楓海

種族考察:植物族

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■種族考察:植物族


□制限カードだって存在するぜ!

【植物】という種族があります。植物族であるモンスターカードの枚数は少なく、種族としての力は微かなものです。ですが、強力なカードも数多く眠っています。その筆頭として、このカードをまず提示します。


《ダンディライオン》地 ☆3 植物族 300/300
このカードが墓地に送られた時、自分フィールド上に「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。
このトークンは特殊召喚されたターン、生け贄召喚のための生け贄にはできない。


1分目により、このカードが手札、デッキ、フィールド上などあらゆる場所【除外ゾーンから【墓地送られた】らどうなるのか? 発動、かな】から墓地に送られた時、墓地で効果を発動し、トークンを2体守備表示で特殊召喚します。
トークンは植物族・風属性・星1・攻守0の能力です。このカードと同じ植物族であるのでトークンも何らかの利用方が見込めます。しかしこのカードは地属性でありトークンは風属性ですので属性を活かした使い方は難しいでしょう。
このカード1枚からトークン2体を特殊召喚するので枚数から言えば+1のアドバンテージとなります。同じようなカードとして《迷える仔羊》がありますが、あちらは通常魔法ですので色々な局面に対応しづらく、こちらはモンスターであるので単なる壁としても利用ができます。が、モンスターであり墓地発動であるので一旦フィールド上にプレイした場合は無効化する手段は多くあります。この事からただ効果を発動したいのなら、どちらかというと手札・デッキから墓地に送るのがより安全です。
2分目により、このトークンには特殊召喚したターンには生け贄召喚のための生け贄に使用する事はできません。
この生け贄制限により、すぐさま上級モンスターを召喚して攻める事はできなくなっています。しかし墓地に送りさえすれば発動する強制効果ですので、相手ターンに何らかの手段をもって効果を発動すれば、返しのターンで反撃に転じる事が可能です。また、生け贄召喚以外の生け贄にはすぐさま利用可能です。
この効果の発動しやすさと《黄泉ガエル》との間接的シナジーの良さによって、2006.03.01の制限改訂のより共に制限カードとなった、強力なカードです。

このカード自体は汎用性の高いカードであり、直接植物族を強化するものではありません。ですが、植物族を参照する強力なカードが登場した場合、その魅力を最大限に高めてくれるものとなるでしょう。

□植物の方向性

植物族という種族、実はある程度種族としての方向性が定まっている種族であると管理人は考えます。それは植物のイメージである【生命力】に根ざした新たな命と再生、といった所でしょうか。具体的にはトークンと墓地からの特殊召喚です。

《レクンガ》水 ☆4 植物族 1700/500
自分の墓地の水属性モンスター2体を除外する度に、自分フィールド上に「レクンガトークン」(植物族・水・星2・攻/守700)を1体攻撃表示で特殊召喚する。

《デス・デンドル》地 ☆4 植物族・ユニオン 300/2000
1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに装備カード扱いとして自分の「ブラッド・オーキス」に装備、または装備を解除して表側攻撃表示で元に戻す事が可能。
この効果で装備カード扱いになっている時のみ、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊する度に「魔草トークン」(植物族・地・星1・攻/守800)を1体特殊召喚する。
(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。装備モンスターが戦闘によって破壊される場合は、代わりにこのカードを破壊する。)

《ロードポイズン》水 ☆4 植物族 1500/1000
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、自分の墓地に存在する「ロードポイズン」以外の植物族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

植物族はトークン生成能力にとても長けた種族です。2006.03.15現在、植物族であるトークンは3体存在します。これはトークンを種族で計った場合、獣族であるトークンと同位で全トークン中1位の数値を誇ります。さらに、獣族のトークンは《スケープ・ゴート》《迷える仔羊》《おジャマトリオ》によって生成されるものであるという事を踏まえれば、実質1位のトークン生成種族でしょう。
そこに植物族であるならばレベルや能力に関係なく蘇生できる《ロードポイズン》の存在から、植物族の方向性はある程度定まっていると言えます。

さらにその生命力を活かしたサポートカードも存在します。

《深緑の魔弓使い》地 ☆3 戦士族 900/1400
自分フィールド上に植物族モンスターが存在する場合、このカードを攻撃する事はできない。
自分フィールド上の植物族モンスターを生け贄に捧げる度に、フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。

トークン生成能力に長けるのなら、それを生け贄に捧げて何らかの効果を発動する事が賢い選択です。これはまさにそれを体現したカード。
で・す・が。問題はこのカード以外に植物族を生け贄に捧げて効果を発動するカードは存在しません。
それどころか植物族をサポートするカードは、植物以外にも作用してしまうフィールド魔法《森》、あまりにも虚しい300アップ装備魔法《魔菌》の二種類のみ。
ここからは詳しく植物族のネガティブな面を見ていきます。

□雑草は雑草?

まずは上で上げた3枚、《レクンガ》《デス・デンドル》《ロードポイズン》を見てみましょう。
墓地の水属性モンスターですが、これに植物族という枷を加えた場合悲しい報せが届きます。水属性・植物族である効果モンスターは《妖精王オベロン》《レクンガ》《グラス・ファントム》《ロードポイズン》の4枚だけなのです。《オベロン》を何枚も採用するわけにはいきませんし、《グラス・ファントム》は墓地にある方が好都合。墓地の水属性確保ができないのでは効果を発動する事はできません。
水属性のみとして見たならば媒体はいくらでもありますが、同じ2体除外に《フェンリル》が存在します。《フェンリル》は効果が強力ですが、攻撃力は1400です。また、墓地に水属性が2体存在しなければ効果どころか特殊召喚すら不可能なので手札に溜まりやすい欠点があります。これは由々しき問題で墓地に1体ではなく2体という数字が《レクンガ》以上に響いてきます。対して《レクンガ》は攻撃力が1700あり、効果を発動せずともある程度単なるアタッカーとして運用が可能という利点があります。しかし効果の方は、2体除外して1体トークン。生け贄制限は一切ないものの、攻撃表示でなければなりません。どちらを採用するかというのは真剣に検討すべき問題ではあると思いますが、管理人はほぼ迷いなく《フェンリル》を採るでしょう。《レクンガ》はあまり水属性の傾向に合っているとは思えません。攻撃力不足の水にとって1700は魅力的な数字なんですけれどね。
《デス・デンドル》はトークンを生成できますが、《ブラッド・オーキス》専用のユニオンであるという点を差し引かないわけにはいきません。
《オーキス》自体は1700/1000で、召喚時に《デス・デンドル》を手札から特殊召喚できる効果しか持たない、可もなく不可もないモンスターです。
そして《デス・デンドル》を装備するのですから、実質アドバンテージ-1となります。トークンを生成するのはモンスターを破壊すればいいだけなのでそれほど苦労はしないでしょうが、損失を取り戻すには2体以上破壊したい所。しかし1700で1ターン持ちこたえるというのは近頃なかなか難しいものです。一応、トークンは生け贄制限がまったくなく、守備表示でも特殊召喚できる点、《デス・デンドル》自体守備2000なので問題なく壁として機能できる点は評価に値します。ただ、2100のアレが何らかの制限を喰らわない限りは2000では物足りない数値なのですが。
《ロードポイズン》は一見強力で、植物族のカードプールの物足りなさを考慮しても、これからを期待すれば強力なカードなのですが、実際に使ってみて分かります。このカードは非常に安定しません。
デッキからモンスターを引っ張ってこれるリクルーターとは違い、このカードは墓地依存。墓地にモンスターが少ない序盤では役に立ちません。《ロードポイズン》という名のカードを対象に指定できないのもそれに拍車をかけています。【せめて「このカード以外の」というテキストならば他の《ロードポイズン》を指定できたというのに】
単なる蘇生カードとして見るのも危険でしょう。蘇生カードは魔法にしろ罠にしろある程度能動的に発動ができますが、このカードは受け身でしかありません。相手の伏せカードによって発動を阻害されるのではなく、そもそも発動すらさせて貰えなかったという事が多々有り得ます。さらに、このカードはモンスターですので、序盤ではどうしても伏せなければならない状況があるでしょう。墓地に魔法が存在しない《聖なる魔術師》のジレンマと同じものを抱えているのです。

その他のカードとして、
唯一の効果あり上級モンスター《妖精王オベロン》は効果を発動したければ自身が攻撃する事はできない。
優秀なリクルーター《キター・トマト》で引っ張ってこれる闇属性・植物族の効果ありモンスターは存在せず。
昆虫族のサポート? 疑問符の付く守備2000壁《棘の妖精》。攻撃モンスターを守備にする効果は返しのターンで突き刺さるでしょうが、《デス・デンドル》とのデッキバランスが難しい。《怒れる類人猿》を倒せるものの、やはり2100のアレが・・・。
暗黒界デッキで注目を浴びる《リグラス・リーパー》は《ニュート》の前に霞む性能。植物としてはそこそこですが、こう1600では《ブラッド・オーキス》の1700に目が行きます。
コントロールを奪う《幻惑のラフレシア》ですが、同じリーバスでもコントロール奪取効果は優良なのが揃っています。この効果では、植物が台頭しても活躍は難しそうです。
他にモンスターがいれば自分は攻撃されない《幻影の妖精》。間接的な攻撃対象コントロールとして、攻撃の抑制となりますがなかなか難しい。《オベロン》の隣りにそっとセットしておくと大穴は狙えるかも?
などがあります。効果のほどはそこそこ・・・まあまあといった所ですが、全体的に攻守はそれほど低くはありません。あとは効果だけ、効果だけなのです。

□花開いて欲しいなあ。

あまり良い点を評価をしていませんが、とにもかくにも植物族を参照するサポートカード、上級モンスターが存在しないのが最大の欠点です。特に上級モンスターは《ロードポイズン》で使い回せるので特殊召喚にさえ制限をかけなければ登場次第注目される事になるでしょう。
これまでデザイン側からサポートを受けていなかった種族はある時期突然に集中してサポートを受ける事がままありましたので、これからの台頭はある程度期待できると思われます。
《ロードポイズン》、案外回しにくいんですから《氷帝メビウス》並みの植物上級出しても問題ないんですよ?

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