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主導権はどっち?

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主導権はどっち?


かっこ唯×クール澪SS
【主導権はどっち?】

ベッドに寝転がりながらパソコンに向かっている彼女の名を呼んだ。

「ねぇ。澪ちゃん」

「……」

けれど、返事はなし。

「ねぇ、澪ちゃんってば」

「……」

めげずにもう一回呼んでみるも反応はまるでない。

「もう、ねぇってばー」

ちょっぴり頭にきたので身近にあったクッションを投げつけた。
綺麗な弧を描いて澪ちゃんの後頭部にぽすんとぶつかる。

「痛っ…唯、何か呼んだ?」

いえい、ナイスショット。
三度目でようやく気づいてもらえた。

「さっきからずっと呼んでるよ。それなのに澪ちゃん気付かないしさ」

「ごめんごめん、ヘッドフォンの音量大きめにしててさ。それで聞こえなかったんだよ」

「んもぅ。せっかく二人っきりだっていうのにさ。もう少し私の相手をしてくれてもいいんじゃないかなぁ?」

「言っておくけどそれはこっちの台詞だぞ。私の部屋に着くなりベッドにダイブして寝てたのはどこの誰だったかな」

「だって澪ちゃんのベッド広いしふかふかだからダイブしたくなるんだよ。それに布団とか枕から澪ちゃんの匂いがしてつい…ね?」

「…へぇ。ここに本物がいるのに唯はベッドの匂いで満足するんだな」

ニヤリと意地の悪い笑み。

「む。澪ちゃんだって人のこと言えないでしょ」

こちらも負けじと言い返す。

「なんで?」

「ヘッドフォンで聞いてたのって学園祭のライブ音源でしょ?」

「……」

無言。
答える気はないみたい。

「しかも私のMC部分。だよね?澪ちゃんこそ私の声の音源だけで我慢できるの?」

「さぁ、どうだろうな?」

視線を反らす。
あくまでも認める気はないんだね。

「あーごまかしたなぁ。いいよ、今確認してやるんだから」

それなら確かめればいい。
澪ちゃんのヘッドフォンを奪えば分かることだよね。

「ちょっ、やめろって」

すかさずパソコンの電源を切ろうとスイッチに手を伸ばすけれど、澪ちゃんはヘッドフォンを奪われないよう抵抗するので精一杯。

「ほらぁ、パソコンの電源落とすの禁止ー」

「そっちこそヘッドフォン引っ張るのはなしだって」

…と、もみくちゃになっていると。

ブチン

『みんなありがとー!』

ヘッドフォンのコードが抜け、大音量で聞こえてくる音と声。

「…あ」

「…あ」

大音量に気をとられていたらぐらりと身体が傾く。

「わわっ」

「うわっ」

どすんと大きな音をたててベッドから落ちた。
澪ちゃんが下敷きになってくれたお陰で痛くはなかったけれど。

「……」

「……」

上半身だけ起こして澪ちゃんを見下ろすと目が合った。

「…へへ、つかまえた」

「はぁ。つかまえられたよ」

私は笑顔、澪ちゃんは諦め顔。

「しかも私の勝ちだね。やっぱりMC聞いてたんじゃん」

「はいはい負けた負けた」

「じゃあ澪ちゃんに勝ったし、今日は私が上ね?」

「…好きにしてくれ」

「へへーじゃあ勝利のキ」

「ちょっと待った」

顔を近付けようとしたら待ったの声。

「もう、なにー?」

「フローリングだと背中が痛いんだ。するならベッドで、な」

―ベッド移動

「よしじゃあ今度こそ。澪ちゃんに勝利のちゅー」

ベッドに澪ちゃんを寝かせるとその上に覆い被さった。
寸止めされた分、抑えが効かないのはしょうがないよね。

「こら、がっつくなって――ん…っふ、ん…っ」

澪ちゃんの唇を自身の唇ではむはむと柔く食む。
うん。相変わらず柔らかい。

「はむ…、ん…ちゅっ。ん…ふ…っ、んむ…」

「ん…、ふ…っん…ちゅ…」

柔らかさを堪能した後は深い深い口付け。
絡めて、溶けて、交わって。
ずっとこうしていたいくらい。


「んぅ、ん…ちゅ……ぷはっ。んふふー」

「全く、唯は相変わらずキスが好きだな」

「だって澪ちゃんの唇が美味しいんだもん。澪ちゃんだってキス好きでしょ?だから、もっとしよ?」

これだけじゃ満足なんかしない。
もっと触れ合いたい。
もっと溶け合いたい。

「そりゃあもちろん。望むところだ」

「ふふ…そうこなくちゃ。それじゃあ遠慮なく」

澪ちゃんが首の後ろに手を回して私を誘う。


―夜はこれからだもんね?

ギシリ、とベッドが深く沈んだ。

 -END-

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