!?」
ムクガイヤ「ふむ。これはやはり私のミスか。喜べ、この天才の数少ない失敗の例が歴史に記されるぞ」
ニースルー「喜んでいる場合ですか」
ヨネア(こいつ、ワザと再送還しなかったんじゃ・・・・・・?)
ムクガイヤ「だめだな。このまま大陸を制覇したところで、私の命が尽きれば我が理想は
露と消える。人の身では新秩序は成せぬ。ならば・・・・・・」
サーザイト(このところの
ムクガイヤ殿の失策の連続は妙だ。あえて敵を誘い込み、あえて包囲させるに
しても、挽回しようがない状況へと向かっている。これはまさか?)
ルートガルト王宮にて
サルステーネ「陛下。『儀式』は順調のようです」
ムクガイヤ「うむ。大陸全体で流された血を供物として儀式は成就する。私はこの脆弱な肉体を捨て、完全なる
存在となる。私のこの頭脳が時と共に消えうせてしまうのは世界にとっての最大の損失であるからな。
では、はじめるぞ」
サルステーネ「はっ。(ドスッ)」(
サルステーネが死んだ)
ムクガイヤ「『魂は光を投げかけ、死はその影となる。光がかすれていくとき、生と死は一つとなる。』」
フィーザレス「逆賊
ムクガイヤ!どこに隠れた!?」
リッチームクガイヤ「隠れる?ふむ、人間・ムクガイヤが『隠れる』という意味では間違っていないかな。
くだらん言葉遊びだ。それと、戦争などというくだらん遊びももうすぐ終わる。私という絶対の存在が君臨することでな」
フィーザレス「こ、これは・・・ぐはっ!」(
フィーザレスが死んだ!)
ゴート「王宮で一体なにが?なんだ、あの黒い影は?」
リッチームクガイヤ「道化よ。任を解く。おまえにもう利用価値はない。消えろ」
ゴート「な・・・に・・・」(ゴート三世が死んだ!)
ヨネア「
ムクガイヤ!その姿、あなたまさか死霊術に・・・」
サーザイト「なんということだ。ムクガイヤ殿!」
リッチームクガイヤ「そうだ。永遠不滅の肉体、用量無制限の頭脳。これこそが私の求めていたもの。
魔王を召喚し、それをワザと再送還失敗のフリをして泳がせ、大陸全体の死者の数を増やした。
知識層による支配だなどとその気になっていたおまえたちの姿はお笑いだったよ」
ニースルー「皆さん、逃げてください。ここは・・・かはっ・・・!」(
ニースルーが死んだ!)
サーザイト「ヨネア殿、お気を確かに。誰か、ヨネア殿を・・・!」(
サーザイトが死んだ!)
ルーゼル「
ムクガイヤ、人間の頃の貴様を殺したかったが。まぁいい。死ね」
リッチームクガイヤ「そういえばそなたを送還するのを失念していたよ。いや失敬」
ルーゼル「くっ・・・
パルスザン、フーリン・・・逃げろ!こいつは・・・!」(
ルーゼルが死んだ!)
アルティナ「これが、古の禁術の力?あれを野放しにはできません。騎士たちよ、私に続くのです!」
リッチームクガイヤ「飛んで火に入るか羽虫め。燃え尽きろ」
アルティナ「これ・・では・・・!」(
アルティナが死んだ!)
ノスフェラトゥラクタイナ「馬鹿な。いくら禁術を用いたとて、これほどの力が手に入る筈はない・・・貴様は一体!?」
リッチームクガイヤ「下衆に言っても理解できんだろう。消え失せよ」
ノスフェラトゥラクタイナ「私が・・・この私が・・・!」(ノスフェラトゥラクタイナが死んだ!)
リッチームクガイヤに敵う者はいなかった。全ての生命は永遠に死なない彼に永遠に隷属することとなった。
- オチは? -- 名無しさん (2024-01-26 09:19:55)
最終更新:2024年01月26日 09:19