Q&A 目次
- Q1 原作者や権利者が配布していて、「非商用利用OK」と書いてあったので使ってもいいですか?
- Q2 アカペラなら使用してもいいですか?
- Q3 ピアノで既存の曲を弾き、それに歌をつける弾き語りなら使用してもいいですか?
- Q4 簡単に言うと、権利者からどのような許諾を取ればいいのですか?
- Q5 権利者には、どのようなコメントを送ればいいですか?
- Q6 「元曲の歌詞やメロディーを使って歌唱・演奏すること」「その歌唱・演奏を録音すること」「録音した作品をScratchにアップロードすること」「Scratch上で作品を公開・共有すること」「他の利用者が作品を再生すること」「他の利用者が作品を使用、複製、改変、リミックスすること」「派生作品を作成・公開すること」「Scratch側が作品を利用すること」「歌詞やメロディーを変更すること」「編曲すること」「翻案すること」「替え歌・翻訳を行うこと」「変更後の作品をScratchで公開すること」とありますが、具体的にはどのような意味ですか?
Q1 原作者や権利者が配布していて、「非商用利用OK」と書いてあったので使ってもいいですか?
A1 それだけでは、Scratchで使用できるとは判断できません。
「原作者や権利者が配布している」ことと、「非商用利用OK」と書かれていることだけで、Scratchで使用できるとは限りません。
Scratchでは、単に個人で利用できるだけでなく、次のような利用が行われる可能性があります。
- Scratchに作品をアップロードすること
- 作品を公開・共有すること
- 他の利用者が作品を再生すること
- 他の利用者が作品を使用、複製、改変、リミックスすること
- 作品をもとに派生作品を作成・公開すること
- Scratchが利用規約の範囲内で作品を表示、複製、配布、改変などに利用すること
そのため、「非商用利用OK」だけでなく、Scratchでの公開、共有、リミックス、改変、派生作品の作成、およびScratch側による利用まで許可されているかを確認する必要があります。
また、配布者が本当に必要な権利を持っているか、第三者の権利についても許諾できる立場にあるかを確認する必要があります。
Q2 アカペラなら使用してもいいですか?
A2 アカペラというだけでは、Scratchで使用できるとは限りません。
既存のCD音源、配信音源、カラオケ音源、オフボーカル音源などを使わず、自分で歌って録音する場合は、元の録音物に関するレコード製作者や実演家の権利に関する問題を通常は避けられます。
しかし、元曲の歌詞やメロディーを使って歌うこと、その歌唱を録音すること、そしてその録音をScratchで公開することについては、元曲の著作権や公衆送信権などが問題になる可能性があります。
したがって、アカペラであっても、次のような利用が許可されているかを確認する必要があります。
- 元曲の歌詞やメロディーを使って歌うこと
- 歌唱を録音すること
- 録音した作品をScratchにアップロードすること
- Scratch上で公開・共有すること
- 他の利用者が再生、使用、改変、リミックスすること
- 作品をもとに派生作品を作成・公開すること
- Scratch側が利用規約の範囲内で作品を利用すること
権利者から、これらの利用範囲を認める許諾やライセンスを得ている場合に限り、使用できる可能性があります。
Q3 ピアノで既存の曲を弾き、それに歌をつける弾き語りなら使用してもいいですか?
A3 弾き語りであっても、それだけでScratchに投稿できるとは限りません。
既存のCD音源、配信音源、カラオケ音源、オフボーカル音源、他人が演奏した伴奏音源などを使わず、自分でピアノを演奏して録音する場合は、元の録音物に関するレコード製作者や実演家の権利を直接利用する問題を通常は避けられます。
しかし、元曲の歌詞やメロディーを使って歌唱・演奏し、その録音をScratchで公開するため、元曲に関する著作権、公衆送信権、送信可能化権などが問題になる可能性があります。
また、次のような変更を行う場合は、編曲権、翻案権、著作者人格権などが問題になる可能性があります。
- ピアノ伴奏を大幅に変更する
- 元のメロディーを変更する
- 替え歌にする
- 歌詞を翻訳する
- 歌詞の内容を大幅に変更する
- 元曲とは異なる構成や表現にする
したがって、弾き語りであっても、原曲の利用とScratchでの公開、共有、再生、リミックス、改変、派生作品の作成などに必要な権利や許諾を確認できる場合に限り、使用できる可能性があります。
Q4 簡単に言うと、権利者からどのような許諾を取ればいいのですか?
A4 「Scratchで歌唱・演奏した音源を録音し、公開・共有し、Scratchの利用規約の範囲内で、他の利用者やScratch側が利用すること」について、必要な権利者から許諾を得る必要があります。
ただし、必要な許諾は、使用する楽曲、音源、歌詞、編曲の有無などによって異なります。
必要な利用範囲の例
- 著作物を複製する権利
- 著作物をScratchへアップロードする権利
- 著作物を公衆送信する権利
- 著作物を送信可能化する権利
- 著作物を表示・上映・演奏・再生する権利
- 著作物を配布・頒布する権利
- 著作物を改変・加工する権利
- 著作物を翻案する権利
- 著作物を利用した派生作品を作成する権利
- 他のユーザーによる閲覧を認める権利
- 他のユーザーによる取得・複製を認める権利
- 他のユーザーによるリミックスを認める権利
- 他のユーザーによる改変・加工を認める権利
- 他のユーザーによる派生作品の作成を認める権利
- 他のユーザーがリミックス作品をScratch上で公開することを認める権利
- Scratch Foundationが著作物を表示する権利
- Scratch Foundationが著作物を実演・再生する権利
- Scratch Foundationが著作物を複製する権利
- Scratch Foundationが著作物を保存・送信する権利
- Scratch Foundationが著作物を配布する権利
- Scratch Foundationが著作物を改変・加工する権利
- Scratch Foundationが著作物を利用した派生物を作成する権利
- Scratch Foundationが第三者へ利用を再許諾する権利
- Scratch FoundationがAIモデルの訓練や機械学習に利用する権利
すべてのケースで、上記の項目を一つ一つ別々の許諾書にする必要があるとは限りません。しかし、権利者がどの利用範囲を許可しているのかが、明確に分かる状態にしておく必要があります。
誰から許諾を得るのか(弾き語り・アカペラなど)
使用する楽曲の歌詞やメロディーについて、次のような権利者や管理者を確認します。
- 作詞者
- 作曲者
- 音楽出版社
- JASRAC、NexToneなどの著作権管理事業者
- 著作権を正式に管理しているその他の権利者
- 権利者から正式に許諾を受けている代理人や管理者
誰に許諾を求めるべきかは、楽曲ごとに異なります。作詞者や作曲者本人がすべての権利を管理しているとは限らず、音楽出版社や著作権管理事業者が管理している場合もあります。
誰から許諾を得るのか(オフボーカル音源を使用する場合)
他人が制作したオフボーカル音源や伴奏音源を使用する場合は、少なくとも次の権利者を確認する必要があります。
- レコード製作者
- レコード会社
- オフボーカル音源の制作者・配布者
- 録音に参加した歌手、演奏者などの実演家
- 編曲者
- そのほか、音源の権利を正式に管理している者
オフボーカル音源の配布者が、元曲の歌詞やメロディーについて許諾する権限まで持っているとは限りません。
そのため、オフボーカル音源の配布者から使用許可を得ていても、それだけで元曲全体についてScratchで使用できるとは限りません。
許諾として不十分な可能性があるものの例
次のような表記だけでは、Scratchで必要となる利用範囲まで許可されているとは限りません。
- 「非商用利用OK」
- 「歌ってみたに使ってOK」
- 「自由に使ってOK」
- 「個人利用ならOK」
- 「クレジットを書けばOK」
- 「収益化しなければOK」
- 「動画サイトへの投稿OK」
これらの表記がある場合でも、Scratchでの公開、他の利用者によるリミックスや改変、派生作品の作成、Scratch側による利用まで許可されているかを、別途確認する必要があります。
Q5 権利者には、どのようなコメントを送ればいいですか?
A5 以下のテンプレートを使用できます。
ただし、相手がすべての権利を管理しているとは限らないため、許可できる範囲と、別途確認が必要な権利者がいるかどうかも確認してください。
| + | お問い合わせのテンプレート |
なお、1から8までのすべてを、必ず同じ相手から許可してもらえるとは限りません。1から8まで全ての許可を得てからスクラッチで使うことができます。
重要なのは、Scratchで必要となる利用範囲について、誰がどの範囲を許可できるのかを確認することです。
また、権利者とのやり取りは、後から確認できるように、メッセージやメールなどを保存しておくことをおすすめします。必要に応じて、会話のスクリーンショットを保存しておく方法もあります。
Q6 「元曲の歌詞やメロディーを使って歌唱・演奏すること」「その歌唱・演奏を録音すること」「録音した作品をScratchにアップロードすること」「Scratch上で作品を公開・共有すること」「他の利用者が作品を再生すること」「他の利用者が作品を使用、複製、改変、リミックスすること」「派生作品を作成・公開すること」「Scratch側が作品を利用すること」「歌詞やメロディーを変更すること」「編曲すること」「翻案すること」「替え歌・翻訳を行うこと」「変更後の作品をScratchで公開すること」とありますが、具体的にはどのような意味ですか?
A6 一般的には、次のような意味です。
【1. 元曲の歌詞やメロディーを使って歌唱・演奏すること】
元曲の歌詞を歌ったり、元曲のメロディーを歌ったり、楽器で演奏したりすることです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- 元曲の歌詞をそのまま歌う
- 元曲のメロディーに合わせて歌う
- 元曲のメロディーをピアノやギターなどで演奏する
- 元曲の歌詞やメロディーを使って弾き語りをする
歌詞は言語の著作物、メロディーは音楽の著作物として保護されることがあります。
自分の声で歌ったり、自分で楽器を演奏したりしても、元曲の歌詞やメロディーを利用している点は変わりません。
【2. その歌唱・演奏を録音すること】
自分で歌った声や、自分で演奏した楽器の音を、音声ファイルなどに記録することです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- 自分で歌った声を録音する
- 自分で演奏したピアノやギターを録音する
- 歌と伴奏を一つの音源にまとめる
- 録音した音源を編集、加工、ミックスする
録音された歌唱・演奏には、元曲とは別に、その録音物や実演に関する権利が発生する場合があります。
自分の歌唱や自分の演奏については、自分が権利を持つ部分が生じます。しかし、元曲の歌詞やメロディーに関する権利まで、自動的に自分が持つことになるわけではありません。
また、他人が制作したオフボーカル音源、他人の演奏、CD音源などを使用する場合は、その録音物について別の権利者がいる可能性があります。
【3. 録音した作品をScratchにアップロードすること】
作成した音声ファイルやScratchプロジェクトを、Scratchのサービスに送信して投稿することです。
自分のパソコンやスマートフォンの中だけで録音している状態から、Scratchにファイルをアップロードする状態になるため、単なる私的利用とは区別して考える必要があります。
アップロードすることで、Scratchのサービス上で保存、処理、表示、再生などが行われる可能性があります。
【4. 録音した作品をScratch上で公開・共有すること】
自分だけが利用できる状態ではなく、他のScratch利用者が作品を見たり、音源を聴いたりできる状態にすることです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- プロジェクトを「共有」状態にする
- 他の利用者が作品のページを開けるようにする
- プロフィールやスタジオなどで作品を紹介する
- Scratch上で作品を公開する
Scratchにアップロードしただけで、一般公開されない場合と、共有して他の利用者が見られる状態にする場合では、利用範囲が異なることがあります。
【5. Scratch上で他の利用者が作品を再生すること】
他の利用者がScratchのプロジェクトを開き、作品内の歌や伴奏を聴くことです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- プロジェクトを開いて音源を聴く
- 作品を再生する
- 作品を操作している間に音源が流れる
- Scratch上で作品の音声を再生する
投稿者本人が聴くだけでなく、不特定または多数の利用者が聴ける状態にするため、他の利用者による再生も許可できるかを確認する必要があります。
【6. Scratch内で他の利用者が作品を使用、複製、改変、リミックスすること】
Scratchには、共有されたプロジェクトをもとにして、他の利用者がリミックス作品を作成できる仕組みがあります。
ここでいう「使用」とは、作品や音源を、他のScratch作品の一部として利用することです。
「複製」とは、作品や音源の全部または一部をコピーすることです。
「改変」とは、作品や音源の内容を変更することです。
例えば、次のような変更が含まれます。
- 音量を変更する
- 音声の長さを変更する
- 音声の一部を切り取る
- 音声の速度や音程を変更する
- 画像やプログラムを変更する
- 歌詞や構成を変更する
「リミックス」とは、元のScratchプロジェクトをもとにして、別の作品を作成することです。
例えば、次のような利用が考えられます。
- 歌ってみた音源を別のScratch作品で使用する
- 音源の一部を別の作品で使用する
- 別の音源や映像を追加する
- 元のプロジェクトの画像やプログラムを変更する
- 元の作品をもとに別の作品を公開する
【7. Scratch内で作品をもとに派生作品を作成・公開すること】
元の作品をもとに、内容を変更した別の作品を作り、それをScratch上で公開することです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- 元の歌ってみた音源に別の映像を付ける
- 音源を使って別のアニメーションを作る
- 元の作品に別の歌や楽器を追加する
- 元の作品を編集して別バージョンとして公開する
- 元の作品を使ってゲームやアニメーションを作る
「他の人が自分の作品を聴ける」という許可だけでは、他の人がその作品を編集したり、別の作品として公開したりすることまで許可されているとは限りません。
そのため、リミックスや派生作品の作成・公開についても確認する必要があります。
【8. Scratch側が、利用規約の範囲で作品を利用すること】
これは、Scratchのサービスを運営する側が、サービスを提供するために投稿作品を扱うことについてです。
例えば、次のような利用が考えられます。
- Scratchのページに作品を表示する
- サーバー上で作品を保存する
- 利用者が作品を再生できるようにする
- サービス上で作品を送信、配信する
- バックアップや技術上の理由で作品を複製する
- Scratchの機能に合わせて作品を変換する
- 作品を紹介する
- 規約に定められた範囲で、サービスの改善や宣伝に利用する
- 規約に定められた範囲で、AIモデルの訓練などに利用する
Scratchの利用規約に、作品の改変、配布、広告利用、AIモデルの訓練などが含まれている場合は、そのような利用も許可できる権利を持っているか確認する必要があります。
また、オフボーカル音源の配布者が持っている権利と、原曲の作詞者・作曲者などが持っている権利は別の場合があります。
そのため、オフボーカル音源の配布者が、原曲やScratch上での利用全体について許可できる権限を持っているとは限りません。
【9. 歌詞やメロディーを変更すること】
元曲の歌詞やメロディーを、元の内容から変更することです。
例えば、次のような変更が含まれます。
- 歌詞の一部を書き換える
- 歌詞を別の言語に翻訳する
- メロディーの一部を変更する
- 音程やリズムを大きく変更する
- 元曲にない歌詞を追加する
- 歌詞の順番や構成を変更する
単に歌い方や演奏方法を少し変えるだけで、必ず法律上の「歌詞やメロディーの変更」に当たるとは限りません。
しかし、歌詞やメロディーそのものを別の内容に変更する場合は、元曲を利用するだけでなく、元曲を改変または翻案していると判断される可能性があります。
【10. 編曲すること】
元曲を、別の楽器編成や別の音楽的な形に作り変えることです。
例えば、次のような利用が考えられます。
- 原曲をピアノソロ用に大きく作り変える
- ロック曲をジャズ風にアレンジする
- 伴奏や間奏を新しく作り直す
- 曲の構成を大幅に変更する
- 原曲とは大きく異なるテンポやリズムにする
- 楽器編成を大きく変更する
ただし、自分で簡単なコードを弾きながら歌うことが、必ず法律上の「編曲」に当たると断定できるわけではありません。
どの程度変更したか、元曲の表現がどの程度残っているかなどによって判断が変わります。
また、他人が作ったピアノアレンジや楽譜を使用する場合は、原曲とは別に、そのアレンジや楽譜について権利が発生している可能性があります。
【11. 翻案すること】
元の作品の表現や内容をもとに、別の表現や作品に作り変えることです。
例えば、次のような変更が含まれる可能性があります。
- 歌詞を大幅に変更する
- メロディーを変更する
- 元曲を別の物語に作り変える
- 音楽を映像作品や劇など、別の形式の作品に作り変える
- 元曲の特徴的な表現を残したまま、別の作品として構成する
「翻案」は法律上の広い意味を持つ言葉です。
そのため、すべてのカバー、アカペラ、弾き語りが必ず翻案に当たるという意味ではありません。元曲をどの程度変更しているかが重要になります。
【12. 替え歌や翻訳を行うこと】
替え歌とは、元曲のメロディーを使いながら、歌詞を別の内容に変更することです。
翻訳とは、元の歌詞を別の言語に置き換えることです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- 元曲の歌詞を別の内容に変更する
- 自分や他人の名前を歌詞に入れる
- 日本語の歌詞を英語にする
- 英語の歌詞を日本語にする
- 歌詞を面白い内容や批評的な内容に変更する
替え歌や翻訳では、歌詞の著作物を変更するため、通常の歌唱・演奏とは別に確認が必要になることがあります。
特に、元の歌詞や作者の名誉、意図、作品の同一性を大きく損なう変更を行う場合は、著作者人格権が問題になる可能性もあります。
【13. 変更された作品をScratchで公開すること】
歌詞、メロディー、編曲、翻訳などを変更した作品を、Scratchに投稿し、他の利用者が見たり聴いたりできる状態にすることです。
例えば、次のような利用が含まれます。
- 替え歌をScratchで公開する
- 翻訳した歌詞で歌った作品を公開する
- 大幅にアレンジしたカバーを公開する
- 元曲をもとにした別バージョンを公開する
- 元曲をもとにした映像作品やゲームを公開する
変更することについて許可されていても、変更後の作品をScratch上で公開することまで許可されているとは限りません。
反対に、公開だけが許可されていて、替え歌や大幅な編曲、翻訳、派生作品の作成までは許可されていない場合もあります。
そのため、変更の可否と、変更後の作品をScratchで公開・共有できるかどうかは、分けて確認する必要があります。 ※このQ&Aは、Scratchの利用規約と著作権に関する一般的な整理です。楽曲や音源ごとに権利関係は異なるため、最終的な判断が必要な場合は、権利者または著作権に詳しい専門家へ確認してください。