ゆっくりいじめ系1512 都会派ありすの溜息

※これはfuku4125「都会派ありす、の飼い主の暴走」の続きです









虐待とは、自分の保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期間にわたって暴力をふるったり、世話をしない、いやがらせや無視をするなどの行為を行うことを言う。











「うん、そう。明後日、日曜日にまたそっち行こうと思うんだけど」

ありすが透明な箱に入れられて放置されるというお仕置きを受けたその日の夜。
女性はベッドに座って携帯電話で恋人と会話をし、ありすは日中何も飲まず喰わずだったため、女性に与えられたホールケーキとオレンジジースを夢中で口にしている。

「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~♪」

そんなありすの幸せそうな顔を見て顔をほころばせながら、女性は恋人に、日曜日そちらの家に行きたいという旨を伝える。

「やっぱさ、ゆっくりの扱いについてはそっちが大先輩だし。色々と聞きたいと思ってね」
『まぁ俺で答えられる範囲でなら。……それにしても、この間君に虐待趣味がバレた時はどうしようかと思ったよ』
「あの時は本当にビックリしたよ。でも、それのお陰かな。ありすの可愛い一面を発掘できたのは」
『発掘、ってもしかしてもう何かしちゃったとか?』
「うん、まぁ、軽い悪戯的なものを。あ、そうだビデオ撮ったんだけど日曜日持ってくよ」
『おっ、君がどんな事をしたのか興味あるねぇ。是非見せてよ』

今や恋人同士だけでなく、同好の士でもある二人の楽しげな会話を背景に、ありすは脇目もふらずに目の前のケーキにむしゃぶりつく。
この日はカチューシャを探した時と同様に、一日中叫んだり泣いたりを飲まず喰わずで行なったのだ。
女性が帰ってきた時の衰弱っぷりは尋常ではなく、そのため女性が用紙したお仕置きを乗り切ったありすへのご褒美兼回復用の、
あまあまなケーキは至高のご馳走なのだ。

そのありすの目尻には、雫がまだ残っていた。
それは日中泣いたことによる名残なのか、美味しい物を食べた事による感涙なのか、またはそれ以外の別の何かであるのかは、当人にも分らなかった。












土曜日はゆっくりの手荒な扱いに慣れていない女性は、いたずらもいじめも虐待も控えた。
ごくごく普通の、女性が虐待趣味に目覚める前の一日を過ごしたありすは、最近ゆっくり出来なかった事による精神的疲労を回復させていた。

そうして、平和な土曜日はあっという間に過ぎ去り、約束の日曜日がやって来た。
女性は先週と同様に、ありすをゆっくり持ち運び用バスケットに入れて公共交通機関を乗り継ぎ、恋人の男性の家へと向かう。

「やっ、思ってたより早かったね」
「あれ、何か不都合だった?」
「うん、まぁ先週までなら不都合だったね。まぁ入ってよ」

玄関先で女性を出迎えた男性は、言葉を濁しつつも女性を部屋へと招き入れる。
一方ありすはというと、バスケットの中で一週間ぶりにれいむに会えると期待に胸を膨らませていた。
廊下を渡りリビングへと入った女性は、そこにいた男性の飼っているゆっくりれいむの姿を見て、すこしのけぞってしまった。

「ゆ、ゆっくりしていってね」

「う、うわっ」
「あー、やっぱちょっと刺激的だった?」
「え、いや。ビックリしたけど、思ったほど抵抗は感じないや」
「やっぱ君資質あるね」

衰弱して、挨拶をした後はゆぅゆぅ浅い呼吸をするだけのゆっくりれいむから視線を外せないまま、女性はバスケットを床に置いてありすを取り出した。
ありすは早くれいむに会いたいと既に興奮状態だ。もちろん性的な意味ではない。
だが、バスケットから出てれいむを一目見た瞬間、ありすは信じられないものを目の当たりにしたかのような顔をした。

「ゆゆっ、れいむゆっくりしてい────ゆぅぅぅぅぅぅぅ!? れいむ゛どぼぢだのぉぉぉぉぉぉ!?」

ありすが驚愕するのも無理はない。
今のれいむの状態は髪の一部が剥げかかっており、皮も一部破れて餡子が見えており、残った顔もボコボコの歪な状態なのだ。
先週ありすが会った時の美ゆっくりの面影がまるでない。まさしく別人のようなのだ。
それでも、ありすはしっかりと目の前のれいむが先週会ったれいむと認識していたが。

「ゆぅ……ありす、ゆっくりしていってね」

体力も無いようで、先週のような元気な返事ではなく、弱弱しい返答を返すれいむ。
ありすは訳が分からず、れいむの周りをぴょんぴょん跳ねながら、

「れいむっ、れいむっ、ゆっくりだいじょうぶ? いたいところあったらなめてあげるわっ」

と泣きそうな顔でれいむに優しく語り掛けていた。
女性はそんな二匹のゆっくりに顔を向けながらも、視線は男性に説明を求める。
もちろん、ある程度は予想がついてはいたが。

「いやぁ、ちょっとハッスルしすぎちゃって、修復が間に合わなかったんだ」

この飼いゆっくりれいむ、何を隠そう男性の虐待用ゆっくりなのだ。
男性は結構な虐待経験を持つベテラン(?)とも言える虐待お兄さんであり、虐待で傷つけたゆっくりの修復にも手馴れていた。
その実戦的な知識と手際は、今すぐゆっくり外科医が開けるほどの腕前であり、虐待を受けた後のゆっくりはむしろ虐待前より美ゆっくりになるほだ。

先週ありすが会った時も、れいむは男性の修復処理を施された後であり、作り物めいた美ゆっくりっぷりを誇っていたのだ。
そんな事は知らないありすは、以前会った時とは別人のように変わってしまった友人を必死で心配していた。
もちろん、命に別状は無い。

「さて、ゆっくり達は当人達で交友をとらせるとして、早速君のビデオを見せてもらおうかな」
「えっ、あ、うん」

女性は困り果てながられいむの周りを跳ねているありすを、名残惜しそうに見送りながら男性に促され別室へと移っていく。
それでもやはり気になるのか、部屋を出る際、携帯のカメラでありすとれいむの様子を撮影していた。
撮られた当人達はまるで気付いていなかったが。

「れいむっ、ここがいたいのね? いたいのいたいの、ゆっくりとんでけ~」
「ゆぅ……ありすありがとぉ……」













ゆっくり達が交友を深めているリビングとは別室。
そこは男性の虐待部屋であり、部屋の両側には透明な箱が数十個並んで積み重ねられており、中には衰弱したゆっくりが何匹か入っていた。

「う、うわっ!」
「ビックリした?」
「え、うん。ビックリした。生きてるの、これ?」
「思ったよりビックリしてないなぁ……。まぁ生きてるよ。こいつらはれいむの補修パーツ用だけど」

なるほど、言われてみれば皮や髪が部分的に剥がれているなぁ、とついこの間虐待に目覚めたばかりとは思えない適応ぶりを発揮しつつ、
女性は部屋にあるテレビにビデオを再生する準備をしていった。
ふとテレビの下の収納部分を見てみると、『まりさ・水攻め』『ありす・すっきり禁止』『胴無しれみりゃ・無限再生コンボ』
などとタイトルの書かれたDVDが無数にあった。
きっと、女性と同じく自分の虐待を幾らか映像として残しているのだろう。

実を言うと女性のこのゆっくり十八禁的な状況に即座に対応できているのも、ありすが寝ている間や土曜日などに、ネットで幾らか情報収集をしていたせいもある。
虐待趣味を自覚した時から、少しずつではあるがその手の情報を集めようとしたのだ。
その際、虐待趣味の人がアップした虐待成果の画像や動画を視聴していたのだ。つまり初見ではない。
流石にネットで最初に見た時は抵抗を覚えたが、やはり資質があるのか二日目には慣れ始めている女性だった。

「はい、とりあえずはこんな物だけど」

と、女性は再生の準備が整ったものをテレビに映す

そこには透明な箱に入れられ、泣いて許しを請うありすの姿があった。

『おねぇぇぇざぁぁぁぁぁぁぁん!!!』
『悪いことするありすは、そこでゆっくり反省してね』

どうやら丁度女性が部屋を出て行くあたりのようだった。

『ごべんなざいぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!! あやまる゛がらゆっぐぢだぢでぇぇぇぇぇ!!!』

「おぉ、イキナリ魅力的な泣き顔だね。必死で搾り出している声もなんかゾクゾクするね」
「でしょ?」
「あぁ、恐らく君に依存しまくってるんだろうね。直に君から下された処置に心の底から泣いてるのが分るよ」
「一目でそこまで。流石ベテラン」

その後、途中早送りしつつも、二時間助けを求めて泣き、三時間力弱くめそめそと泣き、更にまた二時間ガタガタと暴れ、
更にまた三時間無い体力を振り絞って女性に助けを求めるありすを撮り収めた映像を、二人は仲良く鑑賞した。
















その頃、飼いゆっくり二匹はというと。

「ゆぅ、れいむしっかりしてぇ……」

ぺろぺろとありすがれいむの頬を舐めていた。
これは相手を労わる時のゆっくりの行動であり、本能的なもののため、他のゆっくりとあまり交流の無いありすも知っていることだった。
れいむのボコボコとした肌や破れて中の餡子が覗いている部分を重点的に舐め、傷を癒そうとするありす。

これにはせいぜい、痛い部分を手で押さえる程度の効果しかなく、やってもやらなくてもあまり違いは無い。
無いのだが、やはり精神的な慰めにはなる。少なくとも舐められている間は痛みが和らぐし、労わってもらっているという安心感も生まれる。
だからだろうか。日々の虐待からくるストレス、初めての虐待仲間じゃない他のゆっくり、そして飼いゆっくりのため美ゆっくりであるありす。
これらの条件が重なった状況で、れいむが発情したのは。

「ゆっ、ゆゆゆっ」
「ゆっ? れいむどうしたの? かおがまっかよ?」
「あっ、ありずぅぅぅぅぅ!!」

頬を上気させたれいむは、息を荒くしながられいむにのしかかるようにその体を押し付けた。

「だ、だめよれいむっ! ありすとれいむはまだあったばかりよっ!」
「ゆふうぅぅん、ありずぅぅぅぅぅ!!」
「れ、れいむだいたんだわぁぁぁぁぁ!! ぎ、ぎもぢいいぃぃぃ!!」

ありすは口では嫌がりながらも、迫ってくるれいむを受け入れる。
ありすは生まれてこのかた、すっきりをしたことがない。
相手がいるすっきりはもちろん、いわゆる自慰行為もしたことはない。
そのためか、無意識下ですっきりへの、憧れのようなものを持っていた。
それに加えて最近の、女性からのいじめによる精神的ストレス。

これらの理由と条件からか、ありすもまたれいむへと体を押し付けていった。
飼い主達は、今はいない。
この二匹を止める理由は、無いも同然であった。

「ゆふっ、ゆふぅぅぅぅぅ!!」
「ありずのはだ、どっでももぢもぢだよぉぉぉぉぉ!!」
「でいぶもどがいはよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!」

これがゆっくり基準の美的感覚でみれば、醜いゆっくりと美ゆっくりが頬を擦り付け合うという、一種の嫉妬のようなものが生まれかねない状況。
だが、ありすは見た目が変わった程度で誰かを拒んだり友達を裏切ったりしない性格の良いゆっくりだった。
そのため、たとえお世辞にも美ゆっくりとはいえないれいむにも、心からの愛情を持ってれいむとの行為に及んだのだ。










「「すっきりー!!」」










飼い主不在の部屋で、二匹の飼いゆっくりが揃って嬌声をあげる。

「ゆぅ、おねえさん、ありすすっきりしちゃったわぁ……」

初めてのすっきり経験に感慨深い声を出すありす。
やがてありすは、自分の内に出来たある違和感を認識する。それは、新たな命の芽生え。
胎生型にんっしんっ! をありすはしたのだ。

「あ、ありずぅぅぅぅぅぅ!!!」

れいむは、まだ足りないのかすっきりしたばかりだというのに、再び頬を上気させありすに頬をこすりつける。
ありすもまた、これまで長い間すっきりしてこなかった反動なのか、れいむを拒むことなく、自分もまた発情していった。

「で、でいぶぅぅぅぅぅ! ありずととかいはなすっきりしましょぉぉぉぉ!!」
「あ、ありずどっでもゆっぐぢだよぉぉぉぉ!!!」

二回戦、突入。















「それで、傷ついたゆっくりはオレンジジュースや砂糖水をかけてやれば高い自己再生能力を得て回復するんだ」
「えっ、そんな適当なの?」
「小動物並の大きさと防御力の低さだけど、ヒットポイントと回復力は高いんだよ」

映像を見終わったのか、陽が沈むころに飼い主二人はゆっくり二匹のいる部屋に戻ってきた。
二人が部屋に入ってみると、そこには二匹寄り添ってすやすやと眠るありすとれいむの姿があった。

「あらら、遊び疲れちゃったのかな」
「仲良しができてよかったねぇ、ありす」

寝ているありすの頬を軽く指で突付きながら、女性は微笑んだ。

この日の夕食は、男性の家で二人と二匹一緒に食事をすることになった。
先週は突然虐待趣味を知ってしまった女性が驚いて急いで帰ってしまったが、今週はもう知っているためそうはしない。
女性は人間用の料理、男性はゆっくり用の食事を用意する。

夕食が出来る頃、女性は二匹を起こし、二人と二匹は仲良く食卓について楽しげな晩餐を送った。

「「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~♪」」

この時、飼い主達は気づかなかった。
胎生型にんっしんっ! のため無理もなかったのだが、二匹ともその体の中に子を宿していたことに。













男性から色々とゆっくりに関する自分が知らなかった知識や、虐待法などを聞いた女性は、早速それを実践してみようかと思ったが、
日曜は疲れて風呂上りにはさっさと寝てしまい、月曜日の朝は寝坊してしまいありすの食事を用意するだけして家を出てしまった。
女性がありすの食事抜きという虐待を再び行なわなかったのは、ありすにとって不幸に繋がることとなる。
何故なら、それによってありすの腹の中の子供は死なず、ありすの中で大きくなったからだ。
食事抜きならば、子供に供給する栄養が足らずに子供は大きくならず、この日にんっしんっ! が露見することも無かっただろうに。

「ふぅ、ただいまぁ~」
「ゆっ、おねえさんおかえりなさい!」

夜、自宅に帰ってきた女性はぼよんぼよん、と玄関先に跳ねてきたありすを見て、ある違和感を覚えた。

「……ん?」
「ゆっ? おねえさんどうしたの?」
「ありす、ちょっとごめんね」

女性は自分の足元まで来たありすを持ち上げると、口の下、下顎のあたりを手の平でさすったり指の腹で撫でたりしてみた。

「ゆゆゆっ、おねえさんくすぐったいわ」

ありすはこそばゆいのか身を捩るが、女性はどう見てもありすの下顎が膨らんでいる事に気付いた。
まるで、中に何かが詰まっているかのように。

「ありす、太った?」
「ゆゆっ! おねえさんとかいはにそのことばはしつれいよっ!」

女性の手の中にいるありすが頬を膨らませてぷんぷんと怒るが、女性はそんなありすの可愛さにとろんと顔をほころばせた。

「ふふっ、ごめんねありす。でもありすのお腹、大きくなってるわよ?」
「これはふとったんじゃないわ! ありすのおなかにはあかちゃんがいるのよっ!」

空気が、凍った。
ような気配を、ありすは感じた。
ありすが放った何気ない一言。その一言で女性から冷水のようなオーラが立ち込めたのだ。

「……ゆっ? おねえさん?」
「ありす……その赤ちゃんって、誰との?」
「おねえさんのだーりんのおうちのれいむよっ!」

女性はまだ色々と知りたいことはあったが、相手さえ分ればれいむに質問するよりももっと質問するに相応しい相手がいると判断した。
女性はありすを抱えたままリビングに入ると、透明な箱の中にありすを入れる。

「ゆゆっ! おねえさんやめてっ! これはゆっくりできないわっ!」

嫌がるありすを無理矢理押し込み、体が少し大きくなったためすぐには閉まらない蓋をむりやり閉じさせる。
それによってありすの頭はまるでつぶれるように僅かに変形してしまった。

「ゆびゅっ! いぢゃい、ありずのあだまがぁぁぁぁぁぁ!!」

ありすは痛みに大声で喚くが、女性の住むマンションは各部屋の防音処理が優秀なため他所に迷惑はかけない。
女性はありすを透明な箱に収納すると、携帯で電話をかける。相手はれいむの飼い主である、男性だ。

「もしもし?」
『もしもし、多分電話してくると思ってた。ありすの事だろ?』
「うん。思ってた、ってそっちも?」
『やっぱり、両方身ごもってたか』
「そっちのれいむも赤ちゃん出来てたんだ」
『あぁ、さっき摘出した』
「てき──!?」

女性は男性が何気なく放った、おおよそ赤子に対して使うものではない言葉に息を呑んでしまった。

『あぁ、まぁこっちは虐待の名目が出来たから喜んでやっただけだけど、多分そっちは純粋なペット事情としてやるつもりなんでしょ?』

男性の質問に、女性は肯定の返事をした。
返事してから、女性は自分が最初からそのつもりであった事に驚いた。無自覚的にも虐待に慣れてきている。

「流石にゆっくりを二匹以上は飼えない、かな……。ゆっくりって結構ご飯食べるし」
『まぁね。一人暮らしの身でまともにゆっくりに食事与えたいなら一匹が限度かもね。育ち盛りになるともっと食べるし』
「そっちはゆっくりが二匹以上いた気がしたんだけど」
『あぁ、虐待のために体力をつけてもらうれいむ以外は生ゴミを与えるか食事抜きだよ』
「うわぁ、さらっと言うねぇ」
『じきに君も分るよ』
「まぁそれは置いておいて、私ゆっくりには麻酔が効かないっていうから避妊処理もしてないんだけど……」
『あぁ、それなら心配しなくていい。ゆっくりの避妊なんて自分でやる覚悟さえ出来てればご家庭で簡単に出来るよ』
「えっ、嘘」
『本当さ。じゃあ赤ん坊の摘出法と一緒に教えるね。まずは────』

「おねえざん、ゆっぐぢじでないでありずをごごがらだぢでぇぇぇぇぇぇ!!!」

ありすの助けを求める声をBGMに、女性は男性からありすへの処置法を聞く。
ありすは女性が自分に対する処遇について会話しているとは露とも知らず、狭苦しさと頭の痛みを訴えかける。
やがて一通りの情報を聞き終えた女性は、パタンと携帯をたたむとありすを透明な箱から出した。

「おねえざん、どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!!」
「どうして、はこっちの方よ。なんで内緒で赤ちゃん作っちゃったりしたの」

「ゆっ……」とありすは返事に窮した。
女性はありすを床に置いてやり、ありすの返答を待つ。

「あのね、ありすね、あかちゃんほしいな、っておもってたの」
「テレビで赤ちゃんゆっくりを見て?」
「そうよっ! あかちゃんはとってもゆっくりできるのよ!」
「それでれいむと?」
「そっ、それはれいむからせまってきたのよ!」
「でも拒まなかったんだ?」
「ゆぅ……だってれいむはおともだちだし、とってもきもちよかったし……」

「ふぅ~ん」と女性は途中から話半分に聞き、台所からスプーンを持ってきていていた。
俯きながら話していたありすはそれに気付かず、スプーンを持って女性が戻ってきた時にようやく気付いた。

「ゆゆっ? おねえさんすぷーんなんかもってきてどうしたの?」

女性はカーペットに正座すると、視線をありすに合わせるように屈んで、指先でありすの口の下あたりをつついてみた。

「ゆゆっ、おねえさんやめてねっ! ありすのおなかにはあかちゃんがいるのよっ!」

体をプルプルと震わせながら精一杯の声で言ったありすに、ふつふと虐待感情が芽生えた女性は、そのまま突付いていた指を這わせた。
産道を捜しているのだ。
男性から聞いた情報によれば、胎生型にんっしんっ! をしたゆっくりは生まれる時ではなくても産道が小さいながらも出来ているという。

「ゆゆゆっ、おねえさんくすぐったいわ」

女性が這わせる指によるくすぐったさに小さく身を捩らせるありすだったが、やがて女性に産道をみつけられた。
ここから始まる虐待革命。

「えぇと、ここね」
「ゆっ?」

女性は小さくて見逃しそうな産道を見つけると、そこに這わせていた指をめりこませるように突っ込んだ。
途端、ありすに走る激痛。

「ゆ゛っ、ゆぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!?」

体に異物が入り込むという、通常ではありえない痛みを体感するありす。
ありすがこれまで体験したことのある痛みといえば、せいぜいが暴れて椅子の足に頭をぶつけるか女性に頬をつねられたぐらいだ。
こんな、常識外れの激痛を体験したことなど無い。
痛みに慣れの無いありすが突然受けるには、あまりにも大きすぎる激痛だ。

「それで、スプーンを、と」

めりめり、とありすの産道に指を代わるようにスプーンを突っ込む女性。

「ゆ゛がびぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」

さっきよりも大きな異物が侵入する感覚に、更にありすは悶える。
いや、悶えるを通り越して暴れている。だが、それは女性の片手で難なく抑えられていた。
目は白目をむきかえており、歯は痛みをこらえるように全力で食いしばっている。
たださえ赤ん坊が生まれる時に産道を物が通る感覚は激痛だというのに、生まれる時より更に狭い産道を、赤ん坊より固い物が通るというのは想像を絶する痛みをありすに与えていた。

「おっと、行き止まりだ」

女性はスプーンを八割ほどありすの中に侵入させたところで、スプーンの先が何かに当たったのを感じた。
そこはゆっくりの赤ん坊がいる場所。生まれるまでの間ゆっくりの子供を守っている部屋だ。
そこの奥にスプーンの先端がコツコツとあたる度に、ありすに筆舌に尽くしがたい苦しみを与える。

「ゆびっ! ゆぶっ! ゆばっ!」
「えぇと、確かこれでグチャグチャってやってと」

女性はつまむように持っているスプーンの端を、高速で左右に動かしたり回したりする。
それにより、スプーンがありすの体の中を暴れまわることとなる。
最早文字で表現出来ぬ程の絶叫がありすから放たれる。
女性は覚悟していたよりも全然堪えない、むしろ心地よいとさえ思えるありすの叫び声を聞きながら、作業を進めていく。
ありすの体の中で暴れるスプーンは、ありすの中に生まれた子供をグチャグチャに潰していく。原型など残さずに。

「それで、掻き出す、っと」

女性はスプーンを持っていない方の手も使い、産道をこじ開けるとスプーンを使ってありすの中の、〝子供だったもの〟を掻き出していく。
スプーンで次々とありすの産道を通って外に吐き出されるのは、潰れた皮や餡子、カスタードクリーム。
そして、れいむ種の黒い髪と小さなリボン。ありす種の金髪と小さなカチューシャ。

「ゆ゛ぐびぃぃぃぃぃ!! や゛っ、やべ、ゆぐぅぅぅぅ!! やべでっ、ありずの、あり゛ずのあがぢゃんんんん!!!」

ありすは女性の手から逃れようと全力で暴れるが、力も無く手も足もないゆっくりでは相手にならず。
抵抗虚しく、ありすの中にいた子供は全て潰れた状態で外へと掻き出されてしまった。
スプーンが体から抜かれ、ようやく激痛から解放されるありす。それでも痛みの余韻からか、まだずきずきと体が痛む。
痛みに屈して突っ伏したありすは、目の前に、それを見てしまった。
自分の、子供だったもの。自分が産むはずだったものを。

「ゆっ……ゆあぁ……ゆああぁ……」

わなわなと、口を震わせ、痛みに泣いていた時とは違う涙がポロリと零れた。
ずっと、夢見ていた幻想。
子供の頃からテレビで見たゆっくり親子の幸せな姿。いつしかそれに自分を当てはめて見ていた。
ずっと、子供が欲しかった。家族が欲しかった。ゆっくりの、家族が。

ずっと他のゆっくりに会うことのなかったありすは、大きくなるにつれ更にその思いを募らせていった。
それが、叶うと思っていたのに。
初めて会ったれいむは、友達になってくれたばかりでなく、一緒に子供まで作ってくれた。
そんなれいむとの子供ならば、絶対に可愛い子供だろうと、期待に胸膨らませた。

女性が仕事に出ていた日中、ありすはずっと幸せな未来を夢見ていた。
自分とれいむに似た可愛い子供達と一緒に、幸せに暮らす未来図を夢想していた。
飽きることなくそんな事ばかり考えていたありすは、飼い主の女性にもそれを聞いてもらいたかった。

そんな幻想は、こうも無惨に、あっさりと殺された。


「ゆぐっ……ゆあ゛ぁぁぁぁぁ……」

ボロボロと珠の雫が零れる。
ひたすらに、悲しかった。
だが、そんなありすの心情を無視するかのように女性はありすの子供だったものを拾い上げると、無慈悲に生ゴミとして捨ててしまった。

「や゛っ……」

やめて、といいたかった口は痛みに衰弱しきったありすでは開くことは出来なかった。
すぐに夕食を作るからね、という女性の声も遠くありすはずりずりと這い始めた。
向かう先は、生ゴミを入れるゴミ箱。

無い体力を振り絞ってゴミ箱まで辿り着いたありすは、なけなしの体力を使ってジャンプし、わずかに蓋があいていたゴミ箱の端にくらいついた。
そのまま、自身の重みを使ってゴミ箱を倒す。
その勢いで、蓋が開き生ゴミがいくらか床にぶちまけられる。

「あがぢゃん……ありずの、あがぢゃん……」

ありすは床に広がる生ゴミを漁り、自分の赤ん坊だったものを探し始めた。
これでもない、あれでもないとゴミを掻き分けながら、ついに見つけた。
皮と、髪と飾りしか見つけられなかったが、自分の子供の残骸を。

「あがぢゃんが……ありずのあがぢゃんがぁぁぁぁ……」

ポタリとゴミの山に水滴が落ちる。
ありすは最早生ゴミと化した自分の子供の残骸に頬をこすりつけようとし

「こぉら、ダメでしょ」

女性に止められた。

「ゆぐっ!?」
「まったく、ゴミなんか散らかしちゃって」

女性はそう言ってありすを押しのけると、ありすの子供の残骸を拾い上げてゴミ箱を元の位置に起こす。
後に残ったのはありすの子供だったものを含まない、生ゴミ。

「おねえざん、やべで……ありずのあがぢゃん、もっでがないで……」
「ありす、それ食べて片付けなさい」
「ゆっ……?」
「ゴミを散らかす悪い子にはお仕置きです。その残った生ゴミを食べなさい」
「おねえざん、なにいっでるの……? ごみはたべられないのよ゛……?」
「いいえ、食べられるわ。ありすはゆっくりでしょ? ゆっくりはどんなものでも、口に入れて〝食べた〟と認識すれば自分の餡子に変換できるの。
 もちろんどんなに汚いものでも綺麗になるわ」

女性はありすに言い聞かせるようにそう言うと、ありすの頭を掴んで顔をグッとゴミに押し付けた。

「ほら、悪い子は反省なさいっ!」
「ゆぐっ、やべでぇ……ぐぢゃいぃ……」
「臭くない、臭くない、ほら食べる」
「い、いやぢゃ──」

バチン!

女性が生涯で二度目に放ったビンタが繰り出された。

「食べる!」
「は、はい゛ぃぃぃぃぃ……」

子を失ったありすにそれ以上反抗できる意志もなく、初めて女性を怖いと感じたありすは渋々と床に広がった生ゴミを口にしはじめる。
臭い。不味い。ゆっくりできない。
涙をボロボロと流しながら必死で口に入れるありす。吐き出しそうになるもその度に女性がそれを無理矢理口に押し込んだ。

「ゆべぇぇぇぇぇ……」
「ほらほら、これで最後だから!」

最後のゴミを無理矢理口に押し込まれ、咀嚼させられたありす。
ようやく終わったと安堵する間もなく、今度は透明な箱に押し込められた。

「ゆぶっ……おねぇざん?」
「勝手に赤ちゃん作っちゃうありすにはお仕置きです」

女性はありすを入れた透明な箱を、冷蔵庫にしまった。

「おねぇ、ざん……?」
「はい。今夜だけ赤ちゃんと一緒にいさせてあげる」

ベチャリ、と何かが透明な箱の外壁にはりついた。
それは、ありすの子供の残骸。死骸。生ゴミ。
ありすは息を呑んだ。見るも無惨な我が子の死体を見て。

「今夜一日、そこで頭を冷やしなさい」

そう言って冷蔵庫の扉を閉める女性に、ありすは問うた。

「おねぇざん……どぼじでごんなごどずるの……?」
「どうしてって」

女性は一瞬手を止めると

「ありすが可愛いから♪」

笑顔でそう答え、冷蔵庫の扉を閉めた。









つづく



───────────



これまでに書いたもの

ゆッカー
ゆっくり求聞史紀
ゆっくり腹話術(前)
ゆっくり腹話術(後)
ゆっくりの飼い方 私の場合
虐待お兄さんVSゆっくりんピース
普通に虐待
普通に虐待2~以下無限ループ~
二つの計画
ある復讐の結末(前)
ある復讐の結末(中)
ある復讐の結末(後-1)
ある復讐の結末(後-2)
ある復讐の結末(後-3)
ゆっくりに育てられた子
ゆっくりに心囚われた男
晒し首
チャリンコ
コシアンルーレット前編
コシアンルーレット後編
いろいろと小ネタ ごった煮
庇護
庇護─選択の結果─
不幸なゆっくりまりさ
終わらないはねゆーん 前編
終わらないはねゆーん 中編
終わらないはねゆーん 後編
おデブゆっくりのダイエット計画
ノーマルに虐待
大家族とゆっくりプレイス
都会派ありすの憂鬱
都会派ありす、の飼い主の暴走

byキノコ馬


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最終更新:2022年01月31日 03:26
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