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NX、ジノーヴィ最大の見せ場。 - (2008/09/22 (月) 20:10:51) のソース
机の上に広げた資料を眺める。 「やはり、可能性はあるな」 そう呟いて立ち上がろうとした瞬間、部屋のドアが開いた。 「ジノーヴィ、あのレイヴンの件です」 私のオペレータを務める女性だった。 「何か分かったのか?」 「はい。次の出撃日時が分かりました」 私は今、一人のレイヴンに目をつけている。 彼(彼女かもしれない)はレイヴン登録後、新人としては極めて速いペースで 任務を遂行し、その成功率は八割を超えている。 もしかしたら、私に匹敵する者へと成長するかもしれない。 「で、いつなんだ?」 「今日です」 「……詳細を教えてくれ」 随分といきなりな話だ。彼女の話によると、ベイロードシティに侵入した ミラージュ部隊の排除をナービスが依頼したらしい。 「今からなら、間に合うか」 「え、今からって、どういうこと?」 よほど驚いたのだろう。口調が変わっている。 「一度、実際に戦うところを見ておく必要がある。偽の依頼を私に送信してくれ」 「トップランカーのあなたがそんなことを……もし発覚したら、大変なことになるのよ?」 しかし、これを逃せばチャンスはないような気がする。 「頼む」 「……分かりました。あなたは出撃の準備をしてください」 「ありがとう」 三十分後。 私はデュアルフェイスを駆り、ベイロードシティに侵入した。 「情報によれば、ミラージュの勢力はMT09-OWLが四機ですが…… 既に一機は撃破されたようですね」 レーダーには機影が四つ。そのうち一つはあのレイヴンのACだろう。 今は二機のMTと戦っている。 「さすがに、ミラージュの新鋭機相手ではてこずるか」 そう呟き、単機で破壊活動を行っているMTに接近し、ブレードを振りかざす。 「ACがもう一機!? 何故――」 MTが崩れ落ちる。 幸い、もう二機はACと戦うのに夢中でこちらに気づいていない。 そのまましばらく見守る。苦戦しているようだが、手は出さない。 ついにACが膝をつく。しかし、あの様子なら死んではいない。 とどめを刺そうと、MTがACのコアにライフルを向ける。 「さて……そろそろだな」 接近してブレードで一閃、残る一機もライフルの連射で撃破する。 反撃する隙など、与えない。 そのまま撤退しながら、呟く。 「いったいどれほどの者になるか……期待するぞ」