響きライブラリー
世界史
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「響き」ライブラリー
世界史
「銃・病原菌・鉄」上下ニ巻
ジャレド ダイアモンド
2006.1
これからのスタンダードになりそうな予感、21世紀初頭のグッドジョブ
進化論で有名なダーウィンの「種の起原」、その第1章は、野生の植物が、人間が作物として栽培する「栽培種」にどうやって「進化」するか、ということの説明(あるいは論考)に当てられている。ということを、この本を読んで知りました。
テーマは
- 「人類が誕生してから、何故、世界は今あるような姿になったのか?」
ヨーロッパ人は南北アメリカ大陸に入植したけれど、なぜアメリカインディアンがヨーロッパに入植してくることにはならなかったのか、かつて文明が萌芽した「肥沃な三日月地帯」は何故いまは肥沃でないのか、他民族にひどいことをするのは「先進国」の専売特許じゃなくて以外と普通(程度は別として)かも、などなど、ともすれば様々な批判を招きかねないテーマを堂々と科学として成り立たせています。
読んでいる途中で「そんなこと言っても○○じゃないの?」なーんてことを何度も思いましたが、彼は必ずどこかで答を用意していて、自分の浅薄さを思い知らされることしきりでした。トホホ。
だからって訳じゃないけどジャレドさん、あんた偉いよ。マジで。
読んでいる途中で「そんなこと言っても○○じゃないの?」なーんてことを何度も思いましたが、彼は必ずどこかで答を用意していて、自分の浅薄さを思い知らされることしきりでした。トホホ。
だからって訳じゃないけどジャレドさん、あんた偉いよ。マジで。
新時代到来か
それにしても「何故?」って言われてもねえというテーマなんですが、必然と偶然のあいだを軽々と行き来するスタンスの取り方はお見事。ジャンルを超えて手本になり得るものだと思います。
記述されている内容そのもの、議論のレベルの高さあるいは公正さ、そしてこれだけのしっかりした論考が単なる学術論文としてでなく一般に流通する書物として出版され(さらに日本語訳され)、こうして我々の手に入ること、どれをとってもこれからの本のあるべきスタンダードを示していると思います。
記述されている内容そのもの、議論のレベルの高さあるいは公正さ、そしてこれだけのしっかりした論考が単なる学術論文としてでなく一般に流通する書物として出版され(さらに日本語訳され)、こうして我々の手に入ること、どれをとってもこれからの本のあるべきスタンダードを示していると思います。
書店での体験
紀ノ国屋書店で本をレジに持って行った時、普通なら「カバーはお付けしますか?」ってなりますよね。でもこの本を持って行った時は違いました。彼は何よりも先に、眼を輝かせて私にこう言ったのです。
「この本、いいですよ。」
そんな事って、あり得ます?
「この本、いいですよ。」
そんな事って、あり得ます?
目次
- プロローグ
ニューギニア人ヤリの問いかけるもの- 第1部 勝者と敗者をめぐる謎
一万三〇〇〇年前のスタートライン
平和の民と戦う民との分かれ道
スペイン人とインカ帝国の激突- 第2部 食料生産にまつわる謎
食料生産と征服戦争
持てるものと持たざるものの歴史
農耕を始めた人と始めなかった人
毒のないアーモンドのつくり方 ほか- 第3部 銃・病原菌・鉄の謎
家畜がくれた死の贈り物- (以下下巻)
文字をつくった人と借りた人
発明は必要の母である
平等な社会から集権的な社会へ- 第4部 世界に横たわる謎
オーストラリアとニューギニアのミステリー
中国はいかにして中国になったのか
太平洋に広がっていった人びと
旧世界と新世界の遭遇 ほか- エピローグ
科学としての人類史
DATA
- 出版社
- 草思社 (2000/09)
「文明崩壊」上下ニ巻
ジャレド ダイアモンド
2006.1
ヴァイキング好きなら、買い。
「銃・病原菌・鉄」と同じ著者。私はヴァイキング好きなので(→西洋歴史)、ヴァイキングのグリーンランド入植、そしてアメリカ入植に関する記述を関心を持って読みました。その目的ならこの本は買いです。
でも、そうでなければ物足りない。「銃・病原菌・鉄」を書くための準備作業だったのだではないかと思います。
でも、そうでなければ物足りない。「銃・病原菌・鉄」を書くための準備作業だったのだではないかと思います。
目次
- プロローグ
ふたつの農場の物語- 第1部 現代のモンタナ(モンタナの大空の下)
- 第2部 過去の社会(イースターに黄昏が訪れるとき
最後に生き残った人々―ピトケアン島とヘンダーソン島
太古の人々―アナサジ族とその隣人たち
マヤの崩壊
ヴァイキングの序曲と遁走曲
ノルウェー領グリーンランドの開花
ノルウェー領グリーンランドの終焉- (以下下巻)
存続への二本の道筋- 第3部 現代の社会
アフリカの人口危機―ルワンダの大量虐殺
ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史―ドミニカ共和国とハイチ
揺れ動く巨人、中国
搾取されるオーストラリア- 第4部 将来に向けて
社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?
大企業と環境―異なる条件、異なる結末
世界はひとつの干拓地
DATA
- 出版社
- 草思社 (2005/12/21)
講座世界史
「世界史とは何か」ほか 全12巻
歴史学研究会(東京大学)
2006.9.12
この値段で東大の授業を1コマ・ワンクール受講できると思えば安いもの
全12巻 書名
(順不同)
- 世界史とは何か―多元的世界の接触の転機
- 近代世界への道―変容と摩擦
- 強者の論理―帝国主義の時代
- 民族と国家―自覚と抵抗
- 「近代」を人はどう考えてきたか
- 資本主義は人をどう変えてきたか
- 必死の代案―期待と危機の20年
- 戦争と民衆―第二次世界大戦
- 解放の夢―大戦後の世界
- 第三世界の挑戦―独立後の苦悩
- 岐路に立つ現代世界―混沌を恐れるな
- わたくし達の時代

とは言いながら、どんな本だったかはもはや覚えてません。12分冊で歴史の教科書と云えば普通は年代別に出来事を綴っていくもんですが、このシリーズでは各書の題から想像されるように分野別になっており、切り口が新しかったような気はします。初版から10年以上経って新品は残り僅かの筈。
なお、古本では、各々半額以下で手に入ります。
なお、古本では、各々半額以下で手に入ります。
DATA
- 発行
- 東京大学出版会 (1995~96)
地図と地名で読む世界史
宮崎 正勝
図があると良く分かる。
2007.1
出版社/著者からの内容紹介
歴史的な事件や出来事の多くは、地理的な条件が大きく関係している。本書は、地理・地形とともに歴史を読む際に重要なアクセントになる地名も重視。単なる歴史事実の羅列ではない、なぜこうなったのかが空間的にイメージできる、新しい視点をもたらす一冊。
数ページで1項目。テンポ良くタッタッタと読めていい感じ。
DATA
- 出版社
- 日本実業出版社 (2004/6/30)
