ゆっくりいじめ系46 古き良きゆっくり見スタイル

古き良きゆっくり見スタイル

深夜。俺は、パソコンに向かって頭を抱えていた。俺は小説家なんだけど、締め切り前だというのに原稿がまったく進まないのだ。今月落としたら生活費がいよいよやばい。
そんな俺の苦悩をよそに後ろではゆっくり霊夢が、ボリボリムシャムシャとお菓子を食い散らかしながらゆっくりしている。
このゆっくり、元は友人が飼っていたものだ。
ある日、その友人が旅行に行くからということで俺が留守中預かることになったのだが、その友人はゆっくりを残して旅行から帰って来なかった。
莫大な借金を抱えて夜逃げしたのだ。置いていかれてかわいそうになあ、と思い最初は同情したものだが、すぐに何故コイツが置き去りにされたのかわかった。
食う量が半端ないのだ。一人でならそこそこやりくりできる程度の収入はあったが、こいつが来てから食費がかさんで毎月ギリギリだ。そのくせ、食い物の食い方は汚いわ、
朝は毎日5時に起こしに来て、「ゆっくり!はやくごはんのよういしてね!」とか言うわ、コイツが来てから三ヶ月になるが、いい加減うんざりしてきていた。
なんで今ゆっくりがこんな遅くまで起きて、食べかすを撒き散らしながらソファの上でボインボイン跳ねているのかというと、俺が仕事が終わったら遊んでやると約束した
からだった。
「むーしゃむしゃ!」
「はやくしてね!ゆっくりできないよ!」
口のまわりに食べかすを散らかしながら言う。あーはいはい。人の気も知らないで。
今日はこんなもんにしとくか、フウ、と一息ついた所へ、背後からガシャンという音が聞こえた。振り向くと、花瓶が割れていた。カーペットが水でぐしょ濡れだ。
「なにやってんだ!」
思わず怒鳴る。
「ゆっ、れいむはわるくないよ!」
「かびんがかってにたおれたよ!」
そういって跳ね回るゆっくりの口には、花瓶にさしていた花がぐしゃぐしゃになって咥えられていた。お菓子を食い尽くしたので、花瓶の花を食おうとしたのだ。
俺は深ーいため息をつくと、部屋を出て雑巾とちりとり、箒を取りに階段をおりて一階へ向かった。

二階の部屋に戻ると、ゆっくりが俺の机の上に乗ってパソコンに向かい、キーボードの上でバインバインとはねていた。
「れいむもおしごとできるよ!」
嫌な予感がした。箒とちりとり、雑巾を置いてパソコンに近づくと、ディスプレイは黒く沈んでいた。電源が切れている。
偶然、強制終了コマンドが押されてしまったのだ。まさか。まさかとは思うが。祈るような気持ちで電源を入れる。ヴィーン、カタカタカタ……てろりろん♪
はたして、俺の原稿のデータが全てとんでいた。
「れいむがおしごとしたからあそべるよ!」
と得意げにゆっくりがポインポインと跳ねながら俺に話しかける。が、俺はショックで固まっていた。
「ゆっくりしようよ!」
「だまってないではやくあそんでね!」
と何度騒ぎ立てても、反応のない俺に、ゆっくりはとうとう怒りだし、俺に体当たりを始めた。
「いいかげんにしてね!れいむとゆっくりしていってね!」
 バスッ。
「やくそくやぶらないでね!」
 ドスッ。
「はやくあやまってね!」
 バスンッ。


 ―プツン―


俺はゆっくりを両手で引っつかみ、そばにあった金属製の、円筒形をした小さなゴミ箱に思いっ切り叩き込んだ。バスン。
「ゆ゛う゛ぅう!?」
ゆっくりの頭がズッポシとゴミ箱にはまる。だが、ゴミ箱の口はゆっくりの体より少し小さかったので、ゆっくりの体は途中で詰まり、
プヨッと顎の部分だけが外に出た状態になった。目深に帽子をかぶりすぎたクリフトを想像してもらいたい。
「まっくらだよ!」
「せまいからはやくだしてね!」
と騒ぎ立てる饅頭を、全体重をかけてゴミ箱の中に足で無理やり押し込む。ギュウウウウウ。ギチギチギチギチ…。
「ぶぎゅううううごっぉごぐぅうううぅ」
ゆっくりとは思えない切迫した声をあげる。ゴミ箱いっぱいにゆっくりの体が充満してビッチビチのギッチギチな状態になるまで何度も何度も踏みつけた後、
ガムテープでゴミ箱の口を何重にもグルグル巻きにして密封した。
「……!……!」
前も見えない、声も出せない、パニックに陥ったゆっくりがゴミ箱ごとドズッ、ドズッと部屋中を跳びはね回る。俺はそのザマを見てひとしきり笑ったあと、
「ドンドンうるせーんだよ!」
と跳ね回るゴミ箱を蹴り上げた。バァァァン!と近所の人々が全員起きてしまいそうな音を上げて激しく壁に激突し、ドスン、と床に落下。
落下したゴミ箱は床をゴロゴロと転がり始め、ゴロゴロ転がって俺の部屋を出て、ゴロゴロ転がって階段までたどり着き、
ガン、ガン、ガンと階段を一段降りるごとに賑やかな音を立てて一階まで転げ落ち、一階の玄関のドアにガシャンとぶつかってやっと止まった。
うわあ。あんだけ転がされたら俺なら三日前の朝飯まで吐いちゃうね。もっともあの中にはゲロが出るスペースすらないだろうけど。
俺はスキップしながら一階まで降りていくと、ゆらゆら揺れているゴミ箱を拾い上げ、思いっきりシェイクしながら叫んだ。
「おーいゆっくり大丈夫かぁー!?もしもーし」
中身がビッチリ充満しているので、振っても何の音もしない。裏拳でガンガンガン、とノックしてみる。
「もしもーし、入ってますかぁー?聞こえてたら返事してくださーい」
無反応なのでガーンとゴミ箱を床に投げ捨てると、俺はゴミ箱をドリブルして廊下を走り回った。みさきくん、パースと言って壁にパス。ガイン。
「ゆっくりはともだちってかヒャッハー」俺は家中駆け回った。
結果、みるも無残な形にひしゃげたゴミ箱。これ、さすがに死んだかな?
いや、生きてるな。だってこの中にいたんじゃあどこにも餡子が漏れないもの。餡子が出ない限りゆっくりは死なないからな。ヒエー残酷。
この中、一体どうなってるだろう。物言わぬゴミ箱の中身を想像して俺はゾクゾクした。開けて確認してみたい衝動にかられる。けど、やめておく。
だって、儚月抄でゆゆ様が言っていたでしょう?昔の人は見えない月を想像して月見を楽しんだって。今の俺はその風流な心がわかるよ。
今夜はこのゴミ箱を抱き枕にして寝よう。いい夢が見れそうだ。


おわり(後半が書きたかっただけです)

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最終更新:2008年09月14日 04:59
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